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kadoshin さんのレビュー一覧 

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/10/27

    ウート・ウーギは通好みのヴァイオリニストですね。80〜90年代にRCAの看板ヴァイオリニストの一人として結構な録音を残しました。NHK交響楽団にも何回か来ましたね。ベートーヴェンの協奏曲(指揮者は忘れました)の美しい音色と端正な演奏をよく覚えています。
    そんなウーギのRCA録音が集大成されたのがこのボックス。一部持っていますが、重複も気にせず買いなおしました。
    全体を通して、やはり音が抜群に美しいですね。すごいヴィルトゥオーゾというわけではないと思いますが、技術的には全く不安はありません。演奏はかつての印象通り端正そのもの。特にバッハの無伴奏はその美しさと躍動感、精神性のバランスの高さが際立っており、グリュミオー以来の名演といって差し支えないのでは。
    弾き振りのモーツァルトはインティメートな空間が目に浮かびます。ベートーヴェン、ブラームスのドイツ系も好演。さすがに厳しさや呼吸の深さという点では物足りなさを感じる場面もありますが、それは端正なウーギのスタイルの裏返しなので仕方がないと思います。
    ベートーヴェンのソナタではサヴァリッシュのピアノも堪能できます。「指揮者のピアノ」というにはもったいないくらいの巧いピアノです。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/10/24

    1巻に続き、すばらしいピアノの音と優秀録音にまず驚嘆します。
    2巻はより内省的な曲が多いので、もう一歩の呼吸の深さや細部の多彩な描き分けが欲しい気もしますが、そういう方向でないところにこのピアニストの真骨頂があるとも思いますので、まあ仕方がないでしょう。
    1巻、2巻そろって統一感のあるコンセプトで、超優秀な録音でまとまったことを喜びたいと思います。まずは現代のスタンダードな名演といって差し支えないでしょう。これに少し変化球でバレンボイム、正統派でグルダ、別格としてグールドがあれば私には十分です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/10/02

    いよいよ「ハンマークラヴィーア」登場。リリースを重ねるに従って、超近接録音にも慣れてきました。
    演奏も右肩上がりに調子を上げているような気がします。激しいところでやや叩きつけるような、音が濁る癖があったのですが、今回は長大なソナタのどの部分をとってもそういうところがなく、余裕をもって弾ききっている印象です。相当準備をしたのでしょう。緩徐楽章の息の長い感興の高まりには特に感銘を受けました。
    ベートーヴェン後期の入り口の愛すべきソナタ、28番もさりげないようで後期様式を完璧に再現した演奏。
    前にも書きましたが、いい意味で近藤の若さが前面に出ている演奏。聴いた後の充実感の一方、疲れないかというと、録音のせいもあってかお腹一杯という感想。もう少し息の抜いた、枯れた演奏に惹かれる面もあります。
    これから年齢を重ねて、表現がどう変化していくのか。興味が尽きません。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/08/26

    個人的な話ですが、虫の音が聞こえ、秋風が立ち始める時期になると、そこはかとない寂しさの漂うこの曲の第1楽章第2主題やブラームスの第3交響曲が聴きたくなります。
    好きな指揮者のドホナーニが録音していたのは知っていたのですが、ずっと廃盤中で、ようやく再発売されたのを知り、すかさず買いました。
    ドホナーニらしく楽譜に即したドライな表現が徹底されていますが、クリーヴランドとは違ってウィーン・フィルの厚み、温かみのある響きによって、ドライな音づくりがかなり緩和されています。そこを中途半端とみるか、両者の良いところがミックスされたとみるかは分かれるかと思いますが、私としては曲想からしても好ましいと感じました。
    ドホナーニは基本的にイン・テンポで、歌わせるところもあっさり行きますが、ウィーン・フィルの歌い方がどうしても表れるところが何とも言えない魅力があります。1812年も最後の盛り上がりなどは十分にドラマティックですが、静かな部分での室内楽的なアンサンブルが実に美しい。ただ、演奏にもっとハッタリがないと持ちこたえられない作品ではありますね。
    ウィーン・フィルの弦と木管のソロは本当に魅力的ですね。ティンパニが結構マイクに近接して録音されているのも好みでした。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/08/26

    全曲新録音といううれしい5枚組。老いてますます盛んというか、持ち前のスタミナに衰えはまったくないというのが、数曲を一聴しての感想です。
    まず音が抜群に美しいですね。過去に録音してきたバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンなどで感じてきた、ピアノの音と音色の変化だけで勝負できるテクニックは健在。バレンボイムのピアノというと、この腕(体力?)に任せて言葉は悪いですが弾き飛ばしてしまい、やや細部の詰めの甘さを感じることもままありましたが、この録音は時間を十分取ったのでしょうか、そういうマイナス面は感じません。どの曲も丁寧な仕上がりです。
    シューベルトにしてはやや意志的、ドラマティックに過ぎるという批判はあるかもしれませんが、私はこうしたシューベルトもありかなと思います。彼岸の世界と紙一重の最後の3曲も、バレンボイムの手にかかると起伏の大きい山あり谷ありの世界。最後の21番も内田光子の灰色一色の諦観とは対照的に、あえていえば色彩感豊かな演奏となっているのがバレンボイムらしくて微笑ましくなりました。
    ファースト・チョイスとしてよりもいろいろな演奏を聴いた方にお勧めしたいです。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/07/23

    待ちに待ったアーノンクールのモーツァルト。やはり最高でした。特に40番はコンセルトヘボウとのテルデック盤を聴いたときの衝撃が忘れられす、どうかな?と危惧していましたが、衝撃度はむしろこっちの方が上。ヘボウの上手さは認めるものの、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの響きの方がよりアーノンクールの意図を生かしていると感じました。1楽章の独特のアーティキュレーション、2楽章のワルツのようなたゆたい、峻厳なメヌエット、そしてフィナーレ展開部冒頭の暗い深淵を覗き込むかのような表現…、どこをとってもアーノンクール節満載で、久しぶりにモーツァルトの40番を堪能しました。
    39番、41番についてもヘボウ、ヨーロッパ室内管との演奏をさらに過激にしたような演奏で、細かい聴きどころを挙げればきりがありません。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/01

    前作の4〜6番に比べて、さらに指揮者、オーケストラともども自信を持って演奏している様子がうかがえます。
    ブルックナーの初期交響曲は、凡庸な指揮者にかかると単に交通整理だけに終わってしまう危険性のある難曲ですが、小泉にその心配は無用。どの曲も自家薬籠中のものとして手の内に入れている「手堅さ」を感じます。オケも中規模編成をものともせず、というか薄い響きを生かして透明感のあるオーケストレーションのテクスチャーを描き出している。コントロールの利いていない大オーケストラのハリボテ、絶叫型の響きよりもよほど聴いていて心地良いです。
    緩い楽章で味が薄くなる気がするのですが、それを補う叙情性がありますのでそれほど気にはなりません。
    小泉はこのオケを退任するようですが、何とか7〜9番も録音して、全集を完成してほしいです。(できれば0番も)

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/01

    従来のこのNHK交響楽団シリーズの録音と違い、ややオンマイク気味でノイズもあまり取り除いていない臨場感のある音質です。好みは分かれるかもしれませんが、FMっぽくて私は好きです。
    アニー・フィッシャーは通好みのピアニストだと思いますが、この3曲はどれも素晴らしい演奏です。3曲とももっと若い時期にスタジオ録音を残していますが、ライブらしい感興の高まり、録音の良さの面でこのディスクを取り出すことが多くなりそうです。
    クレンペラーとの録音で知られるシューマンは、ライブらしい感興の高まりと技巧の素晴らしさで聴かせます。ぺリックの指揮はN響の音ともどもやや雑で固さが残る感じがちょっと残念。
    これもスタジオ録音のあるモーツァルト(スタジオ録音の指揮者はサヴァリッシュでしたか記憶があいまいです)は、アシュケナージやペライアに代表される珠を転がすようなピアノとは正反対に、粒立ちのはっきりした音で重厚さもあり、ベートーヴェン風の威容を感じさせます。ライトナーのきめ細かな指揮はさすが。N響も実に瑞々しい演奏を聴かせます。
    ベートーヴェンはフリッチャイとの録音が有名。これは今回の3曲の中では一番新しい録音ということもあり、やや技術的に綻びが見られます。しかし、キレのある音、推進力に全く衰えはなく、ベートーヴェンの真髄に迫るような迫力に満ちています。手堅くまとめながらN響から気品のある歌を引き出したカリーディスの指揮もなかなか見事でした。
    このベートーヴェンは、中学生の頃会場で聴きました。後日テレビで放送されたものを録画して、繰り返し見たことを懐かしく思い出しました。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/02/10

     解説書にアバドとアルゲリッチの若い頃の写真も収められていますが、数十年にわたる共演を経て、ジャケット写真のような風貌になったのかと感慨深いものがあります。
     おしもおされぬ2人の大家が、モーツァルトの音に遊びつつ、魂の触れ合いを楽しんでいる風情。死去の報に接した後に聴くということもあるかもしれませんが、このアバドの無心さはいったいどうしたことでしょう。25番は堂々としたベートーヴェン風というより愉悦感や繊細さを強く感じました。ドラマティックな20番も声高に絶叫するのではなくあくまでも歌と声部のバランスを丁寧にすくいとっていく風情。フィナーレの冒頭などかつてのような煽りは一切見られません。
     小編成のオケの純度がきわめて高く、木管を重視(偏愛?)するところに若い頃からのアバドの個性を感じ、「こういうところは一生変わらなかったな」と微笑ましく思いました。随所にみられるピリオド的なアプローチも効果的です(好みは分かれると思いますが)。
     アルゲリッチの方はアバドにつられたのか、彼女の演奏にときどき感じる表現意欲の強さやとんがったところをあまり感じさせません。音楽的センスの良さと小気味良いテクニックは相変わらず。緩徐楽章でのインティメートな対話など、こういうのを「ミューズの神が舞い降りた」というのでしょうか。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/25

    これはちょっと凄い演奏です。シフラといえばリスト弾きとしての認識はありましたが、これほどの技巧の持ち主とは不勉強で知りませんでした。
    チャイコフスキー、リストとも圧倒的な切れ味のテクニックを見せ付けます。テクニック一辺倒ではなく、叙情的な部分のニュアンスの込め方も一級品です。
    若き日の岩城の才気煥発ぶりも堪能できました。
    録音は時代相応の古さを感じましたが、大きな不満は感じませんでした。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/11

     ペライアのこの録音、昔何かで聴いて、なよっとして流麗すぎると感じ、敬遠していたのですが、今回聴いてみたら実に良かったです。特に初期の曲など溌剌として気持ちいいですね。オケがアシュケナージやバレンボイムと同じイギリス室内ということで、勝手に彼らの2番煎じみたいにイメージしていたのを反省しました。
     指揮も意外にかっちりしていてリズム感も良く、対旋律の生かし方など独自の表現も所々に聴かれ、本当に見直しました。
     名演のひしめく後期の曲では、「ペライアでなくては」という部分が少し弱いかなと感じましたが、初期から中期の曲に関しては、私の好みではブレンデル・マリナーに匹敵する名演だと感じました。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/08

    まず最初に、演奏内容のことではないのですが、「牧童の笛」さんのレビューがそっくり、「クラシック音楽ぶった斬り」というブログに掲載されています。筆者が同じだったらいいのですが、常連の「つよしくん」さんのレビューもよく同ブログに転載されているので、気をつけたほうがいいと思います。
    演奏については実演とCDではかなり印象が違うのではと感じました。CDで聞くと、第1楽章の第2主題など止まってしまいそうではらはらしましたが、実演ではかなり感動的に響いたことでしょう。第2楽章の冒頭もテンポが定まらず冷や冷やします。第3楽章はかなり持ち直してきて、感動的に締めくくりますが、ときすでに遅しといった感じ。
    朝比奈のブルックナー9番なら、私も東響盤かN響盤の方が良いと思いました。実演は聴いていません。あくまでもCDの感想です。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 19人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/09/11

    持ってないのはブラームスだけです。ベートーヴェン、ブルックナー、シューマンどれも素晴らしい演奏です。
    それにしても、納得いかないですね。お金をかけて、何年もかかって集めたのに、この値段で一気に買えてしまうなんて。こういう売り方が最近多いですが、あまりにもファンをないがしろにしてませんか?ベートーヴェンだって全曲完成してすぐに安くボックスを出しましたよね。
    せめて作曲家ごとに出して欲しかったです。ダブっても買えるのはお金に余裕のある人だけだと思うのですが…。

    19人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/06/07

    CDだけでなく、実際に何度も聴いた経験から、私はボストン響は超一流のオケだと思っています。この盤は昔からの愛聴盤。小澤の指揮は比較的安全運転だと思いますが、オケのうまさ、各楽器の音色の良さでかなり得をしている印象です。良い意味でのハッタリ、ケレンが皆無なので、「祭り」など最初はどこか物足りなく感じましたが、今は作品そのものの魅力をストレートに味わえるように感じ、手に取る機会が多いです。
    ところで以前から疑問に思っていたのですが、「つよしくんさん」は、「クラシック音楽ぶった斬り」というブログをやっている和田大貴という人と同じ人ですか?
    同ブログを見ていると、「つよしくん」さんがこのHMVのレビューに書いている内容とほぼ同じものが多数掲載されています。
    私自身は「つよしくん」さんのレビューは、自分と好みが似ているのか共感できるものが多いです(文章の長さと言い回しのワンパターンさ・くどさには辟易するときもありますが…)
    和田さんという方はたしか早稲田のフルトヴェングラー研究会にいた方です。「クラシックぶった斬り」もよく見ていますが、CDを入手する数の多さとペースの早さにいつも驚いています。「つよしくん」さんにも感じますが、あれだけのペースでCDを買ってレビューを書ける時間があるというのは、(同じような言い回しが多いとはいえ)羨ましい限りです。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/16

    近藤嘉宏というピアニストはルックス系の人だと思っていました。若い頃に「Jクラシック」とかいってアイドル的な売れ方をして、今でも女性ファンが多いのかもしれません。何しろコンサートには行ったことがないのです。
    そんなイメージがどうしても拭いきれないので、数年前に信頼できる知人から彼のベートーヴェンが素晴らしいと聞いても、なかなか食指が動きませんでした。
    しかし件の知人が「ますます良くなっている。ベヒシュタインの音色が素晴らしい。録音も独特。とにかく聞いてみて」といわれ、ようやく購入しました。
    聞いてみてビックリしました。かなり個性的なベートーヴェンですね。一聴してベヒシュタインと分かるエッジが立った硬質な音。演奏も後期の3曲としてはかなりアグレッシブなので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、私は面白いと感じました。こんなある意味とんがった音楽をする人だとは知りませんでした。なるほど食わず嫌いはいけませんね。
    知人が言うとおり、録音も独特。ピアノにマイクをくっつけて録ったような音。目の前で弾いているような臨場感があります。
    近藤の表現は後期だからといって無用に肩肘張らず、歌うところは歌い、決めるところはバシッと決める。一言でいうと、かっこいい演奏です。強音部で叩きつける癖があり、改善の余地があるように思いましたが、それは些細なこと。何よりも今までのどのピアニストにも似ていない、自分なりのベートーヴェン像を確立し、それを表現しているところがすごいと思います。
    一方で、これはあくまでも現在の近藤のベートーヴェンであり、完成形ではないのかもしれないとも感じました。50代、60代と年輪を重ねていくその先に一体どんなべートーヴェンを聴かせてくれるかと楽しみにもなりました。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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