第26位
2005年7月23日 (土)
変態という誉め言葉が最もよく似合う男
80年代後期〜90年初頭という「ヒップホップ黄金期」に君臨したUltramagnetic Mc'sの中心メンバーであり、グループ後もソロとしてそのアクの強いスタイルで今なお現役、追いつけないほどの精力的活動を展開しているラッパー、Kool Keith。
リリカルなフロウ、巧みなリズムキープ、どれをとっても天下一品のライムスキルを持つKool Keith。Kool G RapやJeru The Damajaと並び「ヒップホップが産んだ最高に技巧派なラッパー」と称されることも。
なんといってもその最大の特徴は「変態」とも称されるそのキャラ立ち。
いくつもの人格を使い分けるその強烈な個性は他アーティストにリスペクトされ、Prodigyのアルバムにゲスト参加、日本でもDev LargeやVerbal(M-Flo)などが度々その才能への称賛を口にするなど時代や世代を超えて一目置かれている存在であります。
ヒップホップにおいて人と違う=個性的であることは称賛されるべきことですが、Kool Keithのイルすぎる世界観は時として常人の思想を遥かに超えてしまい、その濃すぎるスタイルゆえ敬遠され「過小評価」されることも。しかし彼こそがまさに唯一無二の男なのです。
プロフィール〜Ultramagnetic Mc
本名Keith Matthew Thornton。NYブロンクス出身。
ブロンクスでヒップホップグループUltramagnetic Mc'sを結成。88年アルバム『Critical Beatdown』でデビュー。巧みなマイクリレーと独自のファッションセンスで一世を風靡。ブロンクスのヒップホップの基礎を作り上げます。
彼らが発表したアルバムはすべてクラシックと呼ばれ今なお評価高く愛され続けています。Kool Keithの巧みなラップは当時から群を抜いており、そのスキル、ライミングは高次元にあり唯一無二のオリジナリティーを形成していました。93年頃グループ活動消滅。
ソロ活動〜独自の世界
Kool Keithの個性がさらに際立ってくるのはソロ活動になってから。誉め言葉ですが、とにかく常人の考えを凌駕し、「変態度」が増していきます。
彼こそがまさにOl Dirty BastardやNippsら天才(時に変態)的フリーキー・ラッパーの先駆といえるでしょう。
サイエンスフィクションともいえる多くの人格形成がはじまります。
「西暦3000年から来た」というDr Octagon、Dr Octagonを抹殺したDr Doom、Octagonの叔父であるMr Gerbik、さらにエロネタ満載のSpankmaster、もみ上げを長くしたBlack Elvis、異星からやってきたUndatakerzの牧師Reverand Tomなどなど。キャラだけでなくラップやトラックメイキングもその都度人格に合わせ非常に凝った作品を次々と産み落としていきます。
こうした特徴はEminemとSlim Shady、仮面でお馴染みMf Doom、MadlibとQuasimotoなどというヒップホップにしばしば登場する別人格作りの走りだったのかもしれません。
また、当然ながら音楽的にも彼の功績は偉大です。
Unkleでお馴染み<Mo' Wax>から発表、Dan The Automator、DJ Q-Bertとコラボレーションして作り上げたDr Octagonのアルバム『Dr Octagonecologyst』は後のアブストラクトヒップホップの先駆的な面も持ち、ホラーやエロのトピックを用いたラップはそれまでと異なる新たなスタイルを形成します。悪い夢のような独自の世界観を構築するトラックメイキングも忘れてはなりません。
他アーティストから尊敬されるその才能
奇抜な活動を続けているようにも見えますがKool Keithは実に多作家であり、その膨大なリリース量からも彼の才能の豊かさと尽きることのないアイディアの豊富さをうかがい知ることが出来るでしょう。
伝説のトラックメーカーKutmasta Kurt、Motion ManとのMasters Of Illusionをはじめ他アーティストとの交流も盛んです。
デジロックの帝王と言われたProdigyもKool Keithに尊敬を込めアルバムに彼を召喚。"Diesel Power"(『Fat Of The Land』収録)、"You'll Be Under My Wheels"(『Always Outnumbered, Never Outgunned』収録)といったコラボレーションが実現しています。Mf Doomの変名Viktor Vaughnのアルバム『Venomous Villain』、Jurassic 5との"DDT"(『Power In Numbers』)など彼が行ってきたコラボレーションは数え上げるのにきりがないほど。
唯一無二、最高のオリジナリティー
80年代から活動を続けながら今なお現役、とどまることなく進化と変化をくり返し常に新しい存在でい続けるKool Keith。
これほどまでに多作であり様々な表情/人格/スキルを見せれるアーティストが他にいるでしょうか?
もしあなたがまだKool Keithに触れたことがないのなら次の3枚をお薦めします。
実に楽しいホラーラップが聴ける『Undatakerz』、ヒップホップ史に残る名盤に残された巧みなマイク捌きが聴ける『Critical Beatdown』(Ultramagnetic Mc's)、その発想のイルさが最大限にじみ出た『Dr Octagonecologyst』(Dr Octagon)。
さあここから深く広いKool Keithの世界にはまってみてください。
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
Kool Keith THREE OF THE BEST
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輸入盤
Kool Keith Presents Thee Undatakerz
Kool Keith
価格(税込) : ¥1,254
会員価格(税込) : ¥1,091
まとめ買い価格(税込) : ¥1,054発売日:2004年05月25日
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輸入盤
Dr Octagonecologyst (Dr Octagon Aka Kool Keith)
Dr Octagon
ユーザー評価 : 4.5点 (3件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,200
会員価格(税込) : ¥1,914
まとめ買い価格(税込) : ¥1,650発売日:1997年04月29日
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輸入盤
Critical Beatdown
Ultramagnetic Mc's
ユーザー評価 : 5点 (5件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,200
会員価格(税込) : ¥1,914発売日:1996年06月26日
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販売終了
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