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saitaman さんのレビュー一覧 

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     2022/10/29

    Pelecisのアルバムかと思って買ったら、そうでは無く、ラトヴィアの作曲家9人のオーケストラ作品を集めた小品集だった。19世紀前半のような古いスタイルの作品も多い。良かったのは時代的に新しい方の曲で、表題にもなっているPelecisのFlowering Jasmine、PorietisのMorning、EsenvaldsのNocturneの3作。繊細な現代曲で良くできており琴線にも触れてくる。個人的には、正直、全部このような1995年以降の作品だけで構成して欲しかった。演奏は全て地元ラトヴィアのオーケストラであるLiepaja Symphony Orchestraで指揮者もラトヴィアの人。2021年の録音であり音質は特に問題無い。

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     2022/10/23

    悲愴はだいぶ変わった演奏で、あれはあれで個人的にはだいぶ面白かった。それに比べれば、こちらは作品自体が元々幅のある演奏が行われる傾向があるのでそこまで変わっているわけではなく、普通に向かい合える範囲ではあるものの、やはり十分な個性を持っており、大げさで表現が起伏に富んでいて非常に面白い。今やマーラーもおびただしい数の録音があり、オーケストラの演奏水準の向上が加わって、素晴らしい演奏はいくつもあるが、この曲に関してはこの演奏は普通に推せる名演である。

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     2022/10/23

    なんだ、これは。非常に変わった演奏である。まるでギリシャ悲劇かイタリアオペラか。これは好悪分かれるわ。悲愴の録音は無数と言ってよいほどあるし、コンサートでも当たり前に聴いてきたが、これは異演である。変すぎる。でも、ムチャクチャ面白い。普通の悲愴を聴きたければ、ロシア的にこだわるならムラヴィンスキーを筆頭にいくつもあるし、ロマン派正当スタイルならカラヤンはじめ星の数ほど名演がある。今さら似たような演奏を量産したって大して意味が無い。グレン・グールドのバッハだってバッハだし、テオドールの悲愴だって悲愴である。普通の悲愴にこだわる人にはおススメしない。

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     2022/10/23

    Widmannはクラリネット奏者としても有名な作曲家。ヴィオラ協奏曲はこのCDで演奏をしているタメスティからの依頼で作られた。CDだけではわかりにくいがソリストは最初は指揮者の横ではなくオーケストラの中に紛れて指示なく音を出し始めるという形になっている。曲そのものはいかにも現代音楽である。4楽章構成プラス1という感じ。24のデュオからの曲は非常に短い特徴的なパッセージ的な曲が連なる。狩の四重奏曲も短いが印象的な曲だった。2016から2017年の録音で音質は良好。

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     2022/10/23

    メジャーレーベルから定番の曲の録音を出すのだから当然ではあるのだが、難曲を易々と弾きこなす。女流バイオリニストではあるもののなかなか力強い。あまり特殊な解釈というようなこともなく、基本的に直球勝負の演奏である。録音はDECCAサウンドという感じで鮮明。

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     2022/10/16

    静寂と暗闇と光が交錯するような雰囲気の作品。ロマン派の延長のカテゴリにはなるだろうが流石に年代物の作品とは違い現代曲である。録音は極めて優秀。

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     2022/10/09

    これはフランスの近代音楽が好きな人には必須のボックスですね。録音自体があまりない珍しい曲がたくさん入った限定激安ボックスで、この機会を逃すとどんな曲なのか分からないまま人生を過ごすことになったかもしれない曲がいくつもありました。買って良かったです。気に入るかどうかはそれぞれの曲で受け止め方が違うかもしれませんが。録音は悪くないです。

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     2022/09/19

    「ベスト・オブ・ミニマル・ピアノ・ミュージック」となっているが、内容としては、ミニマルの分野だけでなく、サティ、ナイマン、坂本龍一なども含まれている。ムードミュージックのような曲もある。演奏が少しゆったりめなこともあるが、ガチなミニマリズムのアルバムというよりは、イージーリスニング向きな感じである。これはこれでそういうアルバムだと割り切れば普段鳴らしておく用途として邪魔にはならない。録音は2006から2020年で、音質は特に問題ない。

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     2022/09/11

    英国を代表する作曲家の一人であるエルガーの作品をバルビローリが振った録音を集めたボックスセット。2020年のリマスタリングであるが、不自然にクリアにしたという感じではない。バルビローリらしい叙情性がそこかしこに溢れている。正直言って時代を感じさせる演奏スタイルでもあるかなとは思う反面、そこに魅力があるとも言える。エルガーや英国の音楽に関心がある人にとっては必聴盤だと思う。

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     2022/08/28

    交響曲第6番と第9番は好演。特に第9番は、ベルリン・フィルの重厚な演奏とバルビローリらしい人間味の相乗効果によって、マーラーの録音が溢れるようになった今の時代でも、一聴の価値がある名演と言って差し支えない。ベイカーの歌う歌曲も悪く無い。第1番はオーケストラがやや貧弱。第5番は特にこれを推す理由は無いかな。近年のリマスタリング技術の向上で、音質はそんなに悪く無い。曲によっては指揮者の唸り声がよく聴こえる。

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     2022/08/21

    43歳で亡くなったロシアの天才作曲家スクリャービンのソロピアノ曲の全集である。以前、同じピアニストのマズルカ、詩曲、ノクターンの3枚組を買って、大変良かったので他の作品の演奏聴きたいと思っていたら、全集で出たのでダブっているけどこちらを買った。スクリャービンは元々ショパンを敬愛していて、楽譜を枕の下に置いていたという。しかし、次第に独自路線を歩み、後期の作品ほど幻想的で、怪しく、移ろい、神秘的で、きらめくような、独特の世界観の作風になってゆく。この全集録音は作品番号順に収められているので、作曲家の作風の変遷をたどることができる。もちろん、ソナタだけ選んでとかジャンル別の聴き方をしても良い。幅のある多彩な作品をダイナミックに弾き切るピアニストの力量は見事である。音質は特に問題ない。

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     2022/08/14

    ピエルネは作曲家と指揮者の2つの面でフランスの近代音楽の発展に尽くした人である。オルガニストでもあった。指揮者としては「火の鳥」の初演を行い、ドビッシーやラベル、ミョーなどの作品の初演もいくつか引き受けている。作曲家としてもオラトリオ、オペラ、室内楽など多くの作品を作っている。この録音はその中から2つの組曲を取り上げたものである。あまり難しいことを考えることなく組曲として楽しめる作品集で、明快なメロディーラインとテンポ、フランスの近代音楽家らしい色彩感のある管楽器のアクセント、ダイナミックなオーケストレーションで、特徴的なアルバムになっている。指揮者のDarrel Angはシンガポール出身でブザンソンコンクール優勝などの経歴を持つ。Orchestre National de Lilleと組んだこの録音の演奏は饒舌という点でフランス的で、表情があり、勢いもある。2015年の録音で音質は特に問題ない。

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     2022/08/14

    ウィーンフィルの独特の音色で響くラベル。加えてマゼールのサービス精神のある解釈。定番の名曲が、明らかに少し違って聴こえる。フランスらしさの追求ならフランス語圏のオーケストラの演奏にいくつも良い録音があるのでそっちを聴けば良いが、この演奏は、ラベルの音楽は汎用的で普遍的な魅力を持っている、ほらこんな感じで、と披露してくれている。

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     2022/08/13

    周到に準備されたコース料理のように、プロコフィエフのバイオリン協奏曲2つを、3つの作品で層のように重ねて構成されたアルバム。プロコフィエフのバイオリン協奏曲はどちらも名曲で名演も多いが、Batiashviliの演奏は技巧に加えて表現力が大変緻密で細やかで聴かせる。録音も良い。

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     2022/08/13

    リンドベルイのバイオリン協奏曲が実に素晴らしい。BstiashviliのソロがOramo&Finnish RSOによるオーケストレーションと時に波のように交錯しながら、緻密で陰影に富んだ叙情的な世界が描かれる。秀逸で個性的。シベリウスも悪くはないが、こちらは名演の録音が山のようにある。録音は優秀。

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