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時代楽器で聴く『魔法使いの弟子』

2013年12月5日 (木)


「目から鱗が落ちる」が連続。
奇才ロトとレ・シエクルが、
『魔法使いの弟子』を初の時代楽器演奏!


時代楽器による近代名曲を次々リリース、今最も注目される奇才指揮者のひとりフランソワ=グザヴィエ・ロト。彼があの『魔法使いの弟子』を時代楽器で挑戦しました。時代楽器によるこの名作の録音は初めてでもあり興味津々。
 ポール・デュカスはドビュッシーやラヴェルの同世代の友人ですが、自己に厳しく、意に満たない作品をすべて破棄してしまったため、今日13作品しか残っていないと言われています。そのなかで『魔法使いの弟子』は描写的な内容と精妙なオーケストレーションにより、フランスの管弦楽曲を代表する人気作となっています。
 アルバムに収録された3篇は、いずれも19世紀末の作品ですが、オーケストラの楽器も当時のもので揃えられています。今回は日本からの要望が叶い、ブックレットに弦楽器以外すべての使用楽器が明記されているのもマニア垂涎の資料となっています。特に『魔法使いの弟子』で重要な役割を演じるバソン(1900年ビュッフェ・クランポン製)とグロッケンシュピール(ミュステル製)は、一般的な録音と異なった印象を受けますが、これこそまさにデュカスの思い描いた音。目から鱗が落ちる衝撃度です。
 さらに嬉しいのが、録音の多くない『ポリュークト』序曲とカンタータ『ヴェレダ』も収録されていること。コルネイユの悲劇に基づく『ポリュークト』は、異教徒のキリスト教改宗をテーマに、嫉妬に燃える夫と無実の妻の顛末をうねる音楽で描いた感動作。当時のデュカスのワグネリアンぶりを実感できます。パリ音楽院のローマ大賞コンクールで2位となった『ヴェレダ』はフェルナン・ベシエの台本によるケルトの巫女ヴェレダとローマ人エウドレの愛を描いたカンタータ。デュカスの実験的な管弦楽法が興味津々の作品で、たとえば前奏曲でフルートの美しいメロディをヴァイオリンとヴィオラが音の塊で半音階的に支えていくところなど、ドビュッシーやラヴェル、さらにはリゲティやシュニトケにさえも先駆けています。この作品をロトの演奏で聴くことができるのは存外の喜び。
 ロトの演奏は相変わらず才気煥発。歴史的な意義を別としても、これほど面白く生気に満ちた『魔法使いの弟子』演奏は稀で、まさに決定盤登場と申せましょう。(キングインターナショナル)

【収録情報】
デュカス:
1. 交響詩『魔法使いの弟子』 (1897)
2. カンタータ『ヴェレダ』 (1888)
3. 『ポリュークト』序曲 (1891)

 シャンタル・サントン(ソプラノ:2)
 ジュリアン・ドラン(テノール:2)
 ジャン=マニュエル・カンドノ(バリトン:2)
 レ・シエクル
 フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)

 録音時期:2011年4月12日(1,2)、2012年5月31日(3)
 録音場所:ヴェネツィア、スクオーラ・グランデ(1,2) ラベイ・ド・レポー(3)
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

【フランソワ=グザヴィエ・ロト】
1971年パリに生まれたフランスの指揮者。父はオルガニストで作曲家、教育者としても高名なダニエル・ロト。指揮者に転向する以前はフルートも学んでいたため、パリ音楽院でアラン・マリオンとヤーノシュ・フュルストのもとで研鑽を積み、ロンドンのドナテッラ・フリック指揮コンクールで第1位を獲得。この受賞により、ロンドン交響楽団のアシスタント・コンダクターに任命され、ジョン・エリオット・ガーディナーのアシスタント・コンダクターも務めることになる。
これに並行して、ロトはアンサンブル・アンテルコンタンポラン、カーン劇場と密接な関係を築き、さらにトゥールーズ・キャピトール管弦楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、パリ管弦楽団とも関わりを深め、2003年9月にパリ音楽院の指揮科教授となる。2011年9月にはドナウエッシンゲン音楽祭/フライブルク・コンツェルトハウスにて、ヴェーベルン、ブーレーズ、マーラーの交響曲第1番を指揮して、バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団の首席指揮者としてデビューを果たす。
ロトのレパートリーは幅広く、17世紀から現代作品に至るまで、また交響曲、オペラ、室内楽など、精通するジャンルも多岐に亘る。2003年に、ピリオド楽器の室内オーケストラ「レ・シエクル」を創設、ときにはモダン楽器も柔軟に使用して多様なプログラムを取り上げている。「レ・シエクル」とは、日本のラ・フォル・ジュルネのほか、フランス、イタリア、ドイツ、イギリスで公演を行う。
手兵であるバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団とレ・シエクルとの活動を軸に、今後もロンドン響、ベルゲン・フィル、フィンランド放送響への客演を予定するロトは、現在、同世代の中でももっとも多忙な活動をきわめる指揮者のひとり。(キングインターナショナル)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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『魔法使いの弟子』、カンタータ『ヴェレダ』、『ポリュークト』序曲 ロト&レ・シエクル

CD 輸入盤

『魔法使いの弟子』、カンタータ『ヴェレダ』、『ポリュークト』序曲 ロト&レ・シエクル

デュカス (1865-1935)

ユーザー評価 : 5点 (2件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥3,179
会員価格(税込) : ¥2,767

発売日:2014年01月15日

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