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シュタイナー さんのレビュー一覧 

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2024/02/23

    今や入手困難な「セブンシーズ盤」のワルターのライヴ音源が聴けるだけでもファンにとっては「価値」があります。
    但し、言う迄も無い事乍ら、此のCDは飽くまでもワルター・ファンの為のモノであり、一般のクラシック愛好家、「モーツアルト神」と言う方々に向けた企画ではありません。
    抑も「セブンシーズ盤」の存在自体を知っている愛好者が少なくなってしまった現在に於いては「有り難み」を感じる人は極僅かでしょう。
    此の「モノラルライヴ」と言う決して音質が良いとは言えないCDを敢えて購入する方は、ワルターのモーツァルトだから、当時の演奏会の雰囲気を感じたいから、と言う人だけでしょう。
    間違っても此のCDでモーツアルトの25番、29番、35番、39番を初めて聴こう等と思ってはいけません。
    25番は別としても、他はステレオ・スタジオ録音のコロンビア響盤を先ず聴いてこそ、此の企画CDの意義が分かると思うのです。
    そう言う訳で「評価★5つ」は飽くまでも私個人の評価で、ワルター・ファン以外の方が購入を検討されておられるとしたら、決して「お勧め」は出来かねます。
    其の意味で評価するなら、「★2つ」でしょうか?

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2023/07/15

    此れはお勧め、「大推薦」です。
    アルヒーフ盤を既に持っている方でも聴く価値は大いにあります。
    演奏は良い意味で「迫力」がある、と言うか、あたかもフルニエが目の前で演奏しているかの様です。
    此れはSHM-CDもHQCDでもなく東武商事が敢えて普通CDで復刻したものですが、此れを聴くとSACDとかEsotericとか所謂ハイスペックCDって何なの?と思ってしまいます。
    バッハの無伴奏組曲好き、フルニエのファンなら、絶対に持っているべきCDです。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2023/04/27

    「アルマのテーマとして知られる第2主題の思い入れたっぷりのねちっこい歌いまわしに思わず惹き込まれます。」-ハァ?どこが?

    テンポは速いし、全然「ねちっこく」などありません。

    「惹き込まれる」どころか、「シラけ」ました。

    第3楽章の途中迄聴いて止めました。

    こんな酷い「第6」は、大植某&大フィル盤位でしょうか?

    第6番マニアの私としては、フェルツのマーラーはさしずめ、大植盤、ブーレーズ盤、ヤルヴィ親子盤と共に「存在意義」が限りなく「ゼロ」に近い「駄盤」です。

    CD販売会社の宣伝文句に騙されて此れから購入を検討されている方、お止めになる事をお勧め致します。

    兎に角、酷い「第6番」です。

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     2023/04/13

    若造(失礼!)の演奏と思えない立派なマーラー第6です。
    先ずノックアウトされたのは第1楽章19分の「アルマのテーマ」でぐっとテムポを落して歌う箇所です。
    そう。マーラーの第6は「こうであらねばならない!」のです。
    テムポのやたら速いカラヤンやショルティ、オザワ等何も分かっていないな、と(個人的には)思います。(オザワは何をやってもダメダメです。最早「老害」でしょう。早く引退すれば良いのに。其の点潔く「僕は舞台人だから幕は自分で下ろす」と引退を表明しておられる井上道義こそ真の「マエストロ」だと言えます。)
    其の点で「合格」なのはシノーポリ及びザンダーのフィルハーモニア盤、シャイーのコンセルトヘボウ盤、井上道義新日本フィル盤でしょう。
    ライブ録音に優秀なCDが多いのも「第6」の特徴でしょうか?
    第6の全楽章を通じて万人にお勧め出来るのはアッバードのベルリンフィルライブ盤です。
    さて前記「アルマのテーマ」と同じ事はアンダンテ楽章にも言えます。
    13分30秒辺りの旋律の歌わせ方等、実に泣かせます。
    此処まで聴いて約1時間(54分)なのですから、ネトピルが如何に丁寧にマーラーの音楽を扱っているか分かります。
    最終楽章も井上道義盤やザンダー盤に比べるとやや劣るものの実に堂々たる歩みでカウベルの音もしっかりと捉えられています。勿論ハンマー打撃の迫力も充分合格点です。ブーレーズの様に「ゴン」ではお話になりませんし、バーンスタインの様に3回叩けば良いと言うモノではありません。新たな世代が老巨匠以上のパフォーマンスをしているのですから、驚きの音源です。スタジオ録音乍ら、僅か2日のセッションで終わっているのも指揮者とオケの信頼関係あればこそだと思います。
    「6番はバルビローリに限る」なんて思い込んでいる方にこそ聴いて頂きたいお勧めの名盤です。

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     2023/03/25

    何故か、単売されない、シノーポリのマーラーの大傑作「第6番」。
    現在では「全集」でしか、シノーポリのマーラーは手に入りません。
    「第5番」等は何回も単発再盤されていますが、何故か「第6番」は20年程前に一度再発されて以来カタログから消えた儘です。
    然し、「大地の歌」も含めたシノーポリ・マーラー交響曲演奏の中で最も特筆すべきなのは此の「第6番」なのです。
    抑も「第6番」自体が超個性的でオケにとっても演奏至難な曲ですので、大抵の指揮者はスコア通りにオケをドライブするのが精一杯で、「個性」を発揮するとしたら、テムポ設定とハンマーの扱い位ではないでしょうか?かのカラヤンやショルティは第一楽章のテムポが速すぎて「アルマのテーマ」を台無しにしていますし、2度のバーンスタインの録音もハンマーを3回打撃させる以外に「らしさ」を感じる事は出来ません。
    其の点、アッバードの2回目の録音であるベルリンフィルライブが最も安心して聴く事の出来る(戦慄すべきハンマーの打撃も最高!)録音と言えるかもしれません。
    さて、此のシノーポリのフィルハーモニア盤の「第6番」ですが、「アルマのテーマ」でテムポをぐっと落して此れ以上無い位美しく再現しています。此れは他のどの指揮者も為し得ていない事で、それ以降の楽章でもまるで「第6番」を初めて耳にしたかの様に感じさせるのは録音後36年以上が経過した現在でも類い希な事ではないでしょうか?
    ユニバーサルは是非リマスターして此の「第6番」を単売・再発して欲しいものです。
    こんなに指揮者の個性が正しく発揮されたマーラー交響曲第6番を聴く機会が無いのは、其れこそ「大損」だからです。

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     2022/06/25

    このピアニストにはコンチェルトは「無理」です。
    何しろ指揮棒が見えないのですから。
    結局、ピアノに合せてオケが「伴奏」するだけの事になる。
    此れでは「協奏曲」とは言えません。
    佐渡さんとの「ラフマニノフ第2」も悲惨な出来でしたが、ゲルギエフ&マリインスキーを以てしても、矢張り「協奏曲」は駄目でした。
    こんな「干物の様なチャイコフスキー」近頃珍しいです。
    ゲルギエフに期待して買ったのは大損でした。
    依って、中古買取りに直行です。
    こう言う「駄盤」を発売するメーカーの意図が図りかねます。
    其れでも「一部熱狂的ファン」の需要があるのでしょうね。

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     2022/06/03

    ラフマニノフへの「Respect」に溢れたアルバム。
    ゲオルギェヴァのピアノ、ゲッツェル&ゴンザレス指揮バーゼル交響楽団、何れも初めて聴く音楽家です。
    演奏は勿論良いのですが、此のCDをラフマニノフ財団との協力で企画した「PROSERO」と言う、此れまた初めてのレーベルに深い感謝の意を表します。ブックレットやライナーに貴重なアメリカ時代のラフマニノフの写真が数多く掲載されている事だけで、如何に此のアルバムを企画した人(Martin Kornさん)がラフマニノフをリスペクトしているか分かります。
    私は「ラフマニノフ協奏曲第3番」を若い頃から偏愛しており、20代は毎日聴いていました。(ワイゼンベルク盤とホロヴィッツ・シルバー・ジュビリー盤が主でした)
    それ以降も此の曲の音盤収集を続け、当然、殆ど全ての音源を持っています。また30代以降は経済的ゆとりも出来たので、此の曲のライヴがあると余程の遠方で無い限り必ず聴きに行きました。
    その中には、「名盤」も「駄盤」もあり、感動的な「実演」もガッカリなライヴもある訳ですが(ライヴが良くてもCDは駄目と言う場合もあり、その逆もあります)其れ等幾多の演奏と比べても此のCDは、2018年の反田盤以来、久しぶりの「美演」であり「超名盤」の登場です。
    先ず「パガニーニ変奏」のテンポの取り方が素晴らしい!
    「協奏曲第3」も、出だしから「此の曲はこうでなければ!」と思わせる素晴らしい「掴み」です。
    此の曲の演奏に有りがちな「技巧」にだけ頼った演奏では無く「ラフマニノフ節」で溢れています。
    第一楽章5:35以降のテンポを落とす処のなんとロマンチックである事でしょう!
    オーケストラも雄弁に奏でられます。先述のホロヴィッツ・NYPライブ盤(78年)はオーマンディの指揮でありながら「音がデッド」な点が残念なのですが、ゴンザレス指揮のバーゼル交響楽団、侮れません。
    少なくとも、ジルベルシュテイン盤(93年・此れは酷い『駄盤』です)のアッバード指揮ベルリン・フィルよりも数段優れています。
    「変奏曲」と「協奏曲第3」で指揮者が交代した理由は詳らかではありませんが、二人とも「ラフマニノフ的なるもの」をとても良く理解している事が分かります。
    カデンツァは「大」ですが13:00でのピアノがユニークです。此の解釈は「好み」が分かれると思いますが、数多の「名盤」の中で「存在価値」を示す演奏として、私は大いに評価します。
    第二楽章ラストから第三楽章へ移る際のオーケストラ、特に打楽器の強打は迫力満点です。
    第三楽章10:10以降の堂々たるピアノとオケの掛け合い(10:40でのトゥッティ!)も素晴らしい解釈です。
    12:15以降の弦を叩く音、そして12:49で頂点に達した後の何という落ち着き!
    14:22以降1のテンポ、4:28のオケ、「ラフマニノフ終止」の4連打、最後迄最高の演奏です。
    ラフマニノフや、此の曲を愛する人は「必聴の名盤」です。
    強くお勧めする次第です。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2022/03/05

    此れは驚くべきリマスタリングです。
    レコード時代から、幾度もCD化された時に聴いていた「あの音」は一体何だったのか?!
    と思う程の音質です。
    最新のステレオデジタル録音と変りが無い位と言っても決して過言ではありません。

    演奏から受ける印象も一変しました。
    曾ては、クナッパーツブッシュのブルックナー「第3」だけは、苦手だったのに、何と美しい演奏であった事が40年ぶりに理解出来ました。
    勿論「改訂版」に依る演奏である事は確かなのですが。
    ワーグナーの楽劇からの「引用」も明確に分かります。

    然も、此のCDは、ワーグナーの「パルシファル」(フラグスタート)「トリスタン」(ニルソン)迄収録してあると言う贅沢さ!
    2022年3月現在、廃盤になってしまったのは、大変惜しい事です。

    此のCDを中古で見つけられた方は迷わず買って損の無いSACDです。
    最近の1年で此れ程「買って良かった!」と思ったCDはありません。
    騙されたと思って一度聴いて見て下さい。
    大推薦致します。

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     2022/02/08

    一言で申し上げますと「喧しい」ブルックナーです。
    ブルックナーの交響曲演奏で「金管の強奏」は当然なのですが、其れが「煩く」感じる様では「失格」なのです。
    まぁ、同じ過ちはカラヤン・ベルリンフィル盤も犯していますが。
    数多ある「5番」のCDコレクション(42枚所有)で、処分したくなったのは、インバル、ハルノンクール、レーグナーに次ぐ録音でした。
    ティントナーに就いては古いLSO盤も聴いて見ようと思います。

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     2021/12/07

    メーカーは帯に「センチメンタリズム拒否」と特筆大書していますが、此の演奏を聴けば、其れは曲の「本質」を失っていないと言う意味である事が分ります。
    確かに「3番」の第一楽章のテンポはラフマニノフ自演に非常に近いものがあります。
    然し、ラフマニノフの録音は時代的な制約(録音時間の制限)がある事も事実で、ラフマニノフ自身が、「あのテンポで良し」「カット良し」とした訳ではないと思います。
    ハフも、別に「原典回帰」を狙ったモノではなく、充分にロマンチック・メランコリックな演奏です。
    「センチメンタリズム」とは「通俗的」と言う意味でメーカーが付けたのならば、現代のピアニストの殆どは、それぞれのアプローチで「曲の本質」に迫っています。
    「通俗的」な演奏をするピアニストは一人もおりません。
    特に「3番」のCDは全て所有している私にとって、ハフの演奏も彼の解釈を演奏しているモノであり、極めて「真っ当なラフマニノフ」です。
    故にメーカーの「謳い文句」には、余りひきづられ無い方が良いと思います。広く聴かれて然るべきラフマニノフのCDです。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/12/05

    幾度となく「復刻」を重ねられた「名演奏」ですが、今回のCDはどちらかと言うと「音質改善」と言うよりも、「資料的価値」が大きいと思います。
    いずれにせよ、フルトヴェングラー好きには堪らない「少し早いクリスマスプレゼント」になりました。
    此れで私が20代の頃、レコードの「帯」に書かれていた「足音入り」は完全に「作り物」である事が証明された訳ですね。
    それにしても、今は無き「東芝EMI」は罪な事をしたものです。
    此れからは、「音質重視」の方は、「Gland Slam盤」を、「初出レコードの想い出」を大切にしたい方は「2019年ワーナーの復刻盤」、そして演奏会当日の生々しい雰囲気に浸りたい方は、この「BIS盤」と分けて楽しめば良いと思います。
    楽しみ方がこれ程多様な録音は、他には無いのではないでしょうか?
    それにしても、フルトヴェングラーの「ベートーヴェン・第9」は、他にも「ルツエルン」「ウィーン芸術週間」、其れに今年改めて音質が大幅に改善され再販された「1942年4月19日」と、どれを聴いても「此れ以上の演奏は有り得ない!」と思えてしまうのだから不思議です。
    SPはおろか、LPすら知らない「CD世代」の数は増えても、その様な若い世代にも「フルトヴェングラー・神」と思わせてしまえる此の不世出の芸術家の偉大さを改めて感じる次第です。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/11/21

    メーカーはいい加減帯から「ヒトラー」を外した方が良いと思う。
    抑も、1942年4月19日の此の演奏の場に彼は居なかったのだから。
    此のCDに関しては、やれ「音が聴くに堪えない」とか、「演奏そのものがフルトヴェングラーじゃないのではないか?」等、悪評ばかりである。
    確かに冒頭の演奏開始前の会場ノイズは酷い。
    だが、其れも「歴史的記録」の一部(会場の雰囲気・緊張感がダイレクトに伝わる)なのである。
    然し、演奏は紛れもなくフルトヴェングラー節全開である。
    あの有名な1951年のバイロイト盤のラストで加速するスタイルが既に此の時点で表れている。
    演奏全体の印象を一言で言い表すならば、真に「壮絶」である。
    ティンパニは荒れ狂い、弦楽器は弦も裂けよとばかりである。金管の咆哮、そして合唱は「一球入魂」、兎に角「凄まじい演奏」の記録である。
    帯の「ヒトラーの」と言う文字に「脊髄反応」して、此の演奏を虚心に聴く事が出来ない人は実に気の毒である。
    此れは、フルトヴェングラーの数ある「第9」の中でも、バイロイト盤に勝るとも劣らない「名演」だと思う。
    近頃、買っても「期待外れ」のCDが多い中で、此のCDは久方ぶりに「買って良かった」と心から納得できる演奏だ。
    迷っている方、絶対に買うべきです!

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/11/18

    正直、1950年のライブなので「音質」には余り期待していませんでした。
    只、「クナッパーツブッシュのバイロイト」と言う事だけで購入しました。
    処が、最初の一音からして、電撃的な迫力です。
    歌手陣が良いのは言うまでも無いとして、やはりクナッパーツブッシュは「凄い」です。
    箇所に依ってはフルトヴェングラーのスタジオ録音のレコード盤の音質をも凌ぐ「説得力」があります。
    こんな「トリスタン」を聴いてしまうと、クライバーやバーンスタインすら霞んでしまいます。
    カラヤンなんて、足元にも及びません。
    若い頃から回数としては一番聴き込んだ「ベーム1971年・バイロイト盤」以上の感動モノ。
    お勧めの「必聴盤」です!

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/10/27

    小学生の時、「大脱走」「大空港」との3本並映!(今考えると何と豪華!)で劇場で観て以来、VHS、L/D、DVDと全て買って来ましたが、漸く満を侍して「Blu-ray版」の登場です。
    迷わず予約で買いました。
    何度観ても「良い戦争映画」です。
    1960年代にしては珍しく「アメリカ兵ばかり活躍し、弾にもあたらない」−所謂「『コンバット』的戦争映画」でない処が良いですね。
    ロバート・ヴォーン演ずる「ドイツ国防軍少佐」がもう「カッコ良い」事此の上無い。
    映画を観てから半世紀以上経ちましたが、漸く「クリューガー少佐」の軍装(あのグレーの革コートは苦労の末、今年(2021年)漸く入手できました)を完成させた位、私の人生に多大なる影響を与えた名作です。
    ついでにアメリカ軍の「アンジェロ軍曹」(ベン・ギャザラ)の軍服一式も揃えてしまいました。
    さて、映画の内容は既に他の方が本質的なコメントをされておられますので、其れに付け加える事はありません。
    只、「誤解」がある様ですので、その点を指摘致します。
    先ずドイツ国防軍の「クリューガー少佐」はプロシア貴族の出身、父親の将軍は戦死した設定になっていますが「ナチスの将校」ではありません。細かい様ですが、此れは銃殺シーンにも関係するとても大切な点なので誤解無き様お願い致します。
    今一つは銃殺される前のセリフは「どちらも同じか」ではなく、「何を指して『敵』というのか?」です。
    此のセリフが、アメリカ軍のハートマン中尉(ジョージ・シーガル)のラストのセリフ「友達からさ」と呼応しているのです。
    敵対して戦った相手だけれど、言葉も交わして居ないけれど、彼(クリューガー少佐)は『戦友』なのだ。とハートマン中尉は言うのです。
    だからこそ、この戦争映画は何度観ても「感動」するのです。
    映画音楽も素晴らしいです。『大脱走』と同じ、エルマー・バーンスタイン作曲ですが、此れ程「画像」と「音楽」がマッチした映画は、そう多くは無いと断言出来ます。
    此の映画はチェコでロケされたそうです。
    感心するのは、善くぞ本物に似た鉄橋がモルダウ川に残っていた、と言う事。更に付け加えるなら、ズデーテンランド地方の「再開発」でドイツ人の造った街並が破壊されるタイミング良く、映画製作で壊しても良い、と言う許可が貰えた事。
    天の利、地の利、そして俳優陣の素晴らしさ、音楽の勇壮且つ「トリオ部」で悲哀を込めたメロディー、全てが相俟って、観る者の胸を打つのです。
    オペラと同じく「映画」が「総合芸術」である事を実感させる大傑作です。
    最後に個人的な感慨を。
    登場人物の「軍装」は揃える事が出来ましたが、生涯の念願だった「レィマーゲン」を訪れる、此れだけは実現出来ず私の人生は終わろうとしています。

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