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私的決定盤レビュー さんのレビュー一覧 

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     2021/03/07

    ベートーヴェンのピアノソナタ第32番。ベートーヴェン最後のピアノソナタです。特に第2楽章は深淵の境地。出だしのフレーズは静かに語られるベートーヴェンの最後の言葉を聞くような静謐な音楽となっています。しかし、中盤、だんだんリズムが羽出したかと思えば、ジャズのようなリズム感が押し寄せてくる箇所があります。「ん?いつの時代の音楽を聴いているんだ?」と不思議な感覚となると同時に、天才ベートーヴェンは時代さえも超越しようとしていたのかと彼の恐ろしさを痛感する瞬間です。

    しかし、この一つの聞きどころである「ジャズの箇所」をここぞとばかりにジャカジャカと一生懸命弾いてしまうと、「ベートーヴェンってそれで良いのか」と疑問を感じてしまう。その点このゼルキンの演奏は、例の部分についても情感たっぷりに乱暴になるわけでもなく、テンポを上げるわけでもなく、情感たっぷりに弾いてくれます。まるで生前の楽しい思い出を慈しみ、感極まっているかのように。静けさの中に響く美しい旋律が、ただただ感動的な名演です。

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     2021/03/01

    ニューイヤーコンサートの定番曲をぎっしり集めた3枚組ベストアルバム。ウィンナーワルツやポルカを聞くなら、やはりウィーンフィル!そしていつ聞くかって言ったら、やはりニューイヤーコンサートでしょう!このCDは実際のニューイヤーコンサートのライブ音源から定番曲を、クライバー、カラヤン、マゼール、メータなどの式で楽しめる決定版となっています。誰もが聞いたことのある名曲たちを、ウィーンフィルで、そして大指揮者たちのタクトで、そして黄金のホールのおめで得たい雰囲気と一緒に!味わえるウィンナーワルツ、ポルカの決定版!とりあえずこれを買っておけば間違いない、というか本場中の本場の演奏とあれば誰も文句のつけようがないCDとなっています。

    このCDに収録されているのは、1989年以降のコンサートの音源。それ以前のムーティ、クレメンス・クラウス、アバド、小澤などのコンサートの音源を収録した同種の企画のCDもあるし、「3枚組では足りない!」という人向けには、ニューイヤーコンサートで取り上げたことのある曲目を完全網羅した26枚組の百科事典的企画ものもあります。

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     2021/02/27

    ベト8の個人的決定盤です。自分が聞いたベト8の名盤の中ではこの演奏が一番です。ベト8といえばベートーヴェンの交響曲の中ではリズミカルで少しコミカルで楽しい音楽です。でも、ベートーヴェンらしい恰幅の良い迫力もある。そんな2面性のある楽曲だと思います。

    なんと言ってもベルリンフィルですから。このCDでもその音色は質実剛健!弦楽器と打楽器の音色が音楽大好きなベートーヴェンの構築したリズムを刻みながら、かつこの音楽作品を薄っぺらいものにしない素晴らしいパフォーマンスを発揮しています。「ベートーヴェンはこういう演奏で聴きたい!」という気持ちに応えたお手本のような演奏だと思いました。

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     2021/02/27

    「運命」の個人的決定盤です!これに出会うまではカルロスクライバーのスタイリッシュな演奏がかっこいいと思っている時期もありました。音がモノラルで古かろうとフルトヴェングラーが最強だと思っている時期もありました。でも、もうこのセルとウィーンフィルの演奏で決まりです。上記の2つの名盤を手にすることもほとんどなくなりました。

    特筆すべきは最終楽章。どんどん盛り上がり続ける音楽に唖然とすること間違いなし。ベートーヴェンの運命といえば学生の頃から何度も何度も聞いてきた名曲中の名曲ですが、この演奏の最終楽章をきいて、再び衝撃を受けました。なんてダイナミックな音楽なんだろうと。今となってはちょっとダサいベートーヴェンの最終楽章を、凄まじい迫力でかっこよく聞かせてくれる名盤です。

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     2021/02/27

    誰もが知っている歴史的名演です。最強の交響曲作家の代表作というだけあって、他にも数多の名盤に恵まれている曲であるし、誰が演奏してもある程度いい演奏になるほどの完成度も誇る楽曲ですが、最終楽章のクライマックスで涙がこぼれそうになるのは、このワルター:コロンビア響の演奏だけです。

    録音はステレオ初期にしては非常によく、聞くことに支障はありません。もっと生々しい音で録音された新しい音源はたくさんありますが、それ以上の感動がこのディスクにはあると思います。また、コロンビア響の演奏技術についても色々と意見があると思います。自分としてもベルリンフィルやウィーンフィルで聴きたい気持ちはあるものの、やはり他の名盤とされる演奏以上の何かがこのディスクにはあります。他にも名盤と呼ばれるディスクを所有していますが、やはり手に取るのはこのワルター:コロンビア響の名盤です。

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     2021/02/23

    音楽史上に輝く超大作「ニーベルングの指環」の歴史的名盤です。史上初の指輪全曲録音プロジェクトだったそうで、もう60年近く前の録音ですが、後にも先にもこれを超える名盤が出ることはないと思います。100年後もきっと人類はこのショルティ・シカゴ交響楽団の名盤を聴き続けているでしょう。ステレオ録音初期の演奏ですが、録音・リマスタリング共に優秀で、音質も聴き劣りすることはありません。

    自分は「オペラを聞くならDVDだろう」と言っている人間ですが、このCDはもう凄すぎます。まず、なんと言っても歌手陣の豪華さ!ワーグナー歌手スター選手陣の豪華共演です。主役から脇役まで全員大スター!(うら若き日のルチア・ポップまで出ています!)耳が幸せ。聞き惚れてしまいますね。

    CDは各タイトルごとに4つに分けられ、ボックスに綺麗に収まっています。なんとも豪華でなんだか出し入れするだけでも幸せな気分にさせてくれます。ワーグナーが嫌いな人でも、クラシックファンなら一家に1セット飾って置いてもいいくらいのCDだと思いますよ。

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     2021/02/23

    カラヤン・ベルリンフィルの73年の録音です。

    なんと美しい!!!!圧倒的美音です。世界一の高機能オーケストラが、帝王カラヤンとの黄金時代に残した録音。とにかくドラマチックで、弦楽器の高音も、管楽器の咆哮も、打楽器の強打も、全てが一体となってドライブし、押し寄せて来るような演奏です。冒頭部分が有名な名曲ですが、このCDを聞いてその後にも名旋律の連続であることがわかりました。

    カラヤンといえば、たくさんの録音を残した指揮者で有名ですが、個人的には「カラヤンといえばリヒャルト・シュトラウス!」と思っているくらい彼のこの作曲家の録音は素晴らしいです。カラヤンが磨き上げたベルリンフィルの独特の音色もリヒャルト・シュトラウスの楽曲に合っている。カラヤンは80年代にも同じ曲の名盤を残していて、どちらを撮るかは好みなのですが、個人的には70年代のこちらの録音の方が、よりダイナミックで気迫に溢れているように感じます。

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     2021/02/23

    全てのヴァイオリン協奏曲の中で最もポピュラー。誰もが聞いたことのある名旋律のメンコンです。まずいカレーがないように、聞けないメンコンもなのではないでしょうか。誰が引いても比較的素晴らしい演奏になるのがこの曲の魅力でもあります。意外と世間一般的な決定盤と呼ばれる演奏がないのもこの曲が名曲樽が所以なのかもしれません。

    そんな中、比較的新しい録音で一押しの名盤がこのヤンセンのメンコン。

    豪華絢爛な音質です。高音も低音も美しく聴かす彼女のヴァイオリンが、楽器の音色の魅力をしっかりと伝えてくれます。ヴァイオリンが桶に埋もれることもなければ、お怪我アバン荘に徹することもありません。そして、クラシック音楽の中でも最もポピュラーなこの曲の明旋律を魅力たっぷりに、ストレートに伝えてくれます。哀愁を帯びた第1楽章の旋律はロマンティックに、溌剌とた第3楽章の旋律は楽しく弾むように。やはりこういう曲は気を衒わない演奏で聴きたいものです。

    カップリングはブルッフの「ヴィオラと管弦楽のためのロマンツェ」この曲もとってもポピュラーで名曲です。恋愛映画のテーマソングだと言われたら信じてしまうくらいポピュラーで美しい旋律です。この曲に出逢わせてくれたというだけでもこのCDを買ってよかったと思っています。今ではメンコンよりロマンツェの方が聞く頻度が多いですね。

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     2021/02/22

    ベートーヴェンが作り出した音楽の無限の可能性を、最大限度まで昇華させたのがマーラーで、彼の以後音楽の次なる発展はないかと思われていた最中、まだ音楽には調性からの解放という進化の余地があったわけです。

    ということで、ベルクの抒情組曲の名盤です。無調音楽というのは、その難解さ、とっつくにくさがゆえに、演奏する側の責任の大きい音楽芸術のジャンルなのではないかと思います。その点、数々の名演奏を残し続けているアルバン・ベルク四重奏団なら間違いなし!

    この曲と演奏者の組み合わせには、新旧どちらに軍配が上がるかという議論がありますが、正直聞く人の好みでしょう、というくらいどちらも素晴らしいです。個人的には無調音楽はアカデミックなイメージがあるので、より冷静さと深みの増したこの新盤の方を好んで聞いています。

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     2021/02/22

    あるピアニストに「リャードフのバルカロールがいい曲ですよ」と勧められて、辿り着いた演奏がこれです。リャードフの楽曲中もっとも演奏頻度の高い曲であろうバルカロール。クームズというピアニストは残念ながら初めてお目にかかったのですが、その音色の色彩豊かで温かいこと。

    ピアノの入門曲として演奏会で取り上げられることも多いリャードフの楽曲ですが、そんなリャードフの楽曲たちを、お伽話でも聞かせているかのように、優しく美しい音で歌い上げる演奏に脱帽です。優しい気持ちになれる名盤。

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     2021/02/22

    ピアノ・ソナタ第21番はシューベルト最後のピアノソナタです。

    自分にとっての決定盤はリヒテルによる凄まじい演奏。あまりにも美しく、静謐な中にも激しさが垣間見えます。第1楽章は25分かけてじっくり演奏されます。音楽が止まってしまうかと思う部分がありますが、決して途切れることなく続く緊張感はピアノの巨匠リヒテルだからこそできる神業。

    シューベルトさん、あなたはこんなにロマンチックなお人でしたっけ?と言いたくなるような。クラシックの中ではちょっとマイナーなシューベルトのピアノ・ソナタをベートーヴェンやショパンのそれにも負けない音楽芸術に磨き上げたリヒテルに脱帽です。

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     2021/02/22

    ベートーヴェンは大好きなんですが、「皇帝」はあんまり好きじゃなかったんですよ。なんかちょっといい曲すぎて、ダサいように感じていました。「ベートーヴェンはやっぱり、交響曲とかピアノソナタとか。苦悩や葛藤が描かれていないと!」って思っていたんですよね。

    そんな僕にベートーヴェンの協奏曲の聴き方を教えてくれたのがこの泣く子も黙る完璧主義者、ミケランジェリの超名演奏です。もうとにかく、ピアノの音が綺麗!美音の中の美音!そしてミケランジェリの「完璧」なピアノの音色を聞かされているうちに、次はどんなふうに弾くんだろう?ピアノからはこんなに美しい音が出るのか!と驚かされます。

    交響曲では「苦悩を突き抜け歓喜へ!」と人生観を叫んだベートーヴェンでしたが、ピアニストでもあったベートーヴェン。ピアノ協奏曲では、「こんな綺麗な乙女のような音も出るよ?」「こんな骨太なごっつい音も出るよ?」「こんなオーケストラにも負けない和音も出るよ?」と楽しそうにピアノの魅力と可能性を伝える、ピアノ大好きオタクなベートーヴェンが垣間見えるような気がします。

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     2021/02/22

    ベートーヴェンの第九はベートーヴェンが大好きな自分にとって、なかなか決定盤の見つからない、いわば悩みの種でした。数々の名盤と言われるディスクを所有し、いくつか気に入って何度も聞いているものはありました。しかし、ベートーヴェンが思いの丈を目一杯詰め込んだこの大作。「ここが気にいると、あそこが気に入らない」と言う具合にどこかに不満が出てくるのがベートーヴェンの交響曲第9番なのでした。

    そんな中であったのが、このハイティンクの名演です。

    まず、歌手陣をみて驚くなかれ、ポップ、ワトキンソン、シュライアー、ホルという最強のキャスティング!コンセルトヘボウの音色も気品がありこの崇高な楽曲に相応しい。そして何より、ハイティンクの指揮が素晴らしい!テンポを落とすところは落とし、あげるところはあげる、その全てが説得力抜群で誰にも非の打ちどころのない完璧な解釈であるように感じます。物語絵巻のようなベートーヴェンの明旋律の波状攻撃を、見事に一つの音楽作品にしてみせたこの超名演と出会えたことに感謝です。何にも引っかかることなく、邪魔されることなく、人類の音楽史上に輝くこの作品を味わうことができます。

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     2021/02/22

    マーラーの交響曲第2番は「全ての音楽芸術の頂点」とも言うべき凄まじい作品です。
    そんなこの曲の決定盤がこのテンシュテットのこの録音。

    特筆すべきは最終楽章のフィナーレ!恰幅の良い、大見えを切ったようなクライマックスは説得力抜群。テンポを落としてずっしりと演奏されるフィナーレは90分にも及ぶこの大作を聴きながら、「ああ、まだ終わってほしくない」「もっと聴いていたい」と懇願するリスナーの気持ちに答えるようでもあります。このフィナーレを聴いた後で、メータを聞いても、バーンスタインを聞いても、他のどの名盤を聞いても、物足りなくなること間違いなしでしょう。

    ロンドンフィルハーモニーの金管、弦楽器、打楽器の音色はマーラーの交響曲と非常にマッチしており、テンシュテットがマーラーの作品を再現するにあたって最高の楽器を手に入れたとも言うべき名コンビの名盤です。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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