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ムーミン・パパ さんのレビュー一覧 

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     2010/08/05

     ドイツ人の演奏家は好奇心が旺盛なのか,古楽器を演奏する奏者が増えているような気がする。しかも単に演奏してみましたというのではなく,内実の伴った本格的な演奏になっている点に好感が持てる。音色はどれもまろやかで品のあるものだ。ヘンデルではナチュラル・トランペットを演奏し,ハイドンの協奏曲ではキード・トランペット(クラッペン・トロンペーテ)を見事に演奏している。特にハイドンは同じタイプの楽器を使用したラインホルト・フリードリッヒにも劣らない出来だ。ジョリヴェでは有名なトランペット奏者のハンス・ガンシュが指揮をしている。また使用楽器についてはカラー写真入りの独・英,二つの言語で解説されているため,47ページもある豪華さだ。そのほかにはマルチェルロの編曲ものからアイーダ,ジャズを含む現代曲まで幅広く収められていて選曲にも工夫が見られる。ただ,このCDのライナー・ノーツには曲の順番だけでトラック番号の表示がないのが少々不親切だ。

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     2010/04/27

    音質が良いのでそれだけで気分が良くなるというディスクがある。これがそう。よく演奏が良くないのに音だけを云々しても意味がないという人があるが,それは半分ぐらいしか正しくない。生演奏で指揮者や演奏家は細心の注意を払っているのにそれを十分くみ取れない録音だとしたらと考えると,やはり音質は無視できないのだ。装置が良くなるとこの人実はこんな立派な演奏をしていたんだと思うことがあるし,隠し味が分かることがある。このCDで聴くライスキーがただものではないということは良い音だからこそ分かるのだ。さんざん聞きあきたと思えるような『運命』,『田園』が新鮮な装いをまとって出現してくる。録音は多分2チャンネルの場合だと思うが,2本のノイマンM49真空管コンデンサマイク+エックミラーW85フェーダー+テレフンケンV72真空管マイクアンプ+ADコンバーターというシンプルなラインナップで調整卓を経ていないと書かれてある。このような構成がこのCDの素晴らしい音質につながっているのであろう。このベートーヴェンのシリーズはどれを聴いてもすっきりとした純音楽的な初々しい演奏で素晴らしい。(わたしはSACD2チャンネルで聴いた。)

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     2010/04/25

    このところヘンデルのリコーダーソナタを何枚か購入して集中的に聴いている(その点ではHMVにずいぶん貢献した)。SACDでは意外なことにオーバーリンガー,テル・スヘヘットなどのものしか見あたらない。この人の場合,前二者に比べると相当レベルが落ちる。聴いた途端に一流のプロの水準ではないということがすぐに分かってしまうのだ。装飾音が多すぎる点に文句をつける気はさらさらないが,それが曲の魅力を高めることに貢献していなければ,毎回聞かされるこちらにはたまらない。それは技巧的にぎりぎりのところで演奏しているために全体を見渡して装飾するという余裕がないのが原因ではないだろうか。共演のイーガーも最近は多くの録音を手がけているが,どうして人気があるのか私にはよく分からない。音楽への踏み込みがいつも浅いのだ。このアルバムに入っている「調子のよい鍛冶屋」を含む「ハープシコード組曲ホ長調」を聴けば水準以上のものでないことが分かる。録音もモノ的な音で空間の広がりが感じられない。音質を売り物としているリンのものとしては残念な出来だ。上記の二人のものが演奏も録音も素晴らしいだけに余計に見劣りするのだ。

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     2010/04/21

     比較的聴く機会の少ない第1番,第2番であるが,この演奏で聴くと若き日のベートーヴェンの新進の勢いというものが十分に感じられ,退屈することがない。若い演奏家を集めて1982年に発足したというこの団体もこの録音時点の1962年で24年経ち,颯爽としていてさすがにアンサンブルも練れている。また室内オケとはいえ,最近の古楽的な奏法は採用していない。強いて言えば,全体にもう少し哲学的な掘り下げがあってしかるべきかとも思うけれど,純音楽的な解釈を優先していると考えることにしよう。Tube Only /  Transistorfreiという文字が解説書に示されているようにAD変換機器以外はコンデンサーマイクを初め,すべて真空管機器を使用しているようだ。しかも往年の名器を使用しているとのこと。わが家の装置ではSACDのサラウンドは聴けないが,2チャンネルでもこの録音の醍醐味は十二分に味わえる。柔らかいけれど,どの楽器もリアリティを持った,初期のBISレーベルの録音にも通じる手作り感横溢の気持ちの良い録音である。教会を使用した空間の感じも良く捉えられていてオーディオ・ファイルにも満足の行く仕上がりである。

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     2010/04/06

    再度レビューを書きます。takeさんの録音評があまりに言いがかりめいているからです。「霧どころか向こうがまったく見えない、厚い靄の中の音質です」とありますが,私の装置では全くそんなことはありません。柔らかな弦の上にフルートが明瞭に聞こえます。ティンパニーはホールのせいで多少こもった感じはしますが,管も良く捉えられています。別に加藤氏を擁護しなければならない義理は全くありませんが,ただでさえ不利な国内録音がこれではあまりに気の毒です。

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     2010/04/05

    このスホーンデルヴルトのピアノは絶対に聴いて損がない。現代ピアノの鋭い音に比べてこのプレイエルで聴くピアノは耳に優しい。この演奏でピアノ・フォルテに対する目が開かれた。まるでショパンのサロン・コンサートに招待されたよう。聴いていくうちにじわじわと心の襞に染みこんで来るような素敵な演奏。

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     2010/03/20

    むかしのレコード会社には優れた人が多かった。音楽学者がHarnoncourtを「ハルノンコールト」と言っていた時代に日本ポリドールでは「アルノンクール」とレコードに表記していた(アーノンクールって何語なの?本人はフランスではないからハルノンクールが正しいと言っているようだ。以前のキングレコードでは確かにそう書いていた)。それにしてもフランス語もドイツ語の発音も分からずに音楽学者だと言う人間が多い日本の現状はいかに?ところで,いまのレコード会社にもそのような教養を持った人がいなくなったようだ。演奏家の名前も満足に表記できない人間が増えた。このCDの演奏家の場合にはオランダ人なのだから当然「スヘヘット」でなければならないはずだ。それはともかく,この演奏はMDGの以前の録音とは全く異なり,実にリアルな録音である。その録音が見事な演奏を引き立たせている。通奏低音がチェンバロだけというのが少し物足りないときもあるが(メニカーのチェンバロは時にうるさすぎるときもある),他の演奏家に比べけれんみのないところが何度聴いても飽きが来ない。装飾音が少なめなのも,繰り返し聴くのによろしい。それでいて決して霊感に欠けるところのない,実に密度の濃い演奏である。こういうCDこそSACDで聴く価値がある。

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     2010/03/18

    歌が少し若いかなという感じ。どうもお年寄りのプロデューサーさんたちは若い娘がお好きなようで,スタンダードならもっと大人の歌を聴きたいなあとおじさんは思うのでした。それでも歌は上手いので,年輪を重ねて行けばいい歌手になる可能性は充分にある。それよりこのディスク私の耳がおかしいのか,うちの装置が悪いのか,音のバランスが少しおかしいように思う。声がやたらに耳につくのだ。キンキンして聞きにくい。どこかで聴いたような感じだなあと思ったら,ソニーのSACD『前橋汀子 ベスト・コレクション』でヴァイオリンだけをクローズアップしてピアノが奥の遠い方からかすかに聞こえるという大変奇妙なバランスで録音をしていた人が,このCDのマスタリング・エンジニアをしているのだ。前橋のヴァイオリンもずいぶんとげとげしい音だった。88レーベルの他のSACDを聴いても基本的には同じ音なので,このレーベルの好みなのだろうが,これだとSACDにする意味がなさそうだ。

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     2010/02/27

    この解説者のライナー・ノーツによるとブラームスのヴァイオリン・ソナタには引用上の謎や楽譜上の暗喩がすべて解明されていないのだそうだ。それを久保田は良く汲み取っているというのだろう。また,アメリカ主導の変則的ヴァイオリン演奏が席巻していた20世紀末の時期も含め常に(ヨーロッパ的)スタイルを貫いてきたのが久保田なのだそうだ(ヨーロッパ・コンプレックス)。またグルダのベーゼンドルファーの型番にまで言及している一方で,ヴァイオリンには全く触れてはいない。写真に写っているから判るとでも?それはともかく,多くの名盤がひしめく中でこのディスクに3000円を支払う価値があるのだろうか。デュメイのものが2000円以下で手に入るというのに。どこか一歩引いたところで音楽が奏でられている。おじさんのセンチメンタリズムにはあまり深入りしたくないとでもいうようだ。聴いていて常にもどかしさを感じてしまうのだ。SACDの録音に癖がない分だけその傾向をより強めているのだろうか?一方でグルダのピアノの音は木質系の歴史楽器を聴いているようで面白かったし,ゴツゴツとした感触が従来とは違う感じを与えてくれるが,果たしてそれが感動と結びつくかと言われると何とも言えない。実演では二人とももっと積極的な演奏をするような気もするのだが。またヴァイオリンとピアノの音像中心で空間をほとんど感じさせない録音には問題があるのではないかと感じる。これだとSACDで録音する積極的な理由が見つからない。

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     2010/02/17

    白状すると私はこのCDを聴いていない。ここでは音楽の内容ではなく,テクストについて一言言わせていただきたい。某誌の音楽評論家M氏によると,このCDにはテクストが付いていないらしいのだ。ホームページから入って歌詞をダウンロードすると入手できるとのことだが,実際に探してみると確かに出てくるが,原詩のイタリア語とフランス語訳のみである。英語は解説だけである。このフランス語中心主義はなんたることであろう。あるいは英語圏では別に英語の歌詞が付くのかも知れないが,フランスのレコード会社はこういうことがままあるので要注意である。M氏は御自身ではこのホームページを直接ご覧になっていないのであろう。このようなCDを買い求める方は教養のある方が多いので英語訳など必要ないのであろうが,無学の(本当は日本語訳が欲しい)私は評論家とレコード会社のこうした無責任さに怒りを覚えてしまうのだ。イタリア語とフランス語の達者な御仁,既に日本語の歌詞をご存知の方,あるいはただムードで聞き流すだけの方以外にはお薦めしかねる。

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     2010/02/01

    ベートーヴェンの方がソロ,オケ,録音ともに出色。ゆったりとした伴奏にのびのびとしたグッリのソロが気持ちよく乗って聴く方も豊かな気分になる。メンデルスゾーンもソロはグッリなのでなかなか良いのだが,オケの録音がよろしくない。これはグラチスの指揮とオケにも問題があるのかも知れない。全体に音が薄っぺらなのである。この曲もアルベルトの指揮だったら良かったのにと思う。このシリーズ,演奏はともかく録音が玉石混淆である。クラブ・フランセーズ・ドゥ・ディスク原盤のものは音の良いものが多いが,ヴェガ原盤のものは総じて悪い。メンデルスゾーンの方は前者が原盤となっているが音が良くない。また,このフェスティヴァル・シリーズでは不思議なことに協奏曲のソロがどの盤もピアノであれ,ヴァイオリンであれことごとく左端に寄っているのはどうしたことなのだろうか。

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     2009/12/16

    イギリスのアンサンブルというとあくまで礼儀正しくそれでいて退屈と言うイメージがあるが,このアンサンブルのテレマンは出色。『ハンブルクの潮の干満』は表情豊かで,退屈させることがない。また,アンサンブルの技量も高い。『アルスター序曲』では描写的な表現で他のアンサンブルよりぬきんでている。カエルの鳴き声や白鳥の泳ぐ様など目に浮かぶような見事さである。録音も素晴らしく,本当にこの値段で良いの?と思う位のお買い得。

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     2009/11/23

    さすがに北欧のレーベルだけあって,この盤のためだけに遺族からの原典版使用許可が出たという。この版には様々なアイデアが盛り込まれていて,これだけでも立派な作品であるが,現行版がどのようにしてこれを刈り込み整理したかがよく判る。その結果,無駄のない引き締まった曲に昇華されることになった。演奏はどちらの版も実に素晴らしいもので,貴重な原典版を演奏するのに相応しい独奏者とオーケストラである。カヴァコスにはこれ見よがしの技術をひけらかすようなところが全くないにもかかわらず,説得力のある演奏をしており,注目の奏者だ。オーケストラもフィンランドの空気を感じさせるような素朴な感情と敬意に充ち満ちていて,どの瞬間も弛緩するところがない。ひんやりとした空気感の中に,うちに秘めた燃えるような情熱が伺える点がなによりも素晴らしい。録音がまたこのような演奏に相応しいもので,教会の広大な空間を感じさせる見事なもの。ヴァイオリンにはソロ用のスポット・マイクを設置していないという断り書きがあるが,全体の中に埋没して聞こえないという感じはなく,生演奏に近いが,聞こえるべきものはしっかりと聞こえるようになっている。録音時の写真を見るとヴァイオリンには何らかのマイクが設置されているようだ。大レーベルの録音に比べ,演奏・録音ともこれ見よがしなところのない,ひたすら作品に奉仕する優れた仕事である。

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     2009/10/12

    ドイツ文化圏のバロックの管弦楽組曲というとバッハとテレマン以外にはあまりなじみがないかも知れない。近年ではムジカ・アンティクァ・ケルンが積極的にハイニヒェンを紹介していたが,それ以外はほとんど未知の領域だ。このCDではハイニヒェンの他グラウプナー,ファッシュ,グラウンの作品が収められている。聴いてみてあまりの楽しさに驚いた。特にグラウプナーの作品ではクラリネットの前身のシャリュモーが3本加わっており,クラリネットよりも柔らかい音と魅力的な旋律で楽しませてくれた。他の作品でも先入観を捨て虚心坦懐に聴くとバロックの管弦楽組曲が実に多様な世界を持っていたことがわかる。そのような楽しみを与えてくれた功績はフルートの名手リンデにある。彼はテレマンの「水上の音楽」でも地味ながら決して凡庸ではない演奏を披露していたが,ここでも作品そのものに語らせる見事な演奏を繰り広げている。フェニックス・レーベルのこのシリーズは注目だ。演奏スタイルだけを考えて敬遠するにはあまりにも魅力的だ。

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     2009/08/20

    テーニス・ファン・デア・ズヴァルトに師事し,日本の著名なバロックオーケストラで活躍している塚田聡氏のソロ・アルバム。ベートーヴェンとフェルディナント・リースの「ホルン・ソナタ」,モーツァルトの「ホルン協奏曲第3番」(フォルテピアノ伴奏版)そして最後が狩猟ホルンによる「ウサギを射た」などの信号10曲(?)が入っている。ベートーヴェンをナチュラルホルンでこれほど活き活きと演奏するのは至難の技だろう。モダンのホルンに比べて音の色彩が豊富であるところが,ナチュラルホルンの醍醐味である。これを素晴らしいと見るか,音が不揃いで不安定であると感じるかが評価の分かれるところであろう。私は前者の立場をとる。モーツァルトもオリジナルの版で聴きたかったが,小倉貴久子氏のフォルテピアノは切れが良く表現力が豊かである。狩猟信号もなかなか楽しい。ムレの「狩りのサンフォニ」などとの関連にまで想像が及ぶ。塚田氏の演奏は全体に技術的には申し分ないが,これでより深い陰影を表現できるようになれば超一流の演奏家になるに違いない。とはいえ,これは素晴らしいCDである。

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