ボルヘスの詩に触発された
アルゼンチンの奇才マタロンの世界
マルタン・マタロンは1958年ブエノスアイレス出身の作曲家。ジュリアード音楽学校で学び、1993年以来パリを本拠に活躍しています。フリッツ・ラングのサイレント映画「メトロポリス」に音楽付けをしたことで話題になりました。
マタロンの代表作は、1997年より始めた『トラム』と称する連作で、協奏曲と室内楽の境界を行き来する独特の作風を示しています。現代音楽ではありますが、南米風のリズムの良さと、各独奏楽器の機能を駆使した楽器法が不思議な魅力を放っていて、オススメです。フランソワ=グザヴィエ・ロトはこうした現代作品も非常な巧さを示し、抜群のリズム感とノリの良さで聴く者を惹きつけます。
指揮のフランソワ=グザヴィエ・ロトは1971年生まれ。2011年9月にバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団の首席指揮者デビューを果たし、来年2月にはSWR響との日本公演が予定されています。パリ音楽院でアラン・マリオンとヤーノシュ・フュルストに師事、2000年にロンドンのドナテッラ・フリック指揮コンクールで優勝、ガーディナーの助手を務めた後、2003年にはパリ音楽院指揮科教授に就任。2003年に古楽器オーケストラ「レ・シエクル」を結成、抜群の統率力ときびきびした音楽運びが魅力の、最も期待される俊英のひとりです。(キングインターナショナル)
【収録情報】
マタロン:
1. トラムIV (2001) 〜ピアノと11楽器のための
2. トラムII (1999) 〜クラヴサンと6楽器のための
3. トラムVIII (2008) 〜マリンバと6楽器のための
フローランス・チョッコラーニ(ピアノ:1)
モード・グラットン(チェンバロ)
南恵理子(マリンバ)
レ・シエクル
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
録音時期:2009年11月20日(1)、11月15日(2,3)
録音場所:ロシェル、ラ・クルシヴ(1) アルル、メジャン教会(2,3)
録音方式:デジタル(ライヴ)