第10位
Wednesday, August 24th 2005
孤高のハードボイルド
Warren Zevonは、所謂ミュージシャンズ・ミュージシャンと呼ばれるアーティストの代表的な存在だ。彼の歌がヒットチャートを賑わす事はなかったかもしれないが、彼はいつも多くの仲間に囲まれていた。Bob DylanやNeil Young、Jackson Brown、J.D.Souther、R.E.M.といった世代を超えた様々なミュージシャン仲間に支えられ、そして愛された彼の音楽はもっと評価されてしかるべきだ。
辛口SSWとしてデビュー
Warren Zevonは1947年1月27日シカゴでロシア移民の両親のもとに生まれた。彼の父親は世界中を放浪するさすらいのギャンブラー。それでも彼が中学校へ入学する頃にはカリフォルニアはロスアンゼルスに落ち着いたという。そこで彼は父親同様ロシアから流れてきた天才作曲家Igor Stravinskyに師事しクラシックを勉強したものの、 Bob Dylanのレコードを聴いたことが切っ掛けとなりフォークやロックに興味を抱き、ニューヨークへと移る。しかしそこでの活動状況は芳しくなく再びロスへと戻り音楽活動を続ける。
ロスへと戻ったZevonはLyme and Cybelleというデュオを結成。レコーディングも行ったが、結局短命に終わってしまった。しかしそこで出会ったプロデューサーのBones Howeの紹介で、作曲家としての活動も行う(Turtlesなどに楽曲を提供した)。そして1969年、ようやくソロ・デビュー・アルバムとなる『Wanted Dead or Alive』がリリースされた(その中の1曲“She Quit Me”が映画『真夜中のカウボーイ』のサウンドトラックに収録されているので、ご存知の方も多い事だろう)。しかしアルバムの売り上げは芳しくなく、次の作品をリリースするまでには、実に7年もの月日を要することになる。
ピアニストやEverly Brothersのディレクターなど裏方仕事で生活を支えていたZevonは単身スペインへと放浪の旅へと出るが、友人でありよき理解者でもあるJackson Brownに説得されロスへと戻る事になる。もちろん目的はミュージシャンとしてカムバックするためである。Jackson Brownのバックアップもあり、アサイラムとレコード契約を交わす。Jackson Brownのプロデュースによる7年ぶりの2ndアルバム(再デビュー作と呼んで差支えないだろう)『Warren Zevon』(邦題:さすらい)をリリースした。その2年後には名曲“Werewolves of London”(ロンドンの狼男)を収録したアルバム『Excitable Boy』がヒットを記録し、シンガー・ソングライターとしての揺ぎ無い地位を獲得するのであった。
アル中〜そして復活
その後もマイペースな活動を続けるが、作品の売れ行きはどれもいまひとつ...ついにはアサイラムから契約を一方的に破棄され、そのショックから酷く塞ぎこんでしまったZevonはその後5年間もの間、音楽活動から身を引いてしまうのであった。もともと酒豪だった父親の血を受け継いでいるだけあり、Zevonも相当のウォッカ・ドランカーで、アルコール中毒で入院する事もざら。そんなどん底の状況を救ったのはまたもや友の存在であった。
その「友」とはEaglesの6人目のメンバーとも呼ばれる事もあるウェストコーストを代表するミュージシャン J.D.Souther。 彼はZevonの精神的支柱となり、再び、Zevonを音楽への道へと導く役割を果たした。またR.E.M.のメンバーと出会うのもこの頃で、音楽プロデューサーのAndrew Slaterを会して出合った両者はすっかり意気投合。ZevonとR.E.M.はさっそくセッションを開始した。そうして完成したのが87年発表の『Sentimental Hygiene』である。R.E.M.の他にもBob DylanやNeil Young 、Brian Setzerらがゲスト参加。 5年間もの間、音楽から遠ざかっていたZevonではあるが、 掛け替えのない仲間達に支えられたこの力強い作品で「完全復活」をアピールしてみせた。
長い闘病生活の末の死...
その後も大きなヒットに恵まれることはなかったが、コンスタントに作品をリリース。2000年にはアルテミスと契約を交わしたが、以前からのヘヴィ・スモーカーぶりが祟ってか、Zevonは末期の肺ガンに犯されてしまうのであった...2002年9月にZevonは自らが末期の肺ガンである事を公の場で公表し、残された時間をできる限り曲作りに費やしたいと宣言した。そうして完成したのが『Wind』である。
Bruce Springsteen
、Don Henley、Tom Petty、Jackson Brown、Ry Cooder、Joe Walsh、Emmylou Harris etc...といった友人達が参加したWarren Zevon最後の作品である。この作品はかつてないリアクションでもって迎えられ、リリースされてすぐにヒットを記録した。そして2003年9月7日いつもの午後の仮眠から目覚めることなく、そのまま眠るように静かに息を引き取った
―――享年56歳。
文中でも触れたが、Warren Zevonは30年以上音楽業界に身を置いていた事になるが、大きなヒットにはほぼ縁の無かった器用貧乏なミュージシャンである。紋切り型な事を言わせて貰えば、Warren Zevonは記録よりも記憶に残るタイプのミュージシャンであった。富や名声を得ることは無い人生だったのかもしれないがWarren Zevonはこの世の中で一番掛け替えのない「友」という存在に恵まれていた。
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
FEATURED TITLE
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Warren Zevon
Warren Zevon
User Review :5 points (2 reviews)
Price (tax incl.): ¥2,189
Member Price
(tax incl.): ¥2,014
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(tax incl.): ¥2,014Release Date:18/April/1992
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Excitable Boy
Warren Zevon
User Review :4.5 points (2 reviews)
Price (tax incl.): ¥1,034
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(tax incl.): ¥952Release Date:11/October/1988
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Sentimental Hygiene (Remastered)
Warren Zevon
User Review :5 points (2 reviews)
Price (tax incl.): ¥2,750
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(tax incl.): ¥2,393
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(tax incl.): ¥2,393Release Date:06/May/2003
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