GOTYEインタビュー

2008年6月25日 (水)

 

GOTYE インタビュー
     Pic by Junko Yoda

texst : Takehiko Hosaka (HMV)



どこのレコードレーベルも僕の音楽に興味を持ってくれなかったけれど、
自分で動いてね。
それが可能になったのも、
みんなのサポートがあったからこそであってね。
だからこそ僕はここでこうしていられると思うよ。



--- 改めて、アルバムタイトル、『Like Drawing Blood』の意味するところを教えてもらえませんか?

GOTYE 今回のアルバムを制作するにあたって、とても困難なプロセスを踏まなければいけなかったというのがまずあってね。一時、作り溜めた音素材のデータを失くしてしまったりして…。そういう困難があったりして、何度も何度も壁にぶち当たって止めたいと思ったことがあって…。
  でもそれと同時に、このアルバムと平行して、アートワークが完成に近づいていて。そのアートワークというのが、壁に血をぶちまけたようなものになっているんだけど、それが、困難な道を通りつつ、自分の生きる血を注いだアルバムだ! というこのアルバムとリンクするなと思って。そこで、『Like Drawing Blood(血を流すように)』というタイトルがふさわしいなと思って付けたんだよね。

--- しかし、「Hearts a Mess」のビデオはアートとしても完成されている感もあり。あなたにとって、PVやアルバム・ジャケットのアートワークなどは音楽表現していく上で必要不可欠のものなのでしょうか?

GOTYE そうだね。アートワークに関しては、なるべくこだわって行きたいね。面白いアートを作っている人とか、インスピレーションを沸かせてくれる人と仕事をやりたいと思っているし。さらに、自分がアイデアを出した後にそれをまた新たなものにしてくれる人を求めているし。今までほとんど、PVなどに関しては、お互いにアイデアを出しながら作ってきているから、理想を言えば、PVのアートディレクターには、素晴らしいアイデアを持っている人と仕事をして実現して面白いことを生み出せる人じゃないとね。
  アートディレクターによっては物凄い才能を持っているにもかかわらず、その実現力がないという人もいて。でも、僕に関しては、関わったアートディレクターはみな素晴らしい人に恵まれていて。感謝しているよ。

--- そのような才能溢れるアートディレクターの逸材は、オーストラリアに多いんでしょうか?

GOTYE そうだね。今までオーストラリアのディレクターとしか仕事をしていないんで、多いんじゃないかな。

--- あなたのことを“新世代のベック”だとメディアが言っているということは、新たな音楽を生み出したアーティストであると皆思っているからこそだと思うんです。例えば、同郷のアヴァランチーズもうそうだと思うんですが、ある一定の時期を置いて、新たな才能が溢れ出す環境がオーストラリアにはあるんじゃないかと思うんです。アートもそうですが、特に音楽において何故そういう先進的な音楽がオーストラリアから生まれてくると思いますか?

GOTYE そうだね。君の言うとおり、ここ10年くらいでオーストラリアからも面白い音楽が生まれ出るようになったと思うよ。もともと、オーストラリアという土壌自体、閉鎖的というか。シーンや文化的なところに関して閉じこもりがちな部分があったんだけど、少しずつその辺りも拓けてきていて。その要因って言うのは3つあってね。
  まずはインターネットの普及だよね。あとは、シドニーとかメルボルンという都市が国際的になってきているという部分。最後は、そういう都市にあるインディーズなどのラジオステーションが先進的かつ面白い音楽をどんどんオンエアするようになってきたというのがあるんだよね。そういうものとかが色々相互作用して、今までオーストラリアでは浸透しなかった、ダンスミュージックや、ヒップホップや、エレクトロニカが浸透してきて、今までのオーストラリアにあった古い音楽と、新しい音楽が上手い具合に融合されているのが今なのかなと。だからそういった面白い音楽が生まれてきているんじゃないかなと。

--- そのようなリアルタイムのバックグラウンドがあってこそ、GOTYEの音楽が生まれたといっても過言ではないですね? 特にラジオ局の影響力が強いんですかね?

GOTYE そうだね。特に、“TRIPL R”、“FBI”、“TRIPLE J”という3つのラジオ局があるんだけど、それらの影響力は強いね。インディー系のコミュニティラジオ局なんだけど、こういったラジオ局がすごく僕の音楽を支持してくれてね。まあ、オーストラリアにもメジャーなラジオ局もあるんだけど、そういうところでは僕のような音楽を流してくれないだろうしね。今後もそうだろうしね(笑)。
  でもインディーなラジオ局があって、それを聴くリスナーがいて、そのような人達が僕の音楽をここまでサポートしてくれたんだと思うんだ。僕もリスナーのうちの1人だったし。それに、どこのレコードレーベルも僕の音楽に興味を持ってくれなかったけれど、自分で動いてね。それが可能になったのも、みんなのサポートがあったからこそであってね。だからこそ僕はここでこうしていられると思うよ。

--- それこそ、“宅録”というような手法で音楽を作り始めたものが、気づいたらここ島国、日本にまであなたの音楽が届くようになったということですが、ここまで自分の音楽が広がると思っていましたか? それとも、このように世界的にあなたの音楽が広がって行くということは、もしかしたらあなたの夢であったのでしょうか?

GOTYE 確かに世界的に僕の音楽を認めてもらえるということは僕の夢であったかもしれないね。まあそれよりも、僕の夢としては誰よりも先進的で新しい音楽を作って行きたいと思っているから。それを作るに当たって、その音楽が十分な人達に伝わって、それに対しての自分の生活が出来るくらいの収入があってという。それが成り立てばいいと思っていたんだけどね。確かに、今こういう形に大きくなって拡大していっているから、まさに夢が叶ったといっても過言ではないのかもしれないね。

--- 以前、日本に住んでいらっしゃったということですが、日本のアーティストで好きなアーティストがいたら教えてもらえますか?

GOTYE YMOかな。あとはコーネリアスだね。オーサカ・モノレールも好きだし。喜多郎も。まあ、これからもっとインディーズ、日本のインディーズのアーティストも聴いて調べて行きたいと思っているよ。

--- 既に今年のフジロックフェスティバルへの出演が決まっているのですが。出演するに当たっての意気込みがあったら教えてもらえますか?

GOTYE フジロックはまだまだ先だよね。夏だよね。それまで、僕は、色々な国を回って、GOTYEというものを表現していかなければならなくて。まずはこの後、UKに行って、その後ベルギーに行って、そのあとアメリカに行ってね。またその後、オーストラリアに戻ってラップトップを使って音を創る作業もあって。その後にフジロックだから。まだまだ先だけど、それまで楽しみにしているよ!

--- こちらこそ、フジロックにてライブを観れることを楽しみにしています! それでは最後にHMV ONLINEのみなさまに一言お願いします!

 

GOTYEからの、HMV ONLINEの皆さんへ生音声メッセージ!

 


終わり

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GOTYE『Like Drawing Blood』

 CD  
Like Drawing Blood


1 Liek Drawing Blood
2 Only Way
3 Hearts AMess
4 Coming Back
5 Thanks For Your Time
6 Learnalilgivinanlovin
7 Puzzle with A Piece Missing
8 Distinctive Sound
9 Sever Hours with A Backseat Driver
10 Night Drive
11 Worn Out Blues
12 Distinctive Sound(Bonus Track)