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『どこに行くの?』 松井良彦監督インタビュー2

2008年2月26日 (火)

無題ドキュメント
「どこ行くの?」 松井良彦監督 インタビュー

 

「どこに行くの?」
 松井良彦監督 インタビュ- 2/7


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2008年3月1日(土) ユーロスペースにて、レイトショー!
初日3月1日(土)、松井良彦監督、柏原収史、あんず、佐野和宏、長澤奈央ほかによる舞台挨拶を予定


続き・・・

--- 先ほど、柏原(収史)さんのお話が出ましたが、今回、監督の作品に彼が主演というのがすごく意外な感じがしまして。彼のキャスティングの経緯というのは?

松井 えーっとね、脚本を書く時に、イメージキャストというものがもしあったら、その俳優さんに合わせて、台詞まわしやしぐさを台本上に書くんですけど。今回は誰もいなかったんですよ。25歳から30歳の間で、魅力的な俳優さんっていうのは、僕の中で何人かいるんですが、その俳優さんたちではないなと。ですから、役者は度外視しての脚本を書いたんですね。
 制作会議をした時に、「イメージキャストはいますか?」と言われたんですけど、「いない」と。その時に、「25歳から30歳までの間で、いいと思う俳優をリストアップしてくれ」と。で、30人くらい名前が出まして。その時にプロフィールと写真を見て、柏原くんが第一候補で、2番手、3番手くらいまで決めました。
 それで、柏原くんに台本を送ったんですよ。そしたら、柏原くんの事務所が、「収史、こんな台本来てるんだけど、お前やるの?」って言われたみたいなんですけど(笑)。うちのスタッフの何人かは、「柏原さんは出るかな?」って、言ってたんですよ。
 でも僕は、彼は柳町(光男)さんの『カミュなんて知らない』に出てるんで、「柳町さんの現場やったんだから、こっちにも来るだろう」って思いました。
 台本を渡して本当、1日2日ですぐに電話があって、「出たい!」って言ってくれました。スタッフには、「4〜5日経っても連絡が来なかったら、2番手に交渉してくれ」って言ってたんですけどね。
 で、なぜ僕が写真を見て彼にしたいって思ったのかは、彼はね、「笑顔が悲しい」んですよ、柏原くんは。

--- 「笑顔が悲しい」・・・。

松井 ええ。というのは、精神的な傷を負って、20数年生きてきた男の役なんで、笑顔が本当に笑顔だと成立しないんですよね。だから、「笑顔なのに悲しい」と。好きな香里と一緒に、自転車を押しながら歩いてる時も、うれしそうなんですけども、悲しいんですね・・・。
 で、香里の場合は、ほんまもんのニューハーフの人なんで、これまでの実体験からやっぱり、滲み出てくるものがあって。
 そのバランスを考えたんですね、ニューハーフの人とアキラ演じる男の子が本当にたのしそうな時間であっても、何かこう、負の部分があるっていう。それは、柏原くんでしかいないのかなって思いました。 

--- 香里を演じたあんずさんですが、資料によりますと、新宿の人気のニュハーフとのことですが・・・。

松井 そうそうそうそう。そうなんですよ。

--- 直接お店で、監督がスカウトを?

松井 いやいや、違う違う違う(笑)。僕がそのお店に行って、見つけたんじゃなくてね、「ザ・ベストハウス123」っていう番組があるでしょ?
  それでね、「全国の美人ニューハーフを探せ!」っていうのがあって。それで、札幌から福岡までの、かわいこちゃんが出てきたんですね。で、新宿では、そのあんずさんっていう子がいるよって。で、スタジオに呼ばれたのは、他の人たちで。確かにキレイですよ。「キレイけども、何かないな・・・」と。
  だけど、「30秒くらいしか映ってないあんずさんがいいな」ってなって。で、「まず、会ってみないことには・・・」と思って、会って。それで、「映画出て下さいよ」って言ったらすぐに、「出ます」って言ってくれて。
 その時にね、「相手は柏原収史くん」って言ったら、あんずさんは彼が大好きだったんですよ(笑)。

--- えー、そうなんですか(笑)。

松井 そうなの(笑)。だからね、レイプシーンを喜んでたように見えたしね。きゃっきゃ言っちゃって。だから、僕は、「笑うな」と(笑)。

--- 今そのシーンをものすごく、イメージしちゃいました(笑)。そんなことが・・・(笑)。


続く・・・

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