【発売】キリル・ゲルシュタイン、キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、他

2023年10月23日 (月) 09:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


「ベルリン・フィル・レコーディングス」
ラフマニノフ生誕150周年記念アルバム第1弾。2022年ヴァルトビューネで共演した
ペトレンコとゲルシュタインによるピアノ協奏曲第2番
そしてフィルハーモニー大ホールで特別に録音したゲルシュタインのソロを収録!


ラフマニノフ生誕150周年を記念して「ベルリン・フィル・レコーディングス」から特別なアルバムがリリースされます。第1弾はピアニスト、キリル・ゲルシュタインをフィーチャーした内容。これまでにもフランク・ペーター・ツィンマーマンなどソリストに焦点を当てたディスクがリリースされていますが、今回はゲルシュタインの独奏を含む構成となっています。
 まずは、ベルリン・フィルが毎年シーズンの最後に野外で行うヴァルトビューネ・コンサートの2022年ライヴ録音。急病のダニール・トリフォノフに代わってキリル・ゲルシュタインが登場。2016年のベルリン・フィル・デビューと同じ演目ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏しました。ゲルシュタインは出演が決まった際に、指揮者キリル・ペトレンコと2時間半のミーティングを行ったといいます。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のような有名な楽曲では、普通はそれほど打合せをすることはないそうですが、今回ペトレンコとゲルシュタインは互いの音楽観について徹底的に話し合ったそう。ゲルシュタインは、ペトレンコのどんなときも作品に敬意を払い、真摯に音楽作品と向き合い、再考する姿勢に感銘を受けたといいます。2022年のヴァルトビューネはオール・ロシアプログラムで組まれており、シーズンを鮮やかに締めくくるコンサートでもありながら、ペトレンコの世界情勢に対するメッセージ性も含んだ内容と言えるでしょう。そして本番。冒頭の鐘の音を模したピアノの和音、言わずと知れた10度の音程を、ゲルシュタインは大きな手で難なく弾きこなし、第2楽章の夢見るような美しい旋律、繊細なカデンツァ、第3楽章ではピアノの華麗な走句を展開しながら、ドラマティックなクライマックスへと突き進んでいきます。心の奥底まで響くラフマニノフの美しさ溢れる演奏となっています。
 ゲルシュタインはこのアルバムに収録するソロ作品を考える際に、ピアノ協奏曲第2番という中期の傑作を核としながらも、初期から後期の作品を網羅した生誕150周年にふさわしい内容となるように選曲したといいます。まず、ポスト・チャイコフスキーを思わせる初期の傑作、幻想的小品集から『メロディ』。そして非常に親交の深かった20世紀前半を代表するヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーに関わる2曲を収録。クライスラーの名作『愛の悲しみ』のラフマニノフによるピアノ編曲版と、クライスラーに献呈した『コレッリの主題による変奏曲』です。最後は歌曲『6つの歌』より第3曲『夜の静けさに』をゲルシュタインによるピアノ編曲で収録しています。これらのソロ作品は、ベルリンのフィルハーモニー大ホールで特別に録音され、消え入るようなピアニッシモに至るまで美しく音を捉えています。
 カバー写真:トーマス・シュトゥルート(輸入元情報)


【収録情報】
ラフマニノフ:
● ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
(31:07)

 キリル・ゲルシュタイン(ピアノ)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 キリル・ペトレンコ
(指揮)

 録音時期:2022年6月25日
 録音場所:ベルリン、ヴァルトビューネ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

● メロディ〜幻想的小品集 Op.3より第3曲 (4:24)
● 愛の悲しみ(クライスラー/ラフマニノフ編) (4:24)
● コレッリの主題による変奏曲ニ短調 Op.42 (17:48)
● 夜の静けさに〜6つの歌 Op.4より第3曲 ニ長調(ゲルシュタイン編) (2:58)

 キリル・ゲルシュタイン(ピアノ)

 録音時期:2023年2月6日
 録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND

 輸入盤・日本語帯・解説付き

 キリル・ゲルシュタイン

1979年ロシアのヴォロネジ生まれ。両親が聴いていたレコードの影響でジャズを独学で学ぶ。ディジー・ガレスピーやオスカー・ピーターソンに大きな影響を受ける。選ばれし子供(「ギフト」)が入学できる音楽学校で教育を受け、14歳で渡米し、史上最年少でバークリー音楽大学の学生となる。はじめはジャズ、その後16歳からクラシックに集中するようになる。ニューヨークのマンハッタン音楽院でソロモン・ミコフスキーに師事、その後ドミトリー・バシキーロフ(マドリード)とフェレンツ・ラードシュ(ブダペスト)らに師事。
 2001年、エイヴリー・フィッシャー・キャリア・グラントを受賞。同年第10回アルトゥール・ルービンシュタイン・コンクール優勝。2002年、第6回ギルモア・ヤング・アーティスト・アワードを受賞。その賞金をもとに、ティモ・アンドレス、チック・コリア、アレクサンダー・ゲール、オリヴァー・ナッセン、ブラッド・メルドーらに新曲の委嘱もしている。
 また、音楽家にとって教育に携わることは不可欠と考え、2007年から2017年の間、シュトゥットガルト音楽大学でピアノ・クラスを指導した。2018年10月には、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学でピアノの教授に就任。さらに、クロンベルク・アカデミーの新設の「サー・アンドラーシュ・シフ・パフォーマンス・プログラム・フォー・ヤング・アーティスツ」でも後進の指導にあたっている。(輸入元情報)

 キリル・ペトレンコ

オペラ指揮者
飛躍のきっかけはマイニンゲン時代の2001年、29歳で取り組んだ「ニーベルングの指環」の成功で、以後、各国に客演することとなり、ドイツのオペラ誌「Opernwelt」では、2007、2009、2014、2015、2020年に年間最優秀指揮者に選ばれてもいました。
 オペラの客演は、2000年のフィレンツェ5月音楽祭を皮切りに、ウィーン国立歌劇場、ザクセン州立歌劇場、リセウ大劇場、パリ・オペラ座、コヴェントガーデン王立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、フランクフルト歌劇場、リヨン国立歌劇場、バイロイト音楽祭と続いています。

コンサート指揮者
オーケストラ・コンサートへの客演も盛んで、シカゴ響、クリーヴランド管、ロサンジェルス・フィル、コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響、シュターツカペレ・ドレスデン、ハンブルク・フィル、NDR響(ハンブルク)、WDR響(ケルン)、MDR響(ライプツィヒ)、デュースブルク・フィル、ケルン・フィル、ウィーン放送響、ウィーン響、オスロ・フィル、ローマ聖チェチーリア管、RAI国立響(トリノ)、ロンドン・フィル、イスラエル・フィルなどを指揮。ベルリン・フィルへの初登場は2006年2月。

楽譜の研究と自分の音
ペトレンコはどんな作品でも必ず、頭の中で「自分の音」を響かせるまで楽譜を繰り返し研究するそうです。そしてリハーサルではその「自分の音」の実現に向けて、自分の考えとそのための要求を楽員に伝え、目標実現に向けて共に努力するというのが基本スタイルになっているのだとか。そのため、楽員や歌手の能力や集中力が常に維持されるような友好的な雰囲気の中で仕事をするのがペトレンコ流儀で、それが作品情報の伝達力や演奏の完成度の高さの秘訣にもなっています。

15件中1-15件を表示
表示順:
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

チェックした商品をまとめて

チェックした商品をまとめて