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ブルノのおっさん さんのレビュー一覧 

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     2017/05/22

    黒澤映画の音楽といえば、早坂文雄、というイメージがありますが、早坂は映画音楽のみならず、様々な名曲を残しています。特に「左方の舞と右方の舞」は彼の代表作であり、雅楽の様式を持ち込む早坂の特質が活かされた作品だと思います。本盤の演奏は、きれいにまとまっている印象は受けるのですが、ちょっとひねりが足りないと感じます。芥川&新響の録音を聴けば、この曲の魅力をもっと感じて頂けるのではないかと思います(本盤には収録されていない「古代の舞曲」も併せてご一聴下さい。)。一方で、「序曲ニ調」は澄みきっていて気持ちの良い演奏。行進曲風な歩調が気分を高揚させます。ピアノ協奏曲も大変興味深い作品で、第1楽章を聴く限りでは西洋的な協奏曲の趣ですが、第2楽章でアジア感、日本感を大放出!早坂の作曲姿勢が聴き手の目前に迫るかのようです。

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     2017/05/19

    冒頭の龍笛風のフルートの音をきいて間もなく、購入して正解だったと確信した1枚です!雅楽を西洋音楽に取り込むことは、松平作品以外にも試みられていますが、彼ほど細部まで忠実に(特に琵琶や箏の模倣には驚かされました)表現しえた人はいないのではないかと思います。セリーを採用した左舞や右舞などの作品を聴いても、何となく雅やかな雰囲気をもたらすためにのみ雅楽を織り込んだのではなく、あくまで雅楽そのものに内在する精神、そしてその本質に迫るような音楽です(これを聴き終えた後に実際の演目(盤渉調越天楽、長慶子など)を聴いてみると面白いと思います)。アルバム発売から大分経てからの投稿となってしまい恐縮ですが、ナクソス日本作曲家選輯の中でもお気に入りの1枚です。

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     2017/04/09

    日本人なら一度は、いや何度も味わって聴いておきたい、まさに邦人作曲家作品の決定盤です!本盤を購入してから数年後のレビューとなってしまいますが、日本狂詩曲を視聴したときに味わったあの衝撃は、今でも克明に覚えています。すぐに購入して、ほかの作品にも食い入るように耳を傾けたものです笑。正直に言えば、かつては「日本の作曲家なんて・・・」、と妙に偏見を持っていたのですが、本盤を聴いて私の考え方は180度変わりました。西洋の真似事なんかではない、真に内から湧き出た日本の熱き心、というと大仰ですが、とにかく理屈抜きに感動しました。その後、邦人による多くの作品を聴いてきましたが、振り返ってみると、本盤は選曲も構成も見事なものです。他のレビュアーの皆さんの仰るように、曲によっては燃焼度が低く感じられるものも確かにありますが、全体的には申し分ないものです。非西洋の作曲家には抵抗がある、という人にこそ、本盤を聴いてみてほしいです。きっと、日本人であればなおさら、何か感じるものがあるかと思います。

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     2017/02/21

    出だしから心を奪われてしまいました…。何と美しい、心にしみる音でしょう。久しぶりに、震えるような感動をおぼえました。このシャマユというピアニスト、今後も注目していきたいピアニストです。素晴らしい演奏もさることながら、「水の上で歌う」に始まり、舞曲、小品などを経て「クッペルヴィ―ザー」に終わる、アルバム構成についてもよく考えられていて、1枚の価値が非常に高いアルバムと感じました。シューベルト・ファンのみならず、多くの人にぜひとも聴かれてほしい1枚です!

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     2016/12/28

    ドビュッシー管弦楽作品集の金字塔ともいえるマルティノン盤。他の指揮者と比較することはあまりしないのですが、「海」の大迫力の演奏は、なかなか他の録音では聴けないものと思います。比較的落ち着いた見方といいますか、分析的な音作りをする指揮者が多いと思われる中で、マルティノンはもっと感覚的で、曲全体のダイナミックな響きがよりストレートに伝わってくるものです。実を言えば、とくに「海」については、何が言いたいのかよく分からない曲、というような印象を少なからず持ち続けてきたのですが、本盤を聴いて、なるほど、こんな風に聴いてもいいのか、と作品の持つ躍動感に打たれ、退屈することなく聴き通すことができました。演奏の繊細さ、綺麗さ、といったものを求めることはできないかな、とも思いますが、大変良い買い物をしたと思っています。名盤と呼ばれるものは、多くの場合、やはりそれだけ人を納得させるに足るものなのだろうと改めて感じるに至りました。

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     2016/12/09

    多種多様な録音のあるドヴォルザークのチェロ協奏曲ですが、本盤もまた独特の味わいがあります。マイのチェロ、強く印象づけられるようなものではないのですが、実に自然で、無理のない演奏です。むしろ本領を発揮しているのは、マルチヌー作品の方かもしれません。マルチヌー特有の、技巧性と叙情性の混在する独特な構造を見事にとらえ、非常に柔軟な演奏を繰り広げています。滅多に演奏あるいは録音されないと思われる作品なので、演奏を客観的に比較することはかないませんが、希少価値の大変高い録音として、お薦めしたいものです。

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     2016/11/10

    アシュケナージがマルチヌーを!と最初は驚きましたが、他にもドヴォルザークやスークなどのチェコ系の録音があることを考えれば、おかしい話ではないかもしれません。それでも、マルチヌー作品は決して録音が多いとはいえないので、とても喜ばしいところです。さて、収録曲はいずれも既に録音のあるもの(ビエロフラーヴェクやマッケラスなど)ですが、とりわけ2曲のピアノ協奏曲については、本家(という表現は少し変ですが・・・)のライフネルらのものに比べ、もっと自由でダイナミックな演奏を繰り広げています。例えば第2協奏曲の終楽章冒頭のピアノの自由独奏部分。本盤の演奏はより柔軟で即興的な印象を受けました。この方が良い、とは一概に言えないものの、聴いた感じの面白さは本盤がより勝っていると思いました。オーケストラについても打楽器が効果的に響いており、ことに「呪文」では、それが見事に活かされています。「フレスコ画」は、個人的にはマッケラスの演奏が好きですが、本盤も十分に良好な演奏。「序曲」に始まり「フレスコ画」に終わる本盤は、そのCDの曲順構成や選曲も含め、大変優秀で充実したものでした。マルチヌー作品の魅力を1枚に詰め込んだものとして、マルチヌー入門にも最適といえるかもしれません。今後も、アシュケナージが実演も含め、マルチヌー等のチェコ作品をとりあげてくれることを願っています。

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     2016/08/02

    「世界の創造」や「屋根の上の牡牛」などのバレエ音楽がとくに有名なミヨー。しかし、本盤は室内交響曲や協奏曲、そして描写的な管弦楽曲など、より古典的なジャンルの音楽がおさめられています。とはいっても、その内容はきわめて独創的なもので、その多彩な音楽の面白さを楽しむことができます。録音はミヨーの自作自演を含め、やや古い録音が集まっていますが、音質はそれほど問題なく、聴きやすいものでした。やや難点だったのが、いずれの曲も楽章ごとにトラック分けされていなかったところです。

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     2016/02/15

    待望のビエロフラーヴェクによる全集。演奏は思ったよりも挑戦的で、これまでの氏の保守的な演奏とは違う面白さがありました。また、管弦楽への室内楽的手法の導入や打楽器的にピアノを用いるなど、マルチヌーの交響曲における特徴を明確に聞き取ることが出来、氏のマルチヌーに関する深い造詣と説得力を改めて感じることが出来ました。演奏はBBC交響楽団ということで、チェコの楽団ではありませんが、そもそもマルチヌーは必ずしもチェコ臭い音楽を書いておらず、むしろフランス音楽やジャズ、タンゴなどの影響も強く受けた多様な書法を持っていたことを考えれば、あまり楽団にこだわる必要はないようにも思います。チャイコフスキーやブラームスの管弦楽曲、さらにはベートーヴェンのピアノ協奏曲の録音も残すなど、様々な時代、国の音楽をレパートリーにしてきたビエロフラーヴェク氏だからこそ実現できた、本当に素晴らしい交響曲全集です。あえてこれまでの全集とは比較せず、純粋に楽しめると良いと思います。

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     2015/11/11

    グラズノフはあまり有名な作曲家ではないかもしれませんが、その管弦楽作品は師匠リムスキー=コルサコフ仕込みの卓越した書法を感じさせる、極めて優秀なものが揃っていると感じます。バレエ「四季」やヴァイオリン協奏曲イ短調などは、比較的古くから録音されていますが、本盤のフェドセーエフ盤をはじめ、交響曲がよく聴かれるようになったのは、意外と最近のことなのではないでしょうか。その点で、本盤はグラズノフの交響曲をより身近に感じてもらえるような、格好の全集だと思います。音質も十分に良好で、地元オケ&指揮者による説得力ある演奏を楽しむことができます。これまでグラズノフをあまり知らなかった、という方にも、全集だからと恐れず、是非ともご一聴いただければと思います。また、ディスク3枚目には、演奏会用序曲(コンサート・ワルツ)第1番が収録されています。管弦楽のための小品といった趣の作品で、交響曲のように大規模なものではありませんが、グラズノフらしい、優美な旋律を聴くことができます。交響曲と併せて、こちらもお楽しみください!

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     2015/11/04

    この値段で(交響曲第7番「人生」、マンフレッド交響曲を含む)交響曲全集、並びに協奏曲やバレエの抜粋まで手に入ってしまうのは本当にすごいです。ブリリアントレーベルが出しているような大型ボックスはさすがに怖い、という人も、まずはこれでオーケストラ作品をひととおり聴いてみると良いと思います。アーティストも統一されており、大変お薦めできるボックスです。また、三大バレエが組曲ではなく、全曲からの抜粋が収録されているのが珍しいと思います。今まで組曲しか聴いたことがない、という人にとっては、新たな発見も多いでしょうし、全曲盤を聴いてみたいと思うようになるかもしれません。オーマンディ&フィラデルフィア管が奏でる往時の極上サウンドでお楽しみ下さい!

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     2015/08/29

    特に気に入った二曲について記そうと思います。トマジの作品は、よく知られているサクソフォーン協奏曲(全三楽章)とは別の曲であり、単一楽章の「バラード」と題された抒情的で美しい旋律に富んだものです。本盤以外での録音を見たことはありませんが、もっと広く演奏されるべき作品だと思いました。ピアソラのタンゴ組曲は、彼のタンゴの名曲を、いわばサックス&管弦楽のためのメドレーとして編曲したものです。通常、バンドネオンによる演奏で知られているものばかりですが、サックスの憂いを帯びた音色が思いのほか管弦楽に調和しており、十分に楽しむことができました。おすすめのアルバムです。

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     2015/06/22

    イベールの代表的な管弦楽作品を一挙に楽しむことのできる格好の一品。演奏は、「寄港地」が、イベール自作自演等に比べれば少し落ち着き気味に感じられるかもしれませんが、アンサンブルの調和が何より心地よく、聞きやすいものになっていると思います。イベール作品がどんなものなのか、気になっている人にはまずは本盤を推薦したいと思います。

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/03/20

    チェコ・フィルがこんな音を出すとは!なかなか意外です。おそらく録音にも理由があるのでしょうが、往年のアンチェルなどの録音に比べ、アンサンブルが特定の楽器に偏らず、広く全体的に響いて聞こえます。新時代のチェコ・フィル、と言ったら、やや仰々しいかもしれませんが、英国など、西側諸国でも広く活躍するビエロフラーヴェクの指揮は、そう表現するに十分に足る、鮮烈で素晴らしい演奏を実現させていると思います。それでも、東側オケならではの管楽器の渋い響きは、なお健在であり、聞き応えがあります。とりわけ驚いたのが、交響曲第1番「ズロニツェの鐘」です。ノイマン盤などと比べて、テンポが速く、疾走感に溢れた清々しい印象を受けました。後期の傑作だけでなく、初期の交響曲も面白い解釈で楽しく聴かせてくれます。いきなりボックスセットでの全集を買うことに抵抗を感じる人がいるかもしれませんが、持っておいて良いものだと思います。ぜひ聴いてみて下さい。

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     2015/02/28

    まだ全曲をしっかり聴いてはいないのですが、少なくとも「日本狂詩曲」の大迫力のライヴ録音は本当にすごいです!私は幸いにも、実際にこのコンサート(札幌交響楽団の第569回定期演奏会)に行き、生演奏に接することができました。とにかく打楽器の迫力、それも、爆音とすら言ってよいほどの、ものすごい演奏でした。この録音は、その迫力を十分に伝えていますし、コンサートホールKitaraの音響の広域性がよく活かされたものになっていると思います。ここで、演奏に関してもう少し述べておきます。他の録音、演奏と比較すると、まず第一楽章冒頭のヴィオラ独奏がとりわけ印象的です。大体の演奏が直線的に弾き進めていくのに対して、当演奏は抑揚があり、まるで哀歌を歌っているような感じ、と言えばよいのでしょうか、そんな雅やかな雰囲気を出しています。しかし、安易に歌唱的ニュアンスに逃げるようなことは全くなく、打楽器のリズムは明確に示されており、曲全体の支柱を損なうことがありません。このことは第二楽章でも言えることで、この曲が、「あくまで打楽器が主役であり、旋律楽器は付随物」であることを改めて確認させられます。

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