第17位

2005年8月10日 (水)

孤高のカリスマ女性アーティスト

自由奔放な性的な描写を多く含む歌詞、華奢なスタイルとは異なるドスの効いた声.....常に個性的なオーラを放ち“カッコイイ女性アーティスト”ランキングなどを作ったら絶対に上位に顔を出す存在、それがPj Harvey。

Pj Harvey（Polly Jean Harvey）はイギリス、ヨービル出身。 小さい頃よりギターとサックスを教えてもらっていた彼女はジャンルにこだわらない色々なバンドでセッションをしていました。
その後ソロとして活動をスタート。Nick Cave（『Murder Ballads』） 、RadioheadのThom York、John Parish（『Dance Hall In Louse Point Th John Parish』）、 Queens Of The Stone AgeのJosh Homme（『Desert Sessions』）など一癖ある男性アーティストとのコラボレーションも多い彼女ですが、相手に引きずりこまれることなく見事に自分の個性をぶつけあっています。

衝撃的なデビュー

1991年にベーシストのSteve Vaughn、ドラマーのRobert Ellisとともにベース/ドラム/ギターの3ピース・バンドを結成。自らの名を冠としたPj Harveyで活動を開始。この年の秋にはインディー・レーベルToo Pureからデビュー・シングル"Dress"をリリース。
92年2月にリリースしたセカンド・シングル"Sheela-Na Gig"で評価がセンセーショナルに高まり、5000ドル以内という低予算で作り上げられた1stアルバム『Dry』はUKのみならず世界で大絶賛。 ポスト・パンクなギター・ロック感覚を通過したブルースといえる音と、女性の性的欲望を題材とした曲に代表される赤裸々な歌詞世界がザラザラとした質感のPj Harvey節を早くも決定したこの作品はローリング・ストーン誌の最優秀ソングライターと最優秀新人女性シンガーの2冠を獲得しました。

オルタナ･シーンに残る名盤

この評価でメジャーのIsland Recordsと契約。93年にはセカンド・アルバム『Rid Of Me』をPixiesとの仕事でしられるオルタナ界の名プロデューサー、Steve Albiniでリリース。Steve Albiniならではのエッジの効いたサウンド、Polleyの歌世界、バンドのアンサンブルを完璧にバックアップしている。収録曲にはオリジナルのほかBob Dylanの名曲"Highway '61 Revisited"をカヴァーしていますが、まったく原型はなくオリジナルの楽曲となっています。 イギリスの権威ある音楽賞「Mercury Music Prize」にノミネートされ、ワールド・ツアーも実現したもののツアー終盤にはバンドを解散。Polleyはアーティストとのコラボレーションに重きを置くようになりました。

95年にはソロ・アーティストとして初となる『To Bring You My Love』をリリース。（このときグラミー賞2部門にノミネートされたほかマーキュリー・ミュージック・プライズをはじめ音楽誌各誌で賞を獲得）
98年にはトリップホップ的なサウンドに接近する『Is This Desire』をリリースしました。

シンプルを極めた『Stories From The City,〜』

2000年『Stories From The City, Stories From The Sea』をリリース。 長年のコラボレーション･メンバー、Mick Harvey、Rob Ellisと共に作り上げたこの作品。『Dry』の頃のシンプルでエナジェティックなギター･サウンド･スタイルが、前作での必要な音だけを大切に使って作っていくという方法を経てさらに磨きがかかり、純粋に研ぎ澄まされています。さらに、Pj Harveyの自由なヴォーカル表現がシンプルさを際立てています。

RadioheadのThom Yorkをゲスト・ヴォーカルとして迎え、Thom Yorkがメインで歌うことを念頭において書いた楽曲"This Mess We're In"など数曲でデュエットしている点にも注目です。

このアルバムでは女性初のマーキュリー・ミュージック・プライズを受賞。その後100本を超えるワールド・ツアーを行い2004年にはドラム以外の部分をすべて1人でこなしたという『Un Huh Her』をリリース。

また、ハル・ハートリー監督の映画「Book Of Life」に出演し女優デビュー、イギリス国内での彫刻展など音楽シーン以外での活躍もみせています。。

新世代アーティストの多くが支持

新世代アーティストと呼ばれるバンドの中にはPj Harveyから影響を受けたとされるアーティストは多いですが、中でもYeah Yeah YeahsのKaren O、KillsのVVはPj Harveyから大きな影響を受けたことを公言しています。日本人でいえば椎名林檎なんかも絶対に影響を受けていると思われます。