HEMO+MOOFIRE インタビュー

Tuesday, August 26th 2008

 

HEMO+MOOFIRE インタビュー

text : HOSAKA & HORITA(HMV)

※インタビューを最後まで読んでくれた方に、素敵なプレゼントがあります! 必読!


一つのリディムが出来上がって、
ジャマイカの人とも繋がって、
新人発掘も出来て、
レーベルも立ち上げられて、
CDもリリース出来たというね。
運が良かったんだろうね。



--- 僕の世代で言うと、産まれて初めて行ったのが西麻布の今は無き、アフロマニアだったりするんですよね。あと池袋のキングストンクラブとか。

MOOFIRE ということはどこかで会ったことあるかもしれませんね?昔(笑)。

--- そうでですね(笑)。

HEMO そうそう。そういうね、昔レゲエを聴いていて、今は結婚してとか。落ち着いちゃってるけど、どこかで音楽を忘れないでいる、レゲエを好きでいる人ってたくさんいると思うんですよ。でもその情報が単純にその人に届かないだけで。
  さらに、私たちがやっているようなイベントの存在自体を知らないとか。あと、いわゆるジャパニーズ・レゲエというものが流行って。今のレゲエは若者のイメージが強いからなおさらだと思うんです。でもね、“30代でも音楽を楽しめる場所があるよ?”的なこととかをこの場所(Club CACTUS)を通じてやっているんですけどね。

--- いやぁ。同世代としては嬉しいですね。

MOOFIRE 前やったRANKIN TAXIさんなんかが出たイベントで平均年齢50歳くらいじゃないか?というのありましたよ。一番上の歳の人が60歳以上で、一番下が20代で、メインが40代(笑)。。すごくいいパーティで、夜遊びする大人がたくさんいるって素晴らしい事だと思ったんですよ。日本も確実にそういう文化が育っているんだなーって。

--- 改めて、自主レーベル「BACCHANAL 45 Records --バッカナル・フォーティファイブ--」というものを立ち上げることが出来た。それで5年経った。それをまだ維持して活動を続けていられるということはすごいことだと思うんですが。5年前、レーベルを立ち上げようとしたときの苦労話しとかあったら振り返って教えてもらいたいんですが。

MOOFIRE レーベルは、他の人から言われて立ち上げたんだよね?

HEMO そうだね。

MOOFIRE その当時、MIXテープを勝手に作って売ってたんですよ。それが結構好調で。で、“そろそろ自主レーベルやってみたら?”っていうことを周りの大人の人から言われて…。じゃあとりあえずやってみようと。1枚作品を作ってみようって作ったのが、『Escape』。でも最初はほんとに手探りで。何回ミックスダウンしたことか。

HEMO ていうか、“ミックスダウンって何?”みたいなところからはじめたので。“マスタリングってなんだろう?”って(笑)。

MOOFIRE そうそう。でトラック作るにしても私たち楽器が弾けないから、どうしようってなって。じゃあ、大好きなミュージシャンSLY&ROBBIEにやってもらおう! みたいな突拍子も無いミーハーな考えでね(笑)。呼べるわかないかもしれないのに(笑)。でも、色んな人を介して紹介してももらって実現可能な感じになったんですけど、2人呼ぶと高いからどうしようかってなって。
  “じゃあ、SLY様、お願いします!”って(笑)。で、SLY様とやることが実現して。そして、あの当時ディワリが流行り始めてたレンキーにキーボードをお願いして。BPMとかこんな感じっていうのは決めていたので、スタジオで試行錯誤して。結構作りこみましたね、このときは。2人とも私たちの言う事じっくり聴いてくれて。

HEMO そのころはあまり先のビジョンとかを考えていなくて。取り合えず作ったオケでダブプレート録ってアタりがいいかどうか試してみようよ、みたいなノリで。エレファントマンにも参加してもらって唄ってもらったら、“ちょー、いけてるね、このリディム”って言われて。これはいけるねーってなって。
  でもジャマイカの人達って何でも、“いけてるね”って言うんですけどね(笑)。そのときはそこまでわからずで。言われた事をそのまま信じて調子に乗ったまま進めちゃったんですよ。他にも色んなアーティストにも参加してもらって。いい出来になったので、っていう流れですよ。

MOOFIRE そうそう。だって、アルバム全部が出来上がる前に、最初に録った5曲を7inchでリリースしちゃいましたからね。ほんと、勢い。その勢いのまま、その後、日本人のアーティストをレコーディングして。もう、丸々1年半くらいかかったかな結局。リディムを作って、リリースするまで。その後から、“えっと、著作権ってなんですか?”っていう(笑)。“印税って?”とか。“なんで、10%取られるんですか?”みたいな。

HEMO ね。ありえない(笑)。何も知らないままはじめちゃったから。まあ、ジャマイカの人は結果的に良かったんですけど、日本に帰ってきて、“私たちレーベルを立ち上げて、アルバムをリリースするんですけど、参加してもらえますか?”って色んな人に声をかけたらほとんどの人に断られて(笑)。“そんなのどんな作品かもわからないし、様子見てから参加するよー”みたいなね。

--- でも、その声をかけたアーティストは前々から親交のあった方々だったんですよね? だからこそ、“やってやるよ!”っていう人が多かったんじゃないかな?と思うんですけど。

HEMO いや。当時は結構みんなシビアだったんですよ。慎重になってたんです。

MOOFIRE 時代の流れが、ね。レゲエが来る来る!っていう空気になっていたのに、まだ来ない…という。微妙なシーンだったんですよ。

HEMO あと、“契約とかどうなっているの?”、“どういう打ち出し方するの?”みたいなことも言われて。

MOOFIRE そうそう。そしてちょうどレゲエアーティストがメジャーと契約を結びはじめた頃でね。ちょうどメジャーとの契約の問題で葛藤している時期だったというのもあって。みんなもね、アーティスト印税だとかの契約関係のことを全く知らない状態だったから。レゲエの業界、アーティスト全体が理解できていない状態だったから。

HEMO しょうがないよね。でもね、それでも受けてくれたのが、RANKIN TAXIさんで。感謝してますね。あと、Rude Boy Face君ね。でもね、日本人2人じゃ足りないってなって。SHIBUYA FMを日曜日に借りて、「Escape Riddim」を流しっぱなしにして。“レゲエ道場”っていうのをやって。そのリディムに色んな素人さんに唄ってもらってね。新人発掘をやってたんですよ。

MOOFIRE あと、Micky Richとかはクラブでナンパしてね。“あんたいいねぇ”って。それで参加してもらって、それにくっついてきたのが、Ken-Uでね。

HEMO だからなんかこう振り返ると、一つのリディムが出来上がって、ジャマイカの人とも繋がって、新人発掘も出来て、レーベルも立ち上げられて、CDもリリース出来たというね。運が良かったんだろうね。

MOOFIRE そうだね。そうそう、あと、なんで新人発掘をしたかというと。本場のジャマイカのレゲエと繋げられる日本の曲がなかったんですよ。

--- それはいつごろですか?

MOOFIRE 2002-3年かな…。そのころは、レゲエのクラブで日本語のレゲエが流れるのがほとんどなくて。しかも繋いで、ジョグれるのは。音止めて、MC入れて、アカペラとかダブをかけるスタイルはあったんですけどね。私たちは、繋ぎたかった。そういうのをやりたかったからこそ日本人を探していたんですよ。せっかくやるんだったらね、セレクターとしてジャマイカ人と繋げられるボーカルというのを探していたんですよ。よくいえば、そういうことをやる人がいなかったから、隙間産業みたいなものだったんでしょうね。(笑)。

--- いやぁ。隙間というか、それをやれる人がいなかったんじゃないですか?

MOOFIRE というよりも、やろうと思いつく人がいなかったんじゃないですか?私たちはセレクターだから。現場に一番近いところにいるから、他のミュージシャンとは視点が全然違っていたんだと思います。まあ、長くなりましたが、レーベルの立ち上げにまつわるエトセトラはこれが全てって感じですね(笑)。

--- しかし、すごいですよ。何かをやるにあたって、資金がとか、勉強をしてとか。そういうのをせずに突き進んで結果を残しているという。

HEMO 全てが後付けですからね(笑)。それと、やること全てが勉強で。失敗してお金かけての繰り返しで。

MOOFIRE MIXテープで稼いでいたお金を全て、レーベル当初につぎ込んで使い切ってしまったんですよ。

--- もう、勢いですね。

HEMO そうそう。だってジャマイカに行って、“HOW MUCH?”って言ってもわかってもらえないんですよね。日本人のレーベルの人間が直接交渉しに来ることが今までなかったみたいで。だからうちらも払える金額が決まっているから、これしか払えないっていうお金を出してやったっていう感じなんです…。今はいろんなレーベルがやりとりしているので相場が決まってきていると思うんですけど。怖い思いもいっぱいしましたよ。今生きているのが不思議なくらい…。

MOOFIRE それは大袈裟でしょ?(笑)

HEMO まあね。


続く…

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