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Cherubino_492 さんのレビュー一覧 

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     2021/03/19

    フレミングもティーレマンもオペラの人、ここでのアプローチもリート系のシュワルツコップらの細かい表現ではなく、深い呼吸感を持ったスケール大きなもの。ノーマン&マズア盤に近いが、あちらも名演とは思うが、私には少々大味であった。フレミングは寂寞感、厭世感をも感じさせる。
    「ナクソス島のアリアドネ」と「エジプトのヘレナ」からの場面は、大人の余裕の中の蠱惑的な表現がR.シュトラウスに合っている。
    歌曲4曲は劇的表現のものが選ばれていて、フレミング&ティーレマンに相応しい。フレミングは表現が強くて、歌曲では伴奏が弱いと暴走しかねないが、さすがにティーレマンはしっかり御している。

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     2021/03/19

    R.シュトラウスの冒頭、探るように開始したあと、パッと火が付いたように駆け上がる。彼らを高く評価しているアルゲリッチの演奏スタイルを彷彿とさせる。R.シュトラウスの若書きの、その吹き上げる閃きが勢いをもって表現されてスリリングだ。
    ケルメスはバロックから近代まで幅広いレパートリーがあり、近年はクルレンツィスのソリストとしても活躍している。
    ここではバロックの方法論だろうかノンビブラートで、高音などちょっとハスキーで、後期ロマン派の音楽をロマンティックに傾けない。「ツェツィーリエ」はピアノ四重奏曲の勢いがそのまま反映したような激しいものだが、「夜」以降は抑制の中に緊張感を孕んでいる。感性の鋭さは聴き手に緊張を与える。ケルメスとフォーレ四重奏団は方向性が一致している。
    ピアノ四重奏に編曲された伴奏は、ピアノソロよりも色彩感があると同時に、弦楽器の持続する音が声に寄り添って、なかなか良い。
    マーラーのピアノ四重奏曲も引き締まった表現でグイグイくる。

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     2021/03/19

    グルベローヴァ55歳の舞台、エルヴィーラを歌うには若くはないが、全く衰えはない。この翌年ボローニャ歌劇場と来日してエルヴィーラを歌い、さらに10年以上この役を歌っていた。
    コンチェルターテでオーケストラと合唱の中を切り裂くように突き抜けるパワーと、一方で弱音のゾクゾクする程の張り詰めたコントロール、切れ味の良いアジリタ、どれも素晴らしい。
    ホセ・ブロスも好調で輝かしい声、逡巡するアルトゥーロの心情の表現など充実した出来だ。第3幕の二重唱は実声ギリギリまで頑張ったがFには届いていない。
    オルフィラのジョルジョは声は充分だが、もう少し表現力が欲しい。
    ハイダーは当時グルベローヴァのパートナーで、来日公演でも指揮した。オペラを心得た適切な指揮、小気味良いテンポで歌手を引き立てる。
    良く行われる範囲での慣習的なカットや変更がある。

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     2021/03/19

    いくつかダブっていたが入手し辛いものもあるので購入した。手持ちのものと比較すると音質が改善されている。一言で言うと滑らかな質感となっていて、特に声が聴き易くなった。
    「カルメン」はDeccaのスタッフによるもので、当時の最高に豪勢な録音を目指したもの。版の問題も含めて、その方向性の究極であり、60年代という時代を感じる。
    「エルナーニ」はプライスとベルゴンツィが好調で、他も悪くはない。
    「トロヴァトーレ」は豪華歌手陣が実力を発揮した名演。コソットは名盤として有名なDGのセラフィン盤よりもされにスケールアップした。
    「仮面舞踏会」はプライス以外の歌手も充実している。ヴァーレットのウルリカやグリストのオスカルは見事だし、他に録音がなく貴重だ。
    「運命の力」はプライスの得意なレパートリーで、84年のMETライヴの録画もある。とても瑞々しい声で64年によく全曲録音してくれたと思う。
    「アイーダ」は強力な歌手陣をラインスドルフがしっかりまとめている。ドミンゴが若々しい、というより「青い」。本領は74年のムーティ盤以降だろう。
    「トスカ」は力のある歌手たちが実力を発揮しているが、メータはまだ経験不足だったのかイマイチ噛み合っていない。
    「蝶々夫人」はプライス以外は魅力に乏しい。ラインスドルフ&ローマなら57年のモッフォの方が良い。
    「外套」はカッチリとまとめた集中力のある演奏。若きドミンゴも魅力だ。
    名演揃いだが、「コジ・ファン・トゥッテ」だけは低調な出来だ。67年のモーツァルトならもっと問題意識を持ってほしかった。

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     2021/03/18

    ワルトラウト・マイヤーはさすがの表現力だ。並みの歌手では間延びしそうなほど遅いテンポを取っても、表現の密度が高いので弛緩しない。暗めの声を生かした陰影の深さ、ワーグナー歌手としての底力もあってスケールが大きく豊かな起伏に富んで聴き応えがある。ただ四つの最後の歌はオーケストラ伴奏で聴きたかった。

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     2021/03/18

    主役3人もクライバーも好調で熱い演奏だ。ガスディアは意外とピークが短かかったので新しい音源は嬉しい。次第に調子を上げていき、第3幕二重唱はドヴォルスキー共々の入魂の出来。ドヴォルスキーは初めから声も気力も充実している。若々しい情熱がある。ザンカナーロの引き締まったジェルジョ・ジェルモンも格調高い。クライバーはやはり惹きつけるものがある。情熱的であったり、神妙であったり、痛烈であったり、表現の幅が大きく、またそれがことごとく決まっている。
    録音は舞台前方の吊りマイクで収録したのだろうか、空間の広がりがあることと、聴衆ノイズもかなり拾っていて、良く言えば臨場感がある。音質は特別な瑕疵はないが、音が浅くてクライバーの魅力である音色を捉え切れていない。それでも大変な名演だ。

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     2021/03/18

    四つの最後の歌は、ポップが1993年に亡くなる最後の年に録音された、文字通り最後の歌となった。まだ54歳だったが、83年録音のテンシュテット盤と比べると声の衰えが痛々しい。しかし歌のフォルムは崩れていない。この歌曲集の本質である惜別の念に共感を持って歌われていて、強い感動を受けた。一般的には旧盤が良いが、これは独特の価値をもった録音だ。
    グルベローヴァの歌うブレンターノ歌曲集は、名ソプラノE・シューマンのために作曲された多角的表現を求められる作品。克明な表現が見事だし、もとより技術的には全く問題ないのでこの曲集の理想的な演奏だ。
    マッティラの歌う6曲も、みずみずしく伸びやか、スケールの大きな演奏。初期の「献呈」など若々しさを前面に出しながら細部まで丁寧。管弦楽編曲は作曲者によるもので「すばらしいヘレナ」も挿入されている。
    すべてMTT指揮のLSOによる伴奏。色彩やニュアンスが豊かに表現されている。四つの最後の歌ではもう少し深い呼吸感があればと思ったが、この時のポップに寄り添うと、こうした表現の方が合っているとも思う。

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     2021/03/18

    ノーマンの深々としたスケール大きな歌を、マズアの適度に抑制されたこれもスケールの大きな伴奏が支える、方向性のはっきりした演奏で説得力がある。大河の流れのような安定感と引き換えに多少大味な面もあり、四つの最後の歌には寂寞感は希薄で、自分の人生を振り返る成功者のゆとりのような雰囲気が漂う。とはいえこれだけ雄大な「夕映え」は稀有だ。
    その他の歌曲の編曲はローベルト・ヘイガーによるもので、例えば「献呈」は作曲者編曲での「すばらしいヘレナ」の歌詞挿入はない。

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     2021/03/18

    テノールによるR.シュトラウスの歌曲の録音は意外と少なくて、アルバムとして目ぼしいものはジークフリート・イェルザレムくらいか。比べてしまうとやはりカウフマンの方が良い。カウフマンは重心の低い声で、じっくりと歌っている。パワーに頼らないのが良い。「万霊節」での感情の高まりとその後の穏やかな鎮静など、表現力の高さを発揮する。「献呈」も”heilig,heilig”で力強く歌い上げるが、最後の”habe Dank !”は意外と抑えている(以前ルネ・コロのリサイタルでアンコールで「献呈」を歌い最後の”habe Dank !”をこれでもかというくらい歌い上げたのを思い出した)。
    ドイチェの伴奏もさすがで、陰影の深さ、ふっと緊張を解く解放感など、表現の多様性を求められるR.シュトラウスの魅力を引き出す

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     2021/03/18

    イェルザレムはワーグナー作品で多くの録音やとりわけ録画を残しているが、歌曲の録音は少ない。またR.シュトラウスの歌曲はテノールによるアルバムが少ないので、その意味でも貴重な録音だ。イェルザレムはオペラでも声に頼らず、きちんとした様式を守り「好青年」という印象があって、歌曲でもその資質は生きている。「誘惑」の起伏の大きな多彩な表現は見事。ただ声質が悪くはないが、同時代のコロやホフマン、現代のカウフマンに比べるともう一つ魅力が足りない。マズア&ゲヴァントハウスはノーマンともR.シュトラウスの歌曲を録音して、「献呈」や「あした!」は共通する。比較するとこちらの方が控え目だ。

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     2021/03/18

    テ・カナワの美しい歌はR.シュトラウスの華やかさとその背後の寂寞感を表すのに最適だ。特にマルシャリンは絶品で、録音録画もある。
    ただ四つの最後の歌の場合、少し若やいで感じる。老境にある作曲家の厭世観は感じない。過ぎ去った日への憧れはあるけれど、まだ枯れてはいない。ショルティもウィーン・フィルを色彩豊かにドライブして、老いの影はない。マルシャリンのため息のような四つの最後の歌だ。個性的な名演と言ったところか。
    歌曲も同様の傾向で独特の魅力がある。しかしショルティのピアノは表現が固くてあまり上質ではない。サヴァリッシュもヘンドリクスとオーケストラ歌曲もピアノ伴奏もしているけれど、ずっと上手だった。

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     2021/03/17

    WARNER盤CDでのレビュー。個性的を通り越して第1番など風変わり。緊張感を抑えて第1ヴァイオリン主体の横の線が際立つ表現で、各パートが折り重なるように進む。よくある内声部をしっかり鳴らし重厚な響きで強固に構築されるブラームス演奏を敢えて回避したかのよう。そのため独特の美しさと引き換えに、ここで表現されていないものも少なくない。頭拍の音のタメと、バルビローリ節とも言えるアゴーギクのせいか、意外と流れ重視ではなく、じっくり聴かせる。翳りを帯びた弦楽器の美しさは印象的で、管楽器も特にオーボエとホルンが素晴らしい。手放しで名演とはとても言えないけれど強く印象に残る演奏だ。

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     2021/03/17

    集中力の高い大変に充実した演奏。半世紀前に既に日本のオーケストラはこれだけの高みに達していた。現在と最も違うところは響きの質に豊かさが欠けるところで、これは録音の古さだけではなく実際にこういう音がしていた。サヴァリッシュは細部まで意思を徹底させていて、表情はかなり入念なもの。テンポの揺れ、強弱の質など細かく繰り出す。これにオーケストラが良く応えている。サヴァリッシュがバイロイトに登場した頃はその清新な表現が新しい世代の指揮者という位置付けだったと思う。しかしここでは、もちろんロマンティックに崩れることはないものの、今の感覚からすると古風なアゴーギクが多々あるし、いかにもドイツ的な大きなタメを作って開始される曲(ツィクルス冒頭のエグモントなど)もある。指揮者によっては流れ重視のところも、ぐっと踏みしめるように着実にオーケストラを鳴らし切るのも特徴だ。慣習的な楽譜の改変については当時としてはこれでも楽譜に忠実な演奏となるのだろうか?「エロイカ」は重厚な響きで開始されたあと第1主題が柔らかな表情を交えてニュアンス豊かに演奏され、表現の幅を感じる。しかし曲によってはやや単調に感じた部分もある。合唱幻想曲のピアノは自由な即興性よりも気迫が上回っていて、全体の方向性の通り。声楽は独唱も合唱も良い出来。特に30代の大橋国一の堂々たる美声が嬉しい。4年後の早世が惜しまれる。音質は明瞭でノイズも少なく安定している。音場が平面的に展開する典型的なNHK-FM放送のもの。ピアノがオンマイク過ぎる所に時代を感じる。

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     2021/03/17

    音質は50年代のライブとしては優秀で、同時に発売された10月27日の低域のゴロゴロというノイズもない。時々音が引っかかる事がある(特にブラームスの第1楽章)のと、音量が急に小さくなる事がある。ベルガーの「オイゲン公の伝説」はそれほど名曲とも思えないが貴重な録音。シューベルトの未完成は後年の演奏ほど陰影の深さがない。第1楽章の緊張感も緩め。第2主題など気楽に聞こえる。ブラームスも含め、同時期のセッション録音と比べて全般的にポルタメントが深めなのが興味深い。

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     2021/03/16

    ハイティンクの指揮は落ち着いた運びの中、情感豊かに歌われる風格のあるもの。強いて言うと序盤のブッファ風の場面は少しもどかしい。79年グラインドボーンの方はもっと溌剌とした生気があった。
    チューリヒのオーケストラは透明感が高い。合唱団も弱音でも響きの豊かさを失わない上質なもの。レオノーレ序曲第3番はアタッカで演奏される。
    ディーナーはバイロイトでエルザの経歴もある人で、決して力任せにならず、真っ直ぐな表現の中に人間的な温もりもある。
    サッカはフロレスタンとしては軽めの声、表現としては浅くなってしまうが、明るく伸びのある歌は希望を失わない。
    ガッロは声の魅力は以前より衰えたけれど、ピツァロを頭脳派の悪人として存在感がある。
    ムフはこの後チューリヒではピツァロを歌っている(別演出でアーノンクール指揮)。こちらのロッコの方が出来が良い。
    タールバッハの演出は、女優出身からか細やかなもの。例えばマルツェリーネはシャボン玉を飛ばしながら歌ったり、フィデリオのコップにお茶を注ぐ時見とれてこぼしそうになったり、そのくせ自分からキスしたり、ときめく乙女心を表している。ピツァロもロッコを説得する場面で芸達者なガッロにあの手この手を繰り出させ抜け目のない悪役を作る。レオノーレがナイフを持ったピツァロの前に立ちふさがって「彼の妻から殺せ」と胸を肌けるのはインパクトがある。歌手に豊かな表情を求めていて、いわゆる目力があるが、これは客席から舞台を見たのでは前の方の席でないと分からないだろう。この点については映像に分がある。

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