Keyco インタビュー

2008年8月28日 (木)

 

KEYCO インタビュー

text : HOSAKA & HORITA(HMV)


ずっと伝えて行きたい
歌い継いで行きたい
そんな楽曲を選んだつもりです。



--- まずは、アーティスト10周年「Keyco 1999-2007 -Best Songs Collaboration Works」リリースされましたが、ベストアルバムをリリースした率直な気持ち、その想いを教えてもらえますか?

KEYCO  まずは “10年間、あっという間だったなぁ…” というカンジですね。ても濃い10年だったようにも思います。途中出産育児もありましたから、尚更ですね。今回のベスト盤は2枚組で、内1枚がコラボレーション・ワーク集になっているんですが、CDをかける度に“本当にいろいろやってきたんだんだなぁ…”と、しみじみしてしまいます。

--- 懐かしいなぁ…と思ったり?

KEYCO  そうですね。懐かしいのもあるんですけど、素晴らしい人たちとの出逢いに恵まれて来たんだなぁ・・・その積み重ねで今があるんだなぁ・・・と感じます。

--- 10周年の重みを感じたことはあります?

KEYCO  デビュー以来変わらず私の音楽に、夢について来てくれたファンの人たち、スタッフの人たち、家族に、“10年もの間ずっと応援してきてくれて有り難う!これからも頑張ります!”という気持ちでいっぱいですね。いろいろある中、10年間唄い続けてこられたのも、皆さんの応援あってのことですからね。
実は来年から子供が小学校に上がるんです。子供が小さいうちはどうしても育児に時間を割く必要があって、思うように活動が進められなくて・・・悩んだ時期もありました。その分、来年くらいから加速気味に行きたいですね。ずっと待ってくれていたファンの方々の応援も頂き、気持ち新たに頑張りたいなと思っています。

--- なるほど。では、ベスト盤から間髪要れずに『Acoustic Soul』リリースということですが。この時期にこの企画盤をリリースするきっかけがあったら教えてもらえませんか?

KEYCO  そもそもベスト盤の企画の前に、ライブの多い夏に向け、一枚アルバムを創ろうという話があったんです。内容は唄もの回帰というか、メロディアスな唄がしっかり聴こえてくるようなものにしたいな、と。で、カバーはどうだろう?と。トータル的なアレンジの方向性はアコースティックで心地良いもので・・・。 というのも、この数年やっている私のライブセットが、フルバンドセットとアコースティックセットの2パターンあるんですけど、アコースティックならではの歌のアプローチというか、より豊かに繊細に私の声を表現できるアコースティックライブの評判が思った以上に良かったんですね。なのでそういうものを作品にできたらなぁっていうのがあって。これから始動しますという意味でのベスト盤に、夏に向けてのアコースティックアルバム。これからまた始まります!ってカンジで勢い良く2枚続きました(笑)。

--- 収録曲についてなんですが、「手の鳴る方へ」のみが新曲ということですが。

KEYCO  2年前に『Fuuri』というエレクトロニカ・ユニットのアルバムを出してはいるんですが、オリジナル・フルアルバムをリリースしてからは実に4年が経っているんですよね。最後のリリースが一段落した頃、それじゃあ、この次のアルバムはどんなカンジにしようか・・・と、いろいろ計画が始まって。そして新しいやり方としてひとまず曲を創ってみて、できたらその都度ライブで披露していって、お客さんが喜んでくれる楽曲をリストアップして、最終的にリリースしようということになったわけです。ライブの原点ですよね。それこそ60-70年代とかの。その中の1曲がこの「手の鳴る方へ」で。この曲はかれこれ3年くらい唄っている曲なんですけどね。毎度ライブで演っているし、それじゃあひとつ・・・みたいな。

--- 「手の鳴る方へ」が出来た当時のアレンジは?

KEYCO  アレンジは全然違いますね。元々はレゲエの7inchレコードのトラックで唄っていたものなんですが、それをバンドで色々とアレンジを試しながら演っていましたね。ダンスホールみたいなアレンジで演ったこともあったし、ヒップホップの16ビーツでも演ってみたし、ファンクにしてみたり。で、今回はそれらを踏まえて今まで演ったことのないフレッシュなアレンジを、鼓響のTEA君(Keycoバンドのリーダー)が考えてくれたんです。だからこの曲を知っている人は多いかもしれないけれど、このアレンジでのこの曲は今回が初めて。そういった部分も楽しんでもらえたら嬉しいです。

--- さらに、自らの過去の楽曲で、「a love song」「前に」という2曲をリアレンジしてこの作品に収録していますが、この理由は?

KEYCO  ライブを前提に創っていましたから、今でも良く唄っているものであって、今回の大きなテーマでもある”子供にも届くような普遍的なメッセージがある曲”を選びました。私の子供もアコースティックソウルを聴いて唄ってくれるんですよ。どれもコンシャスなメッセージの楽曲なんで、いずれ歌詞を深く理解できるようになったら、もっと良いんじゃないかなぁと思います。ずっと伝えて行きたい、歌い継いで行きたい、そんな楽曲を選んだつもりです。

--- Keycoさんのオリジナル新曲、リアレンジ曲、特にカバー曲になんですが、普遍的な「愛」というものが感じられる曲をセレクトされてますよね?

KEYCO  そうですね。カバーしたのはどれも昔から大好きな曲で、まさに普遍的な「愛」を感じる曲でした。男女の恋愛うんぬんでは無くって、もっと人間的な大きな愛。時代を越えて今だに歌い継がれているメッセージ、これからも残って行くであろうメッセージですよね。

--- やはりお子さんが生まれてからのライフスタイルの変化というのが、Keycoさんの音楽に影響を与えている部分というのが大きいんですかね?

KEYCO  きっとそうだと思います。子供に費やす時間というのが増えましたからね。毎日ホントあっという間に終わってしまう!一人のときには想像できなかった忙しさです。。。でもそれによって余計なことで悩むような、どうにもならない事を考えてる時間が随分無くなりました。いっぱいいっぱいの日々に追い込まれながらアップアップしている自分がいて、でもそれによって強くなって行く自分を感じる。自分の事を前より認めてあげられるようになった気がしています。今の私の方がよりシンプルで等身大なんじゃないのかな。

--- で、今回の作品は家の中にいる時のような等身大の自分を表現できたと。

KEYCO  そうですね。今回のアー写も自分の家の中で撮ってますしね.....。以前の私は、“こういう風に見えて欲しいな”とか、“こういう風に見せたいな”とか他人にどう見られているかが凄く気になっていたんですけど、そういうのが次第に消えて行っているカンジがしています。出産を機に少しは大人になれたのかな(笑)?まあ、とにかく、家にいなければいけない時間が増えたので、その中で聴きたいなと思うサウンドを表現したかったですね。リラックスして昼時に家で聴けるような。そういう意味で「部屋聴き」アルバムですよね。

 


続く…

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【NEWS】

 Keyco、絶品カヴァーアルバム!

 



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 Keyco CD Acoustic Soul

01 手の鳴る方へ
02 A Love Song
03 カントリー・ロード
04 上を向いて歩こう
05 前に
06 People Get Ready
07 花