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HMVインタビュー: Terry Lee Brown Jr.

Friday, August 29th 2008

無題ドキュメント
Terry Lee Brown Jr.

Terry Lee Brown Jr. インタビュー


「ほとんどのトラックはとてもディープでスペイシーであり、尚且つ力強い様々なグルーブを持っています。」


--- 今回のHMVのこのインタビューは、あなたにとって初めての日本のインタビューになりますが、簡単な自己紹介をお願いできますか?    

Terry Lee Brown Jr. 私の本名はノーマン・フェラーで、36年前にドイツで生まれました。最初のDJとしての活動は80年代の終わりに様々なパーティーでプレイした時でした。私の初めてのプロデュースとレコーディングは93年にインフリューエンス・レコーディングスと云うレーベルで行いました。その頃の私のサウンドはどちらかと云うとレイブ系のハードトランスでした。その後の1996年にテリー・リー・ブラウン・ジュニアと云う名前に変えたんです。当時の私はドイツのレイブ・シーンに心底疲れていて、ハウス・ミュージックをプロデュースして行くことを決心しました。それ以来このテリー・リー・ブラウン・ジュニア(T.L.B.Jr)が私のメイン・プロジェクトで、それ以外に私のダウンテンポのプロジェクトをノー・エル(Nor Elle)と云う名義でモール・リスニング・パールス(Mole Listenning Pearls)と云うレーベルでプロデュースしています。

--- 「ソフトパック」に関してですが、どのように始まったのでしょうか?アルバムのコンセプトやインスピレーションはどのような物だったのでしょうか?    

Terry Lee Brown Jr.  去年、私は新しいスタジオをフランクフルト近くの私のホームタウンに作ったんです。「ソフトパック」はそのスタジオでの一番最初のプロジェクトで、とても楽しみな作業でした。毎日が私に新しいインスピレーションを湧き起こし、良い経験だろうが悪い経験だろうが全く関係ようでした。ほとんどの場合私は自分の音楽を自分の体内から作り出していて、良い流れを捕まえる事が良いプロダクションを作る重要な要素になっています。そのような中で「ソフトパック」は一番最後に全ての曲が完成した時に浮かび上がってきた名前なんです。

--- 「ソフトパック」とは何でしょうか?何か特別な物を指している言葉なのでしょうか?    

Terry Lee Brown Jr.  今言ったように「ソフトパック」は本当に全てのプロダクションが完成した時に浮かび上がってきた言葉なんです。私にとっては短くてやさしい言葉がとても大切なのです。なので「ソフトパック」は私の覚えやすいアルバムの名前なんです。アートワークにもそれが反映されているかと思います。そしてほとんどのトラックはとてもディープでスペイシーであり、尚且つ力強い様々なグルーブを持っています。

--- あなたのアルバムの中にはとても日本的なところがあると思うのですが、それは意図して作られたものなのですか?それとも偶然出てきたものなのでしょうか?    

Terry Lee Brown Jr.  それは僕が意図した事ではないのですが、そう言ってもらえるのは私にとっては最高な褒め言葉です!私は日本の情景をとても好きですし尊敬しています。

--- あなたのアルバムはフロアーで踊れるだけではなくて、家で聴く事も出来る音楽だと思うのですが、最初からそのような意図で作られたのでしょうか?    

Terry Lee Brown Jr.  私は最初から様々な場所を想定して自分の音楽を作りました。私にとっては様々な場所にいる人たちに届く音楽を作る事はとても重要な事なんです。それはクラブでも通用して、リビング・ルームでも聴けて、車の中でも、バーベキュー・パーティーでも流せるような音楽であり、そう云った意味では私は自分の音楽にとても満足しています。

--- 「ソフトパック」を製作中に何かエピソードがありましたら教えて下さい。    

Terry Lee Brown Jr.  このアルバムでは私はいろいろな人たちと仕事をしました。そしてそれはとても素晴らしい経験にもなりました。ロバート・マノスと一緒に作った「ウェイト」はテリー・リー・ブラウン・ジュニアとしての初めてのボーカル・トラックで、そのボーカル・セッションの部分の録音はスエーデンのストックホルムから来たジェスパー・ダルバック(ジョン・ダルバックの兄弟)が行ってくれました。私の友人のタイムライターと作った「エブリーデー」はいつも通りの素晴らしいディ−プなセッションになったし、最初の曲の「へディック」は私の兄弟のグレッグ・パーカーと共同で作りました。彼はプラステックシティでの2作目の作品をリリースしたところで、彼の今後の活動にとても期待しています。

--- あなたのプラステック・シティのアルバムは今後日本で発売されていきますが、日本のマーケットに関してどう思っていますか?    

Terry Lee Brown Jr.  過去10年間に渡り私は世界中の様々な国々を旅してきましたが、でもアジアだけは行った事がないんです。なのでいつも行きたいと思っていて、その希望は日本からスタートしたいと願っているんです。私は日本人の精神が大好きです。またテレビ等を通して見る日本の景色は私にとって強い印象を与えてくれます。なのでそれらを実際に見る事が出来る日が来るのが待ちきれません!

--- あなたの日本のテクノとハウス・ミュージックに関する印象はどうですか?また誰か日本のアーティストで共感を覚えるアーティストはいますか?    

Terry Lee Brown Jr.  サトシ・フミは優秀なテックハウスのプロデューサーだと思います。彼はいつも私に彼の最高な曲を送ってくれているんです。また彼のトラックを僕のセットの中でプレイするのは私の喜びでもあります。ヒロシ・ワタナベも優秀なミュージシャンでありプロデューサーですね。彼の素晴らしいプロダクション「ピース・オブ・ランドスケープ」を聴く時は僕の眼が自然と潤んでしまいます。        

--- その他、あなたが共感を覚えるアーティストは誰になりますか?    

Terry Lee Brown Jr.  いくつか名前を挙げると、クラフトワーク、モーリッツ・ボン・オズワルド&マーク・エルネスト(リズム&サウンド、モーリシオ、べーシック・チャンネル。。)、デビッド・アルバラド、ロコ・ダイス、ブルー・マー・テン、クレイグ・アームストロング、エニオ・モリコーネ、ジャン・ミッシェル・ジャルー、ヴァンゲリス、ピンクフロイド。。。。        

--- この質問は皆さんにしているのですが、音楽がデジタル化する事に関してあなたはどう思っていますか?    

Terry Lee Brown Jr.  これは単に次の時代の始まりだと思っています。過去に私たちはテープと云うメディアを失っています。そして今となってはバイナル・レコードがアナログ・サウンドの媒体としては一番古いパイオニアのひとつになっていますが、市場では大きな問題を抱えています。でもこれらは通常の技術の発展の過程であり、その進展を止める事は誰にも出来ないと思います。僕の大きな希望としては人々やお客さんが現実に気がついて、音楽が単なるハードディスクのコレクションのおもちゃではないと云う事に気付いてくれる事なんです。アートワーク(ジャケットと詳しい詳細)を手に取って何が起こっているかを「見て」欲しい。そうやって音楽を感じて欲しいんです。そうでないと音楽は名前の無い「物」になってしまい、その実体が消えてしまうと思うんです。       

--- あなたの今後の予定を教えて頂けますか?    

Terry Lee Brown Jr.  私の最新の「テリーズ・カフェ#11」は4週間前に発売されていて、8月の終わりには「ノー・エル」名義の次のアルバムを完成させます。そして「ソフトパック」からの2枚目のシングルも発売されました。これは「ウェイト」の様々な違ったリミックスのコンピレーションで、2008年の8月末にリリースされる予定です。       

--- 最後にこのHMVのウェブサイトを見ている日本の人たちに何かメッセージを頂けますか?    

Terry Lee Brown Jr.  私は祈りを捧げるタイプの人間ではありませんが、私に興味を持って頂いた事に深く感謝します。       

--- インタビューをありがとうございました。    

Terry Lee Brown Jr.  こちらこそどうもありがとうございました。私にとって光栄なことでした!        

協力:Sofa King Records、DIS
(このインタビューは2008年8月上旬に行われました)

Terry Lee Brown Jr. プロフィール
89年ハウスを主体としたプロジェクトTERRY LEE BROWN JUNIORをスタートさせて以来、現在に至るまでの看板アーティストとして活 躍。 96年に発表された彼のデビュー・アルバム『Brother for Real』はテックハウスの金字塔となり、ジャングル、トランスやイージーリスニングの礎に もなった。
今回、国内独占ライセンス・シリーズ第1弾としてリリースされた「ソフトパック」国内盤は、日本向けに未発表曲を入れテリー自身が新たにミックスしたスペシャル・アルバム!シカゴ・ハウスのオリジネーターMarshall jeffersonに「神!」とまで言わしめた、まさしく大人のテクノともいうべき洗練された彼のミックスセンスを是非ご体験あれ!!

Terry Lee Brown Jr. リリース作品はこちら!

Sofa King Records
<HEART HOUSE><PLASTIC CITY>などドイツの名門テクノ/ハウスレーベルを多数運営する<DARED MUSIC>の支援を受けスタートした、<SOFA KING RECORDS> (ソファー・キング・レコード)。本拠地を東京とし、毎月洗練された最新のジャーマン・テクノ/ハウスミュージックを今後日本に紹介してゆく。 踊ることもでき、そしてソファーに座ってゆっくり聴く事もできる大人のためのダンス・ミュージックが、レーベル・コンセプト。ドイツ、イギリス、アメリカ、 そして日本を結ぶネットワークがここに誕生!

Sofa King Records

Plastic City Records
1990年代初頭から現在までドイツのテクノ/テックハウスシーンを牽引し続ける名門レーベル。ドイツを本拠地にアメリカ、イギリスに巨大なネットワークを 持ち、Terry Lee Brown Jr、The Stryke、The Timewriter、David Alvarado、J-Axel、ATOMなどのアーティスト達が数多くのダンス・ミュージックを世に送 り出してきた。そして日本でも<SOFA KING RECORDS>を介して遂に活動をスタートさせる!!!

Plastic City



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