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風信子 さんのレビュー一覧 

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     2018/12/15

    ケッヘル500番代はモーツァルト晩年の4年間に書かれたことを示す バッハのスコアと出会ったモーツァルトに劇的な変化が起きた晩年だ このピアノ・トリオ三曲はそこで書かれている 殊更にコントラプンクトを多用している訳ではないが 三つの楽器が独立して等分に自己主張し精妙なアンサンブルを組み立てている ブラームスの同種曲を聴いた時の失望と倦怠を思い出してしまった それと比べてはいけないが ここには単調も退屈もない これほど自由と共立を感じる音楽があるだろうか プレヴィンを要とした三人の演奏は軽やかでそこはかとなく簡素でありながら 淡い感情の波を送り続けている 華やぐ風情に明るい寂寥が漂う品の良さはかけがえの無いものに思える 生きる歓びと哀しみがひたひたと寄せてくる 今日も晴れて命息づく 静かに呼吸するリズムを聞いているようだ あなたも如何 

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     2018/12/14

    なぜ忘れていたのだろう クラリネットもいいがヴィオラもあったことを忘れていた いやいやブラームスという”音楽”を忘れることはないけれど つい疎遠になる雰囲気を醸しているのがブラームスだ 聴けば心に語りかけてこないことがない音楽は優しさや愛らしささえ蔵している それが気安く側に置けない存在感を感じさせずにいない 気にはなるが声が掛けづらいそんな友人をあなたは持っていないだろうか 当にブラームスがそれだ だから このソナタにカシャカシャ否カシュカシアンの演奏があることにも思い当たらなかった カシュカシアンのファンなのに滅多に聴こうとしない ブラームスと同じだ その音楽を愛でたいほどに共感しているのについつい近づかない もう20年も前の録音なのにほったらかしにしてしまった 聴けば そうこうだね こうで有らねばならない奏でが流れ込んでくる心を抱えて わたしは陶酔し覚醒し愛しく寂しい これがブラームスだった もしまだなら あなたも如何  

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     2018/12/13

    いつまでも色褪せない名演 楽曲と作曲家の個性を明確に映し出しながら演奏者としてのプレヴィンとLSOの存在を灯りにして明滅させている バランスが取れた演奏と言ってしまえば簡単だが その両者が存立し共鳴することが如何に難しいか 多くは作品に寄りかかるか引き摺られるか 逆に演奏者が捏ねくり回すか改竄するか そうした演奏に出会うのは容易い 一見何もしていないように見えるプレヴィン の指揮は音楽が自然に流れ出す 自ずと繊細な表情の陰影が浮かび上がり わたしたちの心に染み入ってくる 静かだが雄弁なメッセージと千変万化の情感が流れ込んでくる ショスタコーヴィチの知性と楽天性を踏み台にした克己心の裏側にある恐怖と怒りが見える プロコフィエフのユーモアに隠されたシニカルな慧眼 それを再び隠すには”キージェ中尉”は格好の題材だったと知れる どちらも演奏は虚仮威しをせず 楽興の時を愉しんでいる 全て楽器が生きて語っているでは無いか もしまだなら あなたも如何 

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     2018/12/12

    希望が無限に続くと思える苦痛に耐えるとは RVWが”南極交響曲”の冒頭に掲げた言葉だ 五つの楽章すべてに言葉が添えられ ここでは読み上げられてから演奏に入る 映画”南極のスコット”から編集されたとはいえ異形である  Landscape風景と題する楽章をスケルツォと間奏曲が挟み その外にア・カペラによるソプラノと女声合唱付きの序幕と閉幕が置かれる 肝心の中身に当たるストーリーが無いのだ 南極探検に向かったスコット隊の苦難と葛藤が描かれていない ただ自然の脅威に圧倒された心理だけが伺えるのみだ 異形といえば”第8交響曲”も楽章に名が付いている 幻想曲という名の変奏曲 スケルツォという名の管楽器による行進曲 カヴァティーナという弦楽合奏曲 トッカータ およそ交響曲らしく無い楽章の寄せ集め もはやRVWの中で伝統的交響曲は実像として焦点を結ばなくなっていた 極めて興味深い そのソノリティは研究に値する 若き日のプレヴィンとLSOが敢然と挑んだ記録がここにある あなたも如何     

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     2018/12/12

    勇気をもらった音楽 もう半世紀近くも昔になるのか 当にホイットマンの”草の葉”全訳を読んで間もなかった ほんの一部ではあるものの”草の葉”を歌詞として歌った交響曲”シー・シンフォニー”の新録音が出た まだ駆け出しだったプレヴィン指揮LSOの演奏はわたしを驚かせた あの長大な詩集を読んで受けた印象と同じ心持ちにさせられたのだ RVWはホイットマンの思想を音楽で表現し得ていた 詩集の内容は海に特化したものではない この世界の生きとし生けるものと人間とが織りなす諸事諸行に美を見出し肯定し賛美している 草木の一葉から宇宙まで世界を詠い込んでいる そして未知なるものへ挑もうとする人間の営みにエールを送っている これから世に出よう身を立てようとしていたわたしは勇気付けられた プレヴィンも同様であったのではないかと察している 世界を愛し信じ日々に努力できると思った 世に知られ多くの人の耳に届くことを今も願うばかりだ あなたも如何 

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     2018/12/12

    40年以上前の音響設定であるにも拘らず その創造性に脱帽する ラヴェルの管弦楽編曲からの影響を云々する向きもあるが 音色のベースに人声とチェンバロとオルガンそして打楽器を据えモーグの機械音で増幅する手法と見た 人間は記憶からしか想像を膨らませることができない 聴く者もそこからしかイメージを拡大して行けない 聞こえたものが記憶を刺激するのは宿命である 後はそれぞれがどこまで広がり飛んで行けるかということに尽きる ”卵の殻を着けた雛の踊り”を筆頭に冨田勲のユーモアをわたしは愛する ジャケットにもあるあの”キエフの大門”のような家に住み あの塔の上の部屋でコンサートを開きたいと子供の頃から思っている 懐かしい音楽の友を招いて‥ そんな幻想をニコニコして聞いてくれるトミタがこの”展覧会の絵”の中にいる 失われた友への尽きない友情がこの音楽と演奏にはある 寒い冬の日 暖かい部屋で聴きたいものだ あなたも如何

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     2018/12/10

    百年目の追悼 世界大戦へ至った形而上の事由を人類は未だ解明していない 人が生命を道具に覇権を争う愚行が日常化してしまった衝撃に驚いているのは人間自身だ その恐怖と不自由はもう消すことができないまま 同じ間違いを繰り返して百年が経ってしまった 道具の進歩は人類を人殺しにしただけなのか 音楽には不安から悲哀までが刻まれている 悲しく辛い思いをするために音楽をしたくない ならばこれを昔々の記念碑に捧げるのではなく 私たちの魂に銘じるまでのことだ ”シュロンプシャーの若者”を初めて聴いた気がする そうでないかもしれないが魂に入った マーラーは痛かった 無惨だ ボストリッヂには他のマーラー歌曲も歌ってほしいものだ いくつもの国を跨いで殺し合いをしてしまった記憶は今も人類を慄え上がらせている 私たちは斯くも酷たらしい生き物なのか いつか冴え渡った頭で生まれ変わらなければ‥ あなたも如何 

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     2018/12/09

    11人のアメリカの作曲家が書いたピアノの小品が並ぶ ルグランが弾くサティを愛聴しているからピアノの腕に疑問はない 作曲家の手慰みでないことは慥かだ さてその音楽は馴染みのないものも多く 風光を愛でるとは言い難い冬の枯野をぼうっと眺めている小旅行の車窓には似合いそうだが 何が良いか可否を判ずるにはあまりに小粒な作品であれば 好みを言わせてもらおう ナンカウロ ガーシュイン ゴットシャルクあたりが面白かった というよりインパクトが残ったというべきか 他が面白くなかったのかと問われれば然にあらず それぞれに味があったと言っておこう 是非とは言わないが 何かの折に あなたも如何 

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     2018/12/09

    この第5交響曲も戦争から生まれたことを忘れてはいけない 悲惨と苦難の中で傷つき打ち拉がれそうになりながらも 生きようとする魂が閑かに叫んでいる 戦争交響曲4曲の中で最も勇気をもらう音楽がこの第5だ わたしはいつ聴いても涙を流す プレヴィン&LSOに勝る演奏を知らない 20世紀は戦争の時代だった 人間のエゴと欲がこれほど残虐な殺戮を繰り返せることをついに明かしてしまった哀しさに震えが止まらない 未だに戦争を正当化しようとする人間にこの地上には溢れている 人が人を憎み恨むことを子供たちに教えて武器を手渡す輩がいる 武器を作って輸出する国がある 恐ろしく酷い心はどこから生まれてくるのだろう 教育の貧困こそ人類が立ち向かうべき課題だろう ジョン・フレッチャー・ソロによるチューバ・コンチェルトは名演奏にして名曲だ コンサートで聞いたのは一度きり それほどに難しく腕がなければ太刀打ちできない難曲だ それだけにこの演奏もまたわたしの宝となっている あなたも如何 

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     2018/12/07

    コンサートで聴く機会を得ないプロコフィエフの室内楽だが 一聴すればその魅力と興味は無限大に広がる 知的で繊細な感性はひとに懐かない まあ誰でも分かれという方が無理だ プロコフィエフも孤独を託ったことだろう 先ずは第1クァルテットだが 選りに選ってロ短調と来た ”未完成”じゃあるまいし だが面白い 中間楽章はハ長調というのも意味深長 突っつき穿れば討論のタネは尽きない 第二次大戦中に疎開したコーカサスで書いた第2は当地の民謡を取り入れたようだが オリエンタル・ムードなど皆無だ 表現主義に徹して極めて面白い 非ロマンチストの面目躍如 人間や社会が内包する深層まで見通さずにいない慧眼が怖いほどだ さらに戦後ロストロポーヴィチのチェロに触発されて書いたチェロ・ソナタも孤独の森に囚われている 優しい歌と滑稽を装ったシニカルなステップが交錯するDuoを賞でる人はあっても愛でる人は少ない さて あなたは この淋しい森に入るや否や  
     

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     2018/12/06

    主情的だが主観的ではない音楽と演奏 だから客観性が増しある意味汎心論的でさえある グラズノフとは斯くも繊細な感性を持つ音楽家だったかと感じ入ってしまった 冬から秋に至る”四季”は風物をモチーフに描かれている バレエとして踊る時 例えカリカチュア化されたとしても無限に尽きない想像力が演じ手にそして観客に求められるだろう その時この音楽が凡てを繋ぐ働きをする 木管楽器を主体とした柔らかいソノリティに尽きない優しい眼差しを感じずにいられない 本当に美しい キタエンコとザグレブpoの簡素とも言える抑制されたサウンドと語るがごとき奏での儚さに胸締め付けられる チャイコフスキーの”セレナード”も同様のアプローチをする 大袈裟な立ち回りや表情を排してアンサンブルの回廊を一歩一歩進んでいく 清廉で潔い 演奏者が音楽に酔ったり思い入れを深くしたりする大時代は疾に終わっている だからこそ見えてくる作曲者の真情がある あなたも如何
     

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     2018/12/04

    二人の作曲家の個性が対照されて引き出されていた エルガーは稀代のストーリーテラーだ それからどうなるのと問い聴き進めたくなる音楽だ メロディーを追ってどこまでも行けそうだ かててウォルトンは詩なのだ 一つ一つの言葉が意味深い輝きを放って現れる それは何それは何故と問い掛けずにいられない音楽だ 勿論そこで一つ一つの問いに応えが返ってこないまま次々に珠玉の楽音が転がり出す 立ち止まらずこんがらからず音楽は進む 美しい問いは重ねられても重くならず濁らず透明の虹を八方へ放ち広がっていく 総体が無限の色彩を宿した宇宙となって眼前に立ち現れる なんという神秘 なんという安寧 ウォルトンは初めから完成していた 民族も時代も超えた真にコスモポリタンたる音楽が20世紀に生まれていたのだ ここには永遠がある エルガーは愛すべき作曲家である ウォルトンこそは敬意と憧れを持って学ばれるべき芸術家だ あなたも如何

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     2018/12/04

    人懐っこいベートーヴェンがいる これが彼の内実だったのだ 第2と第5は表現へ向かう傾きが強く出たが 後の3曲には人恋しく語りかけてくるベートーヴェンの姿が鮮明に映し出されている 誰が演奏してもそれは変わらないのだろうが アックスとプレヴィンの演奏からはその真影がより一層立ち上がっている これは演奏者の人格も反映されたものだろう 厳しく威圧的なイメージは払拭され 愛さずにはいられないベートーヴェン像が現れた 深く共感する ベートーヴェンほど愛に飢え愛を欲した人はいない 彼が後に古典派と呼ばれた枠を大きく踏み越えて行ったのは 彼が置かれた時代の趨勢の所為ばかりではなく 偏に個人的境遇ある故なのだ ロマン派時代とは社会の変化に伴って個人の在り方が問われたが為に 個性が作品の表面に浮き彫りなっていったことにより現れた現象なのだ その先駆けがベートーヴェンだった もし手に入るなら あなたも如何

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     2018/12/03

    昔々CDがこの世に登場した時のこと 高価なプレーヤー1号機を手に入れたもののディスクの供給が間に合っていなくて 数える程の(展示見本にする程度の)種類のCDからしか選択余地がなかった時に聴いた有名指揮者の”戴冠式ミサ”のつまらなかったことがトラウマになって 今日に至るまでモーツァルトの宗教曲は苦手だった エキルベイ&アクサンチュスの”戴冠式ミサ”は頭上を去らなかった暗雲を晴らしてくれた なんと簡素で身に染みてくる音楽だった 威丈高で重苦しい黒雲は払われた 宗教の壁を越えて心に呼びかけてくるあまりに人間的な音楽だった 続く”ヴェスプレ”はさらに音楽として面白く興味深い インスラ・オーケストラも見事だ エキルベイの活躍を期待せずにいられない あなたも如何

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     2018/12/01

    初めと終わりの交響曲 嘗てペトレンコはアヴァンギャルドとしてのスクリャービンを描いたと述べたが ロマン派の波の中で歌っていた第1交響曲は如何様にもならず まことに長閑な能天気さである それでも快速楽章には楽想を畳み掛ける個性が表れている この後に訪れるスクリャービン・スタイルを予感させる ”プロメテウス”はゲルシュタインのピアノからすでに明晰な象徴性を示している 管弦楽の重層的響きを捨てて 透視図法で描いた音図は新しい音世界への扉を開いたと言える 全てが未完で終わった作曲家だが果てしない可能性を感じれば感じるほど 彼の短い一生が悔やまれて仕方ない 重厚豪快なロシア音楽を期待すれば失望する スクリャービンは未来を歩いていたのだと知れば ペトレンコが当てた照準に頷けるだろう あなたも如何

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