Dweleオフィシャル・インタビュー!

2008年7月22日 (火)

無題ドキュメント
dwele
 Dwele オフィシャル・インタビュー
Telephone Interview Session with Dwele
Date: Thursday, July 10th , 2008
Conducted by: Yumi “Dzmama” Parks
「今作は絶対にJ Dillaに捧げたいと思ってたから」

Y  今回はRT Music Groupからのリリースで、KOCHからの配給となりますが、Virginをドロップした経緯や、マネージャーとレーベルを立ち上げることとなったキッカケについて教えてください。

D  現時点ではそうするのが最良だと思ったんだ。Virgin Recordsとはアルバム2枚の契約だったんだけど、その2枚を完成した今、メジャーよりもインディペンデントのレーベルで勝負する傾向が強くなってきてる現在の業界の状態を考慮して、そう決めたんだ。実際にオレたちもそういう方向を狙ってたから、そこにKOCHから契約のオファーがあって、その内容を確認して、満足できる内容だったからそういう方向に進んでいったんだ。

Y また、Ron Eとのパートナーシップは、いつから続いているのですか?

D  実際にはTim Maynor(Timothy Maynor)に最初に会ったんだと思う。で、TimにRonを紹介されたんだ。で、彼らが確か99年にオレの最初のアルバム(の権利)を購入したんだ。

Y  ではパートナーシップはかれこれもうすぐ10年になるんですね。

D  そうなんだ。

Y  以前のインタヴューで1stには3年の歳月をかけた、と語ってましたが、実際に前作から3年ぶりとなる本作は1stと同じくらいじっくり練り上げられた印象を持ちました。自身ではどんな部分に最も気を使いましたか?

D   今回新譜を作るにあたって、とにかく音楽的に、様々なオーディエンスに楽しんでもらえるような内容にしようと試みたんだ。今回はそれが実現できたと思うし。さっきも言ったけど、今回のアルバムはヒップホップよりなサウンドで、それがまさしく今オレが置かれてる状況なんだ。それから今作は絶対にJ(Dilla)に捧げたいと思ってたから、そういう内容に仕上げられたと思うよ。

Y  丁度その部分も後ほど伺おうと思ってたんですが、Bobby Caldwellの「Open Your Eyes」をあなたが歌うのは2度目だと思うのですが、今回はJ Dillaが制作したCommon「The Light」へのオマージュのように受け取れました。実際にそうなのですか?また、故人である彼と話した中で一番印象的だった一言を、教えてください。

D  この業界に入る前からJを尊敬してたんだ。彼は色んな功績をあげてたし、色んな人たちと交流を持ってたしね。彼の言葉よりも、彼自身の存在、それからデトロイトという市に与えた彼の影響がオレをインスパイアしたんだと思う。彼の死後も彼は引き続きオレをインスパイアし続けてくれるんだ。というのも、彼がこの世を去ったとき、彼は本当に素晴しい人間だったし、明るい未来は訪れるんだって気持ちにさせてくれたからね。もし将来に何か残したいと思うのなら時間を惜しむことなく良い作品を今作らなきゃならないって気持ちにさせてくれたんだ。そんな風に彼はデトロイトに住むオレたちみんなを励まし続けてくれてるんだと思うよ。

Y  前作からの3年間に制作、機材環境など、何か大きな変化はありましたか?

D   特に大きな変化はなかったと思うよ・・・今実際にスタジオ環境を見まわしてみたけど、プロツールをアップデートしたくらいかな。それ以外は大きな変化はないよ。

Y  プロツールはどれを今使ってるんですか?

D  7.0を今は使ってるんだ。

Y  また、楽曲制作のプロセスはいつもどのような流れなのですか?

D  いつもツアーで旅してる時とかにキーボードでメロディーやコードパターンやプログレッションを作っていって、その後にヴォーカルのフローを作っていって、その後にドラムをのせて、ピアノをのせて、その後にベースラインをいれていって、その後にリリックをのせていく作業をするんだ。

Y  あなたは最初からコンセプトを決めてアルバム制作に取りかかるタイプではなく、アルバムのために選んだ曲をもとに物語をつむぎだし、アルバムに沿ったストーリーラインを組み立てていくタイプだと聞きましたが、これまでの3枚とも同様の手法で作ったのですか?

D  そうだね。『Some Kinda』はそういった手法をとってると思うし、今回の作品もそういう風に作っていったと思う。今回のアルバムはまるで1つの絵を書きあげていくような作業だった。アルバムをほぼ完成して、楽曲を順に並べて聴いてみた後にまた部分的に未完成な部分が見つかったから、その部分を埋めるような楽曲を追加していったんだ。でも恐らく(アルバムに沿ったストーリーラインを組み立てる手法は)ファーストとセカンドアルバムの方が使ってたと思う。

Y  前2作と今作の手法に多少変化があったようですがその理由は?

D  今作ではストーリーラインよりもサウンド面にフォーカスしたんだ。ソニックな部分で完全な作品を作りたいって気持ちが強かったからね。サウンド的に誰もがエンジョイできるようなものを作りたいって思ってたんだ。

Y  また、今回のゲスト・アーティストについてコメントして下さい。今回は、弟Antwonは参加してないのですか?

D  今回は一緒にやってないんだ(笑)。彼はまだ大学在籍中でヴァージニア(州)にいたからね、大学最後の年で、彼自身も忙しくしてたんだ。スケジュール的に今回は一緒に仕事ができなかったけど、また一緒にやることになるよ。時々オレと一緒にツアーにもついてきてるし、ライヴではホーンも吹いてくれるしね。

Y  では今回のアルバムでゲストとして参加したアーティストたちについて教えていただけますか?

D  Slum Villageとまた今回は「Brandi」っていう曲で一緒に仕事できたんだ。それからオレのバックグラウンド・シンガーのJ Tait、Lloyd Wayne と一緒に「If You Want To」という曲をやった。J Taitはまだこのゲームに入って間もないから、すごくエキサイトしてるんだ。彼のそういう興奮した顔を見れるのは嬉しいよ。彼はすごく良い声を持ってるからね、世の中に彼の声を届けてあげたいって思ったし、Lloydに関しても同じことが言えるよ。彼はこの業界でかなり長いことやってきたからね、彼の才能をこのアルバムで披露してあげたいって思ったんだ。いつだってそういう若いアーティストたちに機会を与えてあげたいって思ってるんだ。

Y  『Sketches of a Man』というタイトルに込められた想いは、アルバムを聴き進めていくにつれて詳らかになりますが、このコンセプトはどんな時に思いついたものなのでしょうか?

D  『Sketches of A Man』というアルバムはオレがどんな人間かを表している楽曲をつなぎ合わせた(コラボレーション)ような作品なんだ。オレ自身のスケッチを合わせたみたいなもので、それがタイトルのコンセプトで、それと同時に、いつも描いているスケッチやペイントといったアートワークを世の中に披露したいと思ってたんだけど、このアルバムを通じてそういうチャンスを得ることが出来たんだ。

Y アートワークのあちこちにあるイラストは素晴しい作品だと思います。相当“絵心”があると思うのですが。

D  有難う!!(笑)

Y  自分では得意だと思ってますか?また、今までに描いた中での1番の傑作だと思うものは?

D  今まで描いた作品にも満足してるものもあるし、それは今回のアルバムには載せなかったんだけどね。でも初めて描いた絵を今回のアルバムに掲載できたんだ。自分自身のシルエットを描いたものなんだけど、一番最初の作品で、まだ色を使うのが怖かった頃のものなんだ。でも完成した作品には満足していて、それからまた色々描いていったから、次第に色も使えるようになってったんだけど。あれは最初の作品だから自分にとっても特別の意味を持つものなんだよ。

Y  では今まで描いたもので最高傑作と呼べる作品はまだ披露してないということですね。

D   そうなんだ。まだ取っといてあるんだ(笑)。

Y  どんな作品なんですか?

D  いくつかあるんだけど、絵画は2〜3枚あって、1つはセルフポートレートで、当時あまり身の回りに題材がなかったから、自分の写真を基に描いた作品なんだ。もう1つは女性の友人が家に遊びに来た時に、70年代っぽいポーズをとってくれてそれを描いてみたものなんだ。レトロ感がある作品なんだよ。





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