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宇野珍会長 さんのレビュー一覧 

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     2013/08/06

    5番はフィルハーモニア管と比較ができる。まず、アシュケナージの進化は素直に褒めなければなるまい。フレーズがしっかりと整理され、意味を持って響いてくる。しかもよく歌えている。テンポは旧盤より速くなり、冗長な音は一掃されたといえよう。しかし音響は旧盤にはるか劣る。録音は操作もあるから仕方ないが、まずい団子を食べさせられているような音で、お世辞にも褒められたものじゃない。いかにも「日本のオケです」といわんばかりの管打のバランスも滑稽だ。旧盤は指揮技術が未熟であったが、オケがこれをフォローしており、カラヤンやクレンペラーが叩き込んだ魅力がそれなりに残っているのだ。従って新旧で甲乙は付けがたいのだが、アシュケナージの指揮技術が進化していることは間違いないといえよう。

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     2013/08/05

    ベートーヴェンの交響曲は当時3曲録音しているはずだが、全て明るめの色彩で仕上げた印象で、その点から言えば「田園」が相性がよいといえよう。「明るくのびのびと」を実践しており、リズム処理が下手なうえ深みに乏しいものの、ぼくはこのタイプは嫌いではない。近い時期にザンデルリングが録音し堅実なリズムを繰り広げたのだが、アシュケナージの方は統率が甘いぶん溌剌としているようだ。「パストラル」というより「パステル」な田園といえよう。

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     2013/06/03

    個人的にだが、「新世界」や「巨人」は青臭い演奏を好む。そうなるとこの時代のムーティには嫌でも期待してしまう。実際にウィーン・フィルも、この若者相手に四つ相撲を取ろうとしている。もちろん「この青二才め」とは思っているのだろうが。。。たとえばムーティが煽りに出ると、きっちり応えつつもオーバーワークする。それを受けてムーティはブレーキを掛ける。このハラハラなやり取りはもちろん両端楽章に顕著となる(ブラームスも含む)。結果として曲の妙味より現場の妙味が勝る演奏となってしまったといえよう。すなわち「青臭い」のだ。さて「運命の力」は完全にムーティのペースになってしまう。トスカニーニのような厳しさや熱い歌には舌を巻いてしまう。とにかく圧巻だ。ムーティの「運命の力」序曲はいろいろな録音が聞けるのだが、凄さという点では当ディスクは文句なしのベストだ。いや、運命の力全ての録音の中でもベストを競う。ちなみに録音には笑ってしまった。まるでオルフェオがガスタイクあたりで録音したようなイメージだ。

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     2013/02/22

    これは自主制作盤として微かに流通したものだと推測される。であれば、今回のリリースは大歓迎だ(尤も某動画サイトでも視聴できるのだが)。マゼールはシューベルトをあまり演奏しない指揮者で、今回も半分以上の曲は譜面を見ながら指揮しているようで、まこと珍しい。演奏はチクルス時のマゼールといえよう。すなわち全曲を通した完成度を優先しているので、デフォルメを期待するのは野暮だ。もちろんアクセントやバランスで思わず聞き返したくなるような箇所はあるが、いつもほどではなく控えめだ。むしろ整った造形の中で躍動感が漲っており、聞いていて素直にわくわくしてしまう。推薦は最も指揮回数が多いであろう「未完成」になる。次点は「第4」「第5」あたりか。暗譜で振った曲のほうが、表情が冴えているようだ。なお「チクルス時のマゼール」なので、テンポは概ね速く上げ潮な流れだ。

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     2013/01/11

    かなりムラのあるBOXだ。60年代の録音は仕上がりに難がある。このころのフルネは曲に歩み寄ろうという姿勢が少なく、独自の解釈に引き寄せることが多かった。メシアンを聞けばお分かりいただけると思う。少なくともオーケストラは全く掌握しきれていない。その上で独自の猟奇的な解釈が入るので、雑なイメージがどうしても拭えない。いっぽう70年代以降は完成度が高くなる。マスネは当然優れているわけだが、大穴はベートーヴェンのコンチェルトだ。ソリストに助けられた部分も大きいが、曲想と指揮者、ソリストのスタイルが全て一致している。そのころのフルネはオーケストラを磨くのが俄然得意になる。あの暖かいのに爽やかという、ユニークな音色をどのオケでも出せるようになってくるのだ。フルネは練習が非情に厳しいため、付いてくるオーケストラは少なかった。そのため70年代以降はどのオケを振っても安心感がある。その中でベストのコンビは、ぼくはオランダRSOだと確信している。このBOXは若いフルネを聞くというより、フルネがどのようにして黄金コンビを築いていったか、を聞くのに買うのがベストといえよう。

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     2012/12/21

    モーツァルトは推薦、いや屈指の名盤といえよう。ぼくはワルターやベームより(ナンバーによるが)上にしたい。ウィーン・フィルの響きが眩しいほど出ているのだ。特に40番はため息が出るほど、水も滴る美音といえよう。ハフナーやプラハはリズム処理の上手さも相俟って至高の領域だ。いっぽうリンツはやや冗長な感じがしなくもない。最も残念なのは「パリ」などが抜けていることだ。次はブラームスが推薦だ。全てのナンバーが優れている。フィラデルフィアの開放的な音色を使い、新しいブラームス像を打ち立てたことは賞賛に値する。第2は以前から評価が高いが、ぼくは第1や第4のような短調こそ、ムーティの手腕が発揮されていると評価したい。ムーティとしては珍しく、曲の構造や形式を重視した表現になっているのは興味深い。シューマンは無印〜準推薦だ。ウィーン・フィルのうまさは前面に出ているものの、響きは前出のモーツァルトとは全く異なり薄っぺらい。うまくて薄いという要素が共存した結果か、スケールの小さい演奏に陥ってしまったようだ。SACDなら印象が変わるかもしれない。

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     2012/12/21

    ぼくは村治の容姿やスタイルに負けて買ってしまったクチだが、演奏は高い水準にある。ギターというと、弾き方にひとクセがありそうなイメージがあるが、村治は適度な表現に留め、淡々と弾きながらも細かいニュアンスはしっかり拾っている。リズムは軽く流している反面、意外にも歌ったり響かせたり、技を駆使しているのだ。このやり方はバッハで効果が鮮明になるが、むしろスカルラッティのほうがスタイルに溶け込んでいるようだ。スカルラッティを聴いたとき、最晩年のホロヴィッツをふと連想してしまった。当然そこまでの領域には達していないが、この録音した時の村治の年齢を考えれば、、、大したものだといえよう。ホロヴィッツを引き出してちょっと褒めすぎたかもしれないが、一言で言えば「懐石料理」といえよう。

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     2012/11/28

    マズアというと、どうしてもセカセカとした無味乾燥な運びというイメージが強い。とにかくメンデルスゾーン以外で評価する人は少ないはずだ。しかしこのディスクを聞くと、マズアの意外な才能が確認できるのだ。ネオーケストラはニューヨークということで、いかにも「アメリカ」らしい硬直的な響きとインテンポが予測されるところだ。しかしマズアはその二つを驚くほど柔軟にしたのだ。特に響きの作り方は信じられないほど豊麗で、アメオケが苦手な人でも、これなら納得はできるはずだ。要するにマズアは音響職人であり、「ニューヨーク・フィルにドイツ魂を叩き込んだ」という評判は、間違いではないといえよう。テンポはニューヨークが相手なので、セカセカまではいかず、むしろ立派に仕上がっている。この演奏が同曲のベストかといわれれば甚だ遠いが、マズア再評価という点では高く評価したい。

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     2012/11/21

    シューリヒトという指揮者は、現場をかじったことがある人ならその凄さは身に染みてわかるのだ。しかしリスナーに徹して聞くと「???」の連続だ。「田園」のほうが仕上がりとしては上で、お得意のはずのブラ2は「いっちに、いっちに、よーい、ドン!!」の連続で、音楽鑑賞というより体育会を眺めているようだ。これが上手く働けば、シューリヒトの技がビシバシ決まり見とれてしまうのだが、残念ながらフランス国立管はムラの激しいオケで、今回はマイナスに作用したようだ(逆にはまるとすごい)。要するにシューリヒトは、オーケストラビルダーの達人とみるべきだといえよう。

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     2012/11/08

    まさにドイツ本流、濃厚なブラームスだ。第一楽章冒頭からまこと雄渾な響きに驚かされる。これは、と期待させられる出だしであり、以降も期待が裏切られることはない。全てのパートに入念な味付けを行い、起承転結に応じてテンポを変化させ、高い集中力から繰り出す大きなうねりはここでも健在だ。終楽章はテンポの変化が激しく、ここは好みが分かれるところかもしれない。ただこの演奏に「決定的に」不足しているものはほとんど見当たらず、相変わらず完成度は高い。カップリングのワーグナー交響曲は、ほとんど演奏されることがない2楽章が貴重だ。未完なので終わり方が拍子抜けしてしまうが、これはこれで価値がある。ここまで聞けば、ワーグナーがシンフォニーという形式重視を捨て、オペラに軸足を置いたことが頷ける。メルクルはドビュッシーで成果を上げているが、ぼくはドイツ本格派の名匠として活躍してほしいと願っている。

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     2012/09/23

    まだ半分しか聞いていないが、レビュー一番乗りしたい。当然旧録音との比較になるが、まったく別物と言ってもいい出来栄えだ。古楽器の特徴と美を前面に押し出した旧録音と違い、美はほとんど追求されていない。むしろ遅めに採ったテンポを存分に使い、ベートーヴェンらしい剛毅な面を追求しているように感じられた。古楽器奏法でよく聴くアタックの強さは後退し、躍動感はミニマムに抑えた感があるのだ。これに全曲を俯瞰したような大きなうねりがともない、説得力は抜群、まるで仙人のような演奏に達してしまったのだ。特に現在聞いた中で特筆大書したいのは「第2」だ。誰がどのように指揮しても不満を覚えた3楽章以降がまこと立派に響き、しかも飽きさせず楽しませてくれるのだ。特に掛け合いや共鳴は絶妙だ。このように捌いてくれれば「第2」が青春くさい曲とは思えなくなる。なお、譜面にはあまりこだわりは感じられず、表現のみでベートーヴェンに迫ろうと感じられた。こんな好感が持てる演奏はしばらくぶりだ。残念なのは録音で、ライヴゆえ仕方ないが、弦楽器の輪郭がぼんやりしており、これでSACDでは…と思ってしまった。ただ管はよく録れているのが嬉しい。とかく当全集は近年稀に見る大収穫だ。ぜひ手元におきたい。

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     2012/07/27

    まことドラマティックなシェヘラザードだ。録音のせいか、いささか立体感に乏しいきらいがあるものの、迫力満点でこの曲が持つ劇性を限界まで引き出したのだ。基本的にテンポは速く、それぞれのフレーズに濃厚な味付けが施され、奏者の技術は恐ろしく冴え渡っているので、聴き応え十分といえよう。特に素晴らしいのは第3曲で、リズムが絶妙のきわみだ。数あるシェヘラザードの中でベストを争うほどで、是非手元に置きたい。個人的にはフェドセーエフより若干上にしたい。

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     2012/07/05

    こういう来日ドキュメントが見られるなんて、快挙といえよう。テレビでさえ滅多にないのだから。。ここではルイジの親日というか、文化に溶け込もうという極めて積極的な姿勢が特筆される。特にルイジは宗教マニアらしく、浅草寺を訪問した一コマは思わず頷いてしまった。収録曲は「巨人」「ブラ4」が主体であり、ともにウィーン響にしては信じられないほどの緊密な響きと構成が光る。昔から思うが、ウーン響はやる気が絶頂のときは、ウィーン・フィルを凌ぐことがある。このDVDを見ると、奏者をクローズアップするシーンも多く、そういった根拠も垣間見れた気がする。

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     2012/06/29

    ムーティのニューイヤー4種の中で、最もムーティ節が強い一枚だ。濃厚なカンタービレ、研ぎ澄まされた鋭角的なリズム、推進力みなぎるテンポがまさにそれだ。いっぽうでウィーン・フィルらしいふくよかな響きは後退してしまったが、これは録音のせいだろうか? 早合点したようなポルカの構造処理も単純すぎる。簡単に言えばオペラ的すぎるのだ。そうなれば逆に「軽騎兵序曲」は水を得た魚となり、抜群の説得力に裏打ちされ稀代の名演となったのだ。参考までに、2000年盤は完成度が高くなり、ウィーン・フィルらしい響きも戻り、誰にでもお勧めできる演奏だ。ぼくは美しすぎる2004年盤がベストに推したいが、オペラ・ファンなら迷わず当盤を買うべきだといえよう。

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     2012/06/29

    主役以上に伴奏の出来栄えが目立ってしまうユニークな一枚だ。アルゲリッチはいつものように強靭なタッチであり、どちらが主旋律なのか理解に苦しむほど個性に満ちているのだ。いっぽうのコンチェルトもやはり伴奏が出色だ。ムーティの棒は歌心に満ちていると同時に典雅のきわみ、この美しさは筆舌に尽くしがたい。表面の美しさだけでなく質感たっぷりの雄渾な響き、フォルティッシモの迫力は壮絶だ。録音も素晴らしく、ふっくらとしつつも張りのある響きはベーム以来と言っても差し支えないくらいだ。そうなるとレーピンは小技ばかりが目立ってしまい、悪くはないものの見劣りは否めない。ソナタもコンチェルトもそうだが、小結が横綱に挑んだ結果になってしまったようだ。それとも男らしい伴奏に負けてしまったのか?

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