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5人の方が、このレビューに「共感」しています。 2011/02/26
私もN響定期を聴き録音を楽しみにしていたが、期待を大きく上回る出来であった。ショスタコーヴィチの1番には、オイストラフ/ムラヴィンスキー、コーガン/コンドラシンという超ド級の名演があるが、バティアシヴィリ盤はあらゆる点で両盤を凌駕するものといえる。第1楽章の虚無の表出から技巧を感じさせず、音楽だけが聴こえてくる。パッサカリアの痛切極まりない祈りの歌から壮絶なカデンツァを経て終楽章の大爆発まで息をもつかせない。恐るべき集中力。サロネンのバックがまた極上。ムラヴィンスキーを凌いだ唯一の演奏ではないか。オケもバイエルン放送響で本当によかった。サロネンはロンドンのオケよりも1ランク上のオケを率いるべき才能である。併録の曲も興味深いが、正直ショスタコーヴィチで満腹だ。
5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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4人の方が、このレビューに「共感」しています。 2011/02/26
イブラギモヴァ、ティベルギアン、言いにくいし覚えにくい。ロシア人とフランス人のベートーヴェンというのも面白いが、これが極上のムジチーレンになっている。どこにも片意地はったところはなく、しかも常に新鮮さを欠かさない。素晴らしいデュオだと思うが、私は特にティベルギアンのピアノに惹かれた。
4人の方が、このレビューに「共感」しています。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2011/02/26
「皇帝」のオーケストラ・パートとしては、このクレンペラーはフルトヴェングラーと双璧ではないか。微妙に音楽をうねらせるフルトヴェングラーに対して、終始インテンポで堂々たるスケールの音楽を構築するクレンペラー。どちらも圧巻だ。他の曲でもクレンペラーの偉大さは際立っているが、この雄大な音楽にのってバレンボイムが自由闊達なピアノを聴かせる。これまた聴きごたえ充分。全集としてトップにあげてもおかしくないと思うのだが、何故か過小評価されている。バジェットプライスになった機会に是非聴いてほしい。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2011/02/25
チェンバロという楽器を聞くのは難しい。これまでCDでもナマでも満足したためしがない。とくにアレグロで疾走するときのシャリシャリという騒がしい音が苦手である。通奏低音でも、チェンバロよりもリュート、テオルボのほうがはるがに心地よい。この楽器の魅力を知らしめるには、本当の銘器と名録音が必要なのだ。これがその数少ない一品である。なんといういい音だろうか。音は澄みきり、シャリシャリ音皆無。響きにコクがあり、飽きさせない。演奏も実に素晴らしい。これを聞くとピアノによるバッハには戻れなくなる。もう10年以上昔の録音だが、これを凌ぐチェンバロ録音は出ていないと思う。武久氏は近年オルガンと合奏がメインのようだが、是非「パルティータ」も録音してほしいものだ。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2011/01/27
グノーのオペラでは比較的知られたものだそうだが、私は初めて聴いた。悲劇的な緊迫感はないが、グノーの音楽はどこまでも美しく、アルルが舞台ということもあり、タンブーランも鳴らされ楽しい。演奏はこれ以上望めないほど魅力的。フレーニが素晴らしい美声でミレイユをこまやかに歌っている。79年録音というと、カラヤンの「アイーダ」と同年だが、こちらのほうがフレーニの良さが出ている。他の歌手もプラッソンの棒さばきもフランスオペラの理想像といえる出来。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2011/01/27
皆さん絶賛の嵐だが、私は第1幕で引いてしまった。シュワルツコップとユリナッチのいちゃつきが熟女レズにしか見えず、耐えがたい。第2幕でかわいいローテンベルガーが出てくるとほっとする。ユリナッチは決して不細工なわけではなく、美人というべきなのだが、おばさん体型が隠せないのだ。オペラ映像の難しいところであり、これだけの名演奏でも視覚的には1度見たら再度見る気にはなれない。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。
5人の方が、このレビューに「共感」しています。 2011/01/08
6番は、かつてNHK−FMの放送を聞いて以来、CD化を熱望していたもの。素晴らしい音質での発売に感謝したい。演奏はまさに爆演。これまでに出た6番の最もスリリングな演奏であることを保証する。フィルハーモニアとのスタジオ録音とは雲泥の差。聴きどころは多いが、ひとつ挙げるとすれば、終楽章の第2ハンマーのあとの加速と崩れ落ちるようなカオスの表現の凄さ。この後来日したインバル/フランクフルトがこの解釈を採用していた(デンオン盤ではやっていない)がSWR盤に及ぶものではなかった。これ以降シノーポリのマーラーでこれほどのテンションの演奏を聞いていないが、80年代ならまだあるかもしれず、発掘してほしい。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/12/11
今年亡くなったリナ・ホーンの全盛期のアルバム4枚とEPを収録。BEST盤にしなかったのも賛成、いくつか出ている彼女の追悼盤としてはこれがお薦め。ライヴ盤も1枚入っているが、彼女のスケールの大きな歌とショウウーマンシップを堪能できる。ただし、何故かCD1の復刻された音がよろしくないのは残念。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/12/10
ガーディナーのカンタータ巡礼シリーズもいよいよ大詰め。終盤にきて魅力作が並ぶ。ソプラノのカンタータ55番冒頭シンフォニアがブランデンブルグ協奏曲第1番第1楽章と同一なのは驚きの発見。地味な曲だがベルクでおなじみの60番も好きな曲であり、最後のコラールをモンテヴェルディ合唱団で聴けるのも嬉しいものだ。140番は同曲最良の演奏。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/10/29
待望のミッドプライス化。このオペラが大好きなのだが、これぞという演奏に出会わない。その中では最も優れたものだと思う。1・オケ、合唱が素晴らしく美しいこと 2・ドレスデン版により、カットがないこと(バイロイトはかなりカットがある)3・歌手に穴がないこと。エリーザベトはポップにはあきらかに重すぎる役であり、彼女のよさがもうひとつ出来っていないが、それでも毅然として清純な歌唱は聞かせる。ハイティンクの指揮は抒情性に優れるが、あまりに丁寧で音楽をうねらせないので第2幕大詰めでの高揚がもうひとつ。この点はバレンボイムのほうがはるかに巧いが、バレンボイム盤はイーグレンという致命的なミスキャストがあるので、ハイティンクを上位としたい。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/10/26
バレンボイムのワーグナーとしては最上クラスの出来である。オーケストラは充分鳴り、音楽は大きくうねる。名盤なしといわれる「タンホイザー」で1幕を聞き終わった段階で、これは最高か、という期待を抱かせた。ところが2幕でイーグレンが出てくると大きな失望に変わった。どうしてこんな歌手にエリザベートを歌わせたのか。この人ひとりで名盤候補から転落。残念。
4人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/10/08
チャイコフスキーが極めてフレッシュな名演。オットとヘンゲルブロックはこの手垢にまみれた曲を洗濯し、ヴィルトゥオーゾ性よりも音楽としての魅力を引き出す。カラヤンあたりと正反対のアプローチであり、ピアノもオケもよく鳴っているにもかかわらず、常に多彩で繊細なパッセージのほうに耳が向き、飽きることがない。録音も最優秀。リストもいいが、チャイコフスキーほどの新鮮さは感じなかった。
6人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/09/29
素晴らしい全集。DGよりずっとよい。オケの響きがやや明るすぎるのが気になるが、若きバーンスタインの疾風怒濤の音楽は、鮮やかにベートーヴェンの核心を捉えている。第9だけはソリストがお粗末であかんけど、他の曲は聞きごたえ充分。コンチェルトはスターンの女々しいソロが幻滅で不要だったが、価格も安いし、録音もよく、当分ベートーヴェンの全集はこれを聞くでしょう。
6人の方が、このレビューに「共感」しています。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/09/25
1番は技巧満載の大曲だが、最後まで聞き通すのに苦労する。退屈なヴィルトーゾ曲である。4番は一気に面白くなる。構成も独創的であり、5番とともに傑作。ケイリンはテクニック、美音とも申し分ないのだが、グリュミオーに比べるとなにかが欠けている。艶のようなものだろうか。私はヴュータンの4番、5番が好きなのだが、最近のヴァイオリニストは取り上げてくれないのが残念。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/09/20
序曲しか知らないオペラだが、どうしてどうして、充実した合唱ナンバーもあり、充分楽しめた。グイの躍動感ある指揮により、なかなかの白熱した演奏になっている。主役3人も優れた出来で、オケ、合唱も健闘。音質もこの時期のイタリアライヴでは上出来であり、このオペラを知りたい人にはお薦めする。ボーナスにジェンチェルのルチアの抜粋が付いているが、この人が幻の歌姫になったのは本当に不思議だ。
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