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遊悠音詩人 さんのレビュー一覧 

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     2013/01/29

    精神疾患により夭折したマリオ・ランツァ晩年の貴重な遺産。張りのある中に包容力を感じさせる独特の声で、イタリア歌曲を歌いつぐ。オーケストレーションも面白く、やや時代がかった感じもするが、マンドリンの音色が心地好く、聴き手を遥か異国へと誘ってくれるようだ。録音も優秀で、ゴージャスだ。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/29

    さすがミュンシュ、燃焼度が違う。沸き立つような興奮で聴き手を酔わしてくれる。それを雑と取るかいなかは聴き手の度量次第。変にお行儀よくこじんまりしているより、こちらの方が遥かに生命力を感じさせる。特に《グレート》の終楽章は白眉!前進する力が素晴らしく、思わず身体が高揚する。音質も良好だ。

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     2013/01/26

    驚異のハイC連発!《家庭交響曲》の終楽章は、金管の技の見せ所だが、これが恐ろしいほど完璧に決まる!その爽快感は他では得られない。勿論、各楽章におけるモティーフの提示や展開も長けていて、リヒャルトならではの管弦楽法の妙が、優秀な録音も相俟って面白いくらいに味わえる。《町人貴族》もユーモア溢れる作品で、シカゴ響の妙技が冴える。

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     2013/01/26

    巷では、ブラームスの《ドッペル》といえば断然オイストラフ&ロストロポーヴィチ盤だと言われている。しかし、どうもロシア訛りというか脂っこいところがあって、個人的にはイマイチ好きになれない。だいいち、録音が割れるし篭るしよろしくない。ではハイフェッツ&ピアティゴルスキーはというと、さすがハイフェッツらしい速めのテンポでスッキリしているが、ブラームスならではの陰りが消え、如何にもあっさりし過ぎているとしか言えない。個人的には、やはりシュナイダーハン&シュタルケル盤を筆頭に据えたい。オケはフリッチャイ&ベルリン放送響だが、ブラームス特有のロマンティシズムがよく現れていてオススメである。

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     2013/01/26

    世紀末的な倒錯とか分裂的性向などとは無縁な、健康的なマーラー。これがマーラーかと言われれば、違う気がしてならない。しかし、とかく暗さを誇張される余り精緻なオーケストレーションの妙を蔑ろにされがちだったかつてのマーラー演奏の中では、特異かつ現代的な解釈と言えよう。今日においてようやく、バーンスタインやテンシュテットに代表される感情優先型の演奏から脱却しつつあるが、ライナーは半世紀も昔からその路線を行っていたのである。リヒャルト・シュトラウスから直々に教えを受け、当時の時代様式を吸収していたライナーの面目躍如と言えよう。

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     2013/01/25

    「俺のやりたいようにやる」というのは、時として傲慢だったり厭味だったりする。だがストコフスキーは、まさにそんな我流で聴き手を酔わせることに成功した人だ。《ハンガリー狂詩曲》など、冒頭からしてコテコテだが、これが何ともツボに嵌まっているから不思議。《モルダウ》も、小学生の音楽鑑賞で聴かせてしまったら有らぬ先入観を抱かれてしまうかも知れない位、濃厚な表現だ。録音も、ややオン過ぎる嫌いもあるが優秀だ。

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     2013/01/25

    杓子定規な演奏がいかにつまらないかを教えてくれるような《新世界》だ。名盤として名高いクーベリックやノイマン、アンチェルなどは、細やかなニュアンスや間合いによって、和声の微妙な変化や、それに伴う心情の変化がよく分かる。音の空気感すら変わっていくのが分かるのだ。これが、ドヴォルザークの望郷の念と二重写しになって、聴き手に感銘を与えるのである。しかし、ライナーはどうも通り一辺なのだ。確かに正確無比で一見非の打ち所がないのだが、何かが決定的に欠落しているのだ。ひょっとしたらそれこそが、音楽に最も必要なエッセンスなのかも知れない。

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     2013/01/25

    驚異的な音質!スピーカーがはち切れるほどのアグレッシヴなサウンド!オケの魔術師=レスピーギだからこそ、録音が悪ければお話にならない。最近の収録なのにショボい音のCDが何故か推薦盤ということもある中、1959年の録音が抜きん出てしまった。演奏もこれまた秀逸で、シカゴ響の機能美全開。《松》の最後、どこまでも伸び行き、しかもうるさくならない金管に、興奮しない人があるだろうか。《噴水》の光彩陸離たるスペクタクルも、優秀録音と演奏の相乗効果の賜物。

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     2013/01/25

    スピーカーから飛び出さんばかりのアグレッシヴ・サウンド!これが1957年収録とは驚きだ。録音が優秀なら演奏もこれまた優秀で、オケの能力全開。トランペットの完璧なタンギングといい、パーカッションの地響きのような打ち鳴らしといい、非の打ち所がない。カップリングも秀逸。《禿山》の迫り来る力感と驚異のアンサンブル。一方で《小行進曲》では愛らしい一面も見せる。あの恐持てのライナーが、どんな姿で振ったのだろうか。

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     2013/01/25

    ピッチを正確に鳴らしてナンボの昨今のヴァイオリン界にあっては、ハイフェッツはややするとぶっきら棒に聴こえてしまうかも知れない。まして、ベートーヴェンとメンデルスゾーンというメロディアスな作品ならば、何もそんなに弾き急がなくてもよかろうに、と思ってしまうだろう。個人的には、ベートーヴェンなら中庸を行くシェリングや美音のズスケ、メンデルスゾーンなら甘やかなイーゴリ・オイストラフなどを推す。だが、キリリと冴え渡った音で一気呵成に鳴らす中に、ふとしたニュアンスの妙を聴かせるハイフェッツも、これはこれで充分に評価できる。音質も良好。

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     2013/01/25

    XRCDやESOTERICなどで超高音質なCDをプロデュースしている杉本一家をして、屈指の名録音と言わしめた、ステレオ最初期の名盤。これが1954年の収録とは驚くほかない。ステレオ録音は、登場とともに完成されていたのかもしれないとさえ思わせる。演奏も、ライナーならではの歯切れの良いもので、リヒャルトを得意とした彼の面目躍如たるものだ。

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     2013/01/25

    ピッチを正確に鳴らしてナンボの昨今のヴァイオリン界にあっては、ハイフェッツはややするとぶっきら棒に聴こえてしまうかも知れない。しかし、一見速いだけの演奏から、細やかなニュアンスの妙が聴ける。胸のすくアッチェレランド、絶妙な間合い、なかんずくふとしたところに現れるポルタメントなどを聴けば、ハイフェッツが単なる技巧一辺倒では決してないことが分かるだろう。殊にチャイコフスキーは、同世代ならオイストラフと双璧を成す名盤であり、歯切れのよさやアグレッシヴなテンションの高さは、オイストラフもかくやと言うべき出来だ。

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     2013/01/25

    ウィーンの名演が、フリルを揺らす女性を想起させるとすれば、ライナーの演奏は、さながらスタイリッシュに燕尾服を着こなす男性といったところか。独特のテンポの揺れなど皆無の、三拍子はどこまでも三拍子だと言わんばかりの、ある意味では杓子定規な演奏だ。しかし、その中にも抜群の格好良さを見せる。オケの機能美の勝利。

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     2013/01/25

    後年のEMI録音に見られるノーブルさは皆無。それをアグレッシヴと取るか雑と取るかは、聴き手の感性と度量次第。これがミュンシュの個性だ。黎明期のステレオ録音が、サウンドに拍車をかける。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/19

    マルティノンのエスプリ溢れる名演が、廉価で手に入れられる喜び!往年のフランスのオーケストラの典雅な響きを堪能出来る名盤だけに、今日に至るまでに何度かリマスタリングを繰り返されている。筆者はGEMINI盤、ART盤、HS2088盤と本盤を聴いてきたが、本盤は最もフランス印象派的色彩が現れているといえる。GEMINI盤は高音域偏重の耳障りな音に変質しているし、ART盤は逆に重苦しい音である。HS2088盤は、某掲示板で散々にこき下ろされているOkazakiリマスターであり、特にボレロの後半は音割れの大乱舞となり、到底聴けたものではない。もっとも、本盤のリマスタリングも、ラヴェルが88年、ドビュッシーが98年に施工されたものであり、決して最新盤のようにはいかないし、時折、音場の不自然さを感じることもある。だが、他のリマスター盤と比べたら格段に安定している。それがこの破格値で手に入るのだから、マストバイだろう。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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