100人の偉大なアーティスト - No. 95
2003年3月19日 (水)
クイーンのギタリスト、ブライアン・メイ。フレディ・マーキュリーが華やかなフロント・マンを務めるこのバンドでは、どちらかというと地味に映るブライアン・メイではあるものの、クイーン・サウンドを構築するにあたり一番外せないものはやはり彼のギター・ワーク。そんなバンドの頭脳ともいうべきブライアン・メイの職人芸と、クイーンの功績を振り返ってみましょう。1947年7月19日、イギリス・ミドルセックス州ハンプトンで生まれたブライアン・メイは、7歳の頃からギターを手にし、ビートルズのほか、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックスらギター・ヒーローの影響を受け、ギターの魅力にのめり込んでいくようになります。1968年、ロジャー・テイラーらとトリオ編成のバンド、スマイルを結成。このバンドが、クイーンの母体となりました。後にフレディ・マーキュリーを迎え、ベーシストにジョン・ディーコンが加わった時点でバンドはクイーンを名乗り、活動を始めることとなります。
フレディ・マーキュリーのアイディアによると言われるフランス貴族風のイメージを打ち出した彼らは、ライヴ活動を始め評判を集めるようになりました。EMIレコードと念願のプロ契約を果たした彼らは、1973年初めにシングル“炎のロックン・ロール(Keep Yourself Alive)”でデビュー、6月には記念すべきファースト・アルバム戦慄の王女(Queen)を発表しています。現在でこそ、ツェッペリン的なハード・ロックとデビッド・ボウイをはじめとするグラム・ロックを融合したそのオリジナリティ溢れるサウンドで語られることの多いクイーンですが、当初彼らは、そのグラム的なルックスの部分を強調してメディアに紹介された為に、アイドル的な扱いを受けていたようです。(そういった部分でいち早く日本では人気を獲得していたようですが・・・)しかしクイーンは、1974年のクイーンII (Queen II) 、シアー・ハート・アタック(Sheer Heart Attack)などの作品を発表していくにつれ、自らそのイメージを払拭して、音楽的な部分での評価を高めていきます。これを決定的なものにしたのが、全英第1位を記録した1975年11月の4thアルバム、オペラ座の夜(A Night At The Opera)と、時を同じくしてリリースされたシングル“ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)”の大ヒットでした。続く“マイ・ベスト・フレンド(You're My Best Friend)”(全英7位)や“サムバディ・トゥ・ラヴ(Somebody To Love)”(全英2位)も立て続けにヒットを記録したクイーンは、一気に世界のトップ・バンドの座に就くこととなりました。そして、1976年には華麗なるレース (A Day At The Race)を発表、1977年に世界に捧ぐ(News Of The World) 、1978年にジャズ(Jazz)(全英2位/全米6位)を発表するとともに、シングル“伝説のチャンピオン(We Are The Champions)”(全英2位)、“バイシクル・レース(Bicycle Race)”(全英11位)、“ドント・ストップ・ミー・ナウ(Don't Stop Me Now)”(全英9位)というヒットも放ち、1970年代を駆け抜けていきました。
「No Synthesizer」とジャケットにクレジットされていたこの時代のアルバムたちが、あたかもシンセサイザーを使用して創り上げたかのごとく、とてつもなく分厚いサウンドであったのは、ブライアン・メイによるギター・オーケストレーションによる部分が大きかったことは言うまでもありません。トーンを微妙に変化させながらオーヴァー・ダブを繰り返すこの作業は、彼がアレンジの才能に長けていたことをも証明することになりました。そして、人気はもとより高く評価されていたクイーン・サウンドでしたが、1980年代に入り、ディスコ風スタイルに傾倒し始めたフレディ・マーキュリーの意向を反映し、シンセ・ポップ主体のサウンドへと変化をしていき、多くのファンを失望させる結果となってしまいました。そして各メンバーのソロ活動も目立つなか、1989年に発表したミラクル(Miracle)(全英1位)で健在ぶりをアピール。これ以前のシンプルなポップ・サウンドから、ハードなロックンロールへと再びクイーン・サウンドは変化していきました。1991年、イニュエンドゥ(Innuendo)を発表。往年のクイーンを思わせる壮大で組曲的なタイトル曲は、初登場No.1を記録。クイーンの偉大さを久々に見せつけた感がありました。しかしそんな時、バンドに待ち受けていたのは悲劇でした。
1991年11月24日、前日エイズに感染しているという衝撃の発表をしたばかりのフレディ・マーキュリーが、併発した肺炎によりこの世を去ってしまうのです。享年45歳でした。生前に残した彼のボーカル・テイクに、ブライアン・メイ他残されたメンバーがサウンドを重ね仕上げたというメイド・イン・ヘヴン(Made In Heaven)を発表し、クイーンのキャリアに終止符が打たれました。
ブライアン・メイは、1992年にバック・トゥ・ザ・ライト(Back To The Light)を発表。ここで聴くことができるサウンドには、クイーンらしさが漂っています。やはり、バンドの生命線であったのでしょう。そんなブライアン・メイのギターに関する拘りは、ちょっと凄いものがあります。
まず、とても有名なお話ではありますが、彼を語るときに欠かせないエピソードが、オリジナル・ハンド・メイド・ギターのことです。ブライアン・メイが17歳のとき、父親の手を借りて作製したというこのギターは、材質が暖炉に使われていたというオーク、ピック・アップがバーンズのものを自分でコイルを巻きなおしたというオリジナル・タイプ、コントロール・アッセンブリー、トレモロ・ユニットなども全て自作ながらも驚異的な完成度を誇るギターです。そしてこちらも自作のトレブル・ブースターを通してVOX AC30アンプに繋ぎ、ブライアン・メイ特有のハードながらも柔らかいファズ・トーンを引き出しています。また、6ペンス・コインをピック代わりに使用している為、エッジの利いたサウンドや、ソリッドなトーンを巧みにコントロールしています。そして緻密を極めるギター・オーケストレーション。複数のハーモニーから成る、美しくメロディックなソロ・ワークは、一聴してクイーン、ブライアン・メイと判断できる独自のスタイルを確立しています。また、彼がテクニシャンであるというエピソードとして、1977年のアルバム、世界に捧ぐ(News Of The World)の“イッツ・レイト(It's Late)”におけるツーハンド・タッピングを披露していることなどが挙げられます。あのエディ・ヴァン・ヘイレン出現の1年前です・・・。
クイーンに影響を受けたアーティストが数多くいるのと同じく、ブライアン・メイも多くのギタリストに影響を与えたことは間違いありません。偉大なるギター・ヒーローと呼ばれる男たちのなかに、彼の名前があることも。
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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