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デヴィッド・T・ウォーカー インタビュー

2007年12月27日 (木)


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 その「歌うような」フレーズで数多の名曲をアシストしてきた、世界一の「ソウルフル」ギタリスト
  デヴィッド・T・ウォーカー  スペシャル・インタビュー  1/2
 

Wouter Hamel

 

 「What's Going On」、「Lovin' You」、「Never Can Say Goodbye」...60年代から、ソウル、ジャズ、AOR、ロック、ポップスなどの数え切れないほどの名曲を、一聴してそれと分かる、甘くてメロウなトーン、流麗なオブリガードでアシストしてきた、世界一ソウルフルなギタリスト、デヴィッド・T・ウォーカー。

2007年5月の初単独名義来日公演の興奮と感動が冷めやらぬまま実現した、12月16日からの待望の再来日公演。

70年代Odeレーベルのリーダー作に続き、80年代Alfa Moonでの3作品、さらには90年代の江戸屋レコードからの3部作が、2007年、歓喜の紙ジャケ・リイシュー、ということで、このチャンスを逃すわけにはいかない!と、HMVがインタビューを行って参りました!

連日のステージと取材で、お疲れであるにも関わらず、終始、その温かい眼差しをそらすことなく、ひとつひとつ丁寧に、我々の質問に答えてくれました。
くぅ〜、デヴィッドさん、貴方はどこまでメロウなお人なんだ!


(テキスト構成:





David T Walker 『Live In Tokyo At Cotton Club』David T Walker / Live In Tokyo At Cotton Club



曲目: The Real T. / Plum Happy / Recipe / Lovin' You / Ahimsa / Going Up / The Sidewalk Today / What's Going On / Walk This Way / An-Noor / Didn't I (Blow Your Mind This Time) / I Can See Clearly Now / Soul Food Cafe / Walk On By


 

-5月に続く来日となるわけですが、日本の印象はどうですか?

「世界の中でも、日本は特に好きな国だよ」

-(前回、今回の公演となった)東京、大阪、名古屋、横浜以外で訪れたりしたところは?

「宮崎、鹿児島、札幌・・・日本中どの土地も好きだよ。京都や奈良も、たくさんの観光客が訪れる素敵な都市だと思うよ」

-大仏やお寺などもご覧になったのですか?

「神社やお寺に行くのが好きで、そういう文化にとっても興味を持っているんだ」


-では、そういったところから曲のインスピレーションが沸くこともあるのですね?

「うん、その通りだね。」

-たしか、最初に日本に来られたのが1967年だったと思うのですが、その当時のことは覚えていらっしゃいますか?

「うん、覚えているよ。(日本は)現在とは全く違う感じだったよ。あまり高層ビルなんかもなかったし。君たちが生まれる前のことだからね(笑)。お城の地下で食事ができるようなところへ行ったのを覚えているよ。とても楽しかったし、良い思い出になっているよ。勿論、私もとても若かったんだけど(笑)」

-日本のDreams Come Trueと共演(『Sing Or Die』、「7月7日、晴れ」、『And I Love You』、吉田美和のソロ『Beauty and Harmony』など)していますが、そもそも知り合ったきっかけは何だったのでしょうか?

「95年が最初の出会いだったよ。私はロスに住んでいたのだけれど、録音はN.Y.で行われたんだ。その当時は、彼らのことは知らなかったんだけど(笑)。彼らが、60年代〜70年代の私の作品のファンだったということで、依頼が来たんだ。私は、そういった新しいヒト達との出会いがとても好きなので、依頼を受けて、そのままN.Y.に向かったんだ。すぐに、良い友達になれたよ。彼らの、音楽的な才能にも敬意を表しているよ。その時以来、Dreams Come Trueや、吉田美和のソロ・プロジェクトに参加したり、ツアーも一緒に回ったりしているんだ」

-今回、『...From My Heart』、『Dream Catcher』、『Beloved』といった90年代の3部作が再発されましたね。

David T Walker

「これらの作品にはどれも、私にとっても興味深く、すごく良い思い出が詰まっているんだ。まず『Dream Catcher』は、母がアメリカ・インディアンの血を引いていたということもあって、これは、アメリカ・インディアンのシンボルなんだよ。『From My Heart』は、その名の通り、自分の心の底から感じたことや思ったことについての作品だね。」

-『From My Heart』から、使用ギターを、ギブソン・バードランドからArtex(アーテックス)社のオリジナル・モデルに持ち替えていますよね?

「バードランドは、その時ですでに25年近く使っていて、色々なところが古くなってきていたんだ。勿論、まだ持ってはいるけど、演奏はしていないよ。(アーテックス社製のギターは)長い時間はかかったけど、良いものにめぐり合えた感じだよ。とても”しっくり”きたんだ」

-『Beloved』は、Burt Bacharach集となるわけですが、やはりバカラックの作品があなたに与えた影響は大きいのでしょうか?
 

Burt Bacharachのレコードを聴くと、やはり昔から共感できる部分がすごくあったんだ。このタイトルを付けた理由としては、アラビア語やヘブライ語で『Beloved』というのが、私の名前「David」と訳されるところからも来ているんだ。ダウードとか、ダヴィードと発音されるのだけれど、「愛される」(=「To Be Loved」)という意味を持つ言葉なんだ。つまり、Burt Bacharachの作品を通して、愛について多くを語ったアルバムというわけだね」


...From My Heart   Dream Catcher   Beloved
   左から:江戸屋レコード3部作『...From My Heart』('93)、『Dream Catcher』('94)、『Beloved』('95)

-同じく今年、『Y-Ence』、『With A Smile』、『Ahimsa』といった80年代の作品も再発されました。これらは全て、David T. & Warm Heartというバンド名義の作品になっていますよね?

「私の友人でもある、プロデューサーのニール・オダが、「デヴィッドは、温かい心を持っているんだから、それをそのままバンド名にしたらどうだい?」と、提案してくれたんだ。」

『Y-Ence』というアルバム名に関しては、バリで書いたのだけれど、何かビルや建物などを「建設する」「作る」ということに使うコトバなんだ。ビジネスなどにも通じるコトバだよ。」

『Ahimsa』は、サンスクリット語で、私自身が生きていく上で最も信じているコトバでもある「Non Violence」=「非暴力」を意味しているんだ」


Y-Ence      Ahimsa
   左から:『Y-Ence』('87)、『With A Smile』('88)、『Ahimsa』('89)

  -70年代のOde時代の作品も日本では非常に人気があります。この時期の、レーベル・オーナーのルー・アドラーとの出会いを教えていただけますか?

Carol Kingのビッグ・ヒットしたアルバム『Tapestry(つづれおり)』のプロデュースを、ルー・アドラーが担当していたんだけど。その後、Carol Kingを介して、彼と出会ったんだ。」


David T. Walker      On Love
   左から:Odeレーベル作品『David T. Walker』('71)、『Press On』('73)、『On Love』('76)

-そのCarol Kingとのレコーディングや、ツアーは、非常にエキサイティングなものだったと思います。

「1年間、アメリカとヨーロッパで、彼女のオープニング・アクトを務めたんだ。その時は、残念ながら日本には行かなかったのだけれど・・・とても行きたかったんだけれどね(笑)。2枚ほど(『Fantasy』『Rhymes & Reasons』)アルバムのバックでも演奏したよ」

-Carol Kingとの最初の出会いでは、Davidさんが車で帰宅しようとした時に、あるヒッピーのような格好の娘がヒッチハイクしてきて、その時、乗車は断ったけど、後でその娘がデビュー前のCarol Kingだと分かった、という話を聞いたことがあるのですが。

「あはははははは、よく知っているね(笑)。その通りだよ。その後、すぐに友達になれたけどね。彼女とはもう長いこと会っていないけど、今でも大好きで、ずっと友達だと思っているよ。いつでもハグをしてお互いを迎え合うことができる関係だよ。彼女が音楽の中で、どういった事を書くのか、というのもやっぱり気になるしね。」

-前回の日本公演のオープニング曲にもなった、71年の名曲「The Real T.」についてお聞かせください。

「「Real T.」、これは「Real Truth」=本当の真実を意味しているんだ。もちろん、人それぞれによって「真実」というものの捉え方が違うと思うけど・・・。私個人は、スピリチュアルなものや、宗教的なものにも非常に興味があって、そういった意味での、真実に対しての探求を意味しているんだ。神社やお寺に行くことが好きだしね。常に探求する心を持っているということなんだ」

「特にどの宗教に属しているわけではないんだけど、日本で言えば、神道や仏教、ほか地球上のあらゆる宗教や信仰心などに対して関心があり、大きな尊敬の念を持っているよ。日本の仏教にも「スコシ」興味があるんだ。「スコシ」より、「スコシ」多いかも(笑)。仏教にもまた、多くの種類があるというのを知っているよ。どんな土地の人々が、どういった宗教に、どの様に信仰して、どう影響を受けているのか、ということにもとても興味があるんだ。宗教心というものを、自分の音楽に役立てたりしているということだね」

-Davidさんの周りにいる、Chuck Raineyや、Bernard Purdieといった人達も宗教に強い関心を持っていたりするのですか?

「う〜ん、何人かはそうかな・・・。Chuck Raineyもそうかな?彼は、面白い男だからね。そういった宗教や信仰心のようなことには、割と多くのアーティストが興味を持っているようだけれどね・・・でもまぁ、大多数の人達は、そこまで影響は受けていないし、ほとんど興味もないようだけどね(笑)。人それぞれだし、それはそれでいいことだよ(笑)」



―続く―
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