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ヒューブーン さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/08/05

    交響曲などの「全集」の場合、@各々の曲が感動的であるか? の他にA全集としてのまとまりがあるか? の問題がある。このラトルの全集は、@もAも満たした、ひさびさに大推薦の全集だ。9曲とも「視点」が同じ立ち位置からのものだというまとまりのよさだし、これほど演奏され続けてきた曲に まだこういう演奏ができたのか!という発見もある。しかもそれは、きわめてオーソドックスな範疇からまったく逸脱していない。各々の曲を評すると好みが出てしまうが、2番、4番が特に気に入った(比較的ライバルが少ない曲だからか?)。5番も実に男らしい演奏。ただ、突出した魅力の演奏というわけでもないので、単売されると 少しだけ魅力が薄くなるナンバーがあるかも・・・

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/07/19

    メータのドヴォルザークと聞いただけで、『あぁおそらくこういう演奏ね』との(どちらかと言えばネガティヴな意味での)先入観があり、実際聴いてみて 全体としての音造りは先入観通りだった。んがしかし!特筆すべきはMidoriの演奏だろう。このヴァイオリンを聴くだけでこのCDの存在価値は絶対と言える。通常評価だと”軽すぎ”な感じのこのメータの指揮も、Midoriのバックアップ役に徹しているとするならこの上なく見事なサポートだ。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/07/17

    ジュリーニに関して、ロスフィル、シカゴ響、ウィーンフィル と3つのオケを振り分けた場合、もっとも個性の濃厚な音楽となったのがこのロサンゼルス・フィルだと思う。良い例がブラームスの第1番第2番であり、ウィーンフィルとのそれらに比べると、似て非なる「うざったさ」が満ちている。僕自身の感想になってしまうが、このウザったさ無くして、ジュリーニの存在価値は大幅に減退する。そもそもジュリーニの演奏は、「全体を見据えたおおらかな解釈」などではなく、細部にこだわり、しかしこだわり過ぎの一歩手前で手を引く、という瞬間芸に特徴があるわけで、僕としてはこの6枚組のBOXさえ持っていれば、ジュリーニは必要充分。その意味も含めて最高評価とした。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2014/07/17

    ブランド臭プンプンなCDだ。もちろんそれに見合うだけの演奏でないわけではない。部分的な盛り上がりや、思わずノリノリになってしまうようなサビで的確に聴覚をとらえる手腕はさすが。しかし全体を通して何かが物足らない。その「なにか?」とは、この曲そのものに対する「読み」みたいなものだと思う。哲学のない演奏と言えば言い過ぎかもしれないが、作曲者と切り離された音符が、巧言令(麗?)色にリスナーをキャッチしようとしている、、、そんな感じがした。

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     2014/05/23

    僕にとってインバルという指揮者は、「それこそ聴衆というのを意識しない」「ただ楽譜に書かれた音符を音化するだけ」で「意識的にニュアンスを醸し出そうなどと言う気は皆無」なイメージだ。そしてこの『巨人』も、まさにこのような表現がふさわしい演奏なのだが、それでいて何故か、出だしから感銘を受け、聴き終わるまで耳が離せない磁力に満ち満ちている。録音も素晴らしい。基本に忠実な演奏をするだけで、どうしてこれほどまで感動的なのか?ただただ不思議としか言いようがない。同曲では、古いところではワルターから始まり、バーンスタイン、アバド(CSO) など個性的な名盤が目白押し(個人的にはイワンフィッシャーなども好き)な中、これほどまでに無個性(というか、文章でいえば「行間」に何も詰まっていないという意味)なスタイルで、天下一品の演奏が産まれたことに、ただただ敬服する。

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     2014/05/23

    初稿という「意義」以外には、さほど魅力のある演奏群とは言えない。僕も購入してから数度聴きなおした記憶があるのは第3番だけで、それも第2楽章に関しては初稿の方が好きだからという、「演奏」でなく「譜面」がその理由だ。
    そもそもインバル氏には、リスナーに対するサーヴィス精神というのが皆無なように思える。自分の個性を押し出そうという自己顕示欲も皆無。「ただひたすら楽譜を忠実に再現することに徹した職人の結晶が作品として現れたような全集」と言える。
    ただその分、統一感というものは疑問をはさむ余地もなく、全集としてのまとまりと言う「意義」、そして冒頭で述べた初稿としての「意義」は計り知れない。あとは好きか?好きでないか? リスナーの好みの問題だと思う。*評価 は、意義と自分の好みとを、やや意義よりに折半した結果。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/05/19

    細かい細部まで神経の行き届いた演奏であるにもかかわらず、神経質系なピリピリした気持ちは感じられず 聴きやすい。しかし、「あるがままの自然を音楽として描写したらこんな感じになりますよ…」と言いたげなほど聴者を意識していない演奏であり、良くも悪くも、楽しむためのエンターテインメントとしての音楽演奏としては、かなり物足らないように思える。例えば終楽章終わり近くのディンドンディンドンと打ち鳴らされるティンパニーが、これほど感情を伴わない音で聴こえた例を僕は体験したことがない。同じマーラーであっても、5番以降の「ネジれたマーラー」を表現するなら「面白い解釈」と評せるかもしれないが、予定調和的な世界観が魅力の同曲=第3番におけるこの解釈は、個人的には残念ながらイチオシには難しい。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2014/05/07

    演奏自体、文句の付けようがない。
    ただ難癖を付けさせてもらえるなら、このジャケットは気色悪い。しかも敢えてモノトーンなのは何故だろうか?

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2014/05/03

    まずは、イルジー・ビエロフラーヴェクの指揮と、プラハ・フィルハーモニアが素晴らしい。個性の主張が濃いわけではないのに、必要十分な内容が内在されており、非の付け所がない。問題?はケラスの技術が必要以上に上手すぎ!ということだろうか。例えるなら、「外国から片田舎にやって来た、超テクニシャンな大道芸人」というような感じで、ドヴォルザークの味である「ノスタルジー」とか「カントリースタイル」などとは、ちょっと魅力が別次元な気がする。聴こえてくるチェロの音そのものも、弱音が異様に繊細で、聴いていて神経が鋭敏になってしまったり、重心の低い土臭さが不足している。こういう演奏が好みのリスナー諸氏には、もしかして理想的とも言えるのかもしれないが、田舎っぺスタイルとかノスタルジックな味にこだわる僕としては、まずは他のCDを聴きたくなる。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/28

    消去法で考えると、現役ブラームス交響曲全集中の 最高ディスクであると言えるかもしれない。とにかく「ツッコミ処」が皆無であり、逆に「ここはスバラシイ」的な個性も少なからず見受けられる。またオケが非常に優秀で、録音も秀逸なくせに、なんとなく古めかしさが感じられるのは、指揮者のセンスが19世紀的なのだろうか?とも考えさせられた(もちろん「イマドキ貴重」といういい意味で、ホメ言葉である)。
    全体を通して言えることだが、オケが自由に動き回らないように、俯瞰の視点から 音楽全体を厳しく監視する「意志」を強く感じるのも、このブラームスの特徴。ただそれが、例えばカラヤンの(とりわけ晩年の)ディスクにありがちな、聴いていて窮屈さを感じさせるようなものではない。
    これだけ優秀なブラームス全集ディスクなのだが、意外と後世に残らないかもしれない…とも考えさせられる。魅力が地味なのだ。
    こういう演奏は、目立たずにしかししっかり低空飛行を続け、人知れない宝石のような存在であってほしいとも思う。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/13

    チェロ協奏曲に関して、最初から最後まで完全に集中して聴き終えたのはひさびさな体験だった。ドヴォルザークには是非求めたい、外面的な「土臭さ」はあまり感じさせないのに、「心の中で素朴さを求める琴線」のようなものを刺激してやまない。ただこの聴覚の吸引力は、トラック4以降はあまり感じられなかったため、おそらくビエロフラーヴェクの指揮の魅力によるものだろうと思われた。(ビエロフラーヴェクは平成6年に日本フィルを振ったコンサートに出かけたことがあり、それはさほど記憶に残るような演奏ではなかったのだけど…)。あと余談と言えば余談だが、肩丸出しのマルーンカラーのドレスを着て森林の入り口で佇んでいるジャケットデザインは、通常日常生活ではありえない(日本人の感覚か?)世界であり、このCD販売に際してわざわざグラビア撮影をしたということなのか? 手が込んでいることは嬉しい限りだが、どうも購買層に媚びているような気もする。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/06

    カラヤンの作り出す音楽は、『とてつもなく単純な発想で、この上ない完璧さを追求したもの』であると言える。したがってブルックナーの全集の場合は、5番8番9番などの、曲そのものとして完成度の高いナンバーに関しては、(好き嫌いはあるにしろ)有無を言わせぬ説得力を感じる名演になっている。しかし1番2番などは、曲そのものに「聴かせどころ」と言えるサビが比較的希薄で、カラヤン流の完璧さは、かえってウルサく感じさせてしまう。良くも悪くも「まじめな演奏」なので、音楽全体に内在する「岩石」も「宝石」も、同格の真剣さで表現されてしまっていることがこの全集のネックとなってしまっているように思う。個人的に嫌いな全集ではないが、演奏技術の発達とともに存在意義が薄れてくる全集なのかもしれない…と思えた。

    10人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/02

    協奏曲=第2楽章のオケが(特に木管の響きが)たまらなく美しい。しかしこの曲に関して、オーケストラの豪勢な濁流にのめり込みそうになりながらも必死に自己主張しているようなタイプの演奏が好きな僕には、このディスクは少々物足らない。曲そのものよりも、ギラギラしたピアニストの個性が印象深い。狂詩曲=情緒的な演奏ではないので、よくありがちな「18番変奏のみ突出して浮いてしまう演奏」ではないところが好感持てる。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2014/03/30

    アシュケナージには、ハイティンクと組んだラフマニノフの新録音全集もあるが、少なくともこの2曲に関しては、こちらのプレヴィン盤の方が優れていると思う。
    2曲ともハイティンク盤のほうが「音の厚み」を感じるが、一音一音の流れに込められたニュアンスのようなものがこのプレヴィン盤は絶妙で、そのセンスのよさに気づいてしまうと、もはやハイティンク盤は凡庸にすら感じてしまう。第1番は、ロシア風のメランコリック味を、上質な品格で包み込んだような演奏。野性味は感じないが、第1番には実はこのようなスタイルが望ましいような気もする。第3番に関しては、個人的にはこのような「甘い」ラフマニノフよりも、自作自演の盤のように、ガンガン鳴らす名人芸系のほうが好みではある。が、甘い系ラフマニノフの演奏の中では、この演奏が一番納得がいく。

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     2014/03/30

    『白鳥の湖』『くるみ割り人形』は、同曲の演奏としても最高、メータの演奏としても(チャイコフスキーやシューマンの交響曲全集と並んで)最高 の評価をしたい。これらの演奏に触れてからというもの、他のディスクを聴いていると何かしらの不満を感じるほど。ただ『眠れる…』は、録音がややショボくて、ちょっと生気が足らない気がする。ただとりあえず悪い演奏ではないし、他の2曲の存在が大きいので、★5つの評価は揺るがない。

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