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うーつん さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/09

    求道者的な演奏というのが第一印象。  旧盤は「妖刀」と表現したくなるような鋭利な音でスパッと切りつけられるような印象を持っていた。(“刀”の表現を使うとすると)この新盤では(宮本武蔵が船の櫓を削って作った)木刀のような音の印象。ざっくりしていて余計なものは一切ついていないような。   クレーメルはライナーノートの中で「・・・(音符という)小さな記号が何ギガバイトもの情報を伝える・・・」と記しているが、一つひとつの音から様々な「何か」を考えることができる演奏と思う。その「何か」が「何」であるかは聴くたびに変わるだろうし、所詮いつまでたっても解決することもないと思う。だからこそ、数多くの演奏者が挑んでいるのだろう。  

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/09

    ペレーニとシフのこれ以上ないくらいに雄弁なベートーヴェン。第3番以降が素晴らしいのはもちろんだが、初期のソナタも彼らにかかるとこんなに大きな拡がりを持つのかと感動。チェロが朗々と旋律を謳いあげ、ピアノが厚みを加えていく。重々しい雰囲気や重厚な印象はあまり感じないのでそういった雰囲気をほしい方には物足りないく思えるかもしれない。しかし、それを補って余りある内容に仕上がっていると思う。非常に室内楽的な親しみを持ちながら雄大なベートーヴェンの世界を表現できていると感じた。  今後の希望として、このコンビでのシューベルトやブラームス、シューマンの二重奏や(塩川悠子も加えた)三重奏を、またペレーニによるバッハ・無伴奏が全曲ECMから出てくれれば、と願うばかりである。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/09

    2005年から始まったA.シフのベートーヴェンのプロジェクトもここに完結。どの巻も美しい音でベートーヴェンのソナタが新しい表情を持って聴こえてくる。「満を持して」という言い方がぴったりの全集に仕上がったと思う。   ECM、M.アイヒャーとの作品はすべてが傑作。シューベルトの幻想曲、ヤナーチェクにバッハ、シューマン、ペレーニと作ったベートーヴェンやゼルキンとのブゾーニ、バンゼの伴奏にまわったモーツァルト&ドビュッシー等。どれもが長く持っていたい内容に仕上がっている。   この曲については東京で公演があり、幸運にもその一夜に参加することができた。入口で「一つの作品群としてひとまとめで演奏するため、曲間の拍手をご遠慮いただきたい」といった旨の掲示があった。曲間の沈黙も演奏者と共有しようという会場の空気。32番のアリエッタが静かに終わった後も音が天に昇って消えていくまでの、しばしの心地よい沈黙が会場を包んでいた。こんないい雰囲気の演奏会に参加できたことが私にとって大きな喜びだった。このCDを聴くたびにその時の心地よさが思い出される。もちろんその演奏会に来られなかった方でも、このCDによって容易にその雰囲気を反芻することができる。「いまさらベートーヴェンのソナタ全集なんて」と思われる方にもお勧めの新鮮な驚きをもった、知情意すべてが充実したCDと思う。

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     2013/02/08

    以前NHKで同曲の演奏会を放送しており、その録画は今でも時々鑑賞している。曲集という枠を超えた内田とボストリッジの二人芝居を観ているような素晴らしい演奏だった。おそらくこのCDの評価も「シューベルトの歌曲」vs「内田・ボストリッジの表現」で分かれると思う。  私はこのCDが気に入っている。シューベルトがこの曲に込めた憧れと失意、ある種の破滅願望(?)や救済願望を表現しきっているから。Hyperionでディースカウの朗読付きの水車屋もボストリッジの表現がたっぷり詰まっていたがそれを更に劇的にした感じ。内田という触媒あってのことだと思う。若者が受ける様々な感情、だんだんボロボロになっていくナイーブな心情を表すのに最適なコンビだ。歌曲集としてもすばらしいCDと私は思うが、むしろドラマとしての水車屋を感じたい方にお勧め。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/08

    シューベルトの生誕記念に合わせた一連のシューベルト作品集の嚆矢となった一枚。CDかけても数秒なにも出てこないので「?」と思ったら、冒頭の和音が流れてきた。「沈黙」も大切なメッセージであるといいたいかのような。  演奏は全8曲とおして深刻。即興なんていう軽いイメージは皆無。シューベルトの心の闇のひだをそっと撫でていくような心が痛む演奏である。内田光子のシューベルトへの偏愛、というより心からの同化があってはじめて出せる音楽だ。最初に聴いた際あまりに美しい音とそれを上回る作曲者の心の嘆きが聴こえた気がして言葉を失った記憶がある。あいまいな表現で申し訳ないが、PHILIPS時代の特徴なのかわからないがすこし潤いを含んだ音づくりが「東京砂漠」のように乾き切ってしまった私の心に沁み込んでくる。同曲CD化は内田の前にも多々あり、後ろにも続いているがこのCDは必ずスポットライトがあてられる一枚だと思う。特にシューベルトの曲が大好きな私にとってはなおさら。

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     2013/02/08

    内田光子のモーツァルト新録音の第2段。K466と595・・・気分的に正反対の音楽と思うが、両極端の楽想をさらに極端に突き詰めた演奏と感じた。  K466は旧盤よりいっそう緊張感が増し、息苦しいくらい。特に第1楽章の8:00過ぎのオケへの受け渡しの部分などは他の演奏では味わえない緊迫がある。「ここまで深刻に演らなくても・・・」と思われる方も出るかもしれない。でも、一度聴くとまた聴きたくなるクセになる音楽が魅力。K466の悪魔的な闘争を表す演奏としては最右翼ではないだろうか。   このシリーズでは内田が指揮も兼ねているが「指揮者」というフィルターを通すとどうしても内田の考えは減退せざるをえなくなるから敢えてピアノ兼指揮という方法を取ったのではないだろうか。クリ−ヴランド管も「一緒にやろう」と言ってくれたらしいからこのチャンスを使って自分の考えを100%反映させたいと意気込んでのものであろう。  K595は逆に清澄の音楽。カーゾンとブリテンが奏でた静けさではないが、淡々と音を置いていく。(すこし無理があるかもしれないが)個人的にはシューベルトの「冬の旅」の主人公の歩みのような印象を持った。カーゾンの静けさは温かい感じがし、内田のそれは孤独が醸し出す静けさといったような。   表現が激しいモーツァルトが苦手な方にはおススメしかねるが、内田の今の状態を感じたい方、アグレッシブなモーツァルトを聴きたい方にお勧めです。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/08

    内田光子のモーツァルトの新録音は大歓迎。全録音がただのフィーバーではないこと、あれからも成熟が行われたことを理解できるのだから。  全体に緊張感が持続した演奏だと思う。  K491は特に好きな曲でもあるのであれこれ聴いているがテンションの高さではトップクラスと思う。今まで聴いたカデンツァで一番激しいのはハイドシェックと思うが、その次位の激しさではないだろうか。ハイドシェックが内面的にも外面的にも凄まじいのに対し、内田光子のそれは内面的に厳しい。  第2楽章のうらさびしい典雅な音楽も内田にはぴったりだと思う。  K488の最終楽章は鳥が大空にはばたくような自由な飛翔があった方が音楽に合う気がする。これも文句をいくほどのことではない。だって内田光子のモーツァルトを聴くために買ったのだから。綺羅星のごとく名盤が並ぶ中で「○○の音楽」を選ぶことができる贅沢。

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     2013/02/08

    J.テイトとの旧盤は録音の効果なのか、しっとりした音で愉しめた。  今回の新録音はオケとの対話がより親密になった印象がする。その意味では協奏曲というより室内楽として聴くことができる。   内田光子の演奏は神経質すぎるという話もよく聞くがこの2曲ではそんな感じはあまりない。旧盤よりゆったり構えた演奏で落ち着いた雰囲気が支配している。K467の有名な第2楽章も旧盤よりタイム自体は短いのだが、早い感じがしない。むしろ旧盤よりゆったり聴こえるのが不思議。  (旧盤と比べ)K467の自作カデンツァもより磨かれ、装飾音は増えたが「やりすぎ」な嫌味は感じない。  K271も同様の切り口でゆったりとふくよかな表現が嬉しい。旧盤を持っている方が、もう一度買うのも価値ある一枚とお勧めしたい。

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     2013/02/05

    20世紀の作ながら、芳醇、退廃、成熟、枯淡・・・といった19世紀までの絢爛たる音楽の歴史と文化の最後の輝きのような歌曲集だと私は思う。ゆったりとしたマズアの指揮とゲヴァントハウスの豊かな響きにのってノーマンのたっぷりとした歌声が歌いあげるR.シュトラウスの「白鳥の歌」。最初に聴いたCDがこれで、そこでノックアウトされてしまったので他の演奏があっさりしすぎて満足できない。それくらい聴き惚れてしまった。仕事などで心身が打ちのめされているときに聴くと、涙がにじむくらいに癒される。   「9月」の最後、「眠りにつく時」の間奏のソロの悠然とした演奏こそ作曲者のたどり着いた心の境地のような気がしてならない。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/05

    ピリスのDG盤と並んで私の愛聴盤。  他のレビューと同じく、聴き始めて10秒で「うわっ、濃い〜!」と愕然。品よくさらっと華麗なルバートは期待しないでいただきたい。たっぷり、濃厚で、強度もたっぷり、重量感あるショパコンと思う。  他のどのショパコンとも比較できない、本人の旧録音(ジュリーニ&ロサンゼルスpo)とも次元が違う凄演。普通の演奏ならピアノソロが出るまでの数分は「ピアノ待ち」でしかないのに様々な仕掛けが施されて驚きを超えてもはや溜息のみ。ピアノも思い入れたっぷりの演奏。    特に驚くのは第2番。あまり聴き応えのある曲とは思えないが演奏によっては大化けする曲と思う。このCDでもピアノが大いに吠えている。細面のショパンの若書きというイメージは皆無。この演奏に匹敵するのは2010年・熱狂の日音楽祭でポゴレリチが弾いた怪物のような演奏(短時間の過密プログラムなのに興に乗ったか、第2楽章をアンコールで再演して時間が押し、次のプログラムを取っていた客が複雑な表情で走り出て行ったのが印象的だった)くらいか。   今までの当たり前なショパンでは物足りない方にお勧め。好き嫌いもはっきり分かれるCDであろうが、私は気に入っている。特に両曲の第2楽章の濃厚な感情の吐露は一聴の価値あり。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/05

     このCD(私が買ったのはクレルヴォ交響曲もカップリングされた全集Box)を買ったのは1990年代初頭だったと思う。友人と行った競馬で大当たりして殿様気分でCDをまとめ買いした時の戦利品の一部としてかねて買いたかったこのCDを手に入れたのだ(その後、友人と焼き肉を食べに行った)。   そんな煩悩だらけな馴れ初めとは正反対の、素晴らしく清冽な全集。他の指揮者の演奏も聴くが、私にとってのシベリウスはこのベルグルンド&ヘルシンキだ。    私の偏見としてシベリウス(とブルックナー)の交響曲の演奏判断は「人間の姿が見えないこと」。ただ自然が眼前に広がるだけで人間が登場しない風景や自然の峻厳とぬくもりが感じられることが第一。そんな空気感をこの全集に私は感じている。ドラマティックなシベリウスなら他のCDで事足りるが、フィンランドにあるであろう冷え冷えとした空気と森と水、それらを静かに照らし続ける陽光・・・。そんな情景をイメージしたい方にお勧めです。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/05

     このCD(私が買ったのはクレルヴォ交響曲もカップリングされた全集Box)を買ったのは1990年代初頭だったと思う。友人と行った競馬で大当たりして殿様気分でCDをまとめ買いした時の戦利品の一部としてかねて買いたかったこのCDを手に入れたのだ(その後、友人と焼き肉を食べに行った)。   そんな煩悩だらけな馴れ初めとは正反対の、素晴らしく清冽な全集。他の指揮者の演奏も聴くが、私にとってのシベリウスはこのベルグルンド&ヘルシンキだ。    私の偏見としてシベリウス(とブルックナー)の交響曲の演奏判断は「人間の姿が見えないこと」。ただ自然が眼前に広がるだけで人間が登場しない風景や自然の峻厳とぬくもりが感じられることが第一。そんな空気感をこの全集に私は感じている。ドラマティックなシベリウスなら他のCDで事足りるが、フィンランドにあるであろう冷え冷えとした空気と森と水、それらを静かに照らし続ける陽光・・・。そんな情景をイメージしたい方にお勧めです。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/04

    フォルテピアノ(音がキンキンしなくて落ち着ける響きと感じた)を使ったためか、ノスタルジックな印象を受ける(武久源造 の同曲CD−このCDも清楚な演奏でお勧め−ではそれほど感じなかった)。昔置いてきてしまったもの、昔捨ててきてしまったもの、昔忘れてしまっていたもの・・・。そんなものたちに想いを馳せてしまいたくなる、大切な演奏。

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     2013/02/02

    いつ聴いても、何回聴いても飽きない。常に発見がある。クラシック音楽を愛する方は必ず持っておきたい一枚ではないだろうか。変奏曲という体裁はバッハの音楽の拡がりを、カノンという技法からはバッハの音楽の深みを満喫できる。それを飽きさせず次々と提示し表現してくれるグールドの演奏はすごい。   本人は全く意識していなかったのだろうが、早すぎる死を前にしたグールドの経験、技術、叡智、アイディアの結晶がこのCDなのではないだろうか。最後のアリアを聴き終わるたびに、このCDが遺されたことにただただ感謝してしまう・・・。

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     2013/02/02

     グールドのこのゴールドベルクを聴くまでバッハの音楽とは、「謹厳実直かっちりした音楽」というイメージしか持てなかった。しかしここにきこえる鮮烈な音楽は私の持っていた偏見のようなイメージをきれいに崩してくれた。バッハの音楽には様々なアプローチがあり、それを受け入れてもまだあまりある位に大きな入れ物なんだ、と思うことができた。私としては、1981年の最後の録音やザルツブルグでのライヴ録音とも聴き比べたり、気分に合わせて使い分けしている(一番好きなのは1981年盤だが、それでも1955年盤の新鮮さにも敬意を表する)。    (真偽は別物として)昔よく言われていたゴールドベルクの作曲にまつわるエピソードからすると「こんな演奏じゃ眠れないんだろうな」という演奏だが、かのゴールドベルクさんが「気分をリフレッシュしたいな」なんて思ったときにこういう演奏をされたら喜ぶんだろうな、とつらつら考えたりもする。    これからクラシックに手をつけようかなという方にも、「苦ラシック」音楽と今まで敬遠されていた方にもお勧めの一枚。理屈抜きで「へぇ〜」と楽しんでもらえるのではないだろうか。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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