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村井 翔 さんのレビュー一覧 

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     2009/07/20

    トロイ人との対比を出すためとはいえ、イドメネオ以下クレタ兵達の日本式鎧と刀には思わず笑ってしまうが、それを除けば、とても良くできた舞台で、スカラ座のボンディ演出と並んで、現在見られるベストだろう。海神の力を体現する黒子たちもザルツブルクの半魚人などより遥かに良い。配役上のミソは本来カストラートのために書かれたイダマンテをテノール(カウンターテナーではない)が演じることで、声楽上の問題をクリアできれば、これもありかなと思う。他には女性的な、細やかな側面も併せ持つエレクトラを演ずるダッシュに注目。指揮はモダン楽器ながら劇的で、彫りが深い。イドメネオの最後のアリアなど若干のカットはあるが、珍しいバレエ音楽(ただし、演じられるのはバレエではなく、残った出演者によるパントマイム)を含めた全曲上演。

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     2009/07/11

    全体としてはSKBとの再録音の方が上だが、極めてロマンティックなシューマン。特筆すべきは録音で、弦の動きに管楽器がかぶってダンゴ状態になってしまいがちなオーケストレーションの弱点を音の録り方でうまく補整している。マーラー版のようにスコアをいじることなしに、ここまで明晰にスコアを隅々まで聴かせた録音は初めてだ。ただし、カップリングに一つ苦言。実はCSOとの全集のハイライトである、クレヴェンジャー以下、腕っこきホルニスト達の名技が味わえる「4つのホルンのためのコンツェルトシュトゥック」をぜひこの機会にCD化してほしかった。

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     2009/07/06

    個人的には2005年大晦日のモーツァルト『プラハ』他は素晴らしかったと思うけど、やはりこの年のがDVD化されたのは曲目の見栄えの良さゆえでしょうね。もともとフィルハーモニーでの録音である限り、EMIの録る音がそんなにひどいと思ったことはないが、音質に関して目立った改善は感じられない。したがって、アンコールを含めた全曲目が収められたことと、絵がついたのがメリット。印象はCDと変わらずで、前半のボロディン2曲はめざましいが、『展覧会の絵』はこのコンビならではのセールス・ポイントが薄く、セッション録音で精密に仕上げたわけでもないので、前任者アバドのこだわりに及ばず。それでもボロディンだけでも十分、五つ星に値する。

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     2009/07/06

    マーラーはホーネック、ルイージという今が旬の指揮者の演奏を見聞きした直後だけに点が辛くならざるをえないが、サイトウ・キネンだからそれが許されるとはいえ、あまりにも表現をオケ任せにし過ぎている。だから余裕のある、滑らかな演奏ではあるが、この三度目の録音で何がしたいのか、指揮者のコンセプトがさっぱり見えないし、この曲ならではの若々しい激越さや痛烈なアイロニーはすべて消えてしまった。ベルリオーズもアバド/ルツェルン祝祭管(このCDが発売中止とは何とも残念)やラトルの問題意識に比べてお手軽過ぎる。こういうアプローチならミュンシュで十分だ。

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     2009/07/05

    日本では読響へのたびたびの客演でおなじみのホーネックも今やピッツバーグ響とシュトゥットガルト歌劇場を押さえる実力者。速いところではちゃんとテンポが上がるが、基本テンポが終始遅めなのは優秀な録音(拍手入りライヴとしては驚異的水準)を利してスコアを隅々まで聴かせようという意図か。この曲らしい若さや勢いはややそがれた感があるが、その代わり、マーラーならではの凝ったオーケストレーションを堪能できるし、そんなに大芝居を打つわけではないが、随所でこの指揮者ならではの個性的なスコアの読みが確認できる。

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     2009/07/05

    ルイージとしては、かつてサヴァリッシュのもとで下積み時代を過ごした街への凱旋公演だが、後半のマーラーが圧巻。オペラ指揮者としては手堅い職人的手腕も持ち合わせた人だが、マーラーを振ると人が変わったようになる。第1楽章末尾の爆発的な盛り上がりから、早くもルイージの魅力炸裂で、指揮台から落ちんばかりの精力的なアクションにオケも敏感に反応する。変幻自在のアゴーギグを見せるスケルツォに続いて、葬送行進曲もデジタル的に緩急が急変する鋭い解釈(冒頭のコントラバスはユニゾン)。最後は速いテンポにオケが鳴りきらない印象もあるが、終楽章も凄まじいばかりの表現主義的演奏だ。

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     2009/06/21

    さしものP・ヤルヴィもこの交響曲の第1楽章のような抒情的で息の長い音楽はまだ苦手なのではないかと思っていたが、そんな懸念は全く無用だった。これまでの演奏がすべて野暮ったく見えるほどの格段の解像度。しかも精緻であればあるほど、音楽の寂寥感が身に沁みる。一糸乱れぬ第2や第4楽章ではオケの機動力を見せつけるが、勝利の大団円として描かれがちなエンディングが故意に軽めに、アイロニカルに仕上げられているため、最後まで重苦しい後味が残る。

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     2009/06/16

    このコンビは2010(生誕150年)〜2011(没後100年)のマーラー・イヤーに向けて交響曲全集の録音/録画をするようだが、その予告編的なディスク。2008年の来日公演で早くも第9交響曲の素晴らしい演奏を披露してくれたので、期待大だ。『葬礼』は何度聴いてもさして面白い曲とは思わないが、第10交響曲のアダージョが出色。オケの全パート、隅々まで指揮者の意志が浸透し、生命力がみなぎっている。全集版での録音なので、これでクックほか5楽章版録音の可能性が消えたわけではなさそうだ。

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     2009/06/07

    キーンリーサイドによる題名役はまだDVD化されないアバド指揮のものを皮切りに、これが3組目の映像ソフト。年をとってノーブルさは後退したが、むしろ悪魔的で素晴らしい。他にはディドナートがなかなかの声と表現力で印象に残る。指揮はもちろんピリオド・スタイルで、収録時83歳とは思えぬ活力にあふれたもの。演出は手堅いながら演劇的にはしっかりした作りで、読み替えは嫌いという人には喜ばれよう。ドンナ・アンナは従来通りのやや古風な女だが、ドンナ・エルヴィーラとツェルリーナがとてもアクティヴに描かれているのは女性演出家ならでは。

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     2009/05/31

    かつてはスタンドインが多かった「7つのヴェールの踊り」も今では歌手自身が踊るようになり、最後には全裸も辞さなくなったけど、正真正銘の全裸が見られるのはこのディスク。もっともユーイングの鍛え上げられた身体はほとんど女性的なエロスを感じさせないけど。「踊り」の振り付けも各人物間の関係を描くべく工夫が凝らされるようになったが、やはり王道はこのようなストリップだろう。ユーイングの声では、最後のモノローグは限界に近いが、少女ならではの残酷さは良く出ている。ビアズリーの挿絵を意識した美術も美しい。

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     2009/05/31

    指揮はやや速めのテンポで元気がいい。CDではカラヤン、マゼール、シノーポリと重めのバタフライが続いたので、久しぶりのイタリアのオケと合わせて新鮮だった。ゲオルギューも純情可憐と言うよりはむしろ利発で気丈なヒロインで、フェミニズムの時代にふさわしい。すべてをぶち壊したのは、もちろんカウフマン。この男の「軽はずみ」からすべての悲劇が始まったのに、声もキャラも重すぎて、全体のコンセプトに合わない。例のスカラ座降板事件以来、アラーニャはあまり調子が良くないようだが、彼が出られない時点でこの企画は再考すべきだった。

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     2009/05/31

    スコット、ドミンゴ、レヴァインという強力布陣のメト版に対抗するのは容易ではないが、野外劇場にかなり大規模なセットを組んでの上演で、舞台と衣装の美しさは一見に値する。少々トウは立ったが、依然として声、容姿ともに美しいデッシーとアルミリアートの美男美女ぶりが最大の見物、聞き物。トスカや蝶々夫人ほどドラマティックな力が要求されるわけではないので、デッシーには適役だろう。演出は何の工夫もないが、きわめて写実的で無難。衣装にマイクが仕込まれているようだが、野外ライヴにも関わらず、声、オケの音ともに良く拾えている。

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     2009/05/30

    マイクの置かれた歌合戦会場は現代のオーディション番組さながら。演出は色々と工夫をこらしているが、エンディングは『ファウスト博士』のパクリだし、どこかで見たような二番煎じ感がつきまとう。コンヴィチュニー演出のような真の天才的ひらめきに欠けるのは如何ともしがたい。声自体の力不足は覆うべくもないギャンビルだが、二つの世界に引き裂かれ、どこまでも優柔不断な男という演出コンセプトには合っている。マイアーは相変わらず堂々たる貫祿。ワーグナーとしてはまだ贅肉のある曲だけに、粗削りながらシャープな指揮は大変好ましい。

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     2009/05/26

    ヤーコブスの多感様式ないし疾風怒濤様式は健在。レチタティーヴォは極めて雄弁、テンポに関してはそんなに無茶はしていないが、アクセントの強い劇的な演奏である。おまけDVDで新解釈を聞かされても、相変わらずこのオペラの大時代的な物語にはさっぱり興味が持てないが、それでもミュンヒェン初演のために用意された音楽のすべてを演奏譜から復元した3時間超の長大な版(全集版と若干の異同がある)でも、この曲をともかく飽きずに聴き通せたのは初めて。歌はみな一級品だ。

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     2009/05/24

    またしてもバリトン版の新録音。指揮はティルソン=トーマス同様、かつての「世界苦」を背負ったような『大地の歌』像と縁を切ったもので、色彩的で精妙。フォークトは独特の軽い声を生かして個性的な世界を描いている。第1楽章あたりはノーテンキに過ぎると思われるかもしれないし、好みも分かれそうだが、この非現実的な声は大変好ましい。ゲルハーエルは新盤を聴くたびにプライからF=ディースカウ寄りの路線に舵を切っているのが分かるが、声にまだ十分な若さがあるので、フォークトとのコンビには適役。個人的にはハンプソンより好きなくらい。

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