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Yuniko さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/02

    聴き始め、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」はちょっとおとなしいと感じたが、メドレー3曲目の「帰ってきたウルトラマン」から一気に音楽がヒートアップする。あとは「仮面ライダー」「海のトリトン」「デビルマン」「マジンガーZ」と、子どもの頃に胸を躍らせて見たヒーローたちの音による競演となる。1970年代に少年時代を過ごした者にとっては興奮&感涙もののアルバムです。三宅由佳莉がスキャットで歌う「無限に広がる大宇宙(宇宙戦艦ヤマト)」の美しさが絶妙の間奏曲となっている。同じく三宅由佳莉が歌う「キューティーハニー」も楽しい。聴いてて「いいのかな〜・・・・」という気になってくるくらい迫真の歌声(何がって?聴いてみてください)。案外、ご本人も楽しんでハニーを演じてたりして・・・・。 二番煎じといわれるかもしれないが、続編として「響け!ブラバン・ヒロインズ」も実現希望!「みなしごハッチ」や「美少女戦士セーラームーン」なんかを吹奏楽の響きで聴いてみたい。「ひみつのアッコちゃん」なんかも、三宅由佳莉が「キューティーハニー」の歌い方で歌ったら・・・・なんて考えると、また楽しそう。 最後に・・・・吹奏楽に編曲してもしっかり楽しめるということは、やはり70年代のアニメの曲は、曲自体に力がありますね。「子ども向きの音楽だから」などという手抜きやいい加減な仕事は、一切していないことが、このアルバムからも伝わります。  

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     2015/12/06

    ムソルグスキーの管弦楽曲が、滅多に聴くことのない珍曲も含めて名演ぞろいで聴ける。
    「禿山の一夜」は実にすさまじいロシアの魑魅魍魎たちの百鬼夜行。国こそ違えど、亡くなったばかりの巨匠・水木しげる御大の描き出す妖怪画の世界そのまま。
    「展覧会の絵」も「こびと」「カタコンブ」「バーバ・ヤーガ」の不気味さは言うに及ばず。その反面、哀感たっぷりに歌い上げる「古城」「ブイドロ」、かわいらしくて茶目っ気たっぷりの「ひよこのバレエ」。爆演系の代表のように言われるスヴェトラーノフ師だが、決してそれだけの人ではなかったことがよく分かる。ただ、終曲「キエフの大きな門」は録音レベルが低く抑えられているようで、少し盛り上がりに欠ける。実際は圧倒的な音の伽藍を築き上げていたのだろう。なお、ラヴェル編曲版を基本にしつつ、ところどころにスヴェトラーノフの改変がなされており、それが効果を上げている。
    「カルスの奪還」「スケルツォ」「交響的間奏曲」は初めて聴く曲だが、スヴェトラーノフ流の手腕で、きちんとまとめられている。

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     2015/12/06

    「カルメン」とデュカスは未聴なので、マゼール&クリーヴランドの「アルルの女」と「子どもの遊び」のレビューを記す。
    マゼール&クリーヴランドの「アルルの女」を聴いて感じるのは、ひたひたと迫ってくる寒々とした寂寥感である。有名な第2組曲のメヌエットの冷え切った寂しさと言ったらない。そして気づく。「アルルの女」の原作は、文豪アルフォンス・ドーデが書いたアルルの若者の悲恋物語であることに。劇の終幕で、恋に破れた主人公フレデリは、許嫁ヴィヴェットの献身的な愛にも背を向け、粉挽き小屋から身を躍らせて自らの命を絶つのである。マゼール&クリーヴランド管の「アルルの女」は、誰も救われない悲劇の付随音楽であるこの曲の悲劇性を、恐ろしいまでに突きつけてくる。名曲「アルルの女」を、こんなに寒々と冷酷に演奏しているのはマゼール&クリーヴランド管だけだろう。そしてそのために、この演奏はスタンダードに昇格することなど永遠になく、忘れられていくのだろう。しかし私は「アルルの女」が「悲劇の音楽・死の音楽」であることを描ききったこの演奏を、超絶の名演と呼ぶことに何の迷いもない。  「子どもの遊び」はあまり聴くことのない曲だが、1曲ごとの性格を描き分けた演奏であり、マゼールの音楽作りのうまさが光る。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/10/31

    ルドルフ・ケンペとバイエルン放送交響楽団のブラームス:交響曲第1番。聴き始めてまず、弦楽群の美しい音色にとらわれた。ヴァイオリンの切々とした歌。木管群・金管群も節度ある穏やかな響きで、とにかく弦の歌を前面に立てた演奏である。当然、第2楽章はとても美しく、浪漫あふれる旋律が嫋々と歌われていく。第4楽章の序奏でホルンとフルートが呼び交わすところも、夜明けの朝の光が当たりに充ち満ちてくるような爽やかさである。主部に入ると、一転して快速なテンポで輝かしい凱歌が響き渡る。と言っても、ここでも弦の朗々とした歌が流れる。歌心に満ちた演奏であることに加え、アンサンブルも一糸乱れず、バイエルン放送響のアンサンブルの優秀さも見事。  2曲目のボレロは、モノーラル録音ながら、音質は悪くない。前半に次々と現れる管楽器のソロが、きっちりとメロディーの輪郭線を描いき、時に絶妙なアクセントが入る。カラヤン&ベルリン・フィルのボレロが幻想的で妖艶・絢爛と言うなら、こちらは「スイスの時計」のような精巧なボレロ。・・・・といいことを書いてきたが、真ん中あたりのトロンボーン・ソロでソプラノ・サックスが間違って一緒に入ってしまい、動揺したのかトロンボーンの足取りが危うくなる(間違いに気づいたのか、トロンボーンの音量が「あれ?」という感じでほんの一瞬小さくなるのまで記録されている)。最後、スネアドラムのリズムが崩れて、急転直下、曲が終わる場面で、スネアドラムが本当でずっこけてしまい、5連符で「ダダダダダ・ダン!」と終わるべきところが、6連符で「ダダダダダダ・ダン!」となる。ボレロは難曲として知られるが、ソロが入りを間違えたのとスネアがリズムを本当に崩したのは、ちょっと大きめの事故。まあでも、この演奏がなされた1960年代半ばは、ボレロを演奏する際はこうした事故はつきものだったのかもしれない。  1965年1月収録のブラームスがステレオなのに、同年7月収録のボレロがモノーラルなのは残念。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/10/23

    実は、初めて聴いてオケのたどたどしさにちょっとびっくり、改めて演奏者名をチェックし直した。巨匠ピエール・ブーレーズが指揮しているのが、モスクワ音楽院交響楽団。聴いたことのないオーケストラ・・・・と思ったら、どうやらモスクワの音楽家たちによる臨時編成のオケらしい。  ブーレーズの「ペトルーシュカ」は、名盤として知られるニューヨーク・フィルとのSONY盤を愛聴しているが、比べるのはちょっとかわいそうな感じ。ただ、聴いているうちにこのたどたどしさが、おもしろくなってくる。ニューヨーク・フィル(あるいは再録音のクリーヴランド管)が容姿端麗なバレリーナによる流麗なバレエだとすれば、こちらはパペットショー。貶して言っているのではない。パペットショーにはパペットショーなりのよさがある。そして、この「ペトルーシュカ」は実らぬ恋に身を焼いて命を落とすパペットの悲劇をバレエにしたもの。ニューヨーク・フィルとの名盤とは異なる「ペトルーシュカ」の魅力を楽しめました。意外な発見が一つ。終幕で出てくるペトルーシュカの幽霊の叫びは、トランペット二人で交互に演奏していることを知った。ソロ・トランペットと2番トランペットの力量差が大きいために気づいたのだが(ソロも危なっかしいが)、腕達者な奏者による演奏より、幽霊の悲痛な叫びがよく表されている。  ウェーベルンの「6つの小品」は、12音技法による難解な曲だが、ブーレーズがうまくさばいていて、各曲の性格が描き分けられる。  ドビュッシーの「海」は、弦楽と木管の薄さ・非力さを感じるが、各楽章の特色や曲全体の構成はきちんと表現されている。 モスクワ音楽院交響楽団は、お世辞にもよいオケとは言えないが(はっきり言ってヘタ!)、ブーレーズのような世界の一流指揮者が導けば、寄せ集めの三流オケでも力量を超えた演奏を成し遂げることができるという事実に素直に拍手。5つ星とはいかないが、いろいろな意味で貴重な記録であることも踏まえて、4つ星の価値はあります。  録音は鮮明な音だが、木管とチェレスタ、グロッケンシュピールが前面に出すぎていて、あまりバランスがよくない。

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     2014/08/14

    カラヤン1980sがついに発売。カラヤンは1984年に来日した際、黒田恭一氏のインタビューに答えて「これからあと50〜60枚のレコードを作りたい。聴く人にも私自身の心にも感動を与えるレコードを。それが私の芸術上の”遺言(テスタメント)”」と語っていた(レコード芸術84年12月号)。「カラヤン&ベルリンpoの全盛期は?」と問われると、私自身は「1970年代」と答えるだろうし、実際にカラヤン1970sのレビューにもそう書いた。たしかに1960年代・70年代と比べると、オーケストラ芸術の極致のような凄みは後退しているかもしれないが、80年代のカラヤンには、一つ一つの作品を慈しみつつ演奏しているような、愛惜の情が感じられる。そこがいい。オリジナル・カップリング、オリジナル・ジャケットでのBOXも、ぜひこうでなくては!やはりカラヤンの生前から彼のレコードを追いかけてきた人間としては、LP初発売時のものを再現してほしいのである。EU盤だからジャケットもきれいだろうと勝手に期待しています。前回のカラヤン70sはオリジナル・カップリングがなされているKorea盤を購入したのだが、スキャニングのミスなのか美しかったはずのオリジナル・ジャケットが赤茶けていたりカラヤンの顔がゆがんでいたりしてがっかりした。EU盤のジャケットは60s・70sともきれいだったと商品比較の記事で読んだので、今回は期待。  カラヤン1980sの収録曲目を見て、「おぉ!」と思ったことが一つ。カラヤン生涯ただ一度の登場となった「ニューイヤー・コンサート1987」。当然このBOXにも含まれているが、ジプシー男爵・皇帝円舞曲・常動曲が収録されて2枚組となっている。この3曲は既発売のCDではカットされており、この時の演奏曲を完全収録したものは初CD化ではないか?カラヤンのニューイヤー・コンサートは、1987年の元日にテレビの前で息を詰めて見て、絶美のワルツに酔いしれた。ところが日本初発売時に(同年4月、世界に先駆けての発売だった)完全収録でないのを知って、がっかりした思い出がある。もしこのたび完全収録したCDになるのなら、とてもうれしいことである。  最後にぜいたくかつわがままな望みだが、カラヤン初期録音集やN響との悲愴、普門館の第9、日本でのラスト・コンサート3夜など、DG(ユニバーサル)から発売されてこれまでのBOXに納められていないものも、まとめてBOXになるとしたら、もう言うことはありません。

    14人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/05/04

    ゼルキンの硬質でクリスタルながらあたたかいピアノ、クーベリック&バイエルン放送響の充実しきった響き。真摯で格調高い最高のベートーヴェン演奏。大げさな書き方をするが、今そこにベートーヴェンが降臨して演奏しているような錯覚すらおぼえてしまう。繰り返し聴いても聴き飽きるどころか、またすぐにこの壮大な音楽世界に浸たりたくなってくる。最高のベートーヴェン、言うことなし!

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/05/04

    クリスタルで硬質な響きながら、冷たさはなく慈愛に満ちた温かさを感じるルドルフ・ゼルキンのピアノ。こういうベートーヴェンを聴きたいと思っていました。ピアノ・ソナタも協奏曲も大満足です。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/22

    「春の祭典」演奏史(名演史)、オケの技量の発展史をたどることのできる好セット。もちろん「春の祭典」そのもののいろいろな演奏も楽しめる。各CDの紙ジャケットもオリジナルのデザインを再現しており、趣味性・芸術性ともに高い。 @ストコフスキー&フィラデルフィア管:1920年代とは思えない高音質。オケもうまい!初演後20年も経っていないのに、これだけの演奏ができているということに驚き!  Aストラヴィンスキー&ニューヨーク・フィル:あっさりとしたクールな演奏。オケはニューヨーク・フィルのようだが崩壊寸前でハチャメチャ。  Bモントゥー&ボストン響:初演者モントゥーによる演奏は、オケはかなり危なっかしいにもかかわらず、体が自然に動き出してくるような演奏。この曲は演奏会用の曲なのではなく、バレエ音楽だったのだということを再認識した。ストラヴィンスキーが初演を彼に託したのも納得。演奏自体も「この危なさ・粗野さが曲の本質なのでは?」と思えてくる。  Cオーマンディー&フィラデルフィア管:モノラルにもかかわらず、また打楽器群の音量は抑えめであるにもかかわらず、ものすごい迫力。フィラデルフィア管の弦楽器群・管楽器群が圧倒的な実力を発揮する。「これがステレオだったら」と思うとゾクゾクしてくる!オリジナルLPを再現した紙ジャケを見ると「ペトルーシュカ」もカップリングされていたようだが、ぜひそれも収録してほしかった!  Dストラヴィンスキー&コロンビア響:解釈の基本線はニューヨーク・フィル盤と同じ。淡々としてあっさりとした演奏。 E小澤&シカゴ響:リズムが立ち、切れ味鋭い音楽作り。楽々とこの難曲を演奏するシカゴ響の高機能もすごい!通して聴いていくと、このあたりからオケの技量が急速に高まっているのが分かる(でもバレエ音楽っぽさは薄らいでいく)。  Fブーレーズ&クリーヴランド管:不滅の名盤。恥ずかしながらこのたび初めてブーレーズの旧盤を聴いた。長年にわたってこの曲の名盤として君臨しているのも納得の超名演。穏やかになってしまった新盤よりもずっとよい。  Gバーンスタイン&ロンドン響:ジャケットの迫力および芸術性は文句なし!演奏自体はどうもだぶついた感じで、ニューヨーク・フィルの旧盤との切れ味鋭い演奏の方が好み。  Hサロネン&フィルハーモニア管、Iティルソン=トーマス&サンフランシスコ響:易々とこの難曲を演奏するオケと振り通す指揮者。でも、たとえばモントゥーの演奏と比べると「春の祭典もずいぶんスマートになったけど、これでいいの?」と感じることもある。「春の祭典」の演奏に情熱を傾けた故・岩城宏之氏が著書「楽譜の風景」で述べていた「いつかオーケストラが、この難曲をモーツァルトでも歌うように演奏できる日が来るのだろうか」という言葉を思い出した。  高い意義のある初演100周年記念BOXだが、残念だった点を2つ。オリジナルLP(CD)のカップリング曲が復刻されているCD(小澤盤やサロネン盤)もあれば、オリジナルカップリングが再現されていないCD(オーマンディー盤やティルソン=トーマス盤)もあり、その不統一がちょっと残念。もう一つは、バーンスタイン旧盤やメータ&ニューヨーク・フィル盤なども含めた『SONY&RCAコンプリート「春の祭典」BOX』にしてもよかったなあと思う点。最後に二つケチを付けましたが、でもこのBOXは好企画で文句なしの5つ星です。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/21

    文句なしにイチオシのシューベルト交響曲全集です。

    初期の交響曲である第1・第2・第3・第4は、いずれも快速のテンポで、すごく生き生きとした演奏。第3番の第1楽章のテンポが既出の他の演奏よりゆっくり目だが、それらの演奏は「ちょっと速すぎてせわしない」と感じていたので、マゼールのが速すぎず遅すぎずちょうどよいくらいの速さ。4曲とも第2楽章が、主旋律を彩るいろいろな装飾音や刺繍音がとてもチャーミング。他の指揮者では聴かれない万華鏡のような緩徐楽章。マゼールの芸風にはちょっとそぐわない言葉だが、第1〜第4までの初期の交響曲はとてもチャーミングなのである。

    第5・第6・第7「未完成」になるとちょっと様相が違ってくる。3曲ともダイナミクスの幅が大きくなり、よく言えばドラマティック、悪く言えばちょっと威圧的な演奏(ベートーヴェンみたい)。特に「未完成」は、昔のこの曲の演奏で聴かれた「ウィーンの夢」とは大きく異なる、大交響曲としての演奏である。なお全集中では「未完成」のみ第1楽章主題提示部の反復を実行している。第5番の第3楽章のトリオで大きくテンポを落として歌うのがユニークな解釈。

    第8番「グレイト」。これまでの演奏同様に木管がよく利いている。第5・第6・第7同様にダイナミクスの幅は広いが、オケの編成自体もかなり大きいようで、音量の変化による唐突感や威圧感は感じない。つづく第3楽章はかなりの高速テンポだが、いろいろな楽器が奏でるスケルツォの細かいリズムが、解像度の高い写真で見るようによく分かる。第4楽章。他の指揮者の演奏よりもゆっくり目。第3楽章同様に細かい動きがあるのだが、その各旋律の動きがからみ合い増殖しほぐれ合って、壮大な音の曼荼羅を繰り広げる。その細かいリズム音型に載る旋律が、ゆっくり目のテンポに乗ってよく歌う。抜群のテンポ感・歌にあふれた造形によって、快速のテンポで進んだ「グレイト」の印象に安定感が加わり、軽やかさと安定感を両立させた絶妙の解釈。

    チクルスの演奏会場が本拠地ガスタイクではなく、中規模ホールのプリンツレゲンテンテアターだったことも明晰な演奏にプラスに働いている。録音もとてもよく、BRSOの音色の瑞々しさ、機能性(でも機械的ではなく暖かみのある機能性)も存分に味わえる。初めてシューベルトの交響曲全集を買おうと思っている人にはもちろん、2組目・3組目を求めている人にも自信を持っておすすめできる演奏です。個人的には、シューベルト交響曲全集の一押しです。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 19人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/25

    やったー!KARAJAN 70ついに発売。カラヤン&ベルリン・フィルの絶頂期は70年代だと考えているので、このBOXは願ってもない宝です。ベートーヴェン交響曲全集が、幻想交響曲が、アルルの女&カルメンが、時の終わりの劇が、ドイツ&オーストリア名行進曲が、チャイコフスキー交響曲全集が、マーラーの交響曲が、一気に、しかもオリジナルジャケット&オリジナルカップリングで手に入る!最高です。LP&CD聴いてきてよかった!奇しくも2月は私の誕生月。最高のバースデープレゼントです(^^)クラシック音楽を聴き始めた中学生の頃(70年代後半)、レコード店の売り場に輝くカラヤンの最新LPは、憧れでした。中でも、「アルルの女&カルメン」と「ペール・ギュント&十字軍の兵士シーグル」は、初めて購入したクラシックのレコードで、クラシック音楽を聴く喜びを教えてくれた思い出のレコードです。でも中学生の乏しい小遣いでは、カラヤンの最新LPのすべてを購入できるはずもなく、涙をのんで購入を見送っていた演奏ばかりでした。今回のBOXでさっそく購入させていただきます。

    19人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/30

    いま新盤を試聴し終わりました。
    曲の解釈やオケの音色は基本的には旧盤と同じです(今は手元にありませんが、旧盤も所有していて一時期愛聴していました)。旧盤が表現意欲に充ち満ちて時折音楽の流れを悪くするところがあったけど、新盤はゆとりが感じられて音楽の流れがより自然に感じます。そこらへんは、どちらがよいかは聴く人の好みで選択ですね。
    録音の面で感じたことを一つ。旧盤は、全9曲の音量が均一に聞こえるのに対し、新盤は曲ごとの音量(というかオケの鳴り具合)に差異があるのを感じました。調性によってオケの鳴り具合に違いがあり、ピリオドオケではそれが顕著に表れると言われていますが、新盤はそこら辺まで録音でとらえているのかもと感じました。逆に言うと、旧盤は制作者側の音量調整がやや過剰なのかもしれません。一番にオケの鳴りがよかったのは、意外にも初期の第2番で、逆に一番鳴っていないと感じたのは第5番「運命」です。ただやせた響きでゴリゴリと鳴る「運命」には、大編成の演奏とは違うスリルを感じます。おもしろいことにこの印象は、一昨年のマゼール指揮イワキメモリアルオケのベートーヴェン全交響曲振るマラソンを聴いた印象と同じです。ということは(話題がそれますが)一昨年大晦日のマゼールによるベートーヴェン振るマラソンは、ピリオドオケの特色をモダンオケでも表現することができた大演奏と言えるかもしれません。
    演奏・ピリオドオケの音色ともどもおもしろく聴けたのは第1から第6まで。モダンオケと比べ管がかなり前面に出て、しかもモダン楽器と違う無骨な響きなので、それがベートーヴェンの曲想とよくマッチします。逆に、第7・第8・第9は、少人数のピリオドオケでは響きが細すぎて(古楽派には叱られそうだけど)物足りません。
    星4つにしようかとも思いましたが、ピリオドオケの先駆者の一人であることに敬意を表して星5つです。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/02/26

    「スペイン狂詩曲」と「クープランの墓」が、繊細さと力強さをあわせ持つ名演。「道化師の朝の歌」は骨太すぎる感じがする。カラヤン&パリ管弦楽団の組み合わせによるフランス音楽アルバムは貴重だが、代表盤というほどではない。カラヤンファンの方は「買い」だけど。ところで、オリジナルには「ラ・ヴァルス」が収録されていたはずだけど、このSACD盤ではどうなってるの?当サイトや他サイトのジャケット写真には「La Valse」とプリントされているようだが、曲目紹介には「スペイン、道化師、クープラン」の3曲だけ。せっかくのSACD盤、しかもオリジナルデザインでの発売は国内初なのに、完全復刻でないとしたらいけませんな。このEMIのSACDシリーズ、オリジナルのカップリング&オリジナルのジャケットデザインでとても好感が持てるのに、なぜこの1枚だけそういうことをするの?星4つあげたけど、もし本当で「ラ・ヴァルス」がカットされてるなら、★(★一つ)だね。

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/06

    昨年(2010年)大晦日のベートーヴェン全交響曲連続演奏会に打ちのめされ、今年はベートーヴェンを買いまくりました。交響曲全集は、岩城&N響、コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、マゼール&クリーヴランド管、カラヤン&ベルリンpo1977年来日ライヴ、そしてベーム&ウィーンpoと5種類も購入していました。どれもみなすばらしい演奏で、ベートーヴェンの交響曲を聴く楽しさ・幸せを満喫させてくれましたが、ベーム&ウィーンpoの演奏は「古典派交響曲をじっくり聴いたなあ」という充実感を満たしてくれます。「田園」は以前から世評も高く、しっとりした瑞々しい演奏を予想していたのですが、ずいぶんと骨太の硬派の演奏に聞こえました。第2・第4・第8といった偶数番交響曲も、骨格のしっかりした造形の中にそれぞれの曲の美しさを表現しています。初期の第1と、レビューで評価が分かれている第3・第5・第7・第9も一音たりともゆるがせにしない充実しきった演奏です。3曲収録されている序曲(エグモント、コリオラン、プロメテウスの創造物)も交響曲に劣らぬ重厚な名演です。
    この全集は、ドイツ・グラモフォンがウィーンpoとレコーディング契約を結んで最初のレコーディングだったはずです。のちのカラヤン、バーンスタイン、マゼールらのウィーンpo録音と比べると、音の印象が少し違うのがおもしろいと思います。第5・第9はムジークフェラインザールでの録音ではないようですが、録音場所の違いによるウィーンpoサウンドの違いも楽しめました。
    オリジナルのデザインを生かしたボックスというのもうれしいですね。
    音楽はもちろん、演奏・録音と3拍子そろったこの全集。重量感あるオケで堂々としたベートーヴェンを味わいたい人、伝統的スタイルのベートーヴェン(古楽ばやりの今は旗色が悪いですが)をじっくりと味わいたい人、絶対に「買い」です。

    10人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2011/09/07

    スーザ行進曲集のベスト1はこれ。ある時はどっしりと、またある時はウキウキと沸き立つように踏みしめるリズム。華やかな木管群のオブリガートと、勇壮な金管群のグランディオーソ。そして、各楽器の分離と豊かな雰囲気感のあるアナログ録音完成期の超優秀な録音。LP初発売時のオリジナルジャケットデザインというものうれしい。演奏・録音・ジャケットデザインの3拍子そろった名盤。スーザの行進曲といえば、指揮者ドナルド・ハンスバーガーの師匠であるフレデリック・フェネルによる演奏の方が評価が高いようであるが、演奏・録音ともにこちらの方が上である。重厚な「忠誠」、活気あふれる「十字軍」、情熱の中に一抹の悲哀を感じる「闘技士」が特に聴き物。「ワシントン・ポスト」「雷神」「美中の美」などの有名作品が入っていないのは、少し残念だが・・・。

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