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Ichirokagawa さんのレビュー一覧 

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     2021/10/06

    ボールトとのピアノ協奏曲以外は初出音源だそうで、極めて興味深く聴いた。ほぼモノーラル録音なので、音の抜けはイマイチだが、ピアノ協奏曲はセッション収録でもあり非常にクリアな音質である。最後のグルダの即興演奏はステレオ録音で、グルダが好き勝手にやっているのが面白かった。グルダの弾くショパンは、モーツァルトのように親密な感じではなく、クールな印象を受ける。前奏曲では、第20曲などは独特の雰囲気を醸すし、協奏曲でのクリアなタッチもグルダならではである。そんな中でも4曲のバラードはパッションが迸る様を味わうことができる。2枚組のセットで、寄せ集め的な印象はあるが、グルダファンなら持っていて損はない。

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     2021/09/25

    “迷宮”とネーミングされたピアノ小品集だが、普通のピアノアルバムではない。ブニアティシヴィリというピアニストが迷い込んだ、彼女自身の内面宇宙を表現したものである。だから、バッハでもブラームスでも、メロディーは作曲家のそれを借りてはいるが、表現されるのは原曲とは全然違うものである。この静かな音世界を味わうのである。ケージの”4分33秒”も、実は様々な音がきこえる。異色のアルバムである。でも、ブニアティシヴィリの”普通”の演奏をもっと聴きたい。

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     2021/09/24

    トレヴァー・ピノックはやはり単なるジェントルマンではなかった!ブルックナーの交響曲を室内アンサンブルでやろうなんて、只者ではない。バッハのゴルトベルク変奏曲を室内アンサンブルでやったしまう様な指揮者なのである。演奏が始まって、艶っぽいストリングスの調べが流れ出した時は、何の曲が始まったのか、思考が停止してしまった。ブルックナーの第2番ハ短調で間違いないようである。しかも、アンソニー・ペインによる室内アンサンブル版で、世界発録音だという。従来のブルックナー演奏からは遥か遠く離れている。ブルックナーの原曲を一旦更にして、一から作曲し直した感じ。全く別の作品にしか聴こえないが、ブルックナー特有の曖昧模糊としたところはうまく表現できている。
    ヨハン・シュトラウス2世のワルツ『酒、女、歌』(アルバン・ベルク編曲)は、本来ならこちらが室内アンサンブル向けの作品で、仄暗いトーンがベルクらしいと思った。

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     2021/09/22

    バーミンガム市響との2011年11月のライヴ録音。ネルソンス、この時満32歳。ショスタコーヴィッチの演奏に当たって、とてもそんな年齢に思えない。ネルソンスの表現は取り立てて際立つところはないが、聴こえて来る音楽が説得力を持っているのは、表現が小手先のものでない証拠である。ライヴ録音のせいか、サウンドが少し痩せて聴こえるが、オケの上手さは抜群である。余談だが、第1楽章の”チチンプイプイ”が繰り返し演奏されると、ラヴェルのボレロと同じように、なにか変な気分になる。なお、終演後の拍手が1分以上も収録されているが、制作者としては記録としてどうしても残したかったのだろう。

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     2021/09/22

    宮沢明子のソナティネアルバムの第1巻で、クーラウとクレメンティが各6曲、デュセックが1曲の内容。先ず、音色が非常に美しい。ベーゼンドルファーのあたたかみのある、しかもちゃんと芯がある理想的なピアノの音である。録音の良さは宮沢明子の録音中ベストかも知れない。演奏は、一点の曇りもなく、ベストな宮沢明子が聴ける。なので、クレメンティの作品の芸術性の高さが際立つことになる。

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     2021/09/18

    ボストン響とのショスタコーヴィチ・シリーズ。交響曲第10番に先立って収録されているのは、歌劇『ムツェンスク郡のマクベス夫人』からの「パッサカリア」で、強烈な構成感と圧倒的な音響で聴き手を掴んで放さない。
    ネルソンスはバーミンガム市響とも交響曲第7番の録音があり、ショスタコーヴィッチは得意とするところだろうが、ボストン響という名オケを得たことで一気に花開いた感がある。交響曲第10番も圧倒的な演奏で、終演後の拍手が成功の証である。

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     2021/09/18

    アンドリス・ネルソンスがバイエルン放送響を指揮したライヴ録音。『新世界交響曲』の録音は数多あるが、その中でネルソンスが狙ったのはあくまでも正攻法で、バイエルン放送響という世界一のオケの威力をまざまざと見せつける。交響詩『英雄の歌』は新世界交響曲の4年後に作曲された作品で、個人的には初めて聴いたが、ドヴォルザークらしいメロディーをたっぷりと堪能できる。なかなか良い作品だと思うので、もっと演奏されてもよい。演奏はこちらの方がメリハリが効いていて楽しめた。

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     2021/09/17

    シューマンは有名だが、ドヴォルザークのは余り聴く機会がない。でも、Stephen Houghのピアノで聴くとなかなか良い。Houghの演奏は、地に足が着いた実在感のある弾きぶり。テンポはピアニスト寄りだろう、ネルソンスが所在ない感がなきにしもあらず。

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     2021/09/15

    プッチーニのボエームは、大好きな演目で随分いろいろ聴いてきたが、バーンスタインのこのセットは実に良い。カラヤンがベルリン・フィルを振った盤が有名で、歌手もスター級をずらりと揃えていた。バーンスタインは、歌手は有名どころは余りいないが、かなり頑張っていて、オケやコーラスはカラヤン盤を凌ぐ。表現で最も異なるのがエンディングで、カラヤンがロドルフォ役の歌手に絶叫させ、オケも煽るという場面。バーンスタインはそんなクサいことはさせず、淡々と歌わせることでかえってロドルフォの絶望に寄り添っている気がする。

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     2021/09/15

    アンドリス・ネルソンスの指揮によるR.シュトラウスの有名曲の揃い踏み。演奏は、先ず勢いがある。表現はストレートで、ちから技の様なところがないではないが、語り口のうまさはさすがである。ドゥダメルがベルリン・フィルを振った盤があるが、ネルソンスに一日の長がある。バーミンガム市響はラトル等の薫陶を受けているだけあって底力がある。サウンドはクリアかつ雄大で、特に「ツァラ」の重低音は痺れる。

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     2021/09/13

    トレヴァー・ピノックがロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブルを指揮したバッハの「ゴルトベルク変奏曲」の室内オケ版である。編曲者のユゼフ・コフレルは、1944年に家族と共にホロコーストの犠牲になったとみられているそうだが、この編曲からは全く暗い影を感じることは出来ない。ひたすらのどかな、明るくて、幸福感に満ちた音楽である。そして、原曲の持つ音楽性の深さに改めて感動するのである。この演奏を聴く喜びは、是非お裾分けしたいと思う。
    (追記)この演奏には、トロント王立音楽院グレン・グールド校のメンバーが加わっているが、これはかつてのグールドの演奏に対するリスペクトなのだろう。

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     2021/09/08

    メトロポリタンオペラにおけるバーンスタインのカルメン。前奏曲はテンポ遅く、ワクワク感はない。が、オペラが始まって聴き進めるにつれ、ゆっくりオペラを鑑賞するには、これくらいのテンポの方が心地よい。行ったことはないが、メトロポリタンオペラでカルメンを観る状況がイメージできる。そもそも、なぜオペラを音だけで聴くのか?よく問われることだ。舞台がないとつまらないだろう、と。でも、仮に映像で鑑賞するにしても、主役は舞台であって、音楽ではない。自分は音楽を楽しみたい。舞台はどのようにもイメージできるし、またその方が何度聴いてむ飽きることがない。舞台は一度観れば、繰り返し観ようとは思わない。このカルメンの録音は、サウンドが非常にクリアで、歌手、コーラス、オケは超一流。そしてなにより完璧なパースペクション。はっきり言ってバーンスタインの影は見えないが、実は全てを支配しているのも事実。音響としてのオペラ録音として、これ以上何も望むものはない。

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     2021/09/07

    アンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団による、2014年のライヴ録音で、曲目はワーグナーの「タンホイザー」序曲とシベリウスの交響曲第2番。レーベルはBSOクラシックスという独自レーベル。ボストン響のサウンドはクリアで、特にシベリウスの作品については向いていると思う。行ったことはないが、フィンランドの冷涼な空気感を味わえる。ネルソンスの指揮は外連味なくストレートなタクトなので、作品の素性を描出することに長けている。ワーグナーも爽やかな演奏である。

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     2021/09/06

    ツェルニーの30曲からなる練習曲は、それぞれ番号と速度表示しか与えられていないが、何と色々な音楽が織り込まれていることか!宮沢明子の弾くピアノで一曲一曲と聴き進むにつれ、感動さえ覚える。この練習曲、日本ではポピュラーながら、欧米ではあまり弾かれないという。なんとももったいないと言うべきか。練習曲としてだけでなく鑑賞用としてももっと聴かれるべきだ。なんと言ってもリストの師匠が作曲した作品なのだから。宮沢明子の演奏は小気味良く、ライナーノーツの練習者に向けた文章も泣かせる。1974年の菅野沖彦氏による録音なので音質は極上である。

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     2021/09/04

    エラス=カサドが指揮をした「春の祭典」。それは、まるで歌っているように聴こえる。嘗て前衛であった音楽が、既に古典となった証とも言える。演奏するパリ管弦楽団にして、幾度も演奏してきたであろうし、それこそ鼻歌まじりで演奏しているかのよう。音楽は、刺激感は抑えられ、まろやかな響きが印象的である。冒頭に置かれたエトヴェシュのヴァイオリン協奏曲第3番『アルハンブラ』は、当然のことながら初めて聴く。2019年のグラナダ音楽祭の委嘱作品として、ここで演奏しているイザベル・ファウストのヴァイオリンとエラス=カサドの指揮によって初演されたそうである。グラナダにあるアルハンブラ宮殿に触発されたものらしく、私も昔に訪れた記憶を呼び戻そうとしたが、作曲家が描こうとしたものは抽象的で、純粋に音楽を楽しんだ方がよい。

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