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eroicka さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/21

    現代の穢れた世の闇を鋭く突き刺すようなコーガンのヴァイオリンを愚直なまで思索的なリヒターの伴奏が支える。コーガンはヴィルトオーゾとして鳴らした名手と、技より思索というリヒターのコンビは、一見、ミスマッチのような取り合わせであり、スペルの同じ(スヴィヤトスラフ)リヒテルの方が合うような感じもしないでもないが、ここでは見事に方向性が調和している。この一枚でコーガンは単なるヴィルトオーゾではなく、高邁な精神を持った芸術家であるというのを証明したといえよう。バルヒエット・ラクロワ盤(エラート、某輸入販売大手T社から発売中)などとともにこの曲を語るのには、欠かせない録音だ。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/20

    諸氏が演奏の魅力については言い尽くしているので、改めて屋上屋を重ねるようなものだと書き込みを控えていたが、このDVDをまた久しぶりに聴いて、拙文を書くことにした。この公演は、当日NHKFMで生中継されており、中坊だった小生は、買ったばかりのミニコンポの傍らで緊張しながら気もそぞろに「ながら勉強」していたものだ。小生にはこれがオペラ初体験であった。見るたび聴くたび懐かしさがこみ上げる。10年近く前、海賊盤でFMエアチェック音源と思われるCDが出回っていてそれを聞いていたものだが、これが出てすぐ買ったものだ。確かにテンポは古楽演奏が隆盛した現代の感覚からすれば異様に遅いと感じられるだろう。演出も演奏全般も古楽的な透明感やスマートさを重んじた今風のスタイルではないし、当時の日本のホールの貧弱な音響に加え、陰で出番や歌いだしを教えるプロンプターの声が妙に目立つマイクセッティングなど、瑣末ながら欠点はないわけではないが、戦後の欧州オペラ界で一時代を画した巨匠や名歌手らの築いたベルエポックの金字塔のようなもので、ぜひ若い人に聞いてほしい。できれば、フルヴェンの演奏などのように、未来にも長らくカタログに残していってほしいものだ。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/20

    クールな緊張感、構成力に優れた解釈、鉄のアンサンブルに舌を巻く。オケコンは確かに改変には違和感があるものの、故国の音楽という民俗性に寄りかからず、モダンな仕上がりになっている。セルのバルトークへの思い入れから来る独自の解釈なのだろうが、この改変さえなければと惜しまれる。村上春樹の小説でなぜか有名になったシンフォニエッタもこの曲の最良の演奏の一つだ。小説を読んでミーハー的な関心でこの曲を初めて聴く人にも格好な演奏だ。いずれも年代を感じさせない音質のよさだ。15年ぐらい昔の米CBSの輸入盤CDより聴きやすくリマスターされている印象だ。アナログ録音のマスターテープのヒスノイズを目立たなくすると普通は音の鮮度が落ちることが多いのだが、ここではうまく両立できている。SONYの制作陣の「DSDリマスターリング」の技術力の高さには敬意を表したい。

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     2010/04/20

    アブラヴァネルといえばLPステレオ初期のマーラー全集で有名だ。結論からいえば、マーラーほどは成功はしていない。特に1番はスケールや構成力の面で完成度が今ひとつで、いかにもアメリカ的なオケの重量感のない明るい響きが能天気に過ぎ、アンサンブルの粗さやイージーさも目立つが、2番以降は佳作級の出来栄えだ。謹厳な厳めしさではなく、ブラームスの歌謡性を前面に出した楽天的演奏は、肩がこらず独特の懐かしさを感じさせる。とりわけ、ダイナミックでかつ歌謡的な3番だけはオケの明るい開放的な響きに気迫も感じられ、傑出した出来栄えだ。この3番だけなら、1点高い評価をつけてよいと思う。1970年代の録音ということで音質は悪くない。今でもカタログに残るだけの値打ちはあると思う。

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     2010/04/20

    リヒテル得意のレパートリー。オイストラフ指揮のグリーグは68年ライヴながらモノラルだが、73年ライヴのバルシャイとのシューマンは一応ステレオ。当時のソ連の録音なのでヒスノイズもあり、ステレオとはいえど西側の放送局ほどの音質ではないが、十分鑑賞には耐えよう。有名なマタチッチ指揮モンテカルロ歌劇場管弦楽団盤(EMI)と比べて、ソロのミスタッチやオケとの微妙なズレがみられるものの、オケやソロともに即興性に富んだ熱いライヴらしい演奏に仕上がっている。これを聴いてしまうと、マタチッチ盤は完成度は高いが、幾分、謹厳すぎ息が詰まる感じがしないでもない。勿論、マタチッチ盤はすばらしいと思うし、貶める気はさらさらないのだが、それぞれの演奏の一長一短を味わうというのもまた聞き比べの妙味だろう。

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     2010/04/20

    2曲とも昔持っていたLPのなつかしい音がしました。本家DGによりCD化されて聴きやすさはまし、分解能やSN比といった音響特性は向上したのは確かだが、微妙な空気感というか雰囲気が薄れた感じがしていました。今回のオタケンさんの復刻はそのLP時代の空気を十分そのまま伝えるという点では好ましいと思いました。特にヴァイオリン協奏曲は成功していると思いました。ただし、針音はそれなりにあり、気になる向きは気になるでしょうね。

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     2010/04/20

    ベートーヴェンの英雄や7番、ブラ1、イタリア音楽のようなトスカニーニが何度も繰り返し録音している十八番ではないレパートリーが並んでいる。スコットランドやライン、未完成、K.550などのような有名な作品から、英雄の生涯、ガーシュイン、ボロディンなど、トスカニーニ人気が薄れつつある今では、貴重な音源が多く入っている。これらのレパートリーから、巷間で即物主義の権化のように言われるこの巨匠の叙情的な側面やロマン性を知ることになるだろう。主に放送録音っが音源のようだが、適度に残響もあり、物によっては本家のRCAから出ているものより聴きやすいものもある。値段も安くお勧めである。

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     2010/04/18

    BSやCSでの放送でみた時は演奏はともかくリヒターの演奏姿に感銘をうけました。しかし、結論からいうと、58年盤はおろか69年盤を凌駕するものではない。58年の峻厳で禁欲的な、悪く言うならスクエアな演奏スタイルから、79年のまろやかでおっとりしたロマン的なスタイルへと芸風が変化する過渡期の演奏。最も雰囲気が近いのは、廃盤になっている69年春の来日公演ライヴだ。歌手が若返っているものの58年や69年盤、79年盤に比べると、シュライヤーほか数人以外は格落ち感が否めないといったら過言だろうか。58年の方が峻厳さや緊張度では上回るが、温かみや自在さを獲得していっているのは面白いが、貴重な映像をみられる利点をもってしても、歌唱の質や緊張感では58年盤はおろか69年盤すらも超えられていない。ただ、リヒターのマタイを愛する人は往時をしのぶには貴重な映像記録であり、CDも含めた4種類をぜひ手元にもっておきたいものだ。69年春の来日公演ライヴは2010年春現在、廃盤になっているようだが、こういうものは世界遺産であり、採算性を無視してでも売るべきで、U社には強く再発売を願いたい。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2010/04/17

    黒人歌手としてマリアン・アンダーソンが初めてMETの檜舞台に立った公演だったように記憶する。アンダーソンやミラノフの陰のある情念あふれる歌声、ピアースやメリルの力強い歌唱…貧しいことばでしか語れないのがもどかしいが、この名演の最大の立役者はミトロプーロスだろう。特に後半から終盤の凄まじさは特筆されるべきものだ。この公演は当時話題を呼び、直後に一部キャストを入れ替えて、抜粋盤のLPがRCAに録音されている。昔、Mytoから出ていたはずだが、大幅な値下げでの再登場は歓迎だ。古いオペラ物に興味ある方は必携。

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     2010/04/17

    以前出ていたM&A盤は某黄色の店で8000円ほどだったと記憶しており、かなりの値下げの再登場でファンにはありがたい。M&A盤を聴いた時の感想となるが、比較的クリュイタンスとしてはテンポを遅めに構え、歌手陣も充実した名演です。惜しむらくは音質の冴えなさでしょう。放送局のオリジナル音源ではなく、ラジオ中継からのエアチェックのようです。鑑賞に耐えないほどではないが、聴きとおすのはいささか疲れたという記憶があります。
      

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     2010/04/17

    このWALHALL盤ではなく昔出ていたCETRAのCDを持っているが、昔のオペラものが好きな方は必携である。ミトプの緩急自在な激しい指揮のもと、ステッラやタッカー、ウォーレンともに白熱した歌を聴かせ、興奮させられる。アリアへの聴衆の拍手やブーイングなど盛り上がりも凄まじい。40〜50年代のMETのライヴ盤は、富の集中した米国の国力を象徴するかのごとく、実に優れたものが多くみられるが、これはその中でも秀逸なものの一つだ。お持ちでない方はぜひ廃盤になる前に入手をお勧めしたい。私もこれを買いなおそうか迷っているぐらいだ。この当時はカラスやテバルディ、ステファノ、デルモナコ、ゴッビらの最盛期であり、このような凄みのあるトスカの舞台に生で接することができた当時の聴衆たちのなんと幸せなことか。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/17

    昔、LP時代末期に出回っていたRCAレーベルの粗悪な国内廉価LPで聴いていた者だが、せかせかとがさつで鋭角的なだけの演奏と思い込んでいたこの演奏が、実は驚くほど豊かな歌心と陰影に富んだある意味ロマン的な演奏であると、本家RCAのCD化によって気づかされたことを思い出す。Otakenの復刻は時に当たり外れがあるのだが、これは当たりの部類に入り、本家のCD以上に、音に厚みや潤いが増し、オケの力量の高さもよく分かり、感銘を受けた。XRCDはさらにすばらしい音質だろうが、これだけでも十分演奏は堪能できる。久しぶりに聴いて感じたのは、最近の古楽風演奏の流行の中では、この程度の速さの演奏が多くなり、むしろ第3楽章などはロマンティックにさえ聴こえるということだ。

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     2010/03/26

    ナガノ&ベルリン・ドイツ交響楽団の来日公演で、だいぶ前この曲を聴いた。ライヴもCDも変わらず、浄化された響きの美しい演奏だ。大地の歌のように線の細いテノールを起用するなど奇をてらった演奏にはならず、きちんと正攻法のマーラーである。万人に薦められよう。ちなみに、ナガノの大地の歌を批判したら、海外在住の方から「いまどきヘルデンなんて古い」とのたまう方からお叱りの書き込みを受けたが、小生、古臭いかも知れないが、ヘルデンテノールでないワーグナーやマーラーは何と言われてもどうにも生理的に受けつけないのである。古楽器のベートーヴェンやブラームス全盛の時代に、なぜ時代遅れのフルヴェンのCDが売れるのだろうか。時代遅れと片付けるのはたやすい。流行を追いたいなら、ロックでも聴かれたら如何かと存じます。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/22

    RAIとの演奏は放送用スタジオ録音。録音年代を考えると、音質は今ひとつで、おまけに針音を消すためか、高音のつやのない復刻音になっているが、演奏は異種格闘技のユニークさが楽しめる。第5はウィーンフィルの54年セッション盤をさらに遅くしたようなテンポだが、一発録りなのか相手の出方を伺いながらの独特の緊張感が面白い。オケの腕が今ひとつなのは惜しまれ、改めてベルリンフィルやウィーンフィルの質の高さにも気づかされる。第6の方がフルヴェンらしい演奏で、健闘すれども管楽器の巧さなどは手兵とは比肩すべくもないが、巨匠の陰鬱な重々しさをラテンの歌心と明るい響きが中和して、独特の味わいを出している。メニューインとの47年ベルリンライヴは劇的な名演として有名なもので、もともと比較的聞き易い音のものだ。米軍の輸送機らしいブーンという音も聞こえ、当時の政治情勢がしのばれる。ただ、この演奏に関していえば、昔のチェトラ盤や、入手しやすいターラ盤の方が音質はベターと思われる。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/19

    このジャケットデザインが懐かしい。モーツアルトもショパンも不治の病に冒された最晩年、文字通り身を削っての名演だ。両方ともスイスのライヴで音は貧弱だが、端正な造形、高貴な響きと生の最後の光芒と死への覚悟のようなものすら感じるソロは異彩を放っている。カラヤンの指揮は流麗で美しく、アッカーマンの指揮も熱くソロを支えている。かつてこのデザインで流通していたLP時代、ショパンは「ピアノ・リパッティ:管弦楽伴奏」という触れ込みでショパンのソナタ第3番とカップリングで売られ、当時の評論家たちは最高級の名盤と賛美していたが、80年代前半になって実はツェルニーステファンスカとスメタチェークのスプラフォン1955年録音盤と同一というのが分かり、代わりに改めて発売されたのがこのライヴ盤だった。当時、吉田秀和さんのFM番組「名曲のたのしみ」で、この話が紹介されたうえでこのライヴ盤が放送され、演奏を初めて耳にしたのだが、大いに驚き、無定見な音楽界に大いに失望したものだ。「偽」と分かってからも、再評価されず注目度が今ひとつだったステファンスカ盤も正統的な一級の名演なので、この項をお読みの方はぜひとも一度お聞きになることをお勧めする。(DENON COCQ83816)

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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