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盤捨印 さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/24

    ここ数年のにわかアバド・ファンです。ベルリンフィルの音楽監督を勇退する頃から、アバドに魅せられるようになりました。主観的な解釈を押し付けるのではなく、全てを音楽に、楽譜に語らせようとする謙虚な姿勢は、時として面白みや説得力に欠けるものであったかもしれませんが、近年のアバドの音楽はまさに「巨匠」と呼ぶにふさわしい充実の極みの音楽を聞かせてくれるようになりました。特にアバドを慕って集まるルツェルンのメンバーとアバドの信頼関係が直に伝わってくるアバド・ルツェルンにようマーラーシリーズのDVD(BR)は私の宝物です。音楽を心から愛する指揮者、そして指揮者を敬愛し、最高のパフォーマンスを惜しげもなく繰り広げる楽団員。終演後、団員同士が抱き合っている姿が映し出されますが、彼らにとっても感動の、奇跡を体験した演奏だったのでしょう。さて演奏ですが、ユジャ・ワンのプロコフィエフ。レヴュアーの皆さん大絶賛ですが、ぼくはルツェルン会場の皆さんと同じような冷めた反応((笑))です。個人的な趣味の問題ですが、「無機的で冷たい響きはプロコに持ってこい」とは思えなかった。ワンの演奏、確かにキレはあるけどもう少し深みと、グロテスクさ、そこまで行かなくてもアクのようなものが欲しいと感じました。もっともぼくはプロコにみなさんのようなエーテル的な透明でしかもドライな音楽を求めているわけではなく、もっと土臭さと聞き手を「異化」させるようなたくらみを求めているので、そう感じるのかもしれません。それにしても、ワンはこれから大家として成長していくだろうかなぁなどと余計な心配をしてしまうのでした。マーラー1番。実は、好きでなはない曲。でもね。アバド・ルツェルンですから、一応聞いておこうと、購入したんですが、やっぱり買ってよかった。見て良かった。1番、こんなに響きが多様で、広がりと奥行きのある曲だったのですね。グロテスクさはないけど、どこをとっても音楽への共感と不思議な「優しさ」に満ちた演奏です。とにかく。オケの個人技、そしてアンサンブルのバランスが本当にお見事。1番、こんなにいい曲だったんですね! そんななか4楽章に現れる「不安」は背筋が凍るような怖さがありました。それにしても4楽章で指揮をしながら見せるアバドの嬉しそうで満足げな表情。音楽の内容にはそぐわない気もしますが… 蛇足ですが、今回も会場にサイモン・ラトルが足を運んでいました。 もうひとつ。mimiさん、レヴュー感動しました。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/21

    すばらしい演奏です。グールドは変奏曲と相性がいいのでしょうか。あるいは、グールドの演奏スタイルと、作曲家が変奏を生み出してゆくプロセスが、オーバーラップするのでしょうか。突出した意表さ、知的な快楽の探究はなりを潜め、なによりもリスナーはグールドのピアノとともに千変万化するベートーヴェンの変奏の妙を心行くまで愉しむことが出来ます。グールドの演奏は、モーツァルト以降の作曲家ではなかなかファーストチョイスとしてお薦めできる演奏が少ないのですが、このディスクは、同曲のファーストチョイスとしてもお薦めできそうです。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/04

    たとえカラヤンのすべての録音を聞いていなくても、「カラヤン最高の演奏」と叫びたくなるほど素晴らしい演奏です。ともすれば、「媚」「粗さ」を感じるカラヤンですが、このシベリウスはそうしたマイナス面を全く感じさせない孤高の演奏です。さらに管楽器奏者が、まさに北欧の響きを醸し出し、弦楽器も一糸乱れぬ繊細なアンサンブルで、清冽な演奏を繰り広げています。これほど完成度が高く、感動的な演奏は稀有です。音楽に対するこうしたアプローチのカラヤンを、もっと聞きたかった。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/20

    ミュンヘンフィル Vs バレンボイム。さながら2つのオーケストラがぶつかり合い、融合するかのごとき豊饒でスリリングな演奏。チェリビダッケ Vs バレンボイム。さながら二人の大指揮者が互いの個性を主張し、認め合いながら、ひたむきにブラームスの対極に取り組む結果生まれた音楽はいささかの弛緩もない大伽藍。広がりも奥行きも深さも兼ね備えた圧倒的な名演。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/09

    今日届いたばかりでまだ全部聞いていません。途中経過です。
    エラート全集以来のフォーレ室内楽のファン。前回のEMIの全集はがっかりだったけど(フォーレがわかってないんじゃないかと思うような演奏家が参加してぶち壊し)、今回のカピュソン兄弟他の演奏は合格点。他のレビュアーが触れていらっしゃらないところだけ挙げると、アンゲリッシュのピアノ。しっかりフォーレの音楽をおさえていて特筆に値する活躍。一方ピアノ五重奏の1番のピアノはダルベルトだが、この演奏に関してはこちらも悪くない。まだ出だししか聴けてないけど、この1番は相当な名演の予感。アンゲリッシュの加わった2番も楽しみ。ヴァイオリン・ソナタはロマンチックに流れることなく、節度をもった演奏であるところが好ましいが、2番はもう少し内なる熱情を感じさせて欲しいと思う。まあ、そこがルノーの持ち味なのか。ゴーティエ・カピュソン、未聴ですが、今までの彼の演奏を考えれば、安心して聞けそうです。期待も込めて★5つ。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/08

    マーラーの音楽の多面性を見事にあぶりだした希代の名演、名全集ではないでしょうか。情感、知性、さらに哲学。マーラーの音楽を深く深く追求した実にずっしりと重みのある全集です。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/08

    驚くような独創的解釈、新鮮な響き、刺激的なテンポ設定…そうしたものとは一切無縁の演奏。しかし入念なリハーサルに裏打ちされた実に丁寧な音楽はひたすら傾聴に値する。あざといところは一切なく、指揮者や演奏家の独りよがりの解釈を押し付けるでもなく、美しく、管楽器はとてもチャーミングに、音楽は清らかな川のように流れていく。全てはアバド流ということか。最後まで聞くと、またはじめから聞いてみたくなる。このCDとは長く付き合っていけそうだ。クラシック音楽に「汗」や「涙」といった感動を求める方には★4つ、最近のアバドの演奏が気になっていらっしゃる方には★5つでもいいかな?

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/03

    これを聴いたらレビューを書かざるを得ない。そうでもしないとこの感動と驚嘆の気持ちの高ぶりを他に逃すことが出来ない。そんな気持ちになるCDです。透明でみずみずしい抒情と心にしみわたるような極上のピアノの音色。音楽として完成しており、かといって決して学究的ではなく、ワンフレーズワンフレーズが奇跡の連続のように新鮮に響き、驚きと感動の連続です。特に個人的に好きな1番と4番のすばらしさ。もう言葉がありません。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/02

    最初に聞いたクラシックレコードの中の一枚が絶頂期のミルシテインと共演したヴァイオリン協奏曲。以来スタインバーグはクラシック音楽体験の原点となっています。今回こうした形でスタインバーグの演奏がまとめて聞けるのは望外の幸せです。今からCDが届くのを楽しみにしています。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/26

    鮮烈な解釈。肺腑をえぐるような痛切な抒情。このピアニストは尋常ではない。やはり抒情的で個性的なエッシェンバッハの前奏曲集はモノトーンの調べだったが、ポゴレリチのパレットは様々な絵具で彩られ、演奏は絢爛。ホロヴィッツやポリーニのピアノの音色をさらに神経質にしたような響きは独特で時にヒステリック。24曲目は棹尾を飾るにふさわしい圧倒的な名演。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/20

    1楽章を聞き始め、これはワルター/コロンビアの解釈とみずみずしさをそのまま小編成オーケストラに移し替えたようなたゆたう美しさとはかなさを感じさせる名演、と感じました。しかし聞きすすむにつれ魅力は薄れ、4楽章はかなり疑問。たとえて言うなら、役者が悲しみを表現する時、涙を流すことでしか悲しみを表現することが出来ないとしたら、その役者は未熟。同じ様に、金の指揮は孤独や悲しみといった感情を、ただテンポの動きのみで表現しようとしているかのように感じられてしまう。表現力をもう少し身につけて欲しい。さらに苦言を呈すると、この演奏は全集を録音することが目的化してしまい、準備が十分整っていなかったのではないだろうか、などと余計な事を考えさせてしまう。どうしてもこの曲を演奏したいという指揮者のこの曲への共感が乏しいように感じられるからだ。5年後の再録を期待したい。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/19

    当然のことながら重厚で質実剛健なドイツ的演奏。洗練さはないが、野卑でもない。特筆すべきはペーター・ダムのホルン。2楽章の美しさは何にも代えがたい魅力がある。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/17

    ピヒト=アクセンフェルトは1台のピアノから驚くほど多用な響きを紡ぎだす。多くのピアニストは楽奏の変化や、アクセントやニュアンスを加えるために音色に変化をつける。しかし、アクセンフェルトはポリフォニックな声部一つ一つに独自の響きを与え、それぞれの声部がまるで生き物のように有機的にかかわりあい、響きあい、えも言えぬ深い音楽を奏でるのである。これほどのテクニックを、アクセンフェルトはひたすら作品解釈に駆使し、表面を取り繕うことに用いない。アクセンフェルトの演奏は、各声部との対話のようであり、思索にあふれ、哲学的でありながら、同時に音楽としての普遍性を獲得して、独りよがりの世界に閉じこもっていない。この演奏はシューベルトの本質を見事に捉え、優しさと孤独と不安、おののきを、他の誰の演奏よりも直截に表現しているものと思う。21番のソナタのファンはもとより、ドイツロマン派の音楽に興味を抱く人には是非とも聞いて欲しい正統的な名演である

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/01

    1枚目のシューマン「フモレスケ」から聞き始め、そのあまりの素晴らしさに、いてもたってもいられず投稿する羽目になりました。かつてリヒテルのシューベルトをリサイタルで聞いた吉田秀和氏が「どこか遠くに連れ去られていくような演奏」と遠山一行氏らに語っていたのを懐かしく思い出しました。しかし、ここでのシューマンは「遠くに連れされる」というよりも、とてもインティメートな演奏。まるで、部屋で友人に語り聞かせているような…いや、もしかしたら自分自身…ひょっとすると作曲者を部屋に招いて弾いているような、およそ大コンサートホールで不特定の聴衆に向けてかなでられるような音楽ではなく、もっと個人的で内面的な音楽。それでも作品に対する深い愛情と作曲者に対するレスペクトがひしひしと伝わってくる演奏。リヒテルはスタインウェイなどのピアノを「響きすぎる」と敬遠し、YAMAHAを愛用したとか…リヒテルはまず自分自身のために弾く。作曲者に対する深い尊敬を込めて。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/02/25

    単品で何枚かそろえた後、ダブりを承知で4枚組入手。しかし今回の掘り出し音源と価格の安さは何なんでしょう! 世間的に評価の高いモーツァルトの演奏を並べてみると、それははさながら金魚の品評会。尾びれが一番長いのはどれか…一番目が飛び出たのはどれか…。そんな異形の品評会と無縁の唯美的なモーツアルトを聞かせてくれるのがこのカサドシュの演奏。ロココと言えばそれまでなのかもしれませんが、スタイルを超越した普遍性を獲得した名演ではないでしょうか。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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