対談:アチコ×木下理樹(ART-SCHOOL)
Tuesday, October 21st 2008
そんな2人がそれぞれの新作を聞きながら語り合う今回の対談。KAREN の事はもちろん、お互いの表現者としての視点や感覚の違い、バンド観などを語って頂いています。アチコさんの脳内世界が溢れ出すトークに「なんか頭がぼんやりとしてきた」という木下氏の名言も飛び出しつつ、お菓子をつまみながらの六本木の夜は静かに更けていくのでした...
※10月17日から全6回に渡って更新予定(18日、19日は更新お休み)
聞き手&写真:小森/堀田(HMV ONLINE)
「地獄のようでしたよ(笑)、思い返せば。」
木下:KARENってほとんどねぇ、言葉交わさないんで(笑)。
アチコ:うふふふ(笑)。そう!わたしも一生懸命(ことばを)交わそうとしてるんですけどね。
木下:うん、みんな話さないから。ずっとセッションしてるって感じだから。昨日もずーっとセッションしてて、僕は途中で眠りそうに(笑)。あはは。
HMV:えー!それART-SCHOOLの場合はどうなんですか?
木下ART-SCHOOLはね、寝させてくれないピリピリ感(笑)。
アチコ:あぁ。
木下:何だろう、痛み・・・苦痛(笑)?リハの段階から痛みを伴っているので。ただ、それはそれで良いあり方っていうか、それがあるから振り切れてる部分があると思うんですけどね。
アチコ:わたしはKARENの時はみんな男の子だし、言葉も少ないし、何か勝手に不思議なものを受け取ってしまって、変な緊張はしてますよ。「この長い時間、みんな何を想って音を出しているんだろう。」とか。みんなとか自分のマイペースっぷりに顔がこういう感じ(と言いながら目を点に)になって行って・・・。そういう飽和状態の時はやっぱりおしゃべりしなきゃなーと思って。だから昨日も秋山さんと飲みに行ったんだけど(笑)。
木下あはは。
アチコ:でも昨日はねぇ、わたしのKARENっていうバンド生活の中ではわりと小さな記念日になりうる日だったんですよ。
木下:何で?
アチコ:うん、なんていうか一つ明るく分かった感覚があって。
木下:あぁ、一つ壁を越えたんだ。
アチコ:うん「サラダ記念日」くらいの日だった(笑)。
木下:「KAREN記念日」だ(笑)。
アチコ:そうそう(笑)。でもさ、木下君はバンドをずーっとやってて、新しい驚きとかみんなとの響き合いとか、そういうのをたくさん経験してきてるんだよね?
木下:そうですねぇ。やっぱ「痛み」に強くなりましたよね。
HMV:それって、バンドっていう集合体を前に進めていく時の「痛み」なんですか?それとももっと曲作りとか、作品を生み出す部分での「痛み」なんですか?
木下:最近はバンドをやっていくこととかは割と自由になったんですよね。だからそういう部分ではわりと楽しいっていうか。ただその分、曲作りの面で痛みを伴うっていう。ヒリヒリとしてますよ。ただ、その中からダンサブルな曲も出てきたりするんで、何が良い悪いとかじゃないんですけど、精神状態は常に不安定ですよね。「はぁ・・・」っていう(笑)。ただ、バンドを運営したりやっていくことに関しては楽しくやってますよ。 HMV:その「痛み」って例えば具体的にどういう場面で出てくるんですか?
木下:結構ART-SCHOOLも頑固な人が多いし、それは尊敬することなんだけど、やっぱりその頑固さに腹を立ててる(笑)。だけど僕はそこで自分を殺す術を覚えたから(笑)。
アチコ:あはは(笑)。
木下:常に(自分を)殺してはいるんですけど。
HMV:いやでもそれがまたクリエイティブな方向に向かうんですよね?
木下:そうです。そこでちょっと殺伐とした感じの曲が生まれたりするし。
アチコでも頑固とマイペースは紙一重でしょ?
木下:うーん、でもマイペースと頑固ってのはちょっと違うからね。ムカっとしたりはしますよ(笑)!
アチコ:じゃあ今回の作品に関しては、自分の想いをバンドの中で共有できたの?
木下:いや、共有までは出来てないと思う。今回は「個人的なものにしたいから」ってメンバーにはっきり言ったから。今までは自分の持ってきた曲に対してバンドのアプローチが(イメージと)ちょっと違っても「それがグルーヴ」って思ってたんですけど、今回はもっと新鮮さとか熱を出したかったから「やらせてくれ!」って。ただ、それがなかなか仕上がらなくて辛かったですね。でもそのぶん手ごたえのあるものが出来たので良かったなって思ってますけどね。
アチコ:じゃぁ、それは伝えていく作業の連続だったってこと?
木下:うん。だけど実際は伝えても伝わらない部分ってあるじゃない?
アチコ:うん。
木下:それがね、一番辛かった。地獄のようでしたよ(笑)、思い返せば。でも今はほっとしてますけど。
HMV:そのせめぎ合いっていうのは音楽をやり続けていく以上常について回ることですよね。きっと。
木下:そうですね。そりゃ全部一人でやればストレスはないんでしょうけど、やっぱりバンドでやっていきたいっていうのがありますから。だからそこで色んな音楽をやりたいじゃないですか?やっぱり。そこの部分で今回は色々と苦労しましたよ。
>>>次回につ・づ・く!
最新インタビュー
|
ジャパニーズポップス ロック&ポップス ダンス&ソウル ジャズ/ワールド/イージーリスニング TV & 映画
|
|
|
|
|
|
|
|
|




