過小評価されているアーティスト 第28位
2005年7月19日 (火)
日本ポップス界のキーパーソン
本日から開始の『過小評価されているアーティスト』の第3回目のアーティストは...ジャパニーズ・ポップスから高野寛がノミネート。
自ら敬愛するトッド・ラングレン、ビートルズ、YMOの系譜を受け継ぐ才能豊かなシンガー/ソングライター。鮮やかなポップ・センスと緻密なサウンド・プロダクションでジャンルや流行を軽々と越え、長く魅了させ続けるミュージシャンです。
「渋谷系」以降、洗練されたジャパニーズ・ポップスのスタイルを一足早く実践していた高野寛。純度の高いメロディ・メイカーとしてはもちろん、屈指のセッション・ギタリストとしてもその腕を振るっています。
またその多才ぶりはプロデューサーとしても発揮。しかし高野寛という稀代のソングライターによる歌と言葉は、音楽そのものが語る力を確かに持っています。
プロフィール
1964年 静岡県生まれ。
1987年、大阪芸術在学中に高橋幸宏とムーンライダーズを審査員とするオーディションに参加したところ、絶賛を浴び、そのまま高橋幸宏と鈴木慶一のスペシャルユニットThe Beatniksの全国ツアーにギターリストとして参加。
この時のメンバーには大村憲司、小林武史、鈴木祥子らも参加。この頃から彼の素晴らしいミュージシャン達との交流が生まれ、後の作品への布石となります。
1988年、高橋幸宏プロデュースのもと制作されたアルバム『hullo hulloa』でデビュー。新人離れした非凡なポップ・センスで高い評価を獲得し、コンスタントにシングルをリリース、ラジオ・パーソナリティも務める。 これまでに現在までに16枚のシングルとミニ・アルバム、ベスト・アルバムを含む15枚のアルバムをリリース。
シングルでは王道的なポップソングがヒットしていますがアルバムではかなり実験的なことにも挑戦。これまでのアルバムには高橋幸宏はもちろん、小林武史、大村憲司、吉川忠英、小山田圭吾、坂本龍一などが参加しています。
ギタリストとしての評価も高く、94年には坂本龍一の国内ツアー、ワールド・ツアーに参加。宮沢和史のソロ・プロジェクトMiyazawa-Sickにも参加。近年は、自らの活動の他、他アーティストへの詞曲提供やアレンジャー、特にプロデューサーとしても活動が多く、レコーディングへの参加も多数。ちなみに、テルミン奏者としても知られております。
ソロ以外での活動
2001年以降は、ソロ活動と並行してナタリー・ワイズのメンバーとしても活動中。最新作『Raise hands high』を発売。
ナタリー・ワイズは、1999年にTokyo No.1 Soul Setが突然の活動休止宣言をした翌年、同級生だったBikkeとUndercurrentの斉藤哲也がユニット結成。そこに意気投合した高野寛が合流し、3人組となります。
Bikkeのスポークンワーズ、高野寛のギターとヴォーカル、斉藤哲也のピアノが表現する、たゆたうような美しい旋律と言葉、そしてビートを排除したサウンドは、奇跡としか言いようのない世界観を生み出しています。
台湾の鄭有傑(チェン・ヨウチェー)監督の短編映画『シーディンの夏』(2001年)には音楽監督として参加。また、2005年春公開予定の竹中直人監督・出演映画『サヨナラCOLOR』の音楽をナタリー・ワイズ、ハナレグミ、クラムボンで担当しています。
最近のプロデュース・ワークとしての代表作品は小泉今日子『厚木I.C.』(2003年)、野宮真貴『Lady Miss Warp』(2002年)など。他にも中村一義、テイ・トウワ、Super Butter Dog、ハナレグミ、クラムボン、Halcali、浜崎貴司、The Boomなど多くの作品を手がけています。
『虹の都へ』
高野寛といえばポップスの大名曲「虹の都へ」でしょう。キラめくメロディと緻密なバックサウンド、彼の メロディ・メイカーとしてのポップセンスを見せ付けた作品の決定打とも言えるでしょう。そのクオリティは時が経てもまったく色褪せることはありません。 <p>ポップスの金字塔ともいえるこの曲は、一貫した彼の創作姿勢を明らかにさせ、時間の経過に左右されない作品を世に残すクリエイターとして認知された重要なものとなりました。
『ベステンダンク』
“この声は小さすぎて、君の元までは届かない たとえそれを知っていても、叫ばずにいられなーい”という歌詞が印象的なエレクトロポップなナンバー。今でこそ機材を駆使した音響作品は珍しくもないですが、この頃から 時代の半歩先を見つめていた彼の音楽に対する情熱を感じます。
この楽曲が収録されているアルバム『Ring』はかなり実験的だったと言えるでしょう。このアルバムはトッド・ラングレンによるプロデュース作品となります。
最新オリジナルアルバム『確かな光』
延べ4年の歳月をかけて完成した通算10枚目のアルバム『確かな光』。タイトルどおり、自身の歌が暗い時代を照らす光となって人々の心に希望を持たせることをテーマとした作品。
サウンドでは実に多彩なアプローチを行っていますが、音楽・人への一貫した真摯な眼差しが伝わる傑作に仕上がっています。しばらく新作を発表していなかったにもかかわらず、この作品への賞賛の声は絶えることはありません。
アルバム年表
1988年 大学卒業をきっかけに東京に戻りシングル「See You Again」でデビュー。同年、高橋幸宏プロデュースのもと制作されたアルバム『hullo hulloa』をリリース。新人離れした非凡なポップ・センスで高い評価を獲得する。
1989年 セルフプロデュースの2ndアルバム『Ring』をリリース。うち2曲は小林武史との共同プロデュース。 コンスタントにシングルをリリースするなかで、ラジオ・パーソナリティも務める。
1990年の3rdアルバム『CUE』では、敬愛して止まないトッド・ラングレンをプロデューサーとして招聘。ポップな表情をしながらも緻密かつマニアックなサウンド・プロダクションを披露、コアな音楽ファンを唸らせた。
転機が訪れたのは、1999年に発表されたシングル「虹の都へ」。ミズノのCMとしてオンエアされ大ヒットを記録。続くシングル「ベステンダンク」も続けざまにヒット。爽やかなルックスとの相乗効果でOLからも熱い支持を受ける。
1990年には限定ミニアルバム『Better Than New』を発表。ヒットとなった「ベストテンダンク」では高橋幸宏、小原礼参加の未発表バージョンが収録されている。翌1991年、再びトッド・ラングレンプロデュースによる4thアルバム『Awakening』をリリース。
1992年セルフプロデュースの5thアルバム『th@nks』を発表。 忌野清志郎、大貫妙子、高橋幸宏がゲスト参加。ジャケットデザインは立花ハジメ。 同年初のベスト盤『Timeless Piece』をリリース。
またオリジナルラブ・田島貴男とのコラボレーション楽曲「Winter's Tale〜冬物語〜」もサッポロビールのCMソングとしてオンエアされ、ヒット。
1993年 6thアルバム『I [ai]』を発表。堀恒雄(tipographica)との共同プロデュース。1995年 7thアルバム『Sorrow and Smile』発表。小山田圭吾(ag)青木達之(ds)高橋幸宏(ds) フライング・キッズ(cho)など 多数のゲストが参加。 M-3はテイトウワプロデュース、M-4・6は坂本龍一プロデュース。
1996年 8thアルバム『Rain or Shine』を発表。M-1はGOTAプロデュース、M-3にスクラッチでテイトウワが参加。1997年 2枚目のベストアルバム『Extra Edition』をリリース。
1999年 レーベルを東芝EMIからconsipioへ移籍し、9thアルバム『Tide』をリリース。鈴木正人(リトル・クリーチャーズ)、原田郁子(クラムボン)らがゲスト参加。もちろんセルフプロデュース。
2000年 1999年弾き語りツアーのライブアルバム『Ride on Tide』を発表。中村一義がゲストヴォーカルでも参加。ほかトッド・ラングレン ブライアン・イーノのカヴァーも収録。
2004年 ファイブスターズへ移籍。ソロ作としては5年ぶり10作目のアルバム『確かな光』を発表。 2000年より自宅でのレコーディング「宅録」をスタート。プロデュース業、ナタリー・ワイズの活動と並行した作業は5年に及んだ。永積タカシ(SUPER BUTTER DOG/ハナレグミ)と有里知花、宮沢和史(THE BOOM)がback ground vocalとして参加。
同年、高野寛の16年の軌跡を凝縮したコンプリートベスト 『相変わらずさ』を発表。
高野寛のライヴではギター弾き語り、ピアノ演奏、そしてテルミンと…ゆったりとしたライヴ演の中にも力を感じます。技術的にも向上するのはもちろん、ライヴ全体の雰囲気も彼のエコロジスト的な思想が込められています。
高野寛の本質的な部分は変わらない
ソロ、楽曲提供、ギタリスト、プロデュサーと多才さを発揮している高野寛。1988年のデビューから数えるとすでにベテランの領域へ達しています。自然体ながら一本芯が通ったミュージシャンとして活動を続けているかぎり、純粋な音楽ファンは彼の尽きることのないアイデアに賞賛の声を送り続けるでしょう。
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
高野寛 THREE OF THE BEST
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相変わらずさ 〜Best Songs 1988-2004〜
高野寛
ユーザー評価 : 4.5点 (4件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,724
会員価格(税込) : ¥2,506
まとめ買い価格(税込) : ¥2,316発売日:2004年09月01日
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販売終了
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