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一人のクラシックオールドファン さんのレビュー一覧 

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     2013/12/03

    ヌヴーのヴァイオリンでブラームスの協奏曲をR.デゾルミエール指揮での演奏盤に書き入れたレビューにも触れたのですがバレエ音楽演奏でしか知らなかったデゾルミエールが結構本格的協奏曲にも手腕を発揮していたのが記憶に新しい小生です。そのフランス出身指揮者デゾルミエールの演奏盤を我がライブラリーから一枚本当に久しぶりに取り出し聴きました。収録曲は本盤との共通曲は彼が53歳の1951年にPCOを振ってのプーランクのバレエ組曲「牝鹿」で元々組としては5曲から成っていたものにデゾルミエールは改訂前の全9曲からなるバレエ音楽「牝鹿」のラスト「シャンソン・ダンゼ」の1曲を加えてトータル6曲と独自に組んで演奏したもの(6曲トータルタイム22’37)であります。ディアギレフのロシア・バレエ団指揮者も務めておりこの曲はそのディアギレフ依頼のものでもあったのか流石作曲も行ったデゾルミエールだけの一家言を有した演奏でまぁ無難に曲進めが行われております。「牝鹿」というのは「若い娘」の象徴でもあるらしく第1曲目からの軽快な運びは素晴らしいしそのテーマが各曲に断片的に散りばめられ最終第6曲で総まとめになる聴き易い処理形音楽という印象でした。本盤併録の1950年演奏ドリーブのバレエ組曲「コッペリア」(5曲トータルタイム25’52)と同じく「シルヴィア」(6曲トータルタイム25’43)ではこの指揮者の豊かな表現でドリーブの親しみ易いメロディとオーケストレーションを楽しむ事が出来ます。前者「コッペリア」は人間の様な人形に恋をするという人間の狂気性をベースに登場人物が繰り広げる喜劇、後者「シルヴィア」はギリシャ神話を題材にした森の精と村の若者のこれもロマンチックな恋物であります。これらのフランス曲は先ずもってフランス指揮者、フランス・オーケストラで聴くのが第一ですが本盤ではモノラルで曲数を絞っているのが少し残念で本格的に聴くなら全曲版に接すべしとは思いました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/12/02

    本盤演奏作品の内、ブラームスの交響曲第2番と「大学祝典序曲」を両曲カップリングLPで聴いていますのでレビュー書き込みさせていただきます。ブラームス交響曲についてはモントゥーの場合 第2番が曲的には合っているのか結構録音を重ねている様で1945年SFSO(タイムトータル36’24)、1951年SFSO(タイムトータル35’05)、1953年NBCSO(ライブ、タイム未確認)、1959年VPO(タイム@20’21A9’15B5’02C8’55)そして本盤演奏の1962年LSO(同@20’27A8’31B5’11C9’12)といった具合です。最晩年1963年LSOとの大阪でのこの第2番交響曲演奏会で指揮台までヨロヨロと手を引かれながらたどり着きバトンを構え演奏に入ったらすぐシャキとなった当時の様子が今でも伝えられており・・・翌1964年に亡くなりました。さて、本盤は来日前年の1962年モントゥはもう87歳の時そのLSOを振っての録音であります。全体本当に年齢を念頭に置くと何と骨太で意気軒昂な音楽作りなのでしょう。この第2番自体ブラームスの長年苦労の末誕生したあの第1番交響曲のあとの肩をいからせていない曲だけにモントゥーにより適した感じになって第1楽章では反復部もあって伸びやかな運びが特徴であります。正直言って聴き様によってはややオーケストラ任せのスゲない部分もありますが後段に向っての高揚ぶりは流石です。第2楽章は比較的テンポは速くインテンポで進められますが滋味溢れる彼の味わいは素晴らしいですね。若干平板に第3楽章を経て最終楽章は豪快と言える程のタッチで展開して行きます、この楽章全体のテイストをこんな風にした為とティンパニーの音録りが少し抑え目なのがこの交響曲で管楽器も総動員のクライマックスでの映え具合が単調気味にも感ずる時がありますが年齢からするこの推進力(LSOの自発力含めます)は素晴らしいです。併録1962年演奏の「大学祝典序曲」(タイム10’16)は元気良い学生歌(その内一部は小生の年代ではラジオ受験講座のテーマ曲にもなっていましたね)を折り込んだ質実剛健な感じに仕上がっています。なお、残念ながら併録の1963年ACOを振ってのシューベルト交響曲第8番「未完成」(タイム@13’06A12’17)は未聴でありますが正に生涯現役の典型での仕事を遺して逝ったモントゥーでありました。ちょっと今、今年初めに101歳で亡くなった「くじけないで」の生涯詩人の柴田トヨさんが思い浮かびました・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/12/01

    近衛秀磨は「おやかた」の愛称で日本のオーケストラ活動になんやかんや関係して来た人で必ずしもそれが全て当を得たものではなかったかもしれませんが五摂家の一つとして和楽を司った筋としての行き道だったのかもしれません。1920年代には自費でBPOと共演指揮したり時代が下って新交響楽団(後のNHKSO)とか日本フィルハーモニーとか色々振ってはおり、演奏面では例えばマーラー交響曲第4番を1930年世界で初めて録音したとか・・・。本盤は1968年近衛が当時70歳の頃YNSOを振って録音したベートーヴェン交響曲第6番「田園」(タイム@11’10A12’53B3’24C4’01D9’52)と「エグモント序曲」(同9’41)であり意外とオーケストラがよく健闘しておりますし何れも今では少し大層な演奏の感じもあるかもしれませんが落ち着いた噛み締めれば充分説得力のある各演奏でありました(「田園」以外にも「運命」「合唱」「未完成」「新世界」等各交響曲を同年収録しています)。田園交響曲の第1楽章の終始穏やかで〆の「ゆったりさ」や最終楽章でのウネリから微妙な勢いを混ぜつつ次第に感謝へのステージへ移ってここでもゆっくりと畳んで行く様はロマン色さえ覚えます。途中の楽章での各管楽器の活躍ぶりも印象的でした。「エグモント序曲」では後半盛り上げてピークへじわじわ攻めて行く様子と〆付近でのテンポ調節も素敵です。演奏スタイル、録音も古いのですが後世残しておくべき演奏としても何故か私には最高ランクになっております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/30

    モントゥーは若い頃ブラームスの前で演奏した事を生涯誇りとし、又、自分の死の床にはブラームスの「ドイツ・レクイエム」スコアを願ったというほどブラームスには愛着があったらしいです。ただ、私勝手に感じているのはブラームス交響曲について第1番、第4番はピッタリとモントゥー演奏に合うのかは保留にしたいところです。ブラームス交響曲についてはモントゥーの場合 第2番が曲的には合っているのか結構録音を重ねている様で1945年SFSO(タイムトータル36’24)、1951年SFSO(タイムトータル35’05)、1953年NBCSO(ライブ、タイム未確認)、1959年VPO(タイム@20’21A9’15B5’02C8’55)そして本盤演奏の1962年LSO(同@20’27A8’31B5’11C9’12)といった具合です。最晩年1963年LSOとの大阪でのこの第2番交響曲演奏会で指揮台までヨロヨロと手を引かれながらたどり着きバトンを構え演奏に入ったらすぐシャキとなった当時の様子が今でも伝えられており・・・翌1964年に亡くなりました。さて、本盤は来日前年の1962年、モントゥーはもう87歳の時そのLSOを振っての録音であります。全体本当に年齢を念頭に置くと何と骨太で意気軒昂な音楽作りなのでしょう。この第2番自体ブラームスの長年苦労の末誕生したあの第1番交響曲のあとの肩をいからせていない曲だけにモントゥーにより適した感じになって第1楽章では反復部もあって伸びやかな運びが特徴であります。正直言って聴き様によってはややオーケストラ任せのスゲない部分もありますが後段に向っての高揚ぶりは流石です。第2楽章は比較的テンポは速くインテンポで進められますが滋味溢れる彼の味わいは素晴らしいですね。若干平板に第3楽章を経て最終楽章は豪快と言える程のタッチで展開して行きます、この楽章全体のテイストをこんな風にした為とティンパニーの音録りが少し抑え目なのがこの交響曲で管楽器も総動員のクライマックスでの映え具合が単調気味にも感ずる時がありますが年齢からするこの推進力(LSOの自発力含めます)は素晴らしいです。併録1962年演奏の「大学祝典序曲」(タイム10’16)は元気良い学生歌(その内一部は小生の年代ではラジオ受験講座のテーマ曲にもなっていましたね)を折り込んだ質実剛健な感じに仕上がっています。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/29

    モントリオール時代のデュトワの収録活動は同国出身のアンセルメのレパートリーを踏襲する様な形になっていてこのリムスキー=コルサコフの「シェヘラザード」も1983年録音していましたが本盤はオーケストラが変わってRPO首席指揮者に着任した直後の2010年デュトワがもう74歳の頃、ロシア物と言っても東洋的趣味に溢れた曲「シェヘラザード」で最近ではフィギュア浅田真央のSP曲としても馴染みの絵物語風の曲を振って演奏したもの(タイム@「海とシンドバッドの船」10’45A「カランダール王子の物語」11’46B「若い王子と王女」10’36C「バグダッドの祭り・海・船は青銅の騎士のある岩で難破・終曲」12’37)で先ず録音が良く彼に向いた色彩感溢れる音楽を丁寧に緻密に曲運びがなされたといった第一印象です。語り手の象徴としてのシェヘラザード役の独奏ヴァイオリンはC.グールド(イギリスの美人奏者)が若干繊細ながらバランス良く役割を果たしています。第1楽章ソロV&ハープが綺麗にスタートしデュトワはゆっくり目に色彩物語を展開して行きます。波間に揉まれてもトーンとしては明るめで決してロシア的本性を露呈せずあくまで粗野には走りません。第2楽章での各管楽器もよーくコントロールされて夫々含ませながら進む処などは聴きものですが音色の濃さも欲しいと思った事もあります。第3楽章のやさしいメロディラインを経て最終楽章に入ります・・・先ず「バグダッドの祭り」でやや抑制気味な盛り上げを表しオーケストラの迫力性能をチェックして見せます。「海」とか「岩・難破」では正直もう少しリアルさというか・・・ある意味メリハリ面も出して欲しかったですがデュトワらしく過度に走らなかったのかな・・・そしてゆったり低音域を探りつつ〆「終曲」へと結びます・・・デュトワ流「無難さ」といった処なのか彼の加算年齢から来る躍動感不足?か・・・小生などには判断がつきませんが、まぁ、RPOがデュトワ色に染まって行っているのか相変わらず英国オーケストラの程ほどパワーで対応しているのか面白い処ではあります。そのデュトワの冒頭触れた1983年モントリオールSOとの「シェヘラザード」演奏タイムは@10’35A11’37B10’41C12’31で新旧そんなに大差ありません。本盤併録の「ロシアの復活祭序曲」(タイム15’33)はロシアでの開放感に満ちた復活祭のお祭り騒ぎの様子を要領よくまとめ煩い方向には行っていない曲進めが聴き処であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/28

    別盤で本演奏に入れたレビューを骨子にさせていただきますね・・・以前はフォーレのレクイエムと言えばこのクリュイタンス盤(録音当時57歳)が先ず話題になった名盤です。以降年では様々な優れた或いは別の切り口での演奏盤が出てきて本盤の位置が相対的に後ずさった観はありますが私は長く愛聴されるべき最高の演奏と思います。クリュイタンスはやヽ厚ぼったく演奏はしていますが彼の演奏の根本にあるゲルマン・ラテン両性から論理と抒情を上手く融合しフィッシヤー=ディスカーウ(録音当時37歳)とデ・ロス・アンヘルス(同39歳)という大歌手がその表現と軌を一にしています(そしてフィッシヤー=ディスカーウのいつもの深みのある歌唱には脱帽!)。1962年録音で演奏タイムは@8’07A9’08B3’18C3’17D6’45E5’19F3’47となって特に第5曲「アニュス・デイ」のゆったり流れる雅さには私は注目させられました・・・。ドビュッシーの管弦楽の「映像」(1963年収録、タイム@7’16A7’15+8’02+4’23B7’43)自体私は他の演奏をそう聴いているわけではありませんので本演奏の客観的な位置づけは分かりませんが本演奏は割りとスッキリしクリュイタンスの大人のダンディズムが聴き所なのでしょう。この録音4年後1967年クリュイタンスはまだこれからの62歳で亡くなっています。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/27

    本盤はメータ(当時43歳頃)がNYPO音楽監督着任前後の1979年、多分NYPOとしては珍しくDECCAに収録したベルリオーズ「幻想交響曲」(タイム@「夢、情熱13’55A「舞踏会」6’04B「野の風景」14’58C「断頭台への行進」4’21D「魔女の夜宴の夢」9’33)で管弦楽の魔術師と呼ばれるメータには場違いな曲ではありません。全体メータの特徴と(私が勝手に感じているのですが・・・)言えそうなやや明るめ・軽めな雰囲気がある意味では救われます。第1楽章少し速いテンポでテキパキ進め結構乗った感じ、終盤の更なるテンポアップから〆付近はスピードダウンし融通性は抜群です。第2楽章ではベルリオーズの管弦楽進取性を象徴する様なコルネット入りのバージョンが採用されています。第3楽章は野の情景の美しさもあるものの曲自体も長いせいもありますがややダルさが露呈し平板な感じになってしまいました。終盤付近でのティンパニのオドロオドロさで挽回といった感じです。第4楽章は硬質な音でティンパニがリード役になりマーチは見通し良かったと思います。最終楽章は微妙なテンポの動きの手腕は流石メータ!次第にテンポを上げつつ流れて行くといった感じなのであの鐘の音も軽めでこの楽章に求めたい不気味さとか思惑とかは薄いですね。グレゴリオ聖歌「怒りの日」のテーマが管楽器咆哮の内に鳴らされる頃には妙に説得させられました。併録のマゼール/クリーヴランドOによる「ローマの謝肉祭」(1975年収録、タイム9’11)はまぁまぁといった処でしょうか。盤によったらメータ/NYPO演奏分(1979年収録、タイム8’41)がカップリングされているかも知れません。なお、メータの「幻想交響曲」には1993年LPOを指揮した演奏(タイム@14’48A6’37B15’46C4’47D9’33)も録音されています。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/26

    G.ヌヴー独奏のブラームスのヴァイオリン協奏曲はHMVレビューにもありますように四種類録音として残されており何れも大変緊迫感のある名演と評されております。本盤はその中の一つで1948年29歳のヌヴーがR.デゾルミエール(当時50歳)指揮フランス国立放送Oバックを得ての演奏のライブ録音で演奏タイムは@22’25A9’18B8’11と後述メモの他の三種類演奏と大差はありません。ライブだからでしょう・・・彼女の熱っぽい壮絶さが古い、時には雑音も混ざった録音色をものともせずその迫力を伝えてくれます。私自身伴奏指揮者のデゾルミエールについてはフランス出身でバレエ音楽を主に扱って来た演奏家くらいしか知らなかったのですが結構このシンフォニー的協奏曲にもマトモ?に立ち向かって独奏ヴァイオリンのサポートをしっかりやっており先ず感心しました。第1楽章比較的大様なスタートから次第に熱を帯びたオーケストラ前奏後Vが素早く入ります。そして集中力を高めながらVはオーケストラとの間を縫って進んで行きます。やや高音気味に走る感じも否定出来ませんがしっかり音は捉えられ、やがて盛り上がった後大波小波の素晴らしいカデンツァの攻めぶりに思わず興奮してしまいます。そして本線に戻って〆へのオーケストラに乗って行く様は見事ですね。中間楽章前奏に続いてVが入って行くのですが彼女のパーフォーマンスが(勿論実際見たわけではありません)目に浮かぶくらいロマン性に溢れています。最終楽章は若干重心低くスタートしますがよく全体・・・Vも伴奏もよく鳴って時にはやかましい位で推移して終盤はテンポアップがその騒がしさ?に拍車をかけますが〆は対照的な程ゆっくりと溜めつつ終わります。本盤ジャケットデザインはHMVレビュー通りある懐かしい時代感覚を呼び起こしてくれ素晴らしいですね。他の三つの演奏メモをしておきましょう・・1946年I.ドブロウエン/PHO(タイム@21’25A9’06B7’42)、1948年イッセルシュテット/北ドイツ放送O(ライブ,タイム@22’08A9’40B7’55)、1949年ドラティ/ハーグ・レジデンスO(ライブ,タイム@22’32A9’21B8’19)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/25

    シベリウスのヴァイオリン協奏曲は交響曲を思わせるくらいな重厚さ、緊密さにも拘わらず特にシベリウス自身「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と意図した第1楽章からの異様なそしてヒステリックとも感じさせる雰囲気はある意味で女性的迫力に合っている事もこの協奏曲録音(但し改訂版)初期・・・1940年代に女性ヴァイオリニストが挑戦している証左でありましょう。本盤は1945年収録(CD,LP盤によったら同じ演奏ソースで1946年とも表記されている物もあります、どちらが正しいのかは不明です)のジャネット・ヌヴー(当時26歳)のヴァイオリン独奏、ワルター・ジェスキント(同32歳)指揮PHO伴奏のシベリウスV協奏曲で演奏タイムは@15’54A8’10B8’02はデータ的には特徴はありませんが聴いての印象はVが結構押し/インパクト強く大変きつい感じで第1楽章冒頭から終始Vが歌い上げて行く凄みは彼女の若さでもあるのかもしれません。この楽章クライマックスに向けてVと伴奏との壮絶な絡み合いで昇華して行きます。録音は勿論古くモノラルなのですがそんな事は度外視しての大きな方向掴みの演奏はシベリウスが彼女がこの曲の普及に寄与したとコメントした所以でしょう。実にたっぷり感のある演奏です。第2楽章もVは緊張感の漲った進め方ではありますが決して繊細ではなく伴奏もゆったり重低音をベースに流れて行きます、そして最終楽章も前楽章に引き続いての重低音弦の間をVがやや粘り気味に縫って舞曲気味を経てフィナーレと隙を見せずにつないでます。伴奏担当のジェスキントはチェコ出身の指揮者ですがいわゆるスター指揮者ではないもののちゃんと仕事をしている印象を受けました。全体シベリウスの言う北欧的なテイストとは違和感がありますが訴える力は(北欧冷んやり感より熱っぽさ感に惹きこまれます)素敵です。音楽は時間芸術というので演奏タイムも無視出来ないのですがこのような比較的初期の演奏記録・・・もう半世紀以上経っているのにその位置づけの重要性は時代を突き抜けるタイム芸術でもある事を再認識する次第です。ヌヴーが15歳の時にポーランドでのコンクールに優勝したのですがそのコンクールで二位だったあの大ヴァイオリニストであるオイストラフがこのシベリウスV協奏曲を何種類か収録して何れも名演扱いされてはいますが女流ヴァイオリニストのこの演奏は何か一線が隔されている位存在感のある本盤演奏であります。多分30歳で飛行機事故で亡くなっていることもセンチメンタルな要素になっている事も否定は出来ませんが・・・。併録のバルビローリ/NYPOによる1940年録音のシベリウス交響曲第2番(タイム@8’22A12’31B5’41C12’25)の方は正直余り聴き込んでいないのでサラッと流します・・・バルビローリがまだ50歳の時の演奏で後年1966年ハレOを振ったもの(同@10’24A14’59B5’59C14’21)より流石若さというのでしょうか演奏タイムの勢い→溌剌さがオーケストラの力量?違いと相俟って録音の古さ・新しさなど無関係に多分アメリカ的なのかスケール感、シンフォニー醍醐味感と共に味わえそうです。ランクについては★一つ保留させて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/24

    シベリウスのヴァイオリン協奏曲は交響曲を思わせるくらいな重厚さ、緊密さにも拘わらず特にシベリウス自身「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と意図した第1楽章からの異様なそしてヒステリックとも感じさせる雰囲気はある意味で女性的迫力に合っている事もこの協奏曲録音(但し改訂版)初期・・・1940年代に女性ヴァイオリニストが挑戦している証左でありましょう。本盤は1945年収録(CD,LP盤によったら同じ演奏ソースで1946年とも表記されている物もあります、どちらが正しいのかは不明です)のジネット・ヌヴー(当時26歳)のヴァイオリン独奏、ワルター・ジェスキント(同32歳)指揮PHO伴奏のシベリウスV協奏曲で演奏タイムは@15’54A8’10B8’02はデータ的には特徴はありませんが聴いての印象はVが結構押し/インパクト強く大変きつい感じで第1楽章冒頭から終始Vが歌い上げて行く凄みは彼女の若さでもあるのかもしれません。この楽章クライマックスに向けてVと伴奏との壮絶な絡み合いで昇華して行きます。録音は勿論古くモノラルなのですがそんな事は度外視しての大きな方向掴みの演奏はシベリウスが彼女がこの曲の普及に寄与したとコメントした所以でしょう。実にたっぷり感のある演奏です。第2楽章もVは緊張感の漲った進め方ではありますが決して繊細ではなく伴奏もゆったり重低音をベースに流れて行きます、そして最終楽章も前楽章に引き続いての重低音弦の間をVがやや粘り気味に縫って舞曲気味を経てフィナーレと隙を見せずにつないでます。伴奏担当のジェスキントはチェコ出身の指揮者ですがいわゆるスター指揮者ではないもののちゃんと仕事をしている印象を受けました。全体シベリウスの言う北欧的なテイストとは違和感がありますが訴える力は(北欧冷んやり感より熱っぽさ感に惹きこまれます)素敵で最高ランクかと思います。音楽は時間芸術というので演奏タイムも無視出来ないのですがこのような比較的初期の演奏記録・・・もう半世紀以上経っているのにその位置づけの重要性は時代を突き抜けるタイム芸術でもある事を再認識する次第です。ヌヴーが15歳の時にポーランドでのコンクールに優勝したのですがそのコンクールで二位だったあの大ヴァイオリニストであるオイストラフがこのシベリウスV協奏曲を何種類か収録して何れも名演扱いされてはいますが女流ヴァイオリニストのこの演奏は何か一線が隔されている位存在感のある本盤演奏であります。多分30歳で飛行機事故で亡くなっていることもセンチメンタルな要素になっている事も否定は出来ませんが・・・。次にヌヴーのブラームス協奏曲は評判高く私も聴きたいと思って一般に手に入り易い1948年イッセルシュテット指揮北ドイツ放送Oバックのライブもの(タイム@22’08A9’40B7’55)と1946年I.ドブロウエン指揮PHOバックのスタジオ録音のものと迷ったのですが(迷わず両方という程ではありませんでした)曲の組み合わせ、自分の他のライブラリー在庫やらで後者の演奏盤を別盤でHMV購入しました。ヌヴーには他に何れもライブ録音で1948年デゾルミエール指揮フランス国立放送Oバックのもの(タイム@22’25A9’18B8’11)、1949年ドラティ指揮ハーグ・レジデンスOバックのもの(タイム@22’32A9’21B8’19)があるようですが彼女が1949年航空機事故でピアニストの弟と共に亡くなった事が残された彼女の諸演奏記録価値を感傷も手伝って増していった様です。本盤のブラームスV協奏曲はセッション録音なので他のライブ録音分と比べると集中力・気迫の点では負けないけれどそれでも整ったという感じは拭えずライブの波乱万丈的要素は薄いのは仕方ない処でしょうか・・・さてその本盤1946年分はヌヴーが一番初めに録音したことになりヌヴー(当時27歳)、指揮者のドブロウエン(同55歳)・・・演奏タイムは@21’25A9’06B7’42となっており選択に迷った1948年イッセルシュテット指揮北ドイツ放送Oバック分よりやや性急、演奏自体はヌヴーの特色である集中力、気迫さはそれなりにあります。第1楽章オーケストラの前奏がありヴァイオリンがもう待てないと思うほどせっかちに入りパッセージを飛びぬける処などは本演奏独特であります。本演奏はスタジオ録音だけに逆に少し雰囲気的に高いテンション一本調子な処やバックの管楽器に頑張ってもらいたかったと感ずる部分もなきにしもあらずでした。しかしシベリウス、ブラームス両曲セットで最高ランクにしたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/23

    この二つの協奏曲同演奏カップリングCDは何種類かリリースされていて本盤とは別盤へ書き込んだレビューを転用させていただきます。シベリウスのヴァイオリン協奏曲は交響曲を思わせるくらいな重厚さ、緊密さにも拘わらず特にシベリウス自身「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と意図した第1楽章からの異様なそしてヒステリックとも感じさせる雰囲気はある意味で女性的迫力に合っている事もこの協奏曲録音(但し改訂版)初期・・・1940年代に女性ヴァイオリニストが挑戦している証左でありましょう。本盤は1945年収録(CD,LP盤によったら同じ演奏ソースで1946年とも表記されている物もあります、どちらが正しいのかは不明です)のジネット・ヌヴー(当時26歳)のヴァイオリン独奏、ワルター・ジェスキント(同32歳)指揮PHO伴奏のシベリウスV協奏曲で演奏タイムは@15’54A8’10B8’02はデータ的には特徴はありませんが聴いての印象はVが結構押し/インパクト強く大変きつい感じで第1楽章冒頭から終始Vが歌い上げて行く凄みは彼女の若さでもあるのかもしれません。この楽章クライマックスに向けてVと伴奏との壮絶な絡み合いで昇華して行きます。録音は勿論古くモノラルなのですがそんな事は度外視しての大きな方向掴みの演奏はシベリウスが彼女がこの曲の普及に寄与したとコメントした所以でしょう。実にたっぷり感のある演奏です。第2楽章もVは緊張感の漲った進め方ではありますが決して繊細ではなく伴奏もゆったり重低音をベースに流れて行きます、そして最終楽章も前楽章に引き続いての重低音弦の間をVがやや粘り気味に縫って舞曲気味を経てフィナーレと隙を見せずにつないでます。伴奏担当のジェスキントはチェコ出身の指揮者ですがいわゆるスター指揮者ではないもののちゃんと仕事をしている印象を受けました。全体シベリウスの言う北欧的なテイストとは違和感がありますが訴える力は(北欧冷んやり感より熱っぽさ感に惹きこまれます)素敵で最高ランクかと思います。音楽は時間芸術というので演奏タイムも無視出来ないのですがこのような比較的初期の演奏記録・・・もう半世紀以上経っているのにその位置づけの重要性は時代を突き抜けるタイム芸術でもある事を再認識する次第です。ヌヴーが15歳の時にポーランドでのコンクールに優勝したのですがそのコンクールで二位だったあの大ヴァイオリニストであるオイストラフがこのシベリウスV協奏曲を何種類か収録して何れも名演扱いされてはいますが女流ヴァイオリニストのこの演奏は何か一線が隔されている位存在感のある本盤演奏であります。多分30歳で飛行機事故で亡くなっていることもセンチメンタルな要素になっている事も否定は出来ませんが・・・。次にヌヴーのブラームス協奏曲は評判高く私も聴きたいと思って一般に手に入り易い1948年イッセルシュテット指揮北ドイツ放送Oバックのライブもの(タイム@22’08A9’40B7’55)と1946年I.ドブロウエン指揮PHOバックのスタジオ録音のものと迷ったのですが(迷わず両方という程ではありませんでした)曲の組み合わせ、自分の他のライブラリー在庫やらで後者の演奏盤を別盤でHMV購入しました。ヌヴーには他に何れもライブ録音で1948年デゾルミエール指揮フランス国立放送Oバックのもの(タイム@22’25A9’18B8’11)、1949年ドラティ指揮ハーグ・レジデンスOバックのもの(タイム@22’32A9’21B8’19)があるようですが彼女が1949年航空機事故でピアニストの弟と共に亡くなった事が残された彼女の諸演奏記録価値を感傷も手伝って増していった様です。さてこの本盤1946年分はヌヴーが一番初めに録音したことになりヌヴー(当時27歳)、指揮者のドブロウエン(同55歳)によるブラームスV協奏曲・・・演奏タイムは@21’25A9’06B7’42となっており1948年イッセルシュテット指揮北ドイツ放送Oバック分よりやや性急な感じがし、演奏もヌヴーの特色である集中力、気迫さも充分であります。第1楽章オーケストラの前奏がありヴァイオリンがもう待てないと思うほどせっかちに入りパッセージを飛びぬける処などは本演奏独特であります。本演奏はスタジオ録音だけに逆に少し雰囲気的に高いテンション一本調子な処やバックの管楽器に頑張ってもらいたかったと感ずる部分もなきにしもあらずでした。しかし両曲セットで最高ランクにしたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/22

    シベリウスのヴァイオリン協奏曲は交響曲を思わせるくらいな重厚さ、緊密さにも拘わらず特にシベリウス自身「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と意図した第1楽章からの異様なそしてヒステリックとも感じさせる雰囲気はある意味で女性的迫力に合っている事もこの協奏曲録音(但し改訂版)初期・・・1940年代に女性ヴァイオリニストが挑戦している証左でありましょう。本盤は1945年収録(CD,LP盤によったら同じ演奏ソースで1946年とも表記されている物もあります、どちらが正しいのかは不明です)のジネット・ヌヴー(当時26歳)のヴァイオリン独奏、ワルター・ジェスキント(同32歳)指揮PHO伴奏のシベリウスV協奏曲で演奏タイムは@15’54A8’10B8’02はデータ的には特徴はありませんが聴いての印象はVが結構押し/インパクト強く大変きつい感じで第1楽章冒頭から終始Vが歌い上げて行く凄みは彼女の若さでもあるのかもしれません。この楽章クライマックスに向けてVと伴奏との壮絶な絡み合いで昇華して行きます。録音は勿論古くモノラルなのですがそんな事は度外視しての大きな方向掴みの演奏はシベリウスが彼女がこの曲の普及に寄与したとコメントした所以でしょう。実にたっぷり感のある演奏です。第2楽章もVは緊張感の漲った進め方ではありますが決して繊細ではなく伴奏もゆったり重低音をベースに流れて行きます、そして最終楽章も前楽章に引き続いての重低音弦の間をVがやや粘り気味に縫って舞曲気味を経てフィナーレと隙を見せずにつないでます。伴奏担当のジェスキントはチェコ出身の指揮者ですがいわゆるスター指揮者ではないもののちゃんと仕事をしている印象を受けました。全体シベリウスの言う北欧的なテイストとは違和感がありますが訴える力は(北欧冷んやり感より熱っぽさ感に惹きこまれます)素敵で最高ランクかと思います。音楽は時間芸術というので演奏タイムも無視出来ないのですがこのような比較的初期の演奏記録・・・もう半世紀以上経っているのにその位置づけの重要性は時代を突き抜けるタイム芸術でもある事を再認識する次第です。ヌヴーが15歳の時にポーランドでのコンクールに優勝したのですがそのコンクールで二位だったあの大ヴァイオリニストであるオイストラフがこのシベリウスV協奏曲を何種類か収録して何れも名演扱いされてはいますが女流ヴァイオリニストのこの演奏は何か一線が隔されている位存在感のある本盤演奏であります。多分30歳で飛行機事故で亡くなっていることもセンチメンタルな要素になっている事も否定は出来ませんが・・・。次にヌヴーのブラームス協奏曲は評判高く私も聴きたいと思って一般に手に入り易い1948年イッセルシュテット指揮北ドイツ放送Oバックのライブもの(タイム@22’08A9’40B7’55)と1946年I.ドブロウエン指揮PHOバックのスタジオ録音のものと迷ったのですが(迷わず両方という程ではありませんでした)曲の組み合わせ、自分の他のライブラリー在庫やらで後者の演奏盤を別盤でHMV購入しました。ヌヴーには他に何れもライブ録音で1948年デゾルミエール指揮フランス国立放送Oバックのもの(タイム@22’25A9’18B8’11)、1949年ドラティ指揮ハーグ・レジデンスOバックのもの(タイム@22’32A9’21B8’19)があるようですが彼女が1949年航空機事故でピアニストの弟と共に亡くなった事が残された彼女の諸演奏記録価値を感傷も手伝って増していった様です。さてこの本盤1946年分はヌヴーが一番初めに録音したことになりヌヴー(当時27歳)、指揮者のドブロウエン(同55歳)によるブラームスV協奏曲・・・演奏タイムは@21’25A9’06B7’42となっており1948年イッセルシュテット指揮北ドイツ放送Oバック分よりやや性急な感じがし、演奏もヌヴーの特色である集中力、気迫さも充分であります。第1楽章オーケストラの前奏がありヴァイオリンがもう待てないと思うほどせっかちに入りパッセージを飛びぬける処などは本演奏独特であります。本演奏はスタジオ録音だけに逆に少し雰囲気的に高いテンション一本調子な処やバックの管楽器に頑張ってもらいたかったと感ずる部分もなきにしもあらずでした。しかし両曲セットで最高ランクにしたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/21

    VPOをバックにしてベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を録音演奏し通したのは古くは1950年代後半のバックハウス/イッセルシュテット、1970年代初めのグルダ/シュタイン、1980年代前半のアシュケナージ/メータそして1990年代後半の本盤演奏ブレンデル/ラトルが思いつきますね。私は属する世代の常として平凡ではありますが先頭のバックハウス/イッセルシュテット盤に長く馴染んで気にも入っていたのですがこの演奏を「剛」とすれば「柔」として本盤演奏ブレンデル/ラトル盤も捨てがたくなっております。ブレンデルのベートーヴェンには私は彼がまだ駆け出しの頃のソナタ集LPでその切れ味がある中に何とも言えぬ円やかな運びのタッチが印象的でしたが本盤の演奏はその「味」を結構残しながら流石66〜67歳の草書的な色彩もブレンドされラトルの奏法アプローチ・・・後年の交響曲集よりはまだ刺激性が薄い感じを私は持っております・・・が似合った演奏となりました。ブレンデル自体は何回も協奏曲集を録音しており第2番、第3番での本盤演奏以前のものを年代・指揮者/オーケストラを羅列しておきますと1960年代前半・・・ワルベルク/WFOO&WSO、1970年代半ば・・・ハイティンク/LPO、1980年代前半・・・レヴァイン/CSOといった具合でソナタ集も前述の古いものも含め三回?録音しているところからブレンデルのレパートリーの掘り下げ「推移」が聴かれますね。2008年末に引退をして後進指導、著述等の活動を行なっているブレンデルはベートーヴェンについて人間としてと芸術家としての両面が相容れない処に興味があり。演奏においては作品構築性と共にユーモア面とのバランスにも留意することが大切・・・と述べております。そういう事で録音回数を重ねた本盤演奏にその「推移」の結論じみたものがあるのかも知れません。勿論私も本盤演奏以外の全てを聴いてはおりませんが本盤演奏は回数を重ねた結果の「理」に走ったとも評された部分もあるそうですが私には丁度良い加減です。本盤二曲は1998年ブレンデル67歳、ラトル43歳の時の収録です。先ず第2番(タイム@14’20A9’06B6’11)は元々最初に作曲されたピアノ協奏曲のためか作品自体少し試行錯誤的な行程を感じさせる部分が多く何かやっつけ仕事の構築性が明らかに欠如した作品でこの辺りを演奏者がどうカバーするかも面白い処ではあります。第1楽章の前奏軽めに出だしピアノもこの作品実力を越えて気負いのない処がこの曲に付きまとう煩わしさを軽減し長いカデンツァも「まとまり」欠けを意識させません。起承転結に弱い第2楽章では最終コーナーでのオーケストラとピアノの語り合いは絶妙。第3楽章も下手するとただやかましい曲に終わる処をオーケストラ、ピアノともこのコンビ特有の潤いがそれを救います。第2番では私は本盤演奏で開眼したと言っても差し支えありません。第3番(タイム@16’49A9’44B9’10)ではカデンツァのフレキシビリティさが聴きものであることと前奏や途中のオーケストラ全奏でのラトルの意外と筋肉質のしなる指揮ぶりが素晴らしいし最終楽章カデンツァの前のオーケストラの引っ張りやがっしりした〆へ向かう処でのティンパニーアクセントも上手く全体としてブレンデルのピアノは勿論バックのただ押せ押せだけでないVPOの演奏が聴き物ですね・・・本盤最高ランクです。上に触れた他の演奏の分かっているデータをメモしておきましたので煩わしいかもしれませんが参照にして下さい→1961〜1963年ワルベルク/WFOO&WSO第2番(タイム@14’48A9’29B6’15)、第3番(同@15’09A10’14B9’14)、1977年ハイティンク/LPO第2番(同トータル30’12)、1975年同第3番(同@17’11A10’30B9’04)、1983年レヴァイン/CSO第2番(同トータル28’48)、同第3番(同@17’00A10’05B9’12)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/20

    ドラティは他の評者の方も書かれているように地味で実務型の演奏家かつ名トレイナーであります。手兵フィルハーモニア・フンガリカを率いてのハイドン交響曲全集等は代表される実績でありますが彼はちょっとした曲例えばチャイコフスキーの管弦組曲全曲やこのレスピーギ古代舞曲・アリア全曲その他の管弦楽曲を自分なりに「遺す」という視点に立って一定のレベルを保って収録しました。本LPで収録されているレスピーギの管弦楽曲はドラティ51歳の1957年頃LSOを指揮して演奏したレスピーギ作品でもあまり馴染みのない組曲「鳥」と組曲「ブラジルの印象」の二曲で私は別盤で前者「鳥」を聴きました。大体レスピーギの作品にはタイトル付きの管弦楽曲が親しまれ5曲で構成され夫々の鳥の特徴等を織り込んだこの組曲「鳥」(タイム・・・ 前奏3’04+鳩4’22+雌鳥3’02+夜鶯4’24+郭公4’15)はバロック時代のラモー、バスクィーニ、ガロ等の曲を編集して作曲されただけに曲自体は初めて聴かれる方にもアプローチし易く更に本演奏はドラティのコントロール振りが中々利いて色彩豊かに描き出された素敵な演奏と思いました。作曲法でも色々鳥の鳴き声らしいパッセージが挿入され最後によく聴く前奏曲テーマに戻って来て宮廷的雰囲気を再現させる周到さはレスピーギの面目躍如たるものです。もう一つの方の組曲「ブラジルの印象」(タイム・・・熱帯の夜9’48+ブタンタン4’46+歌と踊り4’34)は残念ながら聴いておりません。まぁ、LPで1960年以前の演奏にそれも正にプロの味のする演奏にじっくり耳を傾ける時間もいいものかと思います。未聴曲がありますので★一つ保留しておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/11/19

    1957年、当時最年少記録でバイロイト音楽祭に出演し話題を呼んだサヴァリッシュは1960年代半ばからNHKSOを振って日本でも馴染み深かかった指揮者でレコードでは私などはVSOをふったブラームス交響曲くらいから聴き始めたものです。彼の演奏は決して奇を衒うものではなく崩れる事は先ず無くそのルックスからも次第にある貫禄も放っていました。本盤収録曲はそうしたいい時期の1993年彼が70歳の時当時常任に決まっていたフィラデルフィアとではなくサヴァリッシュの方から求めたRCOとで渋くも暖色系のサウンドが活きたのかとにかくそのRCOを指揮して収録したベートーヴェン交響曲第2番(タイム@12’58A11’31B3’34C6’27)及び第8番・・・ライブ(同@9’37A3’49B4’28C7’27)で何れもサヴァリッシュらしい堅実な貫禄ある演奏です。各指揮者が個性あるベートーベン演奏を繰り広げている昨今(と言ってもこヽ15〜6年)サヴァリッシュは 実に手堅い・・手堅過ぎる演奏でそれこそ大人の「長技」での演奏、しかもRCOがその演奏構築性をフルに活かしています。全く無個性的ではなく例えば第2番など第1楽章序奏部の精緻な構築感と典雅な音色に加えるに管楽器の鳴らし方で充実感満点!、中の二つの楽章を経て最終楽章終わり近くの弦の揺さぶり方などどちらかと言えば小ぶり交響曲扱いされるこの第2番も一人前シンフォニーへの手応えぶりで彼の匠の仕事は私などの素人でも判ります。もう一つ第8番はライブらしくない面もありますが全体で正直すぐには退屈でも長くはニュートラルな位置付けなのでしょう、第1楽章は生彩があり実に恰幅ぶりを発揮して素晴らしいです。続く三つの楽章はもう少しこの生彩ぶりを維持して欲しかったですね(サヴァリッシュ自体昔からそう変化球を投げない人?)。なお、この第8番にはサヴァリッシュがNHKSOを1982年振った演奏(同@9’45A4’02B4’57C7’39)も録音盤があるようです。既に引退してTVでの指揮姿も懐かしく思われたサヴァリッシュは今年亡くなってしまいました、90歳・・・日本の聴衆には忘れられない演奏家の一人です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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