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たーさん さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/04

    シルヴェストリは1964年にN響に客演した際にこの「新世界から」も指揮している。わたしはテレビで視聴した記憶があるがさてどんな演奏だったか。ただその折,この指揮者にはディスク大賞をとった録音があることを知って,それを探したのだから感じ入るところがあったのだろう。実際に手に入れたのはその翌年のこと。
     第2楽章の印象的なあの部分をはじめ美しい旋律が多い曲だが,この演奏ではどの旋律もほとんど歌っていない。それがこの演奏の際立った特徴である。この,情緒を拒絶したような弾き方とやや身ぶりの大きい強弱のつけ方によって曲全体を通して強い緊張感が生まれている。異端と言えば大げさかもしれないが,通俗的な美しさから最も遠い演奏であると言えよう。だからこその,これは名演奏。
     協奏曲の方は美しく上品でこの曲を味わう上でとりたてて不足を感じることはない。ただ,どうしてこういう組み合わせになったのかが不思議。ロンドン・フィルとの第8番やヴィーン・フィルとの第7番を組み合わせるという考えはなかったのかな。(わたしはシルヴェストリの方は国内でCD化されたもので聴き,ミルシテインはLPのまま。☆は「新世界から」に対してのもの)

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     2011/07/30

    セルのベートーヴェンの交響曲はどれも純粋器楽の演奏としては間然するところがないと言っていいほどの名演。その中でも《田園》(と第4番)は格別で100点満点に対して120点というところ。速度の揺れの抑制や強弱の節度あるつけ方が曲想とほんとうにしっくりしている。先のお二方がともに触れられている《田園》の終楽章は,わたしにとってはとくに第4楽章の終わり10小節前あたりから終楽章に入って第1ヴァイオリンと同じ節を第2ヴァイオリンが1オクターヴ下げて歌いだすまでの「時間」が何とも素晴らしい(ホルンの出だしで,あれ?という感じはあるのだが)。
     第1番と《エグモント》序曲も名演。抑制や節度のせいで「んー,もう少し」と,聴く日によって思うことはあるにしても,剛毅で胸のすくような合奏を聴く楽しみはほかでは得られない。

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     2011/06/08

     LP1枚1200円の廉価盤が出ていなければこの指揮者の録音を聴くことがあったかどうか。少なくとも長きにわたって彼のベートーヴェンやブラームスに特別に注意を払い続けることはなかったに違いないと思う。 
     ここに入っている録音はLPの時代に全て入手したし,幸い,CDでも揃えることができた。
     響きの明晰さと思わせぶりなところのない直截な表現が,深刻ぶらなくてもベートーヴェンの音楽はこんなに立派なものだと教えてくれている。
     「分売」なら手に入るらしい。ぜひ一聴をお勧めしたい。どの1曲からでも。
     レビューを書かれた方がみなさん最高点をつけられているのを知って参入させていただいた次第。なお,「モントゥー」の表記について吉田秀和氏は「モントゥ」と書かれている(氏は仏文科の出)。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/30

     ブルックナーと,ベートヴェンの7番(この日はブラームスの1番と)は実際に聴くことができた。当然CDも買った。ブルックナーはLDも。演奏は文句なし。マタチッチという人は「芸風」という言葉が似合う最後の指揮者ではなかったか。
     最近CDプレイヤーを新しくしたので,「買う」に心が傾いてきている。

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     2011/05/29

     1966年1月10日にこの録音のLPを買って以来45年以上のつきあいになる。20種を超えるこの曲の録音も含めてそこそこの枚数のLPやCDを持っているが,この演奏はそれら全体のなかでも最も頻繁に取り出して聴くもののひとつになっている。また,N響との2回の協演でいずれもベートーヴェンを聴けたことも幸せな体験だった。
     ということもあって,シェリングのこの演奏はわたしにとって「ベートーヴェンのヴァイオりン協奏曲」の規準のような位置にある。まず,一音一音を忽せにしていない(他のどの演奏を聴いてもわずかながら弾き飛ばしているようなところが必ずといっていいほどある)。シュミット=イッセルシュテットの指揮がまたそういう姿勢である。それと芯のある美音。それらがこの曲のもつ気品と風格を余すところなく表現している。「ロマンス」も情緒に溺れてない抒情がいかにも味わい深い。
     なお,音質としては「ロマンス」が入っていない24bit盤の方がより好ましく思えたが本盤はどうなっているのだろう。手元にあるのは24bit盤が出る前のもので本盤の“前身“らしいが。

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     2011/05/28

     あれはわたしにとっても「夢のような」演奏会だった。ヴィーン・フィルがいるところに「本当に」ベームが姿を現したのだ。
     聴いたのは初日でベートーヴェンの4番と7番,それと《青きドナウ》。レコードで聴いていたようにシャキッとしてはいなかったが聴き進むうちに体の芯から熱が湧いてくるような演奏で,FM放送から録ったテープ,LP,そしてCDと繰り返し聴いてもこの印象は変わらない。
     映像は見たいようなそれほどでもないような。77年の再訪の時は相当近くで見ていてあの好々爺然とした姿は眼の奥に残っているしなあ。
     ささやかながら,痛恨事一つ。「君が代」をやる時に起立してしまったことだ。周りの空気に押されたとは言え自分の信条を守る気概がなかった。後にショルティが来た時は「星条旗」の時だけにしたがやってみれば別にどうということもなかった。
     ついでに。この時はムーティも同行していてそれも聴いたのだが,本編はどれも退屈させられた。ところがアンコールで「運命の力」を始めたとたんNHKホールの空気が一変し,わたしの背中では電気が走った。こんなこともあると知った。これもまた懐かしい。

     

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     2011/05/23

     わたしが所有している盤はやはりアラウがピアノを受け持ったベートーヴェンの三重協奏曲と組み合わさっている。アラウが亡くなった91年に発売されたもの。つい先日N響の定期公演でこの曲を聴いたが,詩情ある表現を目指したかに思えたものの何だか落ち着かない演奏だった。そういえば,と思い出してこの盤を取り出してみた次第。
     第1楽章が他と比べるとかなり遅い弾き方なのがまず強く印象づけられる。これには独特の味わいがあって,静謐そのものと言える第2楽章,さらに時に威厳を感じさせる第3楽章と通して聴いていくと,この曲が華麗一辺倒でもないことがわかる。腕の立つピアニストが技巧を超えたところで成した表現で,まさに別格と言うにふさわしい演奏。
     ヴァイオリン協奏曲は聴いていないので星の数はピアノ協奏曲についてのもの。

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     2011/05/14

    ムーティがヴィーン芸術週間でダ・ポンテ脚本のオペラを複数年にわたって上演した時期の最初の年の公演(最終は2001年の《フィガロ》,いずれもアン・デア・ヴィーン劇場)。わたしは ムーティがヴィーンでモーツァルトのオペラをやることに惹かれて切符の手配もつかないまま出かけて行ったのだが,96年6月26日の公演をみてドラベッラを歌ったキルヒシュラーガーにすっかり参ってしまった。それもあって指揮者もさることながら,次はツェッリーナをやる,今度はケルビーノだと出かけたものだ。後にCSでの放映を録画したものをみても,声がいい・姿がいい・演技がいいと三拍子そろっている!フリットリもなかなかいい。
     映像で気づいたのは,ドン・アルフォンゾ役のコルベッリのこと。“わたしもまんざら大根役者ではなさそうだ”という独白があるがそれを地で行っていると思えた。デスピーナ(バチェッリ)ともども,特にこのオペラでは歌っていない時の演技もよくないと。
     わたしがみた日にORFのテレビカメラは入っていたが,98・99年の《ドン・ジョヴァンニ》は収録されなかったのかな。

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     2011/05/11

     バーンスタインの,ニューヨーク・フィルとの録音はモーツァルトの「音楽」との,いわば格闘の跡という趣きがある。たとえば低弦のあつかい。時には控えて下支えする,といったことはなくて常に他の楽器群と同等に音楽を担っている。旋律の歌わせ方も気を抜かないのは当然としても,ほとんど隅々まで力も抜かないので聴くほうも緊張の持続を強いられるようでいたたまれないところがある。のちのヴィーン・フィルとの録音では,楽団の「モーツァルトはこうやるんだ」という意思のせいか程のよい緩みが感じられ居心地よく聴けるのとは対照的である。
     異形の,と言ってもいいだろう。好んで取り出して聴くほどではないが,LPで持っていたこれらの録音がCD化されていると知って入手したのは,かけがえのない演奏だからということだ。

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     2011/05/10

     何とも形容しがたい不思議な感銘を受ける《英雄》だ。冒頭2つの乾いた打撃音に続く主題呈示がざざざざと細波を立てた後は第4楽章最後の和音に至るまで,これといった思い入れを感じさせない進行で,強弱の幅もそれほどではない。重厚とか壮大とかでなく,要するに身振りの小さい演奏。それでいて「確かにいい音楽を聴いた」という思いが心の奥から静かに湧き上がってくる。
     シベリウスは,ほかにバルビローリのを聴いたことがあるぐらい。それで何が言えよう。

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     2011/05/06

     詩情と風格を兼ね備えたとはこういう演奏を言うのだろう。これまでいろいろと興味に駆られて何種類かの録音に接してそれぞれ感心するところはあったし,これからもあるに違いないのだが,バックハウスの演奏から得る感銘は格別のものだ。シュミット=イッセルシュテットの指揮ぶりがまたいい。丁寧で過度に陥らない表情づけがこの指揮者の身上だったのだろう。
     「鍵盤の獅子王」という渾名について属啓成氏や吉田秀和氏が否定的な見解を述べられていることも紹介したい。その尻馬に乗るにしてもそれなりに能力はいると思うが,これら一連の録音を聴いてのこととしては,わたしはそういうふうには思えないでいる。荒ぶれたところがないのは老熟のせいだったかもしれないが。
     わたしは1977年に出た3枚組のLPで所有しているが,実に驚くべきことに,このような名盤がいま,DECCAから販売されていないという。ああ。
     

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     2011/05/04

    この演奏の特徴の一つは何一つ力みかえるところがないのにベートーヴェンの音楽のもつ力強さを表現していることだろう。現代の楽器による小編成の管弦楽で弦のヴィブラートをなくした結果,艶の消えた響きが管楽器とうまく棲み分けてもいる。わたしはたっぷりした音色の演奏も好きだから,様ざまな様式の演奏を分別しては聴かない。この演奏もまたベートーヴェンを聴く楽しみ・喜びを得たいという期待に十二分に応えてくれた。
     ところで,この指揮者・楽団によるベートーヴェンはほかに交響曲が第5番から第8番まで,さらに5つのピアノ協奏曲が録音されている。これらはドイツ国内でだけ販売されているようだ。交響曲は機会があって手に入れることができたがどれもいい演奏だ(とくに《田園》)。なんとか日本でも販売可能にならないものか。
     つけたし。七海耀(何とお読みするのかしら)氏の演奏様式についてのお説には合点が行かぬ。バッハやモーツァルトでは問題なくてベートーヴェンではどうも,とはどういうことなのだろうか。微妙にヴィブラートがかかっているという木管楽器についての指摘もそれこそ微妙で,よほど耳をそばだててみてもそれとわかるということがなかった。ティンパニの音は桴先がそういう硬さだということだろう。また爆発的な強音がないのは小編成のためということもさることながら,それがこの指揮者のやり方らしい。少なくとも録音のせいではなさそうである。

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     2011/04/28

     はじめにこの楽団の名前のこと。オランダ語でKoninklijk Concertgeouworkrstと綴る楽団は強いて直訳すれば「王立コンセルトヘボウ管弦楽団」となるだろう。因みにこの名称になったのは1988年のことで,創立100年を祝ってのことらしい。この6枚組のCDが英語で Concertgebouw Orchestra と表記しているのは録音時期に照らせば正確だということになる。
     Royal Concertgebouw Orchestra とは今日の正式名称からの部分英訳で楽団自身の訳でもあるようだが,日本語でも「ロイヤル・コンセルトヘボウ」となるのはどうにも解せない。「英語」に対する無意識な卑屈さの表れとみたら穿ち過ぎかもしれないが「ロイヤル」というコトバに痺れたがるせいかな。言語も文化の一つと考えると些か情けない話ではある。閑話休題。
     K.550とK.551の組み合わせで廉価盤が出た時に「この値段なら」と買ったら,これが驚くべき名演だった。総じて遅めの運びだが音楽が「だれる」ことはない。それどころか前者にみられる緊張の持続や,後者の表情の豊かさなどはこの「程よい遅さ」もあってのことかと思う。
     このCDが出たことは知っていたが,どうしようかと迷っているうちに安くなっているのに気づいたので飛びついた。
     届いてまず聴いたのはK.543,ついでK.425,それからK.134...。「中間報告」的に記せばこれは少なくとも「買い得」である。平板な言い方だが聴いた曲はどれ見事な演奏である。たとえば「リンツ」や「パリ」(これらは“遅め”ではない)では時おり見受けるぶっきらぼうな感じの弾き方・吹き方が実に洒落た味わいとなっているし,K.201の軽やかさは,たとえばバーンスタインのそこここに熾熱が籠ったような表現と好対照である。
     クリップスといえば,ヴィーン・フィルとの「驚愕」と「未完成」を収めたLPが
    忘れられない名盤であり,モーツァルトなら「ドン・ジョヴァンニ」というそれこそ「超」がつく名演がある。それらを聴いていながら交響曲集がLPで出たときにさほどのこととは思わなかったのはなぜだろう。鈍かったというわけだ。



     

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     2011/04/09

     わたしはこの名匠とヴィーン・フィルのベートーヴェンをLPの時代にすべて手に入れていた。その中で第4番は三つ目の録音としての登場だったと記憶する。そしてこの第4番は,わたしの聴き方ではシュミット=イッセルシュテットのベートーヴェン演奏としても,また数あるこの曲の録音のなかでも白眉のものだ。
     沈潜した序奏から最後のきりりとした結末までの全曲を貫く緊張感が格別である。ヴィーン・フィルもまたここでは完璧と言えるほど指揮者につき従っているとみた。
     

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     2011/04/09

    LPで最初に出た時は総譜が付いていて,それを「読む」などとは程遠いもののとりわけ第3楽章の旋律線の美しさには耳ではもちろん眼でもうっとりさせられた。
    1枚に収録されているので,その途中で盤を反す必要があったが,それもまあ一種の儀式みたいなものでさほど気にならなかった。
     録音は,客席の最前列中央で聴いているような趣きと言えるだろう。そういう音づくりがされているという感じがある。たとえば終楽章の「行進曲風に」の冒頭でのコントラファゴットの響きとか独唱者の「競演」的な聴こえかた,それに第1楽章でのフルートの飛び出すような強奏など。
     演奏のこと。シュミット=イッセルシュテットはヴィーン・フィルと録音だけでの共演だったと思われるが,この誇り高い楽団をちゃんと「指揮している」ことは彼が主として指揮していたハンブルクでの「第9」を参照するよく分かる。整然とした運び,時に見せる高揚,軽い陶酔などはどちらからも聴こえてくる彼独特のものだ。歌手たちについて言えば,男声は何れもこの曲が求めている質に適っている思う。これに対し女声ふたりは高貴には縁遠いが滑らかな歌い回しはなかなかのもの。またアルトの存在感の確かさには驚かされた。これと矛盾するようだが表現上ではこの女声が脇役に回っている感じが最終の四重唱ではうまくいっている。
     この演奏がCD化されたときの期待の一つは第3楽章を通しで聴くことだった。実は2枚組のLPが出た時もその期待があって買ったのだが1枚ものの時の盤の切れ目にあたるところで音が途切れていた。そんなふうだと今度はそこが気になる。CDも国内盤・輸入盤と2度買ったがやはり同じ。ということは元もとの録音がそうなっているということか。現行のCDはどうなのだろう。どなたか教えて下さいませんか。

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