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『ジプシー・キャラバン』 ジャスミン・デラル監督インタビュー

Thursday, January 24th 2008

「ジプシー・キャラバン」 ジャスミン・デラル監督 インタビュー
     
「ジプシー・キャラバン」
ジャスミン・デラル監督 インタビュー
 
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「ジプシー・キャラバン」
2008年1月12日より、渋谷シネ・アミューズにて公開中!
他、全国順次ロードショー!

 

 


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第1回
「差別はどうして起きるのか」
 
 
--- ジプシーに関する、ある一冊の本に巡り逢い、それが、10年に渡るロマの映画作りに踏み出せることになったとありますが、その本のタイトルと作者を教えて頂けますか?

ジャスミン・デラル(以下、ジャスミン)  「The Gypsies」という本よ。作家は、オランダ系アメリカ人の、Jan yoorsという方。ちょうどその本を読み終わったのが、私がインドからアメリカに帰る飛行機の中だったの。その時に、インドから始まったロマ族の旅路というものと、私の旅が重なって感じられて。彼らが長い年月をかけて旅をしたということが、私により強い印象を残したんだと思うわ。

 
 
   
   
--- それまでは、ロマの方たちとは、接点はなかったんですか?

ジャスミン  最初の映画「AMERICAN GYPSY」を撮るまでは、私の周りには全く、ロマの方はいなかった。ただ私は小さい時から、インドに住んでいる期間が長かったので、インドから始まったロマ族という人たち、そして、インドに1度も住んだことがないけれど、祖先がインド人という方は、私の周りにはいたわ。
 インドを知らない方のインドへの先入観は、汚くて、泥棒だらけの国。あとは、「マハラジャ」的なイメージかしら、ロマンティックな、夢の世界のようにお話されるの。インドを表現する、ニ極的な感想ね。それは、ジプシーへの先入観と、ぴったり同じで、彼らに対しても本当に、ニ極化した評価があるの。
 だから、インドを知らない人が、インドに対してのイメージが二極化するように、ジプシーに関しても、二極化したイメージを持つというところから、彼らにますます、興味を持つようになったの。

 
   
   
「ジプシー・キャラバン」 ジャスミン・デラル監督 インタビュー  
   
   
--- 「The Gypsies」という本と出逢う前は、監督自身、ジプシーに対して、どんな思いを持たれていましたか?そして、本と出逢った後では、どんな気持ちの変化があったのでしょうか?

ジャスミン  ロマンティックな方のイメージだと思うわ(笑)。子供の頃ね、手遊びの時に歌う歌の歌詞に、「悪い女の子だと、ジプシーがさらいに来るよ」とか「森に行って、ジプシーと遊んだらいけません」って歌詞があったの。子供だったから、「宿題はないし、学校も行かなくていいし、いつも遊んでいられるんだから、こんなにたのしいことってないわ!」って、子供心に思っていたのね。
  それはまさに、ステレオタイプ的な先入観を持った考え方だったんだけど。でもね、そんな風に思われる人たちっていうのは、「本当は、どういう人たちなんだろう?」って、逆にすごく興味を惹かれたの。

--- 「インドとジプシーへの先入観は、二極化している」と先ほどありましたが、インドでも、彼らに対する差別はありますか?

ジャスミン  あらゆる文化と歴史を持った国で、差別がない国はないと思うわ。人種差別的な問題は、今日生じた問題ではない。インドはみなさんご存知の通り、カースト制というはっきりとした、差別される階級制度があるでしょ?でもね、階級という意味では、クラス、上流階級と過疎階級みたいなものが、アメリカやイギリスなどにも存在する。日本にもきっと、あると思うわ。だから、ジプシーに限らず、インドにもあるし、どこにでもある問題だと思うの。
  ロマの祖先となる人たちは、インドから出発したと言われているから、そこを出た時彼らは、深い色の肌をしているし、顔つきも言葉も違うから、彼らが差別を受けたことは、容易に想像がつくの。だからね、そういう民族の違いによるところからも、差別は始まっていたと思うわ。

--- ジプシーへの迫害の現実が未だに残っていると思いますが、この映画を撮った後に、その影響力というのは感じていますか?

ジャスミン  実際に、「変わって欲しい」と、心から願ってやまないわ。私自身、この映画は、政治的では全くないと思っているし、政治的意図もないの。人によっては、「映画は絶対に、政治的なメッセージを込めなければいけない」と思われる方もいるし、逆に、そういうものを一切、受け付けない方もいる。いろいろな考えがある中で、私にとっての人種の問題に対する問題提起は、政治的な映画じゃなくても、出来ると思っているの。
 「差別は、どうして起きるのか」ということを考えた時に、それは、人間の無知から生じると思ったのね。この映画を作った最も大きな理由はね、「人々が目を開いて、真実を見て欲しい」と思ったからなの。だから彼らは、ジプシーである以前に、一人の人間なのよ。私やあなたと同じ、一人の人間だという、その事実に気付いてもらいたい。ニコライさんはジプシーである以前に、一人の人間。私の祖父や祖母と同じように、そういう祖先を持って生きてきた人。
 完成したこの映画をね、いろいろな場所で観て頂いている時に、あるアメリカ大使の方が私に、こうお話してくれたの。「実は毎年、人々の人種に対する偏見をなくすために、アメリカ政府は、莫大な費用をかけて、啓蒙活動をしています。ですが、この映画を一本観ただけで、そんなことをしなくてもいいんだと、とても深く心を打つものがありました。そして、私自身の中にもまだ、偏見があったということを気付かされました」って。その時に私ね、その言葉で報われたというか、すごく心に響いて、映画を作ったご褒美を頂いた気がしたわ。

 
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