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ハビエル・バルデム インタビュー2

2008年7月23日 (水)

無題ドキュメント
ハビエル・バルデム『コレラの時代の愛』
『コレラの時代の愛』ハビエル・バルデム インタビュー

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--- 『コレラの時代の愛』の撮影のエピソードは何かありますか?

ハビエル・バルデム(以下、ハビエル)   特にはありありませんでしたが・・・最初から大変な撮影になるだろうと思っていましたよ。でも実際は、これほど大変だとは思っていなかったですね。シーンの多くがカットなしでは演じきれませんでした。例えば10個セリフがあるシーンで、2つ言い終わると、30分メイクを修整するために止まる。また2つ終って、カット、メイク直し。自由に演技するのが難しかったんですよ。セックスの途中で常に邪魔が入るみたいにね(笑)

--- 初共演となったフェルミーナ役のジョヴァンナ・メッツォジョルノはどのような女優でしたか?

ハビエル   バルデム:彼女は仕事に対して、誠実で真剣に向き合う人ですね。気取らないしね。偽りがないから、仕事をしていて楽しかった。この映画が彼女を有名にしてくれることを、心から願っています。彼女は素晴らしい女優だからね。

--- 2008年は、『ノーカントリー』と『コレラの時代の愛』という大作2本が公開されるという、あなたにとって大きな年になりましたね。あなた自身は、それをどのように感じていますか?

ハビエル   疲れた。疲れていますが、満足でもあります。まったく性質の違う映画2本が公開されるというチャンスに恵まれたからね。2本の公開時期が重なったのは偶然です。両方とも誇れる作品ですよ。自分の演技が好きだなんて言うつもりもないし、そんなことは言ったこともないですが、この2本の映画は、僕がしたかったことについて、非常に誠実なアプローチができた作品だと思います。

--- 2つの作品での役はまったく違いますね。

ハビエル   自分では『ノーカントリー』の役よりもフロレンティーノのほうに近いと思う。ありがたいことにね(笑)。だからこの役のほうがやりやすかった。それに『ノーカントリー』で演じたあとだから、気分転換にもなった。『ノーカントリー』では、世界の外側にはじき出された場所に自分を置いていた。外界と関連を持つことができない壊れた魂だった。この映画では、その1週間後には、カルタヘナの美しく、彩り豊かな世界に自分を馴染ませる必要があった。そこは、どんな環境下であっても人々が人生を楽しむ術を知っている場所だ。彼らには人生がわかっている。人生は今ここに、君や僕と一緒にある。それが人生なんだ。

--- 2作の監督、コーエン兄弟とマイク・ニューウェルとの違いはどのようなものでしたか?

ハビエル   マイクのほうが俳優と一緒に仕事をすることに興味を持っていると思います。リハーサル過程を通して、全員を同じ考えに導こうとしますね。たくさんのことを解決したいと思っているんですね。そこが素晴らしい。マイクは舞台出身だから、全員を同じ船に乗せるためのリハーサル過程の大切さを理解していますね。違いはそこだけだと思います。それは、監督が皆、同じものを求めているからです。「アクション!」と「カット!」との間を、真実の瞬間で満たすことをね。この映画ではマイクは大変だったと思います。ロケ地の湿度は95%。とても暑かったんです。俳優は、衣装やメイクをつけていたし、町の騒音は経験した中でも最高レベルだったしね。悲鳴あり、ドラムの音あり。この美しく、驚きに満ちた町を、ぜひ皆さんにも訪れてもらいたいと思います。でも、生命力に溢れたこの町に静寂を望むのは不可能ですよ(笑)。我々はその音の中で撮影していました。住民は手助けしようとしてくれますが、あまりにも熱中し過ぎて、大歓声をあげるんです。シーンを撮影している最中にね(笑)

--- この映画は、スペイン語で撮影したほうが良かったと思いますか?

ハビエル  スペイン語が母国語だからね、もちろんだよ。でも10分で結論に至りましたた。「いや、そうじゃない」とね。『夜になるまえに』で学んだことは、たとえ映画が上手くいって、多くの人にとってその映画が素晴らしい映画だったとしても、言語のことは10分で忘れてしまうということです。もし映画が上手くいかなくて、心にも届かず、感動もしなかったら、一番初めに批評されるのが、言語でしょう。それは賭けなんですよ。でも映画がきちんと感情を伝えていたら、言語など誰も気にしないんです。マルケスはこの小説を地球上のほとんどすべての言語に翻訳していて、英語もそのひとつです。だから英語でやっても問題はないはずだと思います。

--- 『ノーカントリー』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したときはどのような気持ちでしたか?

ハビエル  受賞した時は受賞スピーチの40秒で感謝している人の名前を全部言わなくてはと思い、本当に緊張していました。母親にスペイン語で気持ちを伝えられて光栄に思いましたよ。私の家族は、祖父母から私に至るまで俳優一族なので、やっと認めてもらえたということで、家族皆にささげたかった賞なんです

--- アカデミー賞を受賞してからあなたは、変わりましたか?

ハビエル  変わったことはないですし、自分でも変わってないことを願いますね。受賞したことは光栄ですが、少し距離を置いて自分を見つめることが大切だと思っています。

--- ドキュメンタリー作品『Los Invincibles』(07)(IMDbでは『Invisibles』になっています)でプロデューサーを務めていますが、同じように映画を監督したいと思いますか? 多くの俳優がそういう道を辿ろうとしているようですが。

ハビエル  俳優が監督業を考える理由はわかります。俳優は演技しますが、結局は編集されてしまいますからね。編集室で、誰かがつなぎ合わせる。すると俳優は「何だって?僕はあんなことはしていない」と思うんです。編集が上手くいけば、自分の演技もよく見えます。でも上手くいかなければ、「何が起こったんだ?」と疑問が残るだけです。だから俳優が「もういい。自分の作品を作ろう」と言う瞬間がくるんでしょうね。それは、コントロールしたいということじゃないと思います。自分の仕事を守ろうとする気持ちだです。自分ではなく、ほかの俳優であっても同じだと思います。ショーン・ペンの監督作『イントゥ・ザ・ワイルド』を観ましたが、とても素晴らしい。俳優全員の演技が見える。カメラの後ろで監督したのが俳優だということがわかる。それは俳優が演技を知っているからです。だからなぜ多くの俳優が監督したいのか、僕には理解できるんです。

--- 次の作品は何でしょうか?

ハビエル  可能性はいくつかありますが、まだ何も決まっていません。ストライキのせいでね。次に何が起こるのか、誰にもわからないですね。

『コレラの時代の愛』特集ページはコチラ

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