9th Wonder & Buckshotインタビュー

--- 2人の出会いのきっかけとコラボレーション・アルバムを作ろうと思った理由を教えてください。

Buckshot　　確か2005年だったと思うけど、DJ Evil DeeとBlack Moonのメンバー達が9th Wonderが最近のお気に入りのプロデューサーだってことをDuck Downのボス、Dru Haに伝えたんだ。そしたら彼がすぐに9th WonderとLittle Brotherとのレコーディングを組んでくれて、その翌週にはオレとSean Price、Smif N Wessunでノース・キャロライナに飛んでたんだ。オレ自身はその時まだSean Priceのソロの戦略とかに追われていてあまり興味なかったんだけど、実際に9th Wonderの音を聴いた時、オレと彼を繋ぐようななにかスペシャルなモノを感じたんだ。結局オレはそのまま2週間ノース・キャロライナに滞在してあの『Chemistry』を作り上げたってわけさ。

9th Wonder　　オレはもともとBuckshotやBlack Moon、それにBoot Camp Clikのファンだったし、彼らの音楽を聴いて育ってきたから彼らとのジョイントはまさに夢がかなった感じだったね。しかもまさか自分のスタジオでそれが実現するなんてね。

--- 再びジョイントしようと思ったのはどうしてですか？

9th Wonder　　オレ達の最初のレコーディングがすごくスムースにいったからこの2作目への流れはごく自然に起こったものなんだ。オレ達も最初からそれを予感していたし、なによりも1ショットのグループにしたくはなかった。Buckshotは一緒に仕事をするうえで誰よりも好きなアーティストなんだ。

Buckshot　　最初のタイトルが『Chemistry』(化学反応)、そして今回の続編が『Formula』（公式）って今のオレ達にパーフェクトなタイトルだと思うんだ。9th Wonderとオレは本当に気持ちよく仕事ができるし、それが作品にも反映されてる。自分自身を更にアゲていく事が出来るんだよ。

--- 『Formula』を制作するという発表があってから実際にリリースされるまで結構時間が空きましたよね？どうしてですか？

Buckshot　　今回の作品については完成度も上げたかったし、プロモーションとかも完璧に仕込みたかったからリリース時期を延ばしたんだ。Charlie Murphyとの「Go All Out」、Talib Kweliとの「Hold It Down」、それに「Formula」の3-Dアニメと、もう3曲のビデオ・クリップも出来上がってるんだ。「Go All Out」はもうラジオのローテーションにも乗ってるしね。

--- 『Formula』のコンセプトと『Chemistry』との違いを教えてください。続編として考えてよいですか？

9th Wonder　　『Formula』はオレにとって更に大きなプロジェクトって感じだ。二人の個性がよりミックスされてるし、単なる続編ってわけじゃないよ。BuckshotやDuck Down ファミリ−とのパートナーシップもより確固たるものになってきたと思うし、むしろこれがスタートって感じだな。それにオレ達もう次のアルバム制作も始めてるんだぜ。

--- お2人の場合、どちらがリーダーシップを取って作品を作りあげるのですか？制作過程も教えてください。

Buckshot　　9th Wonderは仕事をするうえで本当に最高のパートナーなんだ。100のビートを差し出してきて、そこから好きなビートを選ばせるような仕事は絶対にしない。必ず一緒にスタジオに入って彼が提案する一つのビートについてお互い徹底的に意見を交わしながら作品を作り上げていくんだ。オレも彼の判断を信頼してるし最終的には必ず満足のいく作品に仕上げてくれる。『Chemistry』も『Formula』も完成するまでに1ヵ月もかからなかったんだぜ。

9th Wonder　　オレはいつもBuckshotには最高のビートを用意しておくんだ。彼はリリックをデリバリーする事やフックを作ること、それにボーカルやハーモニーを作る事にかけては本当に天才だよ。それにオレ達の周りにあるトピックをストーリーにして伝えていくことにも凄く長けてるよ。