フルトヴェングラー&トリノRAI響、ローマRAI響/ワーグナー:管弦楽曲集

2024年04月17日 (水) 17:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


1952年にフルトヴェングラーが公開放送録音でおこなったワーグナーの管弦楽名曲集。
情熱と気迫がほとばしる全5曲の名演、初のSACDハイブリッド化!


ふたつの『指環』(1950年ミラノ盤と1953年ローマ盤)の間の年、1952年にフルトヴェングラーはイタリアでRAI(イタリア放送協会)のためにワーグナーを盛んに指揮していました。
 1月14日 『ワルキューレ』第1幕(ローマ)、3月11日 『トリスタン』前奏曲と愛の死(トリノ)
 5月31日 『神々の黄昏』第3幕(ローマ)、6月6日 『オランダ人』『牧歌』『ラインの旅』(トリノ)

1952年にフルトヴェングラーが公開放送録音でおこなったワーグナーの管弦楽名曲集(全5曲)。前半の3曲は1952年6月6日にトリノで行ったコンサートの前半のプログラム、1985年に伊チェトラから発売されたLP『ワルキューレ』第1幕の余白に収録され、キングレコードでは同年3月11日に同じトリノでの『トリスタン』前奏曲と愛の死とのカップリングでK17C-9539 が発売されました。翌1986年に1952年5月31日の『神々の黄昏』第3幕上演から『葬送行進曲』をカップリングして、全5曲のCD(K33Y-195)が発売され、1991年にKICC-7094で再発されましたが、それ以来の登場で、しかも全5曲、初のSACD化になります!

【宇野功芳のライナー・ノーツ(1985年記)より】
「このワーグナーは全5曲中3曲が今春に初発売されたばかりの演奏という点に大きな意義がある。もっとも、初発売といっても音が悪いのでは価値も薄いが、これらはすべて1952年6月6日にトリノで行われた公開放送録音だけに鑑賞用としても充分なものがあり、巨匠のファンを喜ばすことであろう。(中略)
・歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 ・・・本CDの他に1949年のウィーン盤があるだけなので貴重である。速い部分はより速く、遅い部分はより遅い、という彼一流の基本スタイルはウィーン盤と同じだが、あれほどやりすぎてはいない。しかしティンパニの嵐、生きもののような弦の速い動きは、ベートーヴェン風のワーグナーとしてユニークである。
・ジークフリートの牧歌 ・・・「オランダ人」と同じく、他には1949年のウィーン盤があるだけだ。このCDはウィーン盤より3年後の録音で しかもライヴだけにいっそう上出来だ。冒頭の温かい情感と人間味にあふれた弦の響きやハーモニーは誰にもまねの出来ないフルトヴェングラー・トーンで、まるで聴く者の心に寄り添ってくるようだ。
・ジークフリートのラインの旅 ・・・全曲盤を除くと、既発売のレコードはウィーン・フィルによる2種(1949年、1954年)のみで、それにこの1952年のCDが加わったことになる。解釈はほとんど変わりがなく、クナッパーツブッシュの悠揚迫らぬ巨大さには欠けるが、「ラインの旅」が始まるところでテンポを速め、いざ出発という興奮を示す動的な表現がいかにもフルトヴェングラーらしい。
・ジークフリートの葬送行進曲 ・・・「葬送行進曲」には7つの録音がある。演奏はいずれも一長一短で、フルトヴェングラー臭の強いワーグナーになっている。このCDに含まれているのは、「神々の黄昏」の第3幕だけを演奏会形式で指揮したものの中からの抜粋である。 録音のバランスに問題があり、フルトヴェングラーの意志が今一つ伝わって来ない。
・前奏曲と愛の死 ・・・フルトヴェングラーの十八番だけに録音は5種を数える。 演奏はどれも超一級だ。すごい心の厚味、 優しい思いやり、むせるような歌、繊細美の極、そして「愛の死」の最後のはかなさ、本当にすばらしい「トリスタン」 だ。」

今回の全5曲、世界初のSACD Hybrid化。ミラノ・ディスコス社が制作したアナログ・マスターテープ(1/4インチ幅、2トラック、秒速38cm)をキング関口台スタジオであらたにデジタル・リマスタリングし直して発売。明瞭にして重厚で迫力のあるサウンドをご堪能ください。(販売元情報)

【収録情報】
ワーグナー:
1. 『さまよえるオランダ人』序曲
2. ジークフリート牧歌
3. 『神々の黄昏』〜ジークフリートのラインの旅
4. 『神々の黄昏』〜ジークフリートの葬送行進曲
5. 『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と愛の死

 トリノRAI交響楽団
(トリノ・イタリア放送交響楽団:1-3,5)
 ローマRAI交響楽団(ローマ・イタリア放送交響楽団:4)
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)

 録音時期:1952年6月6日(1-3)、5月31日(4)、3月11日(5)
 録音場所:トリノ(1-3,5)、ローマ(4)
 録音方式:モノラル(放送用ライヴ)
 SACD Hybrid

 音源提供:DISCOS, Milano
 国内製作
 日本語帯・解説付き(解説:宇野功芳)
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