トップ > My ページ > eroicka さんのレビュー一覧

eroicka さんのレビュー一覧 

検索結果:701件中526件から540件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/09

    カラヤンはマーラー演奏には一種の恐れがあり、70年代までは録音しなかったという。インタビュー本で5番や9番の録音には骨が折れたと告白している。9番は79年のスタジオセッション録音(カラヤンが、バーンスタインに直前に9番を振らせて下ごしらえさせたという悪いうわさがある)があるが、すべての面で79年盤を上回っている。79年盤にみられるカラヤン的な耽美主義(それはそれで面白いが)はやや薄れ、純粋に曲を極上の響きで演奏するというスタンスを貫き、晩年のカラヤンの録音を代表する一枚となっている。今やもっと洗練された演奏や技術的に優れた演奏が増えて、もはやカラヤンのマーラーは影が薄くなりがちだが、この曲を語るにははずせない1枚ではあろう。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 27人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/08/27

    カール・リヒターの最盛期のバッハ宗教曲集だ。古楽演奏が隆盛した現代においては、古臭いだの時代錯誤だの、青二才どもの妄言が聴こえてきそうだが、そうした向きは、この値段だからぜひ購入して、一度はマタイ受難曲を正座して聴き通してみるとよい。挑発的な言い方をすれば、古楽器であろうとなかろうと、人としてまともな感性をもっているなら、この凛とした演奏姿勢には打たれるしかない。禁欲的で堅固な造形の中からほとばしる情念の熱さに打たれる。仮に古臭いと気にいらなかったとしても、この安さでモダン楽器の代表的なバッハ演奏が買えるのだから資料的な意味もあろう。語彙力が貧しいせいか、抽象的な言葉でしかこの演奏の魅力を語れないことがもどかしい。受難曲やミサ曲、カンタータなど大半はバラバラに持っているのだが、ついこの値段につかれ、買ってしまった。LP時代なら数万円もしたようなセットで、隔世の感だ。

    27人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/08/17

    大地の歌といえば、この演奏を含めたワルターの4種類の録音を抜きにしては語れまい。特にこの強い緊張感に貫かれた36年のライヴと、陰影のある声のフェリアーを独唱に迎えペシミズムに貫かれた52年のDecca盤は数多の名盤の中でも屈指のものだ。36年ライヴはOpus蔵やNaxosなどからも出ているが、このDutton盤は艶めかしい音と豊かな響きが素晴しい。蔵盤は目前で聴くような生々しさが素晴しいが、このDUTTON盤の幻想的な雰囲気も捨てがたい。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/08/13

    戦後〜壁崩壊までの東独のオケらしいサウンド(ホルンや木管、弦)が上質の録音で堪能できる。スイトナーの演奏はやや遅めのテンポで美しい旋律を歌い上げ、実に素晴しい。たとえるなら、指揮者の強い個性という濃い味付けでなく曲という新鮮な素材を生かす「和」の料理のようだ。LP時代末期、ベームやバーンスタイン、カラヤン、マズア、ハイティンク、クーベリック、クリュイタンスなど優れたベートーヴェン全集が出回っていたが、このシリーズは地味ながら滋味あふれた傑作で、他の名盤に劣らない完成度だ。できれば、大音響で聴いてほしい。当時のDENONとドイツシャルプラッテンの録音技術の素晴しさが感じ取れるからだ。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/08/11

    最近、バッハの宗教曲の廉価セットが目白押しで、嬉しい限りだ。特にこのセットは10枚で実勢価格2500円程度で、古楽器演奏が好きな人も、参考に持っていて損にはなるまい。小生が学生時代だった二十数年前に一枚2500円のLPで揃えたら、2万5千円程度になっていただろうから、隔世の感がある。ファーストチョイスとしても悪くないセットだ。関心のある人は、廃盤にならぬうちに早めに買うべきだろう。ちなみに、タルコフスキーの遺作となる映画「サクリファイス」でテーマ音楽のように流れていたマタイ受難曲のアリア「憐れみたまえ、わが神よ」は、このリリングの演奏(アルト独唱はユリア・ハマリ)だったと記憶する(エンドロールに書いてあった)。肝心の演奏だが、リリングの演奏は手堅いだけでなく、おおらかな歌心と適度な演劇性を持っており良い演奏だが、有名なリヒターの58年盤や最近の古楽器系の緻密な演奏に比べると、やや詰めが甘い点も見受けられるのが惜しい。この後、リリングはHensslerにも録音しており、そちらも機会があれば聴いてみたいものだ。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/21

    まさに「神」演奏です。マーラーへの傾倒、情念の強さ、ロマン、劇的な表現力、オケの力量…この演奏の魅力は言葉で列挙するのは虚しい。60年代にNYPと録音したものも超一級の名盤だが、このDGのシリーズのように生と死という哲学的な深淵まで突き詰められる所までには至っていない。初期の交響曲はNYP盤やDVDになっているユニテルの映像(75年の8番だけは音だけこのDG全集に流用)の方が好ましいが、中盤以降のスケールの大きさ、とりわけ9番の壮絶さと格調高さは格別だ。フルヴェンのベートーヴェン、ワルターのモーツアルトなどのように、バーンスタインのマーラーは、時は変われど、一世を風靡した名盤として未来永劫語り継がれるだろう。ファーストチョイスには重すぎてすすめないが、マーラー愛好者には必携の全集だ。小生は昔、発売の度に大枚はたいて1曲ずつ買いだめ、全曲入手してきたが、今は全曲セットで6000〜7000円台!。今のファンはなんと恵まれていることか。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/08

    フーベルマンのヴァイオリンは快刀乱麻の技巧で鬼神のように速いテンポで駆け抜ける。青白く燃える炎のように一見クールに見えて中は熱い。少年時代にこの演奏を初めて聴いたときは、ロマン的・情熱的というよりむしろあっさりしているという印象を持ったが、聞きなじむにつれ、速いテンポに隠れた細かい表情やテンポの揺れなどに気づかされたものだ。あらえびす氏の名著でも言及されている通り戦前のSP時代には、2曲とも代表的名盤とされていた。尤も1930年代では、ベートーヴェンの協奏曲に関しては、フーベルマン・セルのほかは、クライスラーの2種類とシゲティ・ワルター盤、ハイフェッツ・トスカニーニ盤、ヴォルフシュタール盤ぐらいしかなかっただろう。しかし、演奏技術や録音技術が進んで数十種類の演奏が出回る今でも独特の存在感を放っている。蔵の復刻音も例によって針音さえ気にしなければ素晴しい。こうした演奏はいわば重要文化財であり、メーカーは廃盤にせず出し続けてほしいものだ。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/07

    バックハウスといえば、バッハ、ベートーヴェン、ブラームスというイメージが強いが、壮年期まではショパンやリストのSP吹き込みも割と多く残っている。1950年代前半に来日したときも得意のドイツものに加えて、ショパンのバラードやワルツ、エチュードなども取り上げている。スクエアさの中にも、確かな技巧と構成、歌心のバランスのとれた独特の演奏を聴かせる。24の練習曲は1930年ごろの録音だが、打鍵の力強さやクリアーなタッチなどが古い録音の中から感じとることができる。残念なのは、SPの針音を消すために、高域をそぎ落としたリマスタリングで、音楽自体の再生音はさほど悪くないのに、こもった音になってしまっているのは惜しい。YOUTUBEで、マニアが再生したSPの音が聴くことができるので、聞き比べるとその差は一目瞭然だ。とはいえ、PearlやBiddalph、新星堂などが次々廃盤となった現時点では、バックハウスのエチュードが入手できるのはこの盤しかないようなので、その意味では貴重であり、このマイナーレーベルに感謝したい。50年代のDecca音源のソナタは、他レーベルからも出ている有名なもので、こちらの方は音はまずまずだ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/05

    黒人歌手としてマリアン・アンダーソンが初めてMET出演を果たした1955の公演がラジオで全米中継され評判を呼んだだったため、米RCAによって録音された抜粋盤LPだと記憶する。契約関係の事情からかレナート役をロバート・メリルからレナート・ウォーレンに変更している。アンダーソンやミラノフらの情念ある歌声やミトロプーロスの白熱した指揮はライヴ同様素晴しい。なぜ、全曲録音されなかったのか惜しまれる。中古LP屋で見つけた状態の悪いLPを聴いてきたが、こういう形でCD化されるのはありがたい。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/24

    技のキレなどでは、30年代の旧録音にはかなわないが、清澄な音色と真摯な表現には打たれる。1950年代後半のモノラル録音だが質は高く、ソロ楽器だけだからステレオでないハンディを感じない。廃盤にとならず、カタログにずっと残してもらいたい録音だ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/18

    クレメンス・クラウス指揮ウィーンフィルの1950〜53年ごろのDecca録音を抜粋したもの。CD2枚に28曲入っている。美しく青きドナウやこうもり序曲、ウィーンの森の物語、オーストリアの村ツバメなど大体おなじみの曲が入っている。ボスコフスキーに比べると、テンポは遅めだが、洒脱な軽やかさと品のよさが漂う。プライザーだから音質も良好だ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/16

    他の評者もご指摘の通り、グリーンドアのフルヴェン戦後SP復刻シリーズの中では、一番成功していない。「ウラニア」LPほどではないが、ピッチが微妙に高めで、盤質が良くないのかSPの針音が目立つ。再生音自体はまずまず生々しいので、それさえクリアーできれば、というのが惜しまれる。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/16

    ライヴのクナらしい堂々たる威容は、弛緩したDeccaのステレオ録音とは比べ物にならない。シャルク改悪版でもこれなら許せる気分になる。若干、無線か放送の混信音が気にならなくもないが、この手のライヴ録音としては標準的なものだろう。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/16

    有名なウエストミンスターのスタジオ録音盤は枯淡の水墨画のような演奏だが、その直近のこのライヴは悪魔的なクナ節炸裂だ。造形の大枠は似ていてもフレージングや響きにみなぎる緊張感は別物だ。これを聴いてしまうと、スタジオ盤はもはやノリが悪いとすら思えてしまう。適度に会場の残響も捉えられており、音質的にもステレオのスタジオ盤よりもこちらの方が個人的には聴きやすいと感じる。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/16

    アバドのマーラーは、この全集にない古いものや新しいものもすべて持っているので、あえて小生は買わないが、ラインナップとしてはまずまずだろう。全集をそろえる人のファーストチョイスとしては悪くない。しかし、あえて「まずまず」としたのは、類似の商品に比べ値段が割高でコストパフォーマンスの問題があるうえ、Csoとの復活や巨人という名演が入っておらず、せめておまけで加えても良かったのではないかと思う点だ。ご存知の通り、アバドは青年壮年期には、若々しい自己主張あふれる演奏だったが、晩年になり、自らの主張は消し去り(良きも悪しきも)作品に語らしめるかのような枯れた境地に変貌を遂げている。ここではその中間期に当たる80年代後半から90年代前半のものが多い。どうせなら、プライスダウンしたうえで、CSOとの復活・巨人の録音や最近のBPOとの3番や9番も加えて、アバドのマーラーが網羅された全集にしてみたらヒット商品になるのではないかと思う。マーラー生誕150年の年だから、期待していますよ、DG=ユニバーサル様!

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:701件中526件から540件まで表示