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100人の偉大なアーティスト - No.39

2003年5月14日 (水)

たった4年間という短い音楽活動期間でカントリー・ミュージックの基盤を作り上げてしまったハンク・ウィリアムス。当時主流だったホンキー・トンク・スタイルの歌手だったがゴスペルやバラードまで見事に歌いこなし人々を惹きつける才能を持っていた。たった4年間という短い活動期間の中でも“ジャンバラヤ”“ヘイ・グッド・ルッキン”といった後にスタンダードな名曲として語り継がれ、ブルースやゴスペルを取り入れたスタイルはエルヴィス・プレスリーなどによって受け継がれていった。

ハンク・ウィリアムスは1923年9月17日アラバマ州マウント・オリーヴで誕生する。子供の頃から音楽が大好きだったハンク・ウィリアムスは10歳頃カントリーや黒人のストリート・シンガーに魅せられ、ギターや歌唱法などの手ほどきを受ける。これが後の彼のスタイルを決めた要因ともいわれている。14歳になるとバンドを結成したがバンドを結成したといっても主だった活動をしていないハンク・ウィリアムスにチャンスが訪れたのは1949年、彼が24歳の時だった。

アメリカ全土にカントリー・ミュージックが波及していく中カントリーの本場、テネシー州のナッシュヴィルではNBCネットワークの「グランド・オール・オプリー」が毎週行われておりこの番組への出演をきっかっけにハンク・ウィリアムスはスーパー・スターへの道を駆け上がっていった。この後出演した「ルイジアナ・ヘライド」へのレギュラー出演を果たし、その見事な歌いっぷりが評判となったハンック・ウィリアムスはMGMと契約、“ラヴシック・ブルース”をリリース。この曲は大ヒットを記録し「グランド・オール・オプリー」出演時に6回ものアンコールに応えることとなった。この記録は現在も破られていない。

しかし、彼には飲酒癖があり、このことからアウトロー的な評判もたつようになってきた。だが、そんな酒癖の悪さも吹き飛ばすくらい多くのヒット曲を生み出してきている。

徐々にカントリー・ミュージックが全米中に広まりつつあると、パティ・ペイジの“テネシ・ワルツ”をポピュラー歌手がカントリー・ミュージックをリリースし全米でヒットをし始めるようになった。この全米でのカントリー・ミュージック・ブームが拍車をかけたのか、ハンク・ウィリアムスの人気は1950年頃頂点に達していた。“コールド・コールド・ハート”は彼自身のヒットにくわえ、トニー・ベネットがカヴァーをしこのヴァージョンも全米で大ヒットを記録している。このようにハンク・ウィリアムスの作った楽曲は本人だけでなく他ジャンルのアーティストがカヴァーすることによりカントリー・ミュージックの市場を拡大させていった。

人々の注目が彼に集まっていくと同時にそのプレッシャーから逃れるように酒の量も次第に増していった。1951年、そんなハンク・ウィリアムスは酒により自らを追い込んでいく事件を次々と起こしている。ステージの前に飲みすぎた彼は泥酔してしまい歌うことすらできなくなってしまいバンドだけがステージ上で演奏をしたり、酔って歌うことの出来ない彼の代わりに別のカントリー歌手がステージに立つということもしばしば起きている。皮肉にもこのときにステージに立った歌手はこれがきっかけとなり人気が出たという。こうした飲酒での失態により「グランド・オール・オープリー」から解雇されてしまった。

1952年12月31日、テネシー州のステージを終え、翌日オハイオ州で行われるニュー・イヤー・コンサートに出演するために向かっていた移動の車の中後部座席でハンク・ウィリアムスは突然息を引き取った。このとき時間は年を明け1月1日になっていた。あまりにも突然だったため現在でも色々な説が言われているが、やはり飲酒により体が弱っていたための心臓発作が有力な説だろう。享年29歳、あまりにも早すぎる死だった。

こうして短くも儚い人生を送ったハンク・ウィリアムスだが、彼が後のミュージック・シーンへ残した功績はとてつもなく大きいものだろう。彼の存在がなければカントリー・ミュージックの概念は変わることはなかった。彼の作った楽曲がポピュラー・ミュージックとして世間に広く認められるきっかけを作ったのだ。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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