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金山寺味噌 さんのレビュー一覧 

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     2015/12/29

    ベルギー出身でフランスで活躍した作曲家・ヴァイオリニストのアンリ・ヴュータン(1820~81)はヴァイオリンのヴィルトゥオーソとして文字通り世界を飛び回るような多忙な日々を過ごす一方で、作曲家としても精力的な創作活動に勤しみ多くの作品を残した。代表作は7曲あるヴァイオリン協奏曲で、特に第4番と第5番は完成度の高い作品として評価されていて現在でもしばしば演奏されている。

    本盤はヴュータンと同じくベルギー出身でフランスで活躍したヴァイオリニストであるグリュミオーがソリスト、ラヴェルの直弟子として知られるロザンタールが伴奏指揮を担当している。同郷の大先輩の作品だけあってグリュミオーも気合いが入っているのか、熱気を感じさせる演奏である。それでいて彼の最大の売り物である優雅で華麗な技巧と甘い美音は決して失われておらず、バランスが取れている。フランコ・ベルギー楽派の正統をゆく名演であろう。ロザンタールの伴奏指揮は堅実でスマート、長年の「相棒」グリュミオーをしっかりと支え名コンビぶりを披露している。旧フィリップス・レーベルによる録音で、音質良好。

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     2015/12/29

    クリストフ・エッシェンバッハ指揮北ドイツ放送交響楽団によるヒンデミットの管弦楽曲集。ヴァイオリン協奏曲のソリストは五嶋みどりが務めている。かつての天才少女みどりも40代半ばとなり、今や世界的巨匠MIDORIとしてその名を仰がれる存在となった。丁寧でしなやかながらもライブらしく熱気と集中力を感じさせる演奏で、彼女がいよいよ円熟の境地を迎えつつあることが伝わってきた。エッシェンバッハの指揮も入念に工夫されていて、一癖も二癖もあるヒンデミットの複雑でモダンな音楽を巧みに表現している。ライブ収録ながら音質も良好であり、グラミー賞受賞も伊達ではないな、と思わせてくれるアルバムである。

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     2015/12/27

    48系、ハロプロ、アイストなど各アイドルグループから参加したメンバーがモデルにチャレンジ。いつものアイドルグラビアとは一味違う表情、ポーズなどが面白い。着用した服の詳細な情報が掲載されていてファッション寄りに構成された雑誌である。アイドル誌らしい記事としては、各方面のアイドル通や現役アイドルたちが”今年の一曲”を選んだ「2015 OVERTURE楽曲大賞」(78p~ )、牧野真莉愛、竹内朱莉、広瀬彩海など野球好きのハロプロメンバーが”ハロメンで打線を組んだら”と自身の妄想を披露する「ハロプロベースボールクラシック」(56p~ )、さくら学院の楽曲クリエイターたちによる座談会「さくら学院・楽曲制作の裏バナシ」(104~105p)が興味深い内容。

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     2015/12/26

    ℃-ute9枚目のアルバム、タイトルは「シーメジャーナインス」と読ませる。5つの音で構成される和音の意味で、メンバー5人のハーモニーによって始まり、最後もまたメンバー5人のハーモニーによって閉じられるというユニークな構成である。前半はアルバム用の新曲、後半は最近のシングル曲という並びで、アルバム用の新曲にはメンバーそれぞれのフィーチャー曲があり要注目。岡井ちゃんのソウルフルな歌声が魅力の『男と女とForever』、なっきぃ(中島早貴)のストレートなロックナンバー『情熱エクスタシー』、まいまい(萩原舞)のEDMポップス『デジタリック→0[LOVE]』、愛理のしなやかで艶のある歌声が聴き応え十分の『羨んじゃう』、そしてリーダー舞美のしっとりとしたアダルティなバラード『夜風のMessage』、どれも聴き逃せない曲ばかりである。特に『情熱エクスタシー』でのマーティ・フリードマンのギターソロの超絶テクニックは聴きもの。『心の叫びを歌にしてみた』、『The Middle Management~女性中間管理職~』といったシングル曲では5人の息のあったパフォーマンスが聴きどころ、充実の内容である。

    今年の5月29日にLIQUIDROOM(東京都渋谷区)で開催されたコンサート「ナルチカ2015℃-ute5/29 恵比寿 LIQUIDROOM」の模様を収録したDVDでは℃メンの貫禄のステージングを堪能できる。特に℃のダンス番長なっきぃの切れ味鋭いダンスはいつ見てもほれぼれさせられる。ハロプロの序列最上位グループとしていよいよ円熟の境地に入ってきた℃-uteの活躍にこれからも目が離せない。

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     2015/12/15

    大ヒット漫画『日之丸街宣女子(ひのまるがいせんおとめ)』の著者、女性漫画家の富田安紀子氏の著書。『日之丸街宣女子』発表の顛末だけに留まらず、これまでの自身の漫画家人生を振り返る自伝的な内容となっている。彼女は以前は「富田安紀良」名義で漫画を描いていて、ヤンママとかホストとかが主人公の一見保守思想とは関係なさそうな作品を発表していた。しかしすでに日本と韓国の歴史観の違いなどについて取り上げたりしていて、彼女が保守思想の元で作品を執筆していくようになるのは自然の成り行きだったといえる。(『Night blood 4 (モーニングKC)』を参照してみて下さい)

    いわゆる「ぱよちん隊」一味による言論弾圧への抗戦、「ヘイトスピーチ」なるものの実態、朝日新聞を筆頭とするメディアの隠蔽・捏造とそれに対するカウンターなどがつぶさに描写されており、読み応えは十分。卑劣な弾圧にもめげず「日本が好きでなぜ悪い!」という信念を貫いて戦う富田氏には頭が下がる思いだ。そして彼女の思いをよく理解し支えているのが夫君の高岩ヨシヒロ氏。夫婦二人三脚で共に歩き、共に戦う姿勢は感動的で、美しい夫婦愛の物語としても読める本である。

    富田氏は漫画家という自身の職業に誇りを持っており、漫画家としての特性を生かした独自のスタンスによる活動を展開している。在特会やチャンネル桜などの”行動する保守”を支持し応援する立場ながら、完全に”中の人に成りきらずにある程度の距離を置いている。「漫画家という性質上、半「活動」・半「取材」の目で見ている」(5p)と本人は書いていて、熱い心で戦いつつもその視座はあくまでも冷静である。「私の仕事は「フィクション」で喜ばせること」(259p)とも書いていて、あの『日之丸街宣女子』にしてもモデルは実在の団体・個人ながら作品自体は純然たるフィクションであり、あくまでもエンターテイメントであることを理解しておくべきだろう。

    富田氏は言い切る。「生まれ育った国が好き、ただそれだけのこと」(97p)と。そう、ただそれだけでいいのだ。自分の生まれ育った国を愛するのに小難しい理屈は必要ないのだ。

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     2015/12/10

    1964年、リヒャルト・シュトラウス生誕100周年を記念して当時のドイツではシュトラウス作品の集中的な演奏会、録音が盛んに行われていた。日本から招
    かれた指揮者の朝比奈隆はベルリン放送交響楽団(現:ベルリン・ドイツ交響楽団)を指揮して『アルプス交響曲』を振った。この時が『アルペン』の初振りだったという朝比奈さんは「やってみたらそんなに難しい曲じゃない」とすっかりこの曲が気に入り、以降自分のレパートリーに加えた。晩年朝比奈さんはレパートリーを絞り込みほぼベートーヴェンとブルックナーに集中していた感があるが、時折思い出したように『アルペン』を振った。朝比奈さんと公私ともに親交のあった評論家の宇野功芳氏は「朝比奈は『アルプス交響曲』大好き人間だった」と評している。

    本CDは2枚組で、1枚目はモーツァルトのピアノ協奏曲第22番、2枚目に『アルペン』が収録されている。1964年3月4、5日、旧西ベルリン、自由ベルリン放
    送大ホールでのセッション収録。直後に行われた演奏会のプログラムの順序通りの収録である。『アルペン』はゆったりとしたテンポで堂々と進められる。いかにも朝比奈さんらしいスケールの大きさ、男性的なロマンティズムがなんとも魅力的である。当時のベルリン放送交響楽団はまだ古き良きドイツの音色を十分に残していて、いぶし銀の朗々たる響きをもって朝比奈さんの要求に応じている。特に「終結」での厚みのとコクのある情感の豊かさは格別のものだ。前プロのモーツァルトの22番のソリストはアメリカ在住のピアニストであったリリアン・カリール、かのパメラ・フランクの母親であるという。いかにも女流らしく繊細でたおやかなソロで、朝比奈さんの堅固な伴奏がそれをしっかりと支えている、といった印象。近年のモーツァルト演奏ではちょっと聴けないような懐かしさがある。50年前の録音ながら音質は良好で、ヴァイトブリック・レーベルのリマスタリング技術の高さを裏付けている。

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     2015/12/05

    CDのほうはベスト盤ながらちょっと物足らない内容なのが惜しいが、ブルーレイのメンバーセレクト映像集は興味深い内容。CDで漏れた曲をこっちで補完してるということなのかな。メジャーデビュー曲の『夢見る15歳』とか『あすはデートなのに、今すぐ声が聞きたい』とか入っててもいい曲とかもあるんだけどな。

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     2015/12/05

    エンヤ久しぶりのオリジナル・フルアルバムだが、この人はいい意味で変わらない
    人だな、と感じた。ポップ、クラシック、故郷アイルランドの民族音楽など様々な要素を融合して作り上げた、荘厳にして透明感に満ちた流麗な音楽。といって新しい要素に目を向けていないわけではなく、四つ打ちのリズミカルなナンバー『Even In The Shadows』にはコールドプレイなど若い世代のアーティストから受けた影響
    が感じられる。自分の基本的な音楽世界を壊さない範囲でなら、新しい要素を受け入れる度量も備えているのだ。ジャケ写の表情にはさすがに年齢(54歳)を感じさせもするが、「癒しの歌声」は健在であり、安心してエンヤの世界に浸りきることができた。

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     2015/12/04

    リヒテル晩年期の特徴がよく撮らえられた録音集といえる。晩年のリヒテルは外面的な効果を厳しく抑制し曲想を深く深く掘り下げる内省的な演奏を披露していたが、この録音集に聴く演奏はまさにそれである。陰影の濃い、渋いいぶし銀の味わいだが聴き応えは十分。音質も良好。

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     2015/12/03

    おもて表紙および巻頭記事はアンジュルムリーダー和田彩花(あやちょ)の2万字インタビュー。巻頭グラビアでも20ページがあやちょの写真で占められて
    いて、すっかり大人っぽくなったあやちょの美貌を堪能できる。インタビューでは群馬で生まれ育った素朴でシャイな少女がプラチナ期のモーニング娘。に憧れてハロプロを目指し、ハロプロエッグを経てスマイレージ初期メンバーにしてリーダーとなり、メンバーの卒業と加入、幾多の困難を乗り越えてアンジュルムと改名、ファーストホールツアーに辿り付くまでを大いに語っている。11月29日の武道館公演をもって同期の福田花音(かにょん)が卒業、初期メンバーはあやちょ1人となるのだが本人はまだまだアイドル活動を継続するという。「だって、まだモーニング娘。になってないんですもん!あの頃の!」(48p)と言うあやちょのコメントに彼女の理想の高さとやる気が感じられ、頼もしく思った。

    そのあやちょのエッグ時代の仲間であるチャオ・ベッラ・チンクエッティ(旧THE ポッシボー)の岡田ロビン翔子(144p~ )とアップアップガール(仮)の佐藤綾乃(あやのん、160p~ )のインタビューも興味深い。ポッシもアプガは辿った道こそ違えど山有り谷有りのアイドル人生を送っており、現在は吉川友も含めたユニット「チーム負けん気」に合流し奮闘を続けている。「落ちたままで終わるのは一番カッコ悪いなと思って。ネットでは「www」で終わることかも知れないけど、自分は納得できない」(156p)と語るロビン、「私はやる気のスイッチが入ったんですよ。「あ、私がメンバーを引っ張っていかないとこれは本当に終わる!」って。なんとか変えたかったんです」(172p)と語るあやのん、ハロプロの外でたくましく生き抜いてきた彼女たちの言葉は力強い。

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     2015/11/30

    バレンボイムが手兵シカゴ交響楽団と1990年代に録音した後期ロマン派の管弦楽作品の録音集。おしなべて整然として丁寧な仕上がりで大きな難はないが、曲によっては(特にリヒャルト・シュトラウス)もう少しガッツリきてくれないかな、ちょっと安全運転気味のように感じた。CD4のマーラーの5番は出色の出来映えで、速めのテンポ設定で颯爽と駆け抜け気合い乗りも十分、ユダヤ人バレンボイムのマーラーに対する敬意の深さを感じた。様々な時期の録音を集めているせいか音質は一定ではないが(マーラーの5番は音質良好)、平均してまずまずのレベル。

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     2015/11/22

    フルトヴェングラーにあこがれて指揮者を志したというバレンボイムが満を持して録音した「恩師」の作品、のはずだが意外と燃焼度がもう一つで、ちょっとガッカリ。表面的な仕上がりは丁寧で、音質も良好なのだが。安全運転に徹したという印象である。2001年12月12〜15日、シカゴ、オーケストラ・ホールでのセッション収録。

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     2015/11/22

    『ありがとう~無限のエール~』と『嵐を起こすんだ Exciting Fight!』は日本レスリング協会とのタイアップソング。『ありがとう~』は選手団讃歌、『嵐を起こすんだ~』は協会応援ソングである。『嵐を起こすんだ~』は疾走感あるハードロックテイストの切れ味鋭いナンバー、『ありがとう~』は叙情的で流麗なバラード。両曲ともレスリング協会の福田会長が作詞の原案であり、勝利への決意とこれまでの努力、支えてくれた人々への感謝を高らかに歌い上げている。ヴォーカル・
    ユニットとしての℃-uteの実力の高さを堪能できる。

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     2015/11/08

    Juice=Juiceの植村あかり(あーりー)のファースト写真集。研修生時代からその整った容姿で注目され、Juice=Juiceでデビュー後はさらにその美貌に磨きの掛かった感のあったあーりー待望の一冊。水着ショットはすべてビキニで、抜群のプロポーションを十二分に堪能できる。抜けるように白い肌とスラリと伸びた手脚、出るべきところは出て締まるべきところは締まるバランスの取れた体型がとても美しい。制服姿でプールに飛び込み、濡れた髪と制服のままでこちらを見つめるあーりーのクールビューティーな美貌にはドキリとさせられる。ジャージ姿やキャミソール姿も美しく惚れ惚れさせられる。まだ撮られ慣れていないせいか表情のバリエーションがやや乏しいのは致し方ないが、時折見せる無邪気な笑顔はいかにも16歳の少女らしくかわいらしい。付録のDVDは写真集のメイキングとあーりーのインタビュー。ビキニ姿で自転車をこぐシーンは必見。インタビューでのほんわかとして無邪気なしゃべりはクールビューティーな美貌とのギャップがスゴいのだけれど(笑)、それもまたあーりーの大きな魅力である。

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     2015/11/06

    クリストフ・エッシェンバッハは現在ではほぼ指揮活動に専念しているが、若い頃は世界的ピアニストとして活躍していた。1970年代から本格的な指揮活動を開始し徐々にピアニストとしての活動を縮小していくのだが、そのピアニストとしてのキャリアの終盤期である1975年に録音したのがこのメンデルスゾーンの『無言歌集』である。録音当時35歳、瑞々しく誠実なスタンスで1曲1曲の曲想を深く掘り下げ、抒情豊かに丁寧に弾いている。外面的というよりは内省的で、一見地味な印象だがそのポエティックさは聴く者の胸を打たずにはおかないだろう。音質良好。

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