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『どこに行くの?』 松井良彦監督インタビュー4

2008年2月26日 (火)

無題ドキュメント
「どこ行くの?」 松井良彦監督 インタビュー

 

「どこに行くの?」
 松井良彦監督 インタビュ- 4/7


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2008年3月1日(土) ユーロスペースにて、レイトショー!
初日3月1日(土)、松井良彦監督、柏原収史、あんず、佐野和宏、長澤奈央ほかによる舞台挨拶を予定


続き・・・

松井 実は初めね、不安だったんですよ。というのは僕は、独立プロで映画を撮ってきたので、お金がなくなったら自分でお金を集めて、スタッフを集めて、役者にも来てもらうと。要するにね、自分が満足出来るまで撮れたんですよ。
 ただ今回は、予算も日数も決められていて、ほぼ納品日も決まってると。「その中で、どうやればいいんだろう・・・」っていう、不安なことの方がすごく多くて。でもやっぱり、正直にやったのがよかったのかなと。知ったかぶりしないで、「僕が出来るのはこれだけなんですよ」と。
 ロケハンが終わるとね、オープニングからエンディングまでのカット割り、全部書くんですよ。それをコピーして、全員に渡して。
 スタッフも、「これさえ最低限撮ったら、編集出来るんですね?」「うん、出来る。これが『追悼のざわめき』のやり方だ」と。「でも、『追悼のざわめき』は、撮影200日ですよね?今回は13日ですよ?」って。「あれはね、どーうしても、僕らの力では補い切れないクレームがあったり、役者が降板したり、撮影許可が降りない現場があったり、一升瓶飛んできたり・・・。そういうことがあって、200日だったけど、今回はそういう映画じゃないんで、13日で撮り終えます」と。そしたらみんな、一生懸命やってくれて。
 俳優さんでは、柏原くんやあんずさんに、僕が正直にしゃべってるから、彼らも正直に答えてくれたり、スタッフもそうでした。正直っていいなって思う。あのー、スタッフに笑われたこともありましたからね。

--- 笑われた・・・というのは?

松井 うん、笑われた(笑)。あのー、死体を燃やすところがありますよね?あそこで、柏原くんは当然、炎の近くにいるんで赤くなるんですよ。あんずさんも、ちょっと離れたところにいるけれども、「赤くなって欲しい」と。ただ、実際の炎で赤くならないんですね。
 そこで、今の僕で冷静であれば、「あんずさんにも、赤いフィルターを被せた照明を当ててくれ」って、照明部さんに言えるんですが、現場では違ってて。美術部さんを呼んでね、「炎、もっと強くしろ!もっとボォーッっと燃やせ!あんずの顔、赤くしろ!炎で」って(笑)。
 で、言い終わった後に気付いたんです。「ああ、これ、照明部さんに言うのね」って(笑)。「ですよ、松井さん!(笑)」って、美術部さんに笑われて(笑)。そしたら、現場の全員が笑って。笑われましたねー(笑)。
 『追悼のざわめき』 のスタッフで今回、録音の浦田さんと特殊メイクの松井くんの2人が入ってくれたんですけど。で、浦田さんに、「赤っ恥かきましたよ」って言ったら、「いいよ、いいよー。入ってる証拠だよ(笑)」って。(笑)
 そしたら、特殊メイクの松井くんも、「いいですねー、松井さん。『追悼のざわめき』の胎児の時の松井さんを思い出しましたよ(笑)」って言われて。「胎児に松井さん、怒ってましたもんね?胎児に向かって、「笑え!」って。それと一緒でしたよ」って(笑)。

--- 夢中になってしまうと、こう・・・(笑)。

松井 そうなのね(笑)。

--- 監督のお人柄ですね、そういう発言などが・・・(笑)。

松井 そうね、反映しますよね(笑)。だから、『追悼のざわめき』の時もそうだったんですけど、今回も最初、オールスタッフ会議っていうのがあるんですよ。そこでね、「今回のこの現場は、とにかくハードになる。ただ、一生懸命やってくれ。一生懸命やれば、おもしろくなる。おもしろくなったら、現場はみんな、たのしくなる。だから、自分のパートが終わっても、他のパートが手こずってたら、手伝いに行ってくれ。そしたらそこで、コミュニケートが取れる。それをやってくれ。いろんな現場に見学に行ったりしても、自分の準備が終わったりすると、たばこ吸ったり、コーヒー飲んだりしてるけど、あれだけはやめてくれ」と。
 そういう風な話をしていたら本当に、みんな現場で、徐々に徐々にやってくれてね、本当にたのしい現場になったので。現場のたのしい雰囲気っていうのは、映画には映ると思うんでね、目に見えない力とかって。しかめっ面の現場はやっぱり、あまりいい形では出ない気がするんでね。
 もちろん、叱るところは叱りましたし、逆に、笑われることもありました(笑)。

続く・・・

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