キリンジ インタビュー

Wednesday, March 26th 2008

無題ドキュメント
キリンジ インタビュー

inteview : KIRINJI(堀込泰行、 堀込高樹)
text : komori &hosaka(HMV)


  Archive (更新の予定)
※更新日はあくまでも予定ですので、変更の場合があります。御理解の程を。
2008-03-19
2008-03-26
2008-03-19


インタビュー【後編】

今は、“音像が美しければいい音楽なんだ”とか、
“リズムがかっこいいだけでもいい音楽なんだ”
っていう風に思えるんですけど、
当時は、曲がダメだったら全部ダメ、
みたいに偏ってた部分はあると思いますね。



--- 今回のアルバムでは幾つかの曲に共同プロデュース名義で森俊之さんがクレジットされてますが、森さんのどういった部分に惹かれて一緒に作業されたんですか?

堀込高樹(以下、高樹) 森さんは『DODECAGON』の時に、上モノのアレンジを色々やって頂いて。もともと弦楽器とか管楽器を勉強されてた方で、なおかつダンスミュージックとかヒップホップみたいな今の音楽にも興味があるし、ご自身もなんか人力トランスみたいなバンドをやられているんですね。
  古い音楽にも詳しくて、あたらしい音楽にも興味があるっていう人だったら、自分達が求めているような、“メロディアスで70'sっぽい曲なんだけれども、今っぽい感じで流したい”っていう要求に応えてもらえるんじゃないかと思ってお願いしました。プレイヤーとしても格好いいし。「Ladybird」とかね。

堀込泰行(以下、泰行) うん。そうだよね。

高樹 良かったよね。やっぱり人間的にもまぁ…アバウトなところがあって(笑)。
  わりと僕らは根詰めてやってしまいがちなんだけれど、そこを、“こんな感じでいいんじゃないの?”みたいにスムーズに進めてくれて良かったですね。

--- 具体的に曲の中で、森さんのテイストによって、“ここが変わった!”っていう部分を挙げていただくとすると如何でしょう?

高樹 “この弦のアレンジがすごい特徴的だ!”とかそういう感じとはまた違って、第三者の客観的な耳の部分という意味で大きかったんですよね。キャリアもある方だから、“これは要るよ“、“これは要らないよ”っていうことを瞬時に判断してくれて。

泰行 あとは、デモテープの良い部分はわりとそのまま残したがるんですよね。例えば「Ladybird」のトラックにブレスが入ってるんですけど、そういうのはデモのまんまだし。他にもいくつかデモから残ってるトラックがあるんです。
  だから、そういう、“良かったらそのまま使おうよ!”っていう発想が、以前のキリンジだったら全部録り直してたかも知れないけど、“あぁそうじゃなくても良いんだ”っていう発想をさせてくれたことが大きかったです。
  結果的に僕らもリラックスしてレコーディングできましたし。

--- ちなみに、一つお聞きしたかったんですけど、キリンジの場合はスタジオの作業とかセッションに起因してアレンジとかメロディーとかを変える事ってあるんですか?

高樹 基本的には無いよね。

泰行 そうですね。やっぱりやることを決めてスタジオに入ってミュージシャンに来てもらうんで。基本的には無いんですが、たまに僕らが予想しているところと違う場所で、ドラムのフィルインが入ってきたり…。

高樹 楠均さん…。

泰行 そう。楠さんね(笑)。レコーディングのとき、最初は、“あれ?”って思うようなフィルインを入れてくるんだけど、後からアレンジを考えていくときに、そのフィルインを活かして面白いものに広がっていったりとか。そういうのがあるからいいよね?

高樹 うん。それと、楠さんは、“さっきのテイクこの辺で、こういう風に叩いててそれが面白かったけど”って僕が言うと、“次のテイクではやらない!”とかね(笑)。

泰行 あるね(笑)。

高樹 希望としては、もうちょっと毎回一定のパターンでやって欲しい…みたいなのはあるけども(笑)。

泰行 あははははは。まあ気ままな方がいいからね。

高樹 でもやっぱり歌心が凄くある方なので、最近はついつい楠さんにお願いする事が多いんですよね。

--- それではアルバムの話はこの辺にして、メジャーデビュー10周年ということで、この10年、楽曲のテーマという部分に関して、ご自身達で振り返ってみてどういう変化を感じますか?

高樹 うーん…。変わってるような変わっていないような……。
  確かに、“昔のような、ああいう曲はもう作らないの?”って言われることがあるんですけど、“今はもうそういうものは作らない”みたいなのは無いですね。
  アレンジメントの感じは変わるけれども、それ以外の部分じゃ昔とそんなに変わってない気がするんですけどね。

泰行 うん。よりシンプルな言葉で描こうとしてるっていうのはありますよね。だから、そういった変化くらいしかもしかしたらしてないのかもしれないです。“曲”っていう部分でいうと。

--- では、逆にリスナーとしての嗜好、音楽(シーン)に対する興味の移り変わりという部分ではどうですか?

泰行 やっぱり10年やってると幅が出てきますね。

高樹 10年前はリアルタイムのものは聴いてなかったですね。旧譜ばっかり聴いていて。
  でも『3』とか『FINE』とかのあたりだと思うんですけど、その辺からだんだんリアルタイムの音楽が面白くなってきて。ブラックミュージックとか、フィラデルフィアっぽいサウンドとか、ヨーロッパでいうとZERO7とかAIR(エール)とか。生楽器っぽいんだけどなんか違う処理がしてあるっていうサウンドの人達。そういう面白い人達が出てきて、“ああ、なんか面白いなぁ”と。
  あと、リアルタイムの音楽を聴くようになったのは、いわゆる音響派とかあの辺の音楽が出てきてから変わったのかもしれないですね。生演奏と音響的な部分でちょっと変わっているというところに興味が出てきて。
  僕はあれ以降、リアルタイムの音楽の聴き方が変わったっていう気がしますね。

--- そのデビュー当時にリアルタイムの音楽を聴かなかったというのは、あえて聴かなかったんですか?それとも音楽スタイルとして同調できるものが無かったということですか?

泰行 “あえて”っていうのは無かった気がします。単純な好みだったり、耳の向かうところだったりで、いま以上に曲ありきっていう部分で聴いてました。
  今は、“音像が美しければいい音楽なんだ”とか、“リズムがかっこいいだけでもいい音楽なんだ”っていう風に思えるんですけど、当時は、曲がダメだったら全部ダメみたいに偏ってた部分はあると思いますね。
  ただ、そういう時期に自分たちの曲作りというのは鍛えられたところがあると思うので、それは良かったと思ってます。
  最近になってあの当時は全く自分が反応できなかったものに対して興味を持てるようになってきたっていうのは良い事だなって思いますね。

--- では最後に、ミュージシャンとしてお互いを見たときに、この10年で変わったなーと感じる部分ってありますか?

泰行 うーん。そうですね。もちろん10年で少しずつ変わってきているところと、変わらないところっていうのはありますよね。
  兄の場合だと、歌詞が以前よりシンプルな言葉になってきているとか、より具体的な状況を描くようになってたりしてますよね。
  あとはやっぱりある程度の時間を経て、最初の頃はものによっては多少難解だったっ曲もあったかもしれませんけど、そういうものを作ってきたから今の形があるんだろという事は思います。

高樹 うん。泰行はボーカルスタイルが変わりましたね。

泰行 そうかもね。

高樹 昔は、ボーカルの線が細かったりしてたと思うんですけど、今は、歌手っぽいっていったらアレですけど歌に表情があるし…。
  うん…。いいんじゃないですか(笑)。

泰行 ははははは(笑)。


終わり…

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キリンジ / 7-seven-

 CD  7-seven-

 Profile

堀込泰行(Vo/Gt)
堀込高樹(Gt/Vo)

1996年に実の兄弟である堀込泰行(Vo/Gt)、堀込高樹(Gt/Vo)により結成。幅広い音楽要素とスウィートなメロディーを日本語のポップスとして高く昇華させた楽曲でリスナーの支持を得る。また、そのユニークな歌詞世界やサウンドプロダクションの緻密さから同業ミュージシャンにも彼らをリスペクトする声は絶えない。

 


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