【発売】ロバート・レヴィン、他/モーツァルト:ピアノ協奏曲第7、10番、他

2023年09月22日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


レヴィン&AAM/モーツァルト:ピアノ協奏曲第7番、第10番

長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて突如再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第3集は複数楽器のための協奏曲がテーマで、2台ピアノのための協奏曲2篇に加え、レヴィンが補筆完成した協奏曲楽章を収録しています(K.242は3台ピアノ用の協奏曲をモーツァルトが2台ピアノ用に編曲したもの)。
 2台ピアノのための協奏曲ではロバート・レヴィンとヤ=フェイ・チュアンの夫妻が息の合ったダイナミックな演奏を聴かせます。チュアンはブレンデルが高く評価しており、レヴィンとのデュオでは古典派から現代に至るレパートリーをピリオド楽器とモダン楽器で演奏、録音でもグリーグ、デュティユー、それにレーガーによるワーグナー作品の編曲などがあります。ここではモーツァルト=レヴィンのスタイルによる音の会話を楽しませてくれます。
 ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章は1778年のマンハイム滞在中に協奏曲の第1楽章として構想されたとされるもの。かつてモーツァルト研究の大家アルフレート・アインシュタインは「これが未完に終わったことはモーツァルトの芸術にとって最大の損失」と語ったそうです。120小節が遺されていますが、ファンファーレ風の最初のトゥッティこそ完全にオーケストレーションがなされているものの、ソロ楽器(モーツァルトの自筆譜では「チェンバロとヴァイオリン」。チェンバロは当時、鍵盤楽器全般の呼称でもありました)の登場後のオーケストラは、第1ヴァイオリンと低音パートしか書かれていません。レヴィンはここでも、モーツァルトの語法に則った、明るく躍動感のある楽章に仕上げています。
 このシリーズは録音も魅力的。デッカ・サウンドの継承者ニール・ハッチンソン(グラミー賞4回受賞)と、歌手でプロ・カンティオーネ・アンティクァの音楽監督も務めたエイドリアン・ピーコックのコンビは、4/3/2/2/1の弦と管楽器とのアンサンブルが生み出す透明度の高いテクスチャーと、この編成ならではの繊細さとダイナミズムを見事にとらえています。
 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、録音プロデューサーの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が使われています。(輸入元情報)

【収録情報】
モーツァルト:
1. ピアノ協奏曲第7番ヘ長調 K.242〜2台のピアノと管弦楽のための
2. ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章ニ長調 K.Anh56(315f)
[補筆完成:ロバート・レヴィン]
3. ピアノ協奏曲第10番変ホ長調 K.365〜2台のピアノと管弦楽のための


 ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
 ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ:1,3)
 ボヤン・チチッチ(ヴァイオリン:2)

 使用楽器:
 フォルテピアノ:アウグスブルクのアントン・シュタイン1786年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2016年製作及び2021年製作。
 ヴァイオリン:ミラノのジョヴァンニ・グランチーノ1703年製作のオリジナル楽器。

 アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(エンシェント室内管弦楽団)
 ボヤン・チチッチ(リーダー)
 ローレンス・カミングス(指揮)

 録音時期:2022年7月5-10日
 録音場所:ロンドン、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

 今後の予定(AAMの資料による 輸入元情報)
 2024年冬〜春 K.238、K.246、K.242a3
 2024年夏 K.503、K.505、K.595
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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