トップ > My ページ > フォアグラ さんのレビュー一覧

フォアグラ さんのレビュー一覧 

検索結果:442件中166件から180件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/08/24

    待望のバーンスタインCBS時代オリジナルジャケットシリーズ。まずシューマンから聴く。1960年9月から10月に4曲集中的に定期で演奏、録音されたものだが、不思議なことに録音レベルがかなり違う。1番、4番は良く、次いで3番。2番はかなり落ちる。総じて60年という年代としては平均を下回る音質なのもこのコンビの低評価に繋がったと思う。1番はこの時代のバーンスタインならではの覇気とアイデアに充ちたもので、重要なティンパニもリズミックに決まり実に爽快。ドイツ風とは全く違うシューマン像だが説得力十分。2番はバーンスタインお気に入りの曲であり、スコアの読み込みの深さには感心するが、フォルテが汚れ、うるさくて音量を上げられない音質のため感動に導かれないのは誠に残念。ソニーはちゃんとリマスタリングしたんだろうか。音質の問題もありウィーン・フィルとのDG盤を優先するが、解釈がかなり違うので興味がある方にはお薦めする。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/08/12

    「妖精」「恋愛禁制」は序曲がつまらなく先が思いやられるが、オペラは思いのほかしっかり作られており、クライマックスもあって退屈せず聴ける。ワーグナーはシューベルトやシューマンとは違いオペラのノウハウを若くして身に着けていたことがわかる。「タンホイザー」や「ローエングリン」のメロディも現れ興味深かった。ただ、劇場のレパートリーになるには印象的なシーンやメロディが不足する。「リエンツィ」は序曲が一気に充実。ワーグナーの世界に初めて引き込む作品だ。オペラのナンバーも前2作とは比較にならないが、後半尻すぼみ気味になるのが惜しい。4時間を超える超大作を2時間半に刈り込んだのも原因だが、だからと言って完全全曲を聴きたいと思わせる程の魅力作ともいえない。演奏はこれ以上望めないほど優秀。なによりセバスティアン・ヴァイグレのメリハリがあり推進力に充ちた指揮が素晴らしく、そのおかげで退屈せず聴けるといってもいい。声楽陣、合唱それにフランクフルト歌劇場ムゼウム管弦楽団も万全の出来であり、録音も優秀。めったに聴かれないこの3作に興味ある人にはお勧めしたい。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/07/15

    アレクサンドル・タローがメイエを熱く語っているのを読んで、聴いてみたいなと思っていたが、これは大当たりだった。崩れのない端正な演奏だが、タッチに何とも言えない洗練されたニュアンスがあり、それが古い録音でも十分に伝わる。ドビュッシー、ラヴェルは同時代の録音ではギーゼキングが圧倒的に有名だが、私にはメイエのほうがはるかに素晴らしく感じる。ラモーもピアノで弾いたものでこんなに楽しいとは。モーツァルトのK331(k311とクレジットされている)の「トルコ行進曲」で床を踏み鳴らして野卑な感じを出すアイデアとか当時は非常に珍しかったのではないだろうか。ドビュッシーもラヴェルも重要曲が僅かに欠けているのは早く亡くなってしまったからだろう。惜しいことだ。フランスは自国文化第一主義を挙げながら、こういう素晴らしいピアニストを長らく埋もれさせているとか変な国だ。メンブランは最近酷い復刻のものを混ぜることがあり要注意だが、このセットの復刻はまずまず。ただ、エスプラは疑似ステレオになっているし、29年のハイドンはエルプでの復刻のようだ。共演者のクレジットなしも手抜き。モーツァルトはモーリス・エウィット、エスプラとミヨーは作曲者、リヒャルト・シュトラウスはクリュイタンスである。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/07/07

    ワーナー(EMI)のICONシリーズではスタインバーグの魅力を発見し驚かされたが、サージェントEMI録音集はそれ以来の衝撃だ。サージェントといえばビートルズとの逸話にあるようなジェントルな英国紳士というイメージだが、これらの録音はそれを根底からひっくり返す。まずCD1の「英雄」から大変な名演奏である。遅めのテンポながら少しも弛まず緊迫感と開放感に充ちたもので、ロイヤル・フィルも素晴らしい出来。次の「未完成」は「英雄」ほどではないもののこれも名演。ドイツものが少ないのが本当に残念。「わが祖国」もフォルムは端正ながらメリハリがきき熱情が溢れる。全曲中もう一つの出来になりがちの「シャールカ」がこんなに見事に演奏されたものはめったにない。オラトリオ、カンタータが多く収録されているが、46年の「メサイア」は音もスタイルも古い。が、47年の「エリア」は音質も向上し十分満足できる。そして54年の「ゲロンティアスの夢」は独唱陣が優れていることもあり同曲最高を争うものになっている。アフリカ系英国人コールリッジ=テイラーを聴いてみたくてこのセットを買ったのだが、普通の牧歌的な曲で肩すかしを食らった。ディーリアスの「コアンガ」のような異教的な興奮はなく、忘れられても仕方がないかも。それでもサージェントの合唱統率は立派。ウィーン・フィルとのシベリウスにも触れたいがきりがないので最後にウォルトンの1番について。死の前年病をおしての録音だが、魂の叫びとでもいいたい壮絶な演奏で聞き手を震撼させる。もう少し長生きしたらボールトやバルビローリ並みに評価された人ではないだろうか。何にせよこれを聴いたら間違いなくサージェントを見直すことになる絶対にお薦めのセットだ。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/07/05

    凄い。レビュアー全員満点。ここで低い評価をしたらドン引きだろうが、どうもこの一連のデッカ録音にはカラヤンらしさが良くも悪くも感じられないのだ。一言でいえば、粗い。演奏自体もそうだが、「惑星」で明らかなスコア読みミスがあるにもかかわらず、カルショウもノーチェックでそのまま通してしまっている点など、通常のカラヤン録音ならありえないと思う。他のレビュアーの方も触れておられるが、カルショウの自伝を読むとカルショウとカラヤンの関係は良好とはいえず、カルショウもデッカ上層部へのグチばかりが書き連ねてあり(中間管理職そのもの)、お互い多忙の中やっつけ仕事の面が見えてしまうのだ。もちろん素晴らしいものもいくつかあり、「ツァラトゥストラ」チャイコフスキー3大バレエ、グリーグはウィーンの魅力もでた名演。やっつけ仕事のはずの「ジゼル」が聴きごたえ十分なのも面白い。どの曲も一筆書きのような勢いがあるところが良さであり、カラヤンらしい緻密な構成感が後退しているところをどう評価するかによって感想も変るだろう。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/07/04

    54年録音の5番のほうが音がよく、演奏も優れている。辛口の表現だが、歌に不足することはなく終楽章は遅いテンポにもかかわらず演奏は白熱する。ロスバウトだけあって各セクションは明快に分離しモノーラル録音のマイナスを感じさせない。とびきりの職人芸だ。57年の4番はテープ劣化によるノイズが耳障り。演奏も変っている。基本インテンポで段落でテンポを動かすやりかたはブルックナーではよくあるがチャイコフスキーには珍しいし、違和感もある。「悲愴」はなかったのかなあ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/23

    「イリュミナシオン」はランボーの詩にブリテンがフランス語のまま曲を付けているが、意外にフランス人歌手の録音は少ない。ミショーの歌唱を聴くとネイティブはこんなに違うのかと唸らされる(もちろんミショーのキャラもあるのだが)。ピアーズならいかにもイギリスらしい皮肉っぽい色合いになるが、ミショーでは実にカラフルでエスプリに満ちた音楽になってしまうのだ。「シェエラザード」のアジアへの憧れも素晴らしい。「選ばれた乙女」では一転して清楚でアルカイック。我々がよく知るパテEMI時代より古い録音だが、音はむしろ良く、ミショーの声も美しい。「ミショーの芸術」というタイトルがピッタリの一枚だ。ブリテン、ラヴェルがフィリップス、ドビュッシー、シャブリエがデッカ。デッカのプロデューサーは駆け出しのカルショウである。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/15

    シベリウスは全曲50分、かなり遅いテンポの演奏である。しかし、このテンポから予想される演歌調、情念的、感動の強制といったものからは無縁だ。カラヤン、バーンスタインの新盤のような演奏を期待すると肩透かしを食らうだろう。キタエンコの指揮は、北欧の大自然の中で深呼吸したらこういうテンポになったという感じであり、どこまでも清々しくおおらか。名演だ。グリーグもいじらしい美しさに満ちている。もう、このコンビは大好きだ。録音も相変わらず優秀。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/10

    私が初めて聴いた「ばらの騎士」は当然これなのだが、良さがわからず、カラヤン新盤を聴いてますますわからなくなった。その後エーリヒ・クライバー、ベーム、クナッパーツブッシュ、それにカルロスの演奏を知り、こんなに面白いオペラだったんだと驚いた。正直高く評価されすぎの演奏だと思う。特に女声トリオがよくない。シュワルツコップは厚化粧の大年増に聴こえるが、マルシャリンは若い女性である。表情に凝りすぎる歌唱が古い。デラ=カーザだったらどんなによかったか。シュティッヒ=ランダルのゾフィーも大人しすぎるが、アコールのセットを聴くと素晴らしいソプラノだったことがわかる。ゾフィーには合わなかったということ。カラヤンの指揮は巧みだが、クライバー親子のような目もくらむ勢いがあるわけでもなく、クナのユーモアがあるわけでもない。フィルハーモニアも魅力が薄い。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/03

    ザロモン・セット以外のハイドン交響曲主要作が概ね揃うというお得なセット。演奏も総じて質が高い。ただ、ピリオドはベートーヴェンではそれなりに面白いのにハイドン、モーツァルトでは魅力を大きく落とすと思うのは私だけかな。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/05/28

    パーヴォ・ヤルヴィらしい、よく整理された精緻な演奏で完成度は高い。5番、6番は名演といっていい。一方でニールセンの粗削りで破天荒な魅力はほとんど感じられない。かつてのオレ・シュミットやブロムシュテットにはそれがあった。そこをきれいに均してしまったこの演奏はニールセンの面白さを100%伝えているとは言えないと思う。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/05/17

    ライナーのステレオ録音は全て持っているのだが、ピッツバーグ時代のものを聴きたくなって購入。これが驚きの音質だ。メタル原盤からの復刻の成果なのか、スクラッチノイズもほとんどなくSPとはとても思えない明快極まりないものだ。演奏も大変素晴らしく、シカゴ時代にはみられないような熱っぽい歌が溢れ古い録音ということを忘れて夢中に聴きこんでしまう。ライナーはピッツバーグ時代から凄い指揮者だったということを認識させてもらった。ヴェリッチュのサロメも可愛くて妖艶でいいねえ。シカゴ時代の演奏は言うまでもなく今も最上のシュトラウス。ライナーが強く望んだ「エレクトラ」全曲録音をRCAが認めなかったことは音楽史上の痛恨事といえよう。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/27

    cpoやエームスのおかげでこれらの作曲家の歌曲は聴けるようになったが、オーケストラ伴奏のリートは多いとは言えず、遅れてきた後期ロマン派好きの私には好企画だ。曲はどれも美しい。マルクスなど20世紀前半の激動期の作品とはとても思えないお花畑ぶりだが、「前衛って何?」の現代なら時代性は関係なく楽しむべきもの。最後に最年長のプフィッツナーがくるが、音楽的深遠さは随一。ベテランのバンゼは誠実な歌唱だが、生真面目すぎてキュートさに欠け、声も美しいといえないのが残念。セヴァスティアン・ヴァイグレの指揮は雰囲気に溢れ満点の出来。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/14

    オーマンディの合唱付き「フィンランディア」を聴いたことがある人ならモルモン・タバナクル合唱団の名は忘れられないものになっているのではないか。その合唱団がマーラーの8番に挑む。これは聴かずにはおれない。全く珍しいことにライナーノーツにユタ交響楽団だけでなく合唱団、少年合唱団全員の名前がクレジットされている。それによると合唱400人、少年合唱50人で、「千人」とはいかないが総勢600人くらいになり、8番の演奏規模でもかなり大きなものといえるだろう。演奏は予想どおり合唱が圧巻。ティエリー・フィッシャーの指揮は際立ったものではないが、合唱がこれだけの表現をみせる中、これで十分。一方独唱はかなり落ちる。タバナクル公会堂はかなりの大きさのようで、そこで大合唱に向かうとどうしても声を張り上げてしまうのだろうが、そうならない成功例もあるのだから惜しい。独唱の出来もあって、これは星4つかなと思いながら聴き進んだのだが、「神秘の合唱」に至って感動で涙が止まらなくなった。こんな素晴らしい合唱は聴いたことがない。8番が真の傑作だということを改めて認識させる名演としてお薦めしたい。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/02

    新譜が出るとつい買ってしまう曲がある。「わが祖国」もそのひとつで気が付いたら数十種あるのだが、このフェドセーエフは持っていなかった。というのもレビュアーが星1つにしているし、フェドセーエフも私と相性の合う指揮者ではなかったからだ。今回クーポン目当てに価格調整として購入。安かったし。ところがこれが大当たり。全6曲、これまで全く聴いたことがない解釈。「ヴィシェフラド」がサクサク始まったり、「ボヘミアの森と草原より」は恐ろしく遅いテンポで開始したり。もちろんテンポは曲面で変わるが、それがことごとく予想を裏切る。一聴するとけれん味たっぷりの表現にも思えるが、そうではなくフェドセーエフは「わが祖国」をこういう曲だと心から考えてのものなのだ。それ故、こんなテンポで大丈夫かと思っていてもどの曲も大いに盛り上がるし感動もあるのだ。辛い点をつけている人はチェコ勢の解釈が絶対とお考えなのだろう。私もそれに異論はないしフェドセーエフをベスト盤に推す気もないが、この曲を愛する人ならこれを聴いて損はないと私は保証したい。廃盤になる前に手に入ってよかった。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:442件中166件から180件まで表示