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Cherubino_492 さんのレビュー一覧 

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     2021/03/16

    セーデルストレム(ゼーダーシュトレーム)は幅広いレパートリーを持つ人で、ベートーヴェンでは若い頃のミサ・ソレムニス(クレンペラー指揮)は名盤として名高い。まっすぐな声で踏み込んでくる、少し窮屈なくらい実直な表現でヒロイックなレオノーレだ。
    他はデ・リッターのフロレスタンを始め、突き抜けた魅力はないものの手堅い。
    ハイティンクは後年のチューリヒ(2008年)よりも切れ味が鋭く、緊張感が高い。
    ピーター・ホールの演出は今となっては古い印象を受ける(グラインドボーンではこれ位で丁度良い?)。
    画質・音質とも瑕疵はないが、さすがに時代を感じる。

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     2021/03/16

    ボータが素晴らしい。バッカス登場後の30分間は至福。
    ツェルビネッタは表現力はあるし、コロラトゥーラの切れ味も悪くない(上を見ればキリがない)。
    ティーレマンは腰の座ったもの。ベームのような機微に触れる鋭さよりも、重厚な手応えを目指している。
    後半のオペラは手前に舞台、ピアノを挟んで奥に客席、作曲家がピアノを弾く。客席の演技は面白いが、時に音楽の邪魔になる。最後は作曲家とツェルビネッタがキスをして(オペラとブッファが和解して)幕。ツェルビネッタのアリアで作曲家がピアノを弾きながらツェルビネッタに心惹かれ、プリマドンナはイライラしている演技は面白い。

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     2021/03/16

    全体的に丁寧に仕上げられた明瞭な演奏で、それは指揮者の方向性だろう。
    ゾルテス(ショルテス)の指揮は、ドビュッシーにしては線のハッキリした明確な表現。神秘性には欠けるが、繊細で明瞭、引き締まっている。
    ゼリンガーは美声を丁寧にコントロールして、儚いが弱々しくないメリザンドだ。
    インブライロは初めのうち調子が出ていなかったが、声が温まってからはペレアスの不安定な心理を良く表している。
    この作品で最も大きな表現力を求められるゴローを歌うル・テクシエが素晴らしい。ル・テクシエは日本でもゴローを歌っている(デュトワ指揮)し、何と言っても読響の聖フランチェスコが印象深い。瑞々しさと深みを持った歌がここでも聴ける。国王の格調と感情の起伏が両立している。
    ゾッフェルやシェーネなどのベテランが脇を固める。この人たちの近影が見られたのも嬉しい。
    レーンホフは青を基調としたシンプルな舞台構成で、いつも通り照明を有効に使っている。抽象化された舞台なのに物語に寄り添っている。
    映像は舞台だけでピットも映らない。アアルト設計のオペラハウスの映像も見たかった。
    映像と音声がごく僅かにズレる。

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     2021/03/14

    このオペラの登場人物は、みんな心がざわついている。機微を捉えた表現がどこまでできるかがポイントで、フレミングもハンプソンもさすがにうまい。感情のすれ違いと落とし所を心得ている。ただうまい分、実年齢50代のカップルはみずみずしさには欠ける。特にハンプソンは声に年齢を感じる場面が散見する。一方若いカップルのミュラーとベーレは若さ故のゆとりのなさと若々しい声で、こちらは収まりが良い。ドーメンのここ一番の毅然とした表現や、ベニャチコヴァの貫禄も良い。ティーレマンもしっかりとまとめている。フレミングは指揮が弱いと暴走しがち(特に歌曲)だが、ティーレマンとの共演はいつもがっしりと決まっている。

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     2021/03/14

    ボーダはみずみずしい声と感性でパルジファルらしいパルジファルだ。早世が惜しまれる。ミリングのグルネマンツが素晴らしい。この役は最近はパーぺの活躍が目覚ましいし、パーぺの明るい声と深い表現は魅力だが、やや若作りになる。ミリングは声の魅力ではパーぺに及ばないとしても老騎士の風格と鋭い表現力で踏み込んできて、別の魅力がある。コッホはアンフォルタスとクリングゾルの二役。この人は人間味溢れる役はうまいけれど、こうした癖のある役だとイマイチ吹っ切れていない。シュースターのクンドリーは大きな問題はないものの、表現に幅がないので、例えば第2幕の口づけの前後のメリハリなど不満もある。ティーレマンはいつも通り表現力旺盛、若い頃の恣意的なアゴーギクはこなれてきたが、円熟と言うには山っ気は残る。良くも悪くも手応えのある表現だ。演出はゴルゴダが再現されて、前世でキリストを嘲笑したクンドリーが「やり直し」をして救済される、と言うプロットは良いとしても、それを終盤に詰め込んだので、浄化していく音楽の背景でドタバタした感は否めない。アイデアだけではなく音楽に寄り添っていないとオペラの演出としては成功しない。

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     2021/03/14

    何と言ってもカウフマンのパルジファルが素晴らしい。パルジファルとしては質量のある声で、それだけにクンドリーの口づけの後のからの集中力は聞かせる。第3幕最後の方の「槍を持ち帰った」のところは鳥肌もの。
    パーぺのグルネマンツは当たり役で明るい声と深い表現は絶品。数あるパーぺのグルネマンツの中でも特に出来が良い。
    演出ははじめ低コスト舞台?とか失礼な事を思ったが、見終わってみると第1幕と第3幕は深遠な音楽に寄り添っていて格調高くまとまっている。第2幕は赤い水の上で繰り広げられ、それが白い衣裳を染めていくのも視覚的にも面白い。様式感重視の割にト書きを忠実に再現しているのは保守的なMETのせいか。
    ガッティはテンポは遅めながら明るく見通しが良いので重苦しくはない。清澄な表現は舞台神聖祝典劇に相応しい。

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     2021/03/14

    シャーガーは、バッグパッカー姿のパルジファル。前半の無防備な純粋さと、クンドリーの口づけの後の激昂の踏み込みの鋭さと演技力は見事。キャラの立て方の違いをしっかり歌い分けている。
    カンペのクンドリーはエキセントリック、表現にゆとりがないところもあるが、その分緊張感は高い。
    パーぺのグルネマンツは当たり役で、明るい声と深い表現はここでも見事。
    トマソンのクリングゾルは鋭く迫る。癖のある演出で損している。
    バレンボイムのテンポが意外と速い。にもかかわらず丁寧な仕上げ。人物の心理描写が克明。その分神秘性には欠けるが説得力がある。
    演出は良く言えば人間性豊かと言えない事もない。ティトレルが舞台前面ではっきり歌う演出は珍しい。第2幕は、花の乙女は子供っぽいワンピースを着て、中には人形を抱いた幼女もいて、学童保育みたい。クリングゾルはメガネにちょび髭、終始落ち着きない。幕切れはパルジファルがクリングゾルを花の乙女たちの前で刺し殺して返り血を浴びる。第3幕最後はクンドリーとアンフォルタスが激しく口づけて、それを見たグルネマンツがクンドリーを刺し殺して、アンフォルタスが崩れ落ちると言うのは意味が分からないし、第1幕で聖なる森での殺生を戒めたグルネマンツ自身の言葉とも整合しない。舞台神聖祝典劇と名付けられた作品なのに、この演出では神聖も祝典もない。
    演奏がとても素晴らしいので星は5つとした。

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     2021/03/14

    まずガランチャの伸びやかなメゾで開始、続いてクールマンの滑らかなアルトで雰囲気を作って、次のネトレプコはまさにプリマドンナ、声に存在感がある。どのポジションもムラなく輝かしい。第1幕のコンチェルターテで突き抜ける高音は圧巻。第2幕でのガランチャとの二重唱は二人とも美声で技術もあり感情の移ろい波立ちを表現した見事なものだ。ダルカンジェロの押しの強いバスは尊大な国王に相応しい。エンリーコ8世はこうでなくてはドラマにならない、説得力がある。この四人が素晴らしいので聞き応えがある。軸はネトレプコだろうが、ガランチャとダルカンジェロも完璧。メーリのパーシー卿も若々しい声が魅力だ。
    ピドは手堅いだけでなく反応良く歌手を引き立てる。
    演出は保守的なもの。背景を暗くして豪華な衣装を着た人物を浮き上がらせる。意図したものでなないだろうが映像画面としても映える。狂乱の場でエリザベス王女と思われる少女を登場させたのは、アン・ブーリンが死罪を受け入れたのは王妃として死ぬ事によって娘エリザベスの王位継承権を守るためであった事を踏まえたものだろう。現実離れした白い姿はアンの見た幻(この時点ではエリザベスはまだ幼児なので)という事だろう。

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     2021/03/14

    当時すでに要介護状態であったジョージ・ロンドンのために催された演奏会。プログラムはロンドンのレパートリーから選ばれている。
    グルベローヴァとアライサはまだ30代。瑞々しい声と映像が嬉しい。
    一方リザネクとキングは60歳目前。この二人でワルキューレ第1幕の最後の場面。これが凄い熱演。リザネクは1951年のバイロイト復活公演でジークリンデを歌ったので、この時点で30年以上この役を歌っている事になる。キングもバイロイトでジークムントを歌っていて、ベーム指揮の録音もある。この二重唱は感無量(さすがに「ノートゥンク!」は声に年齢を感じる)。
    ボーナストラックにロンドンの往年の映像も。ちょっとクセがあるが、その分印象的だ。テレビ用のカラー映像と、モノクロだが舞台映像もあって、DVDとして気の利いた編集だ。

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     2021/03/14

    ウィーンでのセッション録音。第2幕が1950年9月、第1幕と3幕が翌51年9月に録音された。
    聴く時は当然第1幕からなので、第2幕になると音のバランスが若干異なってしまう(オーケストラに比べて声が近い。音像が大きく大味。)がすぐに慣れる程度の差だ。何よりこの時期のオペラ録音としては充分に高音質だ。
    クナッパーツブッシュの指揮は意外と早めのテンポで切れ味も良い。その分いつもの大きな流れや深い呼吸感が希薄になり、喜劇なのだからこれはこれで悪くないが、クナのファンには物足りないかもしれない。それでも例えば第2幕のザックスのモノローグにおける深い陰影など持ち味は発揮している。
    歌手は声に力がある人が多く手応えがある。収録時期を考えると発声や歌い方に古さを感じるのはやむを得ない。デンヒ(ベックメッサー)の鋭い感性や、ギューデン(エーファ)の純真さは時代を超える。エーデルマン(ポーグナー)やデルモータ(ダーフィト)も少々古めかしいが美声は生きている。一方シェフラー(ザックス)は表現の奥行きは良いが発声が古臭く年寄り臭い。トレプトウ(ヴァルター)も力強いがニュアンスには欠ける。

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     2020/03/12

    編集方針に独特のところがあり、初めのうちは戸惑った。慣れというか使いこなしが必要だろう。日本語による豪華な解説書が2冊入っている。ひとつは全作品の解説で、有名曲も簡単な記載にとどまるが、有名曲ほど解説は本やネットで簡単に探せるので合理的だ。もう1冊は伝記だが、それよりは声楽曲の日本語の対訳を付けた方が良かったのでは。
    収録された演奏は、良く言えば幅広い、悪く言うと寄せ集め的なもので、例えばDisc7は8人のピアニストが入れ替わり立ち代わり登場で落ち着かない。キングス・カレッジ・ロンドンのクリフ・アイゼンが監修しているせいか、イギリス人ないし内田光子のようにイギリスで活躍しているアーティストが重用されている。そのせいもあって全体的に節度ある穏やかな演奏が多い。録音の選択については、どれを選んでも賛否はあるだろうから、無難な線にまとめたのも悪くはない。作品の網羅が目的、と割り切って接するべきだろう。個性が強すぎる演奏、例えば超レガートのカラヤンや、バーンスタインも重厚になった晩年のものは外れている。DGのBoxとして有名なMozart 111との重複も意外と少ない。演奏を楽しむなら演奏水準が高く音質も良いMozart 111の方が向いている。

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     2020/03/12

    ベルリン ・ドイツ・オペラの底力を見せた充実した内容だ。ジャッジの異国の男は張りのある美声で劇的な表現も不足ない。ヤクビアクのヘリアーネは第1幕はやや固かったが次第に情感豊かになる。最後の二重唱でイゾルデの愛の死みたいな陶酔感で高揚するのは感動的。ヴァーグナーの暴君は国王としての尊大さと男としての情けなさを両立させている。マルク・アルブレヒトは饒舌なスコアを良くまとめていて、集中力がある。尚、ヘリアーネは設定通り裸になる(ハイジーナにしているのでヘアヌードではない)。 

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     2020/03/12

    フレミングはさすがの存在感。ドニゼッティを歌うにはアジリタの切れ味に不足するが、しっとりと情感豊かな表現力で存在感がある。ルクレツィアの息子ジェンナーロを歌うファビアーノは実年齢もフレミングと親子ほどの差がある若さで力強い。声質にもうひとつ魅力が欲しい。アルフォンソのコヴァリョーフは声の輝きと押しの強い表現で聞かせる。若干音程が甘いところもある。総じて歌手は万全ではないものも水準は高い。指揮のフリッツァは見通し良い表現で気持ち良く音楽が進む。アメリカのオペラハウスなので保守的な演出だが、最後ルクレツィアが喉を掻っ切って自害したのは驚いた。DVDに関して気になる点、私の再生環境(プレーヤーからデジタル出力でDAコンバータを介してアンプに接続)ではPCMだとモノラルになる。DTSで再生したので問題なかったが、理由は分からない。

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     2020/03/12

    ディドナードのロミオもキャベルのジュリエッタも、憂いが乗った声で繊細さと伸びやかさが両立している。二重唱が重要なこのオペラで、二人の陰影に富んだ表現は聴かせどころだ。ピルグは新国立劇場のネモリーノやウェルテルで日本での人気も急上昇、ここでのテバルトも輝かしい声と端正な表現で魅了する。ルックスも良いのでクリスチャン・ラクロワの衣裳が良く似合う。指揮のフリッツァは、オーケストラからイタリアの響きを引き出すのに成功している。演出は舞台の作りも所作も様式的なもので、その範囲では美しい。リアルから離れた世界感なので、最後の捻ったまとめ方も納得できる。ただ第1幕のジュリエッタのアリアで、洗面台みたいな所によじ登って歌わせたのは歌い難かったと思う。

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     2019/05/19

    ライブならではの気迫に満ちた演奏が揃っている。音質は60年代の放送録音としては悪くないものの、優秀録音が多いNHK音源としては難がある。保存状態が悪かったのだろうか。曲によって差はあるが、全体的に音が粗い、倍音の乗りが悪い、終始音揺れ(テープレコーダのワウフラッター?)が付き纏う。この事が演奏から受ける印象にも影響を及ぼしたのか、力感優先で、繊細なニュアンスが不足気味だ。例えば第1番序奏はピッチが不安定で居心地が悪い。それでも総じて熱演が繰り広げられる。厚みのある弦が怒涛のように押し寄せ、大きな溜めを作るテーリヒェンのティンパニが決まると、セッション録音とは異なる熱い手応えがある。空回りしたように乱れてしまう箇所も僅かにあるけれど。第8番メヌエットのトリオがのんびりした表現で60年パリライブに近いがそれ以上に顕著で、70年代セッション録音とは対照的。ソナタ形式提示部の繰り返しについては、第1番第1楽章は全集録音では50年代と70年代はカット、60年代と80年代はカットしなかったのが、ここでは77年来日同様カットしている。第8番第1楽章は60年パリライブは第九の前プロのためかカットしていたが、ここでは77年来日含む他の録音同様繰り返している。そうした演奏スタイルの変遷も辿れる。一夜のプログラムをCD1枚づつに収めた編集方針は良い。

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