第2位
2005年9月9日 (金)
アイリッシュ・トラッド・パンクのボス
80年代から90年代初頭のUK/アイリッシュ・ロック・シーンを盛り上げたバンド、Pogues。アイリッシュ・トラッドの要素をパンク精神で甦らせた独特のサウンドとお酒のにおいを漂わせた彼らは史上最強の酔いどれバンドと言われ現在も幅広い層のリスナーから支持を集めておりスカコア、パンク・シーンにも影響を与え、現在ではDropkick Murphysをはじめとした“ポーグス・チルドレン”と呼ばれる多くのバンドが存在する。
バンド結成
アイルランド生まれでロンドン育ちのShane Macgowanが、パンク・バンドNipple Erectorsでの活動後、伝統的なアイリッシュ音楽をパンク・ロックのようにプレイするという着想を持ち、彼の飲み仲間、友人などが集まり1982年に結成された。当初のバンド名を<Pogues Mahone>(=Kiss My Ass)としていたが、BBCなどで問題となりPoguesへと変更。しかしこのバンド名変更は不本意だったのか、自身のレーベルを立ち上げる際にもこの名前を使用している。
最高傑作『堕ちた天使』誕生
1984年に記念すべきデビュー・アルバム『Red Roses For Me』をリリース。このアルバムでは伝承曲を5曲取り上げているが、そのパンク・アティチュードに貫かれた奔放な演奏がアイリッシュ音楽本来の生々しさと相通じることを証明している。一方で自作の“Dark Streets Of London”などでは、Shane Macgowanがロンドン庶民の生活や心情を描く才能を見せている。 このアルバムが注目を集めた彼らはElvis Costelloにも気に入られツアーの前座に抜擢されイギリスでの人気を獲得していった。
翌年1985年には彼らを自身の前座に起用したElvis Costelloプロデュースによるセカンド・アルバム『Rum Sodomy & The Lash』をリリース。同じアイルランド系でもあるElvis CostelloはPoguesの斬新さをうまく作品に定着させることで彼らの魅力を十二分に引き出し、本作を全英トップ20入りするヒット作に仕上げたのだった。
そして1987年、彼らの最高傑作と称されるサード・アルバム『If I Should Fall From Grace With God』をリリース。元スティーライ・スパン、英フォーク系のTelly Woodsを加え、プロデューサーにはXTC、U2などのプロデュースで名声を得ていたSteve Lillywhiteを迎え制作された。メンバーのJames Fearnley(Banjo)が中近東風の“Turkish Song Of The Damned”やスペイン風やスパイ映画風の味付けが施された楽曲を書き、音楽性の幅がぐーんと広がった今作は、英フォークのEwan Maccollの娘でSteve Lillywhiteの妻でもあるKirsty MacCollとShane Macgowanのデュエットによるアイルランド移民がテーマとなっている名曲“ニューヨークの夢”が全英2位を記録。これで名実ともにイギリスのトップ・バンドの仲間入りを果たしたのだった。
Steve Lillywhiteは1989年発表の4thアルバム『Peace & Love』でもプロデュースを担当しビッグ・バンド風や中近東的なムードを持った曲などかつてないほどの多彩な楽曲が揃ったアルバムに仕上げた。
シェイン、バンドを追われる〜社会復帰
1990年にかねてから親交のあった元ClashのJoe Strummerをプロデューサーに迎えた『Hell's Ditch』をリリース。シェインが殆どの楽曲を作曲し歌も担当しているのだが、この頃からShane Macgowanのアルコールへの依存が高くなり、ツアー中に酒が原因のケガや失態が多く体調も悪くなり、バンドのメンバーとの溝が深まって行きバンドを追われてしまったのだった。この後のツアーの危機をJoe Strummerが代役として務めるなど幾度となく救われた。
Shane Macgowanの抜けたPoguesはその後も1993年に中近東的なムードと沖縄旋律が出会った“パチンコ”という楽曲をはじめ、異国情緒をモチーフにした楽曲が印象的な『Waiting For Herb』、Shane Macgowanに続きTerry Woods、James Fearnley、Philip Chevronも脱退しかなりメンバーの顔ぶれが変わってのリリースとなった1995年の作品『Pogue Mahone』をリリースするも思うような結果が残せずPoguesとして最後のオリジナル・アルバムとなってしまった。
その後2001年にはShane Macgowanが奇跡の復帰。クラシック・メンバーによってリユニン・ライヴ/ツアーが行われた。
シェーン・マガウアンという男・・・
ポーグス最大の魅力は最強の酔いどれシンガー=Shane Macgowanの存在が大きい。
アイルランド生まれロンドン育ちのShane Macgowan。ロンドンのパンク系クラブへ通い続けたびたびケンカをしていたという彼は長年に渡る飲酒の影響で重度のアルコール依存症、そしてドラッグの常用で自らの体を蝕み続け、さらにはアルコール依存症が原因のステージ上での失態、ケンカ…。とにかくやることすべてが破天荒だ。結局この破天荒っぷりが仇となり1991年にはバンドを追われることとなってしまった。
しかし、彼を支持する人は多く、Nick Cave、Elvis Costello、Joe Strummerなどが彼をバックアップしている。
その後Shane Macgowanは2001年にPoguesのメンバーとして見事にシーンに復帰した。
(ちなみにこの波乱万丈なシェインの半生を追ったドキュメンタリー『Shene-The Pogues:堕ちた天使の詩』が10月に日本でも公開されることが決定している)
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
フィーチャー商品
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輸入盤
If I Should Fall From Grace With God
Pogues
ユーザー評価 : 5点 (3件のレビュー)
価格(税込) : ¥1,320
会員価格(税込) : ¥1,148発売日:2004年12月25日
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販売終了
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輸入盤
Rum Sodomy & The Lash
Pogues
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥1,320
会員価格(税込) : ¥945発売日:2004年12月25日
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販売終了
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