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Top 50 Singers of All Time - 44位

Saturday, November 18th 2006



カントリー・ロック界の歌姫、エミルー・ハリス

今年の4月にはマーク・ノップラーとの共演アルバム『All The Roadrunning』をリリース(ライヴDVD『Real Live Roadrunning』も発売中)するなど、現在も第一線にて活躍する現役バリバリのシンガーである。

グラム・パーソンズによって見出されたシンガー、エミルー・ハリスは1947年、アラバマ州バーミングハム生まれ。

ジョーン・バエズバック・オーエンス等の影響を受け、ミュージシャンとしての活動をスタート。フライング・ブリトー・ブラザーズを脱退したグラム・パーソンズにソロ活動を行う際のパートナーとして抜擢され、リプリーズからリリースされた2枚のアルバムでエミルーの可憐で澄んだヴォーカル・ハーモニーが大々的にフィーチャーされている。この2作品は大きなヒットこそ記録しなかったが、ロック・リスナーの間にエミルーの存在を印象付けることになった。

しかし、73年にグラム・パーソンズがドラッグのオーヴァードーズによって他界。相次いでクラレンス・ホワイトも交通事故で他界するなど、連続して予期せぬ不幸が彼女を襲った。深い悲しみから立ち上がるまでにしばし時間を要したが、グラムの意志を継いだエミルーは、グラム・パーソンズのバック・アップ・ミュージシャンを率いて活動を再開させた。

そうしてリリースされたアルバム『エリート・ホテル』は、画一化していたカントリー・シーンに新しい風を吹き込み、同時に大きな成功も収めることになった。カントリー・スタンダードから、フライング・ブリトー・ブラザーズビートルズのカヴァーである“Here, There and Everywhere”までヴァリエーションに富んだ内容かつ、所謂カントリーっぽくない清涼感に溢れた歌声の魅力も相まって、彼女のキャリアの中でも屈指の名盤とされている。 このアルバム発表以後、彼女のスタイルは多くのフォロワーを生むことになる。

79年発表のアルバム『ブルー・ケンタッキー・ガール』ではグラミー賞も受賞するなど、ポピュラー・ミュージック界でも確固たる地位を確立することに成功した。

90年代に入ってからも、“オルタナティヴ・カントリー”と呼ばれるような新たなスタイルにも呼応するサウンドを提示。95年発表の『レッキング・ボール』、2000年発表の『レッド・ダット・ガール』、そして最新作にあたる『スタンブル・イントゥ・グレイス』...いずれの作品でも美しいサウンド、いい具合に年を重ねてきた歌声を聴かせてくれている。



70年代のようなソプラノ・ヴォイスを聴くことはできない。

しかしそれは、決して悪いことではない。

“劣化”ではなく“蓄積”であり“積み重ね”だ。

彼女の声は今も聴く者の心を掴んで離さない。

そう、幽玄な魅力に満ち溢れているだ。
* Point ratios listed below are the case
for Bronze / Gold / Platinum Stage.